寮美千子ホームページ ハルモニア Cafe Lumiere (No.0067)

寮美千子/軽い話題の掲示板

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寮美千子  いいことをしているからって、挨拶なしでいいわけではない 2006年09月25日(月)13時12分23秒
ぼく自身の言葉です。 へのコメント

▼ドロンコさま
確かに、ここに書き込んだのはドロンコさんの言葉だったでしょう。
ただ、その言葉のどこにも、わたしへの、そしてこの掲示板への挨拶の言葉がない。
わたしは言いたいのは、そのことなのです。
ドロンコさんは、自分の言いたいことだけを言っている。

おなじように、わたしの友人である鳥海さんの掲示板にも、
ドロンコさんから、このお知らせがありました。
そこにも、挨拶の文言はありませんでした。
鳥海さんの掲示板は「星野道夫」をめぐる掲示板です。
「星野道夫」関連の情報ではないのに、
「星野道夫」のホの字もなし、掲示板や主催者への挨拶もなしに、
自分の言いたいことだけを語るのは、失礼です。
わたしの友人が、別の友人の掲示板でそんな行動をして、わたしは恥ずかしいです。

マルチポスト、というのは、正確ではありませんでしたが、
わたしが言いたかったのは、
他人の掲示板に乗り込んできて、勝手に自分の情報の告知だけをするのは、
マルチポストとなんら変わらない、ということです。

挨拶もなにもない勝手な告知は、いつも即削除することにしてきました。
ドロンコさんは古い友人だったし、
告知の方法が悪いだけで、告知の内容が悪いわけではなかったので、残しました。
これが、見知らぬ人の投稿だったら、
どんなにいい内容でも、挨拶なしの投稿は即削除していたところです。
失敗したと思っています。
友人だからと温情で残したりしないで、平等に削除すべきでした。

あなたがわたしの友人だと知っているのは、ごく一部で、
みんなは知らないのです。
だから見ている人に「ああ、これでいいんだ」と思われたら困る。

何度もいいますが、掲示板は「他人の家の庭」です。
そこに入っていって何か語ろうとするとき、
挨拶が必要なのは当然のことです。

ドロンコさんにとっても、わたしにとっても、
下北沢は人生と切り離せない町です。
会社を辞めてから、ドロンコさんに再会したのも、下北沢でした。
そういうことに、ちょっと触れるだけで、
読んでいる人は「ああ、こういう流れなのだな。
それで、ここで下北沢の告知をするんだな」とわかります。

むずかしいことをいっていない。挨拶をしてくださいといっているだけです。
全然理解していない(しようとしない)あなたの釈明の投稿で、
せっかく告知した金沢の講演会や、画家さんの了解を得て掲載させてもらっている
イラストが下に行ってしまうのは、痛恨です。

いい運動をしていても
「自分がやっていることは正しいことだから、みんなが耳を傾けるのは当然」
「挨拶なしに告知だけしてもいい」というのは間違いです。
そんな傲慢な態度では、人々の反発を招きます。

どんなにいいことをしていても、だからといって、
礼儀知らずが許されるわけではないのです。
各々が個としての礼を尽くしてこそ、運動も大きく広がっていくのです。

ご自分の告知方法について、ご一考ください。
反省はご自分の心のなかで。ここには書かないでください。

DORONKO  ぼく自身の言葉です。 2006年09月25日(月)10時15分26秒 http://hago06.at.webry.info/
ろうそくの炎/掲示板とは へのコメント

>マルチポストで同じ文面をあちこちに投稿するような告知は、ご遠慮ください。

もう少し説明を入れるべきだったかも知れません。

以下の言葉は、誰から借りてきたわけでもないぼく自身の言葉です。
これと同じ文面を、他のどこにも書いたりはしていません。

今後は、誤解が起きないよう、さらに注意したいと思います。


寮美千子  10/8 金沢で寮美千子講演と朗読会 2006年09月23日(土)22時21分38秒
▼遊星たちの消息:寮美千子朗読の夕べ……詩、そして「夢見る水の王国」 @金沢茶房犀せい へのコメント

来たる10月8日、金沢で、寮美千子の講演と朗読会があります。
午後1時半から泉鏡花記念館で講演、午後7時半からは茶房犀せいで朗読会です。
金沢近辺のみなさま、ぜひお越しください。

■寮美千子講演「幻想文学としての絵本−わたしの童話創作法」 @泉鏡花記念館
■寮美千子朗読の夕べ……詩、そして「夢見る水の王国」 @金沢茶房犀せい

茶房犀せいでは、北國新聞の月刊誌「アクタス」10月号から連載がはじまった新作「夢見る水の王国」を初朗読する予定です。挿画を描いてくださっている石川県在住の画家の上出慎也さんも、いらしてくださることになりました。実は、上出さんとは、この会場で初顔合わせのわたしです。

みなさまも、ぜひ! お待ちしています。

画:「アクタス」10月号「夢見る水の王国」挿画より by 上出慎也氏


寮美千子  ろうそくの炎/掲示板とは 2006年09月23日(土)22時07分46秒
23日の夕方、お時間のある方は下北沢に! へのコメント


きょうは、下北沢ではたくさんのろうそくの炎が灯されたことでしょう。

ろうそくの灯には、人の心をなごませ、思慮深くさせる何かがあるように感じます。
そして、なにより揺れる炎を見つめるだけで、深く祈りたくなるのです。

奈良にも、燈花会、春日大社の万燈会、東大寺の万燈供養会をはじめ、
たくさんの、蝋燭を灯す行事があります。
そこには、たくさんの祈りが満ちています。

下北沢は、わたしが二十代のほぼすべての時間を過ごしたところ。
なつかしい街です。
祈りが大きな輪になりますように!

ドロンコさん、ご案内ありがとう。


しかし、この掲示板は「寮美千子をめぐる」「開かれた」「対話」の場です。
いろいろな方が見ます。
ドロンコさんが、わたしの古い友人だと知らない人も見るでしょう。
そのような人々にも、一体どのような文脈で
下北沢の催しがこの掲示板に書き込まれたのか、わかるようでなくてはなりません。
掲示板の対話とは無関係に、一方的に告知だけをするような投稿は、
基本的にはダメです。
事務局のボランティアで忙しいのはわかりますが、
マルチポストで同じ文面をあちこちに投稿するような告知は、ご遠慮ください。
もちろん、告知をやめてください、といっているわけではありません。
せめて、挨拶文一つあれば、記事の内容は同じでも構わないのです。
要は伝えたいという「心」であり、そのための「対話」です。
掲示板という「輪」のなかで、人々に何かを伝えようとするとき、
どう語れば、人は耳を傾けてくれるか。
いきなりビラを突き出すように、情報だけ書いても、心は伝わりません。
よろしくお願いします。


DORONKO  23日の夕方、お時間のある方は下北沢に! 2006年09月21日(木)14時10分50秒 http://hago06.at.webry.info/
▼遊星たちの消息:キャンドルライト・デモンストレーション〜下北沢を光でつなごう!〜 へのコメント

世界的なアーティストのキャンドルアートを見れたり、
素敵に熱い(だろうと思います)音楽を聞けたり、
楽しさいっぱいのイベントになると思います。

でも、キャンドルを持って街の中に立ってみるのは、そこが
下北沢だといっても、正直、なかなかシンドイかも知れません。

そんな時は、無理なんかしなくていいんです。

アートを見て、聴いて、ゆっくり食事でもして帰るのも、
とってもアリだと思います。

そして、下北沢という街を、これまでよりももうちょっと余計に
好きになってくれたらいいなと思います。

#準備する側の一人として、大変ではありますが、何とか、
 ハタ迷惑になどならないよう、頑張っております。

寮美千子  9/20 「夢見る水の王国」連載開始! 2006年09月21日(木)10時39分21秒

『楽園の鳥』にも登場した作中作「夢見る水の王国」が、
ついに商業雑誌の連載小説として登場!
9月20日発売の 北國新聞社の月刊誌「アクタス」10月号に第一回が掲載されました。
海辺の町……
少女マミコを襲う突然の悲劇
すべての記憶を失った少女は
失われた「名前」を探しに もう一つの世界へ
そこで待ち受けるものは……
共に旅する木馬の正体は……
背景に見え隠れする金沢の風景
     「アクタス」9月号・予告記事より
舞台は、房総の港町「天羽」。
そして幻想の「ハルモニア」。
一連載50枚一挙掲載で読みごたえたっぷり!
石川県在住の画家さん、上出慎也氏の力のこもった挿画もすてきです。
よろしく!

こちらに関連記事。
http://d.hatena.ne.jp/ysk/20060920

寮美千子  祝!売り切れ! 「詩と思想」8月号 特集フェイク 2006年09月21日(木)10時34分48秒
版元でも品切れでした へのコメント

「詩と思想」8月号 特集フェイク、早くも売り切れとのこと。すごい! おめでとうございます。快挙ですね。

8月号は売り切れだし、9月号ももう出たし、一色さんのお許しがでれば、近い将来、寮美千子の短編「泣いた青鬼」を、寮美千子サイトに掲載したいと思います。よろしくお願いいします。

寮美千子  童話作家の卵さんへ 2006年09月21日(木)10時28分12秒
お久しぶりです。 へのコメント


ある日、わたしの中学高校時代の友人から「おもしろい童話を書く子がいるんだけれど、会ってやってくれないかな」と連絡がありました。友人は、フリースクールを運営。彼女は、そのボランティアとして活動しているそうです。友人がその子の作品を読んで感心して「同窓生に、童話作家になった人がいる」というと「ぜひ会いたい」というので、お声がかかりました。

引っ越しで死ぬほど忙しかったので、原稿を送ってもらったのは、彼女に会う直前。彼女はまだ十代。文章のしっかりしていることに驚かされました。着眼点も面白い。ただ、もっとじっくりと考え、心のなかで反芻し、考えをあたためたら、もっともっといい作品になるはず、と思いました。

さて、はじめて彼女に会うことに。彼女は千葉在住なので、所用で奈良から千葉へ行ったときにお目にかかりました。郊外のファミレス。紹介してくれた友人と、彼女のお母さんもいっしょです。わたしの作品、せめて絵本くらいは目を通してもらっているかと思ったのですが、これが違いました。「寮美千子の指導を受けたい」ではなくて、「プロの童話作家の指導を受けたい」ということだったのです。

寮美千子は憤慨。文句たらたら。わたしは「先生」じゃない「物書き」だ。ボランティアで作品指導をする「いい人」になるつもりはない。せめて、わたしの作品を読んで、心に引っかかるものがあって、その寮美千子に会いたい、作品を読んでもらいたい、というならともかく、これでは納得できない。だいたいNくん、きみもいけない。彼女を連れてくるなら、その前に「一冊くらい読んでおきなさい」くらい言ってあげなくちゃ。でもまあ、せっかく来たんだら、彼女の作品の感想を。

といったら、彼女、作品のプリントアウトを持参していませんでした。わたしは、奈良出発直前、作品をメールで受け取って、出がけにネット経由で見ただけで、プリントアウトまで持っていません。うーむ。彼女のおかあさんが慌てて「じゃあ、いま取ってきます」と緊急に作品を取りにお家に戻られました。

そんなこんなで、作品批評開始。例えば「木」に関する物語。木は、自分の人生をつまらないと思っている。彼女に「あなたもそう思うの?」と聞くと「はい。動けないから、つまらないと思います」との答え。

ほんとうにそうかな。ほんとうに木に気持ちになったらどうだろう? せかせか動いている人間を見て「ああ、せわしなくて気の毒だなあ」って、木は思わないかしら。お天気は毎日違う。雲の形も光の色も、風の匂いも毎日、毎時間違う。それをじっと見ていられる木の人生って、すてきじゃないかな。訪れる小鳥がいる。虫たちもやってくる。遠くの土地の話を聞かせてくれるかもしれない。夜には、満天の星をひと晩じゅう見ていられる。そんな暮らし、すてきじゃないかな。退屈なんて、思うかなあ。

擬人化っていうのは、木を人間の気持ちで見ることじゃないんだよ。木になったらどんなどんな気持ちだろうって、人間が木の気持ちになってみることなんだ。

心のなかにしっかり抱いて、じっとじっと考えることが大切。あっためることが大事。そうすれば、卵がかえるみたいに、新しい物の見方が自分の中から生まれてくる。

木の視線で、鳥の視線で、遠い昔に生きていた子どもの視線で、いろんなものの視線で世界を見たらどう見えるか。それを試すことができたら、人生を何倍も何倍も楽しめるんだよ。

彼女は、とても素直にきいてくれました。あれだけ文章がしっかりしています。物語を最後まで書き通して完結させる力もあります。心のなかで物語の卵をあたためることができたら、きっとすばらしい物語を書く人になるでしょう。


かなちゃん。『星兎』を読んでくださってありがとう。どうかあなたの心に棲みついたうさぎと、ときどき話をしてやってくださいね。あなたの心の力を信じて、その心のなかに、いろんな思いをしっかり抱き、その卵を孵して、すてきな物語を生みだしてください。あなたの力なしには生まれない物語の卵が、きっといっぱい眠っていると思います。


うーん。それにしてもかなちゃんは恵まれている。わたしには、そんな理解のある親も、手助けをしてくれる大人も、そばにいませんでした。茨の道を藪こぎしてきた。いまも藪こぎです。うらやましいなあ! ほんと!

一色真理  版元でも品切れでした 2006年09月20日(水)22時38分56秒 http://homepage3.nifty.com/suiheisen/
「詩と思想」の入手はこちらから へのコメント

すみません。
今日問い合わせたら、フェイク特集号は版元でも、
「売り切れです」と言われました。
ただ、まだ私の手元には数冊あります。
どうしても寮さんの作品を読みたいという方には
早い者勝ちでおわけします。

なかだかな  お久しぶりです。 2006年09月16日(土)20時56分04秒

お久しぶりです、先日は私などの作品を真剣に見て、
指導して下さりありがとうございました。
すごく心に残りました。
あれ以来自分の中に生まれた登場人物をもっともっと
あたためようと思っています。
それなのに寮さんの作品を読んでないなどという
本当に失礼なことをしてしまい本当にすみませんでした。
それで、あの後インターネットで「星兎」を注文して
読みました。
なんでこんなに素敵なお話を読まなかったんだろうと
思いました!。うさぎの純粋さが切ない程に愛しく思いました。
うさぎとユーリはもう私の一部になったんだと感じます。
「楽園の鳥」も。
今読み途中です。
それからラジオスターレストランも読み途中です。
読んだらまた、メールします。!

寮美千子  「詩と思想」来年3月号/特集 理科系の想像力 2006年09月16日(土)02時13分39秒
「詩と思想」の入手はこちらから へのコメント

一色真理さま

「詩と思想」のご案内、ありがとうございました。
来年の3月号は「理科系の想像力」ということで、
わたしにもお声をかけてくださり、ありがとうございます。
科学者へのインタビューということで、
お話を聞きたい方のお顔がすぐに10人くらい浮かんでしまいます。
奈良に来たので、ここはひとつ奈良の科学者を、と思っています。
天文とは切り口が違う、寮美千子としては新しい領域の話題になるかもしれません。
よろしくお願いします。

みなさまも、ご期待ください!

寮美千子  9/17 春鹿酒蔵まつり’06/日本酒ヌーボーのきき酒をしよう 2006年09月15日(金)23時34分14秒
▼遊星たちの消息:春鹿 酒蔵まつり’06 へのコメント

奈良を歩くと、そこここに酒屋があるのに驚かされます。
わが家の徒歩3分以内に、なぜか4軒も。
そのうちの一軒「西田酒店」は、ベランダから直行すれば
マンションの玄関より近いのです!

飲み屋が多いのにもびっくり。
住宅地のど真ん中にもあるし、なかには看板が掛かっていないお店も。
しかもそれが「一見さんお断り」の風情ではなく「大衆酒場」らしい。

そして、地酒の醸造元が多いのにも驚かされます。
大手酒造会社にしてやられないで、
みながんばってお商売をしているところが頼もしい。

そんな醸造元のひとつ、「春鹿」の酒造祭りが「蔵ショップ」であります。
みなさまも、ぜひ!
よおし、行って「きき酒」してくるぞー。

       本日「夢見る水の王国」の連載第2回を脱稿した寮美千子より

寮美千子  月蝕歌劇団 大阪公演「静かなるドン」 2006年09月15日(金)22時21分49秒

東京を本拠地に活動してきた月蝕歌劇団の「静かなるドン」大阪公演が、
9月15〜17日、天王寺であります。

わたしが、劇団の主宰者である高取さんにはじめて会ったのは30年前。
明大前のキッドアイラックホール。
詩の朗読をしていた過激な若者が高取さんでした。
その過激青年と下北沢のネバーネバーランドで再会。
飲み仲間、というか、飲み屋でよく顔を合わせる仲となりました。

美少女多数を劇団員にしている月蝕歌劇団。
今回の作品「静かなるドン」も、高取さんの脚本&演出です。

この作品、ロシア文学のショーロフの小説「静かなドン」だと思い、
過激中年高取さんも、いよいよ文芸回帰か、と思いきや、
「静かなドン」じゃなくて「静かなるドン」。
新田たつおの漫画でした。

高取さんは、京都精華大学のマンガ学部の教授をなさっていらっしゃいます。
また、かつては寺山修司の側近でもあり、この7月に、平凡社新書から
『寺山修司 過激なる疾走』を出版。
この本は、多面的だった寺山修司の全貌がこれ一冊でわかる、というだけではなく、
そばにいたからこそ見えてきた姿、聞いた生の声などがちりばめられ、
新書ながら、寺山修司が立体的に見えてくる手応えある一冊になっています。

わたしは、明日の夜の部へ。みなさまも、ぜひ!

一色真理  「詩と思想」の入手はこちらから 2006年09月08日(金)21時31分55秒 http://homepage3.nifty.com/suiheisen/
泣いた青鬼/『詩と思想』8月号 特集「フェイク」に掲載!  へのコメント

ごぶさたしています。
「詩と思想」の編集をお手伝いしている一色です。

寮さんにご執筆いただいた「泣いた青鬼」が掲載されている
月刊「詩と思想」8月号は既に店頭にもなく、
オンライン書店でも品切れになっているようですが、
出版元の土曜美術社の下記HPのメールアドレスから
ご注文いただくことができます。
よろしくお願いします。

なお、「詩と思想」来年3月号の特集「理科系の想像力」にも
寮さんには対談でご登場いただく予定です。
そのご予約もこちらからどうぞ。(鬼が笑うね)


http://www5.vc-net.ne.jp/~doyobi/

寮美千子  絵本『すてきなすてきなアップルパイ』 9/15 新発売!   2006年09月06日(水)09時54分08秒

2004年12月、すずき出版のこどものくにたんぽぽ版から発行された作品「すてきなすてきなアップルパイ」、ご好評につき早くもヴァージョンアップ、書店発売になります。定価は千円とお手頃価格、もちろんハードカヴァーです。保育園や幼稚園で直接販売していたため、いままで一般の方の手には入りませんでしたが、これで、どなたにも見ていただけるようになりました。絵の篠崎三朗先生が、新たにタイトルを書き起こしてくださいました。できあがりが楽しみです。

神奈川の食育を考えるグループの小宮山さんをはじめ、みなさんのお声が出版社に届いたお陰です。ありがとうございます。一足先に、新版のあとがきをご紹介します。
【地球をまるごと「いただきまーす!」】

 食べるってふしぎです。さっきまで「りんご」だったものが、食べたとたんに「わたし」になる。その瞬間、りんごの命が消えて、わたしの命になるのです。りんごだけじゃありません。お米や菜っぱ、お魚やお肉だって、みんなみんな命。食べるということは、かけがえのない命をいただくことなのです。そう思えば、一粒のお米だって、無駄にはできません。
 その命を育ててくれたのは、おひさまの光や、やわらかな雨、やさしい風や、大地です。そうです! わたしたちは、おひさまや雲や土を食べているのです。もしも、空や川や海や大地を汚したら、わたしたちの体も汚れてしまうでしょう。
 そんな大きな命のめぐりに気がつけば「いただきます」のほんとうの意味が見えてきます。めぐりめぐる輝く命を「いただきます!」。光や雨や風や土、地球をまるごと「いただきまーす!」。

寮美千子  泣いた青鬼/『詩と思想』8月号 特集「フェイク」に掲載!  2006年09月06日(水)00時30分53秒
泣いた青鬼〜笑いすぎてしまいました〜 へのコメント

▼silicaさま
いつもいつも、あたたかい作品批評、ありがとうございます。
自分の書いた作品でも、すっかり忘れてしまうわたしは、
そうか、そんなに面白いのか、と、あらためて『詩と思想』8月号を開き、
自分で読んでみて、大笑い。自分で言うのも何ですが、
かなりのスピード感があって、ぐいぐい進んでいって、ぎゅいんと終わる。
これは「平気の平太郎」に通じるわたしの作風だなと発見しました。

silicaさんは、以前に「平気の平太郎」の感想も寄せてくださっています。
silicaさんが読むと、主人公がみんな寮美千子の顔になっちゃうんだね、あはははは。
今回は、寮美千子は、金髪を振り乱す一本角の赤鬼です。
わが相棒が青鬼とは、うーん、かわいそう!
だって、うんと酷い目に遭うんだもの。

『詩と思想』8月号掲載の「泣いた青鬼」。
みなさまも、ぜひ読んでみてください。よろしく!

寮美千子  門坂流個展@丸亀/すべての道はコニシさんへ通ず 2006年09月06日(水)00時11分38秒
常に寮さんが立ち現れて、感服しております へのコメント


丸亀「あーとらんどギャラリー」での、門坂流画伯の個展は今年で2回目。
相棒松永と二人でかけつけました。
初日と翌日で、ペン画、水彩、版画にいくつもの作品に赤丸がついていました。
やはり、1年目は様子見、2年目で心を決めた、という方が多いようです。
継続は力なり、は、個展にも当てはまるのだなぁと思いました。

今回は「出版の仕事」と題されていますが、実に多彩な本が並んでいました。
ミステリー、純文学、紀行文、時代物など、さまざま。
「俺が俺が」という狭い範囲での個性を追求した作品ではなく、
ただそこに石があるように、
その石が地球創世以来のすべてを擁しながら黙しているように、
そこに存在する門坂作品。
だからこそどんな作品にもフィットする、という門坂魔術を見せられた思いです。
門坂作品は、見る人の心を反射します。
見る人によって、それぞれの物語が浮きあがってくるのです。

だからこそ、一点一点見ると、
まるでその作品のためだけに、その絵が描かれたように見えます。
でも、まとめてみると、そのすべてが紛れもなく「門坂流」。
作家よりも、画家の個性の方が先に出てしまうような力強さを持っていました。

丸亀3日目は、門坂さんといっしょに、映画「UDON」のロケ地やセットを見学。
これがめちゃめちゃ面白かったけれど、いずれ報告しましょう。
さらに、沙弥島(瀬戸大橋から見える島)の海岸に行ったりと、
門坂さんの画のテーマの取材を含めた観光。
丸亀が実家の松永のお母さまに案内していただきました。感謝!

JR坂出駅で解散。
門坂さんは、深夜バスで町田、わたしと相棒は「青春18きっぷ」で奈良へ。
以前は隣町に住んでいたので、「帰り道」というと、
いつも門坂さんといっしょだったのに、
別々の場所に帰るのが、とても変な気分。不思議な気持ちでした。
なんだか、ずっとずっとすぐそばに住んでいるような気がしてしまいます。
ちょっとさみしい気持ちになったなあ。
奈良にも、来てくださいね、門坂さん!

▼小西昌幸さま
どの線をたぐっても、みな「小西昌幸」氏につながってしまって、
びっくりしているのはこちらです。
すべての道は小西さんへ通じているが如くです。
それだけご活躍ということ。
凄まじくお忙しそうですが、どうか、お体お大切に。
お互い、かの伊福部昭先生のように、生涯現役で長生きしましょう!

silica  泣いた青鬼〜笑いすぎてしまいました〜 2006年09月05日(火)18時32分36秒

「詩と思想」というご本。町の書店にふらっと寄って買い求めようとしてもなかなか手に
入りません。読みたいなあ、読みたいなあと思いつつ、ここの本屋さんにもなかった。
そんな日が続いて、やっとネット書店経由で手元に来ました。おあずけの日々が続いての
ことでしたので、ゆっくりじっくり味わおうと思ってページをめくりました。ああそれなのに、
あっというまに食べて、いえ読んでしまいました!読み始めたら、頭の中で舞台が進行し始め、
寮さんご夫婦が主人公の鬼の夫婦姿となって登場してきました。物凄くコワイ顔をした鬼の
奥さん、ということになっています。でもとっても心がやさしいのです。鬼の旦那さまも。
場面が展開するたびに金髪頭で1本角のある寮さんが演じてくださるから、もう大爆笑。
おなかの皮がよじれそうになりました。「フェイク」が特集のテーマですので、どこかで聞いた
物語もどんどん出てきちゃうのです。寮さんでなくては書けないせりふのおもしろさ。
こんなお話を書けるかたは「子供の本」だけを書く作家さんの中にはおられないことでしょう。
寮さんの童話はおしまいに結論なんかもっていらっしゃらない。「自分で考えなさい。」と
ポカリ、いえ、べきっと角をへし折られてしまいます。大事なことは物語の途中、途中に
織り込まれていて、心ある人ならば幾度となくほろりとすることでしょう。(でも笑うけれど)
フェイクの物語は親しみやすい童話からスケールの大きい神話のような設定も内包していて、
それを料理された寮さんはつくづくすごいなあと思いました。
「おもしろかったでしょう?」と聞いたら娘も即答で「うん!」


小西昌幸  常に寮さんが立ち現れて、感服しております 2006年09月03日(日)08時45分14秒
9/2〜24 門坂流『 出版(書籍)の仕事・版画展』@丸亀 へのコメント

■徳島の小西です。9月2日、丸亀に行けず、申し訳ありませんでした。職場で貸し館の催しがあり、動けませんでした。お許しください。丸亀のギャラリーには、ツネマツマサトシさん(元フリクション)の個展+ミニライヴのときにお邪魔して、今も案内をいただいています。ご盛会をお祈りいたします。

■8月13日、阿波踊りで徳島入りされていたサエキさんと話していて、寮さんの妹さんと同級生だったことを聞かされました。私の方こそ、海野十三研究を深めると、寮さんのおじいさんのことが出てまいりますし、坂田明さんとも共演を果たされていて、何かをしていると寮美千子さんが現れて、驚くことの連続です。

■高取さんとは1977年だったと思いますが、新宿のブルース酒場セラヴィでお会いしました。板坂剛さんや平井玄さんや府川充男さんも同じ場所にいました。ふと気が付くと、約30年も前のことでした。恐ろしいことです。イヤハヤ。私は果たして何を、世の中に刻めているのやら。

■長男が大学生で大阪に下宿しています。妻と奈良や京都の神社仏閣めぐりをたまにしています。また、お目にかかれると存じます。今後ともご指導方よろしくお願いいたします。健康第一で共にぐわむばりましょう。おじゃましました。

寮美千子  9/2〜24 門坂流『 出版(書籍)の仕事・版画展』@丸亀 2006年09月01日(金)20時11分33秒
▼遊星たちの消息:2006 KadosakaRyu 門坂流『 出版(書籍)の仕事・版画展』 へのコメント


明日9月2日より、四国は香川県の丸亀で門坂流画伯の個展が開催されます。JR駅前の「あーとらんどギャラリー」で24日まで。【2006 KadosakaRyu 門坂流『 出版(書籍)の仕事・版画展』】と銘打ちながら、『楽園の鳥』が出品されていないのはなぜ? それでもわたしは応援にかけつけます。みなさまも、ぜひ!

▼小西昌幸さま
というわけで、わたしは明日、丸亀へ。小西さんもぜひいらしてください。お待ちしています。

北島天水ナイト、またまた面白いそうな企画ですね。坂田明さんとは以前『楽園の鳥』連載完結記念朗読コンサートでご一緒させていただき、サエキけんぞうさんとは、水戸芸術館主催の映画祭関係の朗読会でご一緒しました。そして、サエキさんは、わたしの妹の中学時代の同級生であり、わたしの中学高校の後輩でもあります。ご縁ですね。

先日、下北沢で高取英さんと会ったとき、高取さんが、大昔から小西さんとお友達だったときいてびっくり。高取さんはシモキタ飲み友だちでした。あらゆる線はコニシに通じる。うーん、凄い!

小西昌幸(徳島)  9・23【北島天水ナイト/マンダラ+ジャズwith坂田明】にご注目を 2006年08月15日(火)14時37分01秒 http://www.town.kitajima.lg.jp/hole/event/p20069.html
▼遊星たちの消息:北島天水ナイト/マンダラ+ジャズwith坂田明 へのコメント

■寮美千子さん、お世話になっております。宇山さん、本当に残念なことでした。驚いています。私はお目にかかることはありませんでしたが、幻想文学や本格ミステリの愛好者は、皆、宇山さんのお世話になったといっても過言でないわけです。つつしんでご冥福をお祈りしたいと思います。
■9月23日に私の職場(北島町創世ホール)で、坂田明さんとサエキけんぞうさんが出演する催し【北島天水ナイト】を開催します。催し情報欄に書かせていただきました。以下、その経緯と概略を書かせていただきます。
■徳島県では、10月13日から15日まで「天水」をテーマに《第28回日本文化デザイン会議》が開かれます。テーマの「天水」とは徳島の方言で「夢中になる」「有頂天」などの意味があります。北島町創世ホールは、過去に伊福部昭先生の卒寿記念祭をしたり、長谷邦夫さんや九條今日子さんや種村季弘さんの講演会などを積み重ねてきました。これらの実績は日本文化デザイン会議の志向と合致し、天水というテーマとも合致します。その天水的施設の創世ホールで、同会議のプレ・イヴェントとして、上記催しを実現することになりました。天水的ジャズ演奏家・坂田明氏と天水的ニューウェイヴ歌手・サエキけんぞう氏が、公的場で初めてあいまみえる画期的催しです。坂田明氏を中心に、彼のグループの演奏、70年代新宿ジャズ文化を熱く語るトーク・ショー、徳島大学歯学部出身・サエキ氏のミニ・ライヴをマンダラ的に配置し、阿鼻叫喚と熱気に満ちた3時間をお届けします。どうかご支援を!


http://www.town.kitajima.lg.jp/hole/event/p20069.html

寮美千子  万燈籠@春日大社/なら燈花会 2006年08月15日(火)00時43分20秒

中元万燈籠
夕暮れ、春日大社の万燈籠に行って来ました。夕闇が濃くなるに連れ、石灯籠に灯った蝋燭の火が明るくなり、風にちらちらと揺れます。

知人の古書店の方が、突然体調を崩されて入院。若宮さまに、病気平癒を祈り、春日大社で一番古い水谷神社の病魔退散のお守りをいただきました。「蘇民将来守」という、朝鮮半島風の呪符です。きっと、古い物語があるんだろうなあ。

春日大社の本殿に参拝。社殿から、無数の燈籠が下がっています。そのひとつひとつに、寄進した人の名や、年代が書かれています。「伊賀侍 武運長久」とか「寛永二年」とか。たくさんの屋号が書かれて「講」のようにして、みんなで寄進したものも。デザインも一つ一つ違って、切り絵のように文字や模様が浮かびあがります。遠い昔の人々の思いが、燈籠の灯火となって揺れていました。

日本が、明治維新で「英語の国」にならなくてよかった。こんな古い文字が読めて、江戸時代のお侍も町の衆も、すぐお隣の人のように感じることができます。

ここに名前のある人々は、みなこの地上から去ってしまっているけれど、残された「思い」はいつまでも灯り続けています。

それにしても、わたしがこうやってこの地上にいる時間の、なんと短いことでしょう。その短い時間の中で、時を超えた人の思いを感じられることのしあわせ。限られた人生が、その時間を超えて、悠久のものにつながっていく思いがします。

そうそう。平成の文字を刻んだ新しい燈籠もありました。こうやって、受け継がれていくのですね。

燈花会
帰り道、東大寺の前を通って、奈良国立博物館前の燈花会の会場へ。池の周りにずらっと並んだ灯火が、水面に映り、それが博物館の巨大なガラス窓に映り、どこまでもどこまでも、蝋燭の灯る野原が続いているように見えます。そのまま、もう一つの世界へと続いているように。銀河の岸辺のようでも、歩ランの広場のようでもありました。

「一客一燈」では、五百円で、蝋燭と筒とをもらって、博物館前の好きな場所に自分の蝋燭を灯すことができます。二ついただいて、灯してきました。ひとつは、先日亡くなられた宇山日出臣さんのため。もうひとつは、先日七回忌を迎えた桶谷さんのため。燈花会は宗教とは無関係なので、供養ではないのですが、風に揺れる炎を見ていると、どうしてもそんな気がしてしまいます。火をつけて、手を合わせると、自然と涙が滲みました。

「ひとつひとつが、命のようだね」
行き交う人の声に、そんな言葉が聞こえてきます。万燈籠も燈花会も、派手な催しはほとんどなく、ただただ、揺れる炎のなかをそぞろ歩きするだけですが、だからこそ、心にしみます。様々な思いが泡のように浮かんでは消え、人はそれぞれに言葉を交わし、心を交わしながら歩いています。

万燈供養会
明日はいよいよ燈花会の最終日。そして、東大寺の万燈供養会です。年に2回、大仏さまの正面のお顔の扉が開いて、金色に輝くご尊顔を拝見できます。昨年の大晦日にも見たけれど、あれは、ほんとうに美しい。うーん、締め切りだけど、やっぱり見に行っちゃおうか。

夏の奈良は、毎夜、光の競演です。

寮美千子  ケアラーズマガジン13号/夢見る水の王国 2006年08月14日(月)14時26分02秒

わたしが奈良に住むことになったきっかけをくださった友人の森口弘美さんは、奈良の施設「たんぽぽの家」の「ケアする人のケア研究所」におつとめ。老人介護など、ケアをする方の人にも心のケアや実際の手助けが必要、という視点から「ケアラーズマガジン」を編集されています。その最新号(13号)に、ジャワ舞踊の佐久間新さんのインタビュー記事がありました。その一説が、心にしみました。引用させていただきます。
【日常のなかのダンス――ジャワ舞踊の魅力と可能性 】佐久間新インタビューより
ジャワ舞踊の様式は、一人の天才が振付けたものではない。何百年にわたって継承され、その過程のなかで洗練されていった、多くの人間の智恵の結集である。こうした智恵の結集は、学問や宗教などと同じように、自分ひとりではたどりつけないような深いところへ連れていってくれる。つまり、より自然で美しい体の動きや、自分の感情や欲とのつきあい方など、身体や精神のあり方を体得していく手助けとなるのだ。このおおいなる智恵の前では、「ちょっと良く見せよう」とか、「人と違ったことをしよう」といったオリジナリティはとても瑣末なものに見えてくる。 文責:森口弘美(ケアする人のケア研究所)
寮美千子の新連載『夢見る水の王国』のなかにも、これに通じるイメージが出てきます。さわりを紹介します。
 見られた夢は、ひとつも失われることはない。どんなにひどい悪夢も、どんなにすばらしい夢も、地下深くに静かに堆積していく。それは透明な薄い膜になって暗がりで光を浴びることもなく眠っている。そう、そこでは夢が眠っているのだ。長い眠りは死に似ている。深い死の沈黙の中で、夢は音もなく結晶する。そうやって時を過ごすうちに、どんな夢も、時を経たものだけが持つことのできる独得の美しさを帯びはじめるのだ。愛も憎しみ悲しみもなにひとつ消えたわけではなく、失われたわけでもなく、またなにか別の高貴なものが加わったわけでもないのに、それは確かに美しく気高いものに変わっていく。

 芸術家というのは、途方もない時だけができること、つまり夢をより美しく気高いものに変えるということを、たったひとりで、その人が生きているわずかな時間のなかで成し遂げようとする人を指す呼び名なのだ。
新連載『夢見る水の王国』は「月刊北国アクタス」10月号より連載開始です。う、明日が、第一回の原稿締め切りだ。がんばれ、わたし!

寮美千子  六本木ヒルズ朗読会レポート by 小林麻実氏@ヒルズライブラリー 2006年08月10日(木)02時18分38秒
ライブラリートーク「寮美千子の世界」 へのコメント

silicaさん、六本木ヒルズでの朗読会の詳細なレポート、ありがとうございます。mixiという会員制のサイトでsilicaさんが書かれていたのを読んで、ぜひわたしの掲示板にも載せてくださいと、わたしからお願いして、掲載していただきました。感謝。

六本木ヒルズのライブラリーの館長、小林麻実さんも、すばらしいレポートを、ライブラリーのサイトに掲載してくださいました。頁が更新され、残念ながらいまはキャッシュでしか読めませんが、本の写真も入った美しい頁です。小林さんのお許しを得て、報告文、ここに再録させていただきます。それにしても、小林さんてすごい。一瞬にして本質をつかまえて、それを鮮やかに文章にできる方です。しかも控え目。憧れます。
【人は、何のために生まれ、何のために死んでいくのだろう。この世でもっとも大切な問題は何? 仕事人間たちに、そんなことまで考えさせてしまった"ライブラリートーク"は、貴重な時間。】

詩人・作家の寮美千子さんは、天文学や先住民族という、一見すると難しそうな題材をテーマに、絵本や詩、子ども向けのノンフィクションを、熱く、優しい言葉で書いてこられました。

各界に熱烈なファンを持つ、「知る人ぞ知る」寮美千子さんのご活躍は、衛星放送への詩の提供、坂田明等ミュージシャンとのコラボレーション、NASA訪問から、児童文学賞の選考委員、マザー・テレサに関する子ども向きのノンフィクション、科学技術庁の専門委員、大学での講義、ウェブサイトでの社会問題についての真摯な討論…と多岐にわたっています。

はじめて書かれた、大人を主人公にした小説、『楽園の鳥 −カルカッタ幻想曲−』は泉鏡花文学賞を受賞。日本の言葉の美しさ、重さを存分に使いこなして、誰にでもわかりやすく、しみじみと壮大なテーマを語ってこられた方です。

アカデミーヒルズ六本木ライブラリーでは、光栄にも、その寮美千子さんご自身が、2点の絵本と1点の詩を、朗読して下さる"ライブラリー・トーク"を、開催することができました。

アメリカの先住民族が白人に土地を売ってほしいと言われた時、「そんなことはできないよ。なぜなら土地も空気も、回りまわって私たちの身体そのもの、私たちの一部になっているのだからー」と答えた『父は空 母は大地 インディアンからの手紙』を、女性らしい綺麗な声でお読み下さることから、幻想的な一夜は幕を開けました。

宇宙の広がり、生命の起源。化石燃料と人間、食べることの重みー。大きなスケールの、日常では忘れてしまいがちな壮大なお話を、"ライブラリートーク"ならではの、親密な雰囲気の中でお話頂くことができました。

日本を代表する細密銅版画の第一人者、門坂流氏による銅版画や音楽と、寮さんの素晴らしい朗読のコラボレーションは、文学やアートが、なぜ人間にとって必要なのかを仕事人間も多いライブラリーメンバー達に思い起こさせてくれるもの。

夢のような機会に、会場の六本木ヒルズ49階、グレートブックスライブラリーは、静まりかえり、真の芸術家が創り出す貴重な時間が流れていきました。

後半のディスカッションの時間では、子どもの頃に疑問に思われた「宇宙の始まり、時の終わり」をずっと考えてこられたこと、美しいものや人間のいのち、環境の大切さを丁寧にお話頂きました。

人は、何をしたから、どう生きたから偉いのではなくて、ただ「生きる」、そのこと自体に価値があるのだと、感じることのできた夏の夜でした。

silica  ライブラリートーク「寮美千子の世界」 2006年08月06日(日)19時00分07秒
ヒルズ朗読会/星兎2006 へのコメント

7月21日(金)に六本木アカデミーヒルズ内「グレートブックスライブラリー」 で開催された催し物へ参加いたしました。
SNSで自分の日記に書いたものをこちらへ転載させていただきます。

〜命、宇宙、先住民族をテーマにする魂の詩人の朗読会〜「泉鏡花文学賞受賞作家 寮美千子の世界」

案内チラシに書かれた、寮さんを紹介する文章がとても素敵だなあと目を引きました。お書きになったかたは、トーク
ショーの案内役を務めてくださった館長の小林麻実さまです。寮さんの作品やサイトをご自分の目でちゃんと見てくださっているかたの言葉だと思いましたので、私は嬉しくなりました。
以下、日記からの抜粋ですので、少しほぐれた文面になっておりますが、どうぞお許しくださいね。

1.朗読「父は空 母は大地」〜門坂さんの絵を投影しながら〜
2.朗読「遠くをみたい」  〜ダニエル・コビアルカのパッヘルベルのカノンを流しながら〜
  続けて 
  詩「未来のための呪文」「都市の記憶」

・寮さんの声はやわらかくて、お母さんのおなかの中で胎児が聞くような響きなのではないかしら。ダニエル・コビアルカの音楽とともに朗読なさった詩は「間」もゆったり。いつしかソ〜ッと自然に靴をぬぐ男性約2名。寮さんの朗読はクラシック音楽のようなところもあるのだもの。眠りに誘われることを許してくださるような空間がたちのぼっています。
画家さんがいらしたのかしら。さらさらと鉛筆が動いてその響きもコラボレーションしているよう。寮さんの朗読にご自身も参加されていたのでしょうね。

3.トークタイム
どんな子供だったか、世の中に「美」が存在することに気がついたのはいつ頃か、私たちはどこからきたのか、
私たちや私たちのまわりのものを作っている物質のこと、宇宙とのつながり、アメリカのホピ族の話、アイヌの儀式の話、地球の循環の話、「楽園の鳥」を書いたこと、質問を受けて小説を書くことで自分が変わっていくかということの話
など、あっというまに1時間は過ぎていきました。

司会の小林さんは間合いよく相槌はうたれるのですが、ほとんど寮さんご自身が 次から次へとお話を展開されていきました。寮さんの言葉はそれまでにいくども考えてきた言葉だからなのでしょう。迷いが無く、とてもシンプルでわかり
やすく、それでいてお友達に語るように親しみやすい言葉です。今日の会はお話も含めて娘に聞かせたかったなあとつくづく思いました。親が言うのと本物の作家さんの口から出るのとでは受け取る側のわくわくさが全然違いますもの。寮さんに親しみを感じ始めていた今なら言葉が心の中にすうっと入っていったことだろうなあと思いました。

門坂さんの絵は光があてられて投影されるとその「白」が本当にまぶしい光のよう。エッチングで表現された黒と白の風景が本物の絵のサイズよりもずっと大きく映って白は本物の光が絵に参加していますから、絵の中の表現がより
強まるような気がいたしました。版画にはこのような表現方法もおもしろいかもしれないと思いました。(お芝居や踊り
などの背景になったら、演じ手にインスピレーションを与えるのではないでしょうか。)

最後に寮さんのトークの中で印象に残ったこと。
小2のときに先生から「大きくなったら何をしたいですか?」という質問に
「世界の終わりが見たいです。」と答えた子供だったということ。
「始まりはもう過ぎちゃったから、もう見られない。終わりはまだこれからだと思ったから。」
「宇宙の中の銀河、星と同じような姿でひとりひとりの人がこの世の中にいると思っています。」
「今自殺者の数がものすごく多い世の中だけれど、泥まみれになっても生き続けていきたい。」

世界の始まりに思いを馳せ、世界の終わりまでもつきあいたいと思っている寮さんのスケールの大きさに私もファンのかたも「生命力」という強いエネルギーを感じてひきつけられるのでしょう。
寮さんを見ていると自分のまわりの世界を作るのは自分の心自身ということが信じられるんですね。
そしてどんなことがあっても生きていかれる、という方向を選び取る自分でいられそうだという勇気が湧いてきます。
寮さんの子供の頃の育ちが私とまったくかけ離れていたら、これまた心が近づけなかったかたかもしれません。
私が寮さんに感じるのは普通さと豊かな振幅の大迫力です。「安心感」と「すごい!」
寮さんという人のかけら(目に見えないけれどあるもの)はいつのまにか私の中で宝物になっています。



寮美千子  8/6 山梨放送ラジオにて「星兎@山梨プラネタリウム」を紹介 2006年08月06日(日)14時48分35秒
「見えなくても宇宙感じて」>読売新聞記事 へのコメント

本日8月6日、山梨放送ラジオの番組「ライトハウス」にて「星兎@山梨プラネタリウム」を紹介してくださるとのことです。この番組での紹介は、ボランティアとして制作に関わった視覚障害者の市瀬實(いちせ・みのる)さんが、番組宛てにお手紙を書いてくださったことから、実現しました。山梨方面の方、ぜひお聞きになってください。市瀬さんからいただいたメールを、転載させていただきます。
 視覚障害者の市瀬實(いちせ・みのる)です。去る5月二十日に、山梨県立科学館で点字の「星兎」にサインしていただきました!! この本は、僕の生涯の宝です。7月22日には、僕たちの、星の語り部の「星兎」初日に、はるばるおいでいただいて、大感激の一時でした!!

 唐突ですが、山梨放送ラジオで、「ラジオライトハウス」という、30年以上続いている長寿番組があります。この番組は、「視覚障害者個人及び関係団体の今を追い続け、見守ってくれている・という点で、僕たちにとっては貴重な番組です。

 今年の夕涼み投影第一弾「星兎」をこの番組で紹介してもらう目的で番組スタッフに下記のメイルをしました結果、3日前に取材を受けて、今度の日曜に放送してくれることになりました。視覚障害者と、それを支える人たちが科学館へ足を運んでくれればいいな・と思っています。取材のお願いメイルの内容は、下記の通りでした。
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 さて、私は山梨県立科学館で、去年の8月15日から「星の語り部」(大人のためのクラブ活動)に入って活動しています。

 前記のHPを見ていただきますとわかりますように「星の語り部」では、2004年から、夏に「夕涼み投影」と銘打って、数本のスライドショーを投影しています。

 私は友人の新海桂子さんに熱心に誘われて去年、「夕涼み投影」を体験しました。
 最初の2本は視覚に訴える内容なので、視覚障害者1人で観覧したら、ほとんど内容がわからないのですが私の場合は新海さんが、見事に視覚の部分を説明してくれました。

「僕の街にも戦争があった・・・」うすれいく戦争体験を語り継ぎ、過去を見つめ未来を見通すためのスライドショーづくりが目的です。この作品は、ドキュメンタリー風になっているのでわかりやすく、感銘を受けました。

 この活動の中心になっております天文担当の高橋真理子さんが新海さんや、視覚障害者を知る他のメンバーとの関わりの中で「視覚障害者も一緒に、何か活動ができないだろうか?是非、市瀬さんをお誘いして」と、日頃から新海さんにお話ししていたそうです。

 その後さまざまな情報交換を交わす中で、中島そよかさん担当の時この番組で放送した「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」を、メンバーの多くが体験したりする中で、お互いの理解度が深まりまして、その後私は視覚障害の友人1名を活動に誘いました。その友人のご主人も参加し、その方がお友達を誘って、活動の輪が広がっております。

 そしてついに今年の夕涼み投影で、視覚障害を持つメンバーが一緒に制作をし、視覚の情報を持たない方々にも、宇宙を感じてもらいたい、という目的で、作家 寮美千子さんの「星兎」の投影にこぎ着けました。
 去る22日にスタート、8月18日まで科学館で投影しておりますので、スタッフの方にも見ていただいて、ラジオライトハウスで取り上げていただけましたら・と思う次第でございます。

 私はこの番組の発案者の1人・と言うだけなのですが番組制作実務のメンバーの高橋真理子さん他に、ラジオライトハウスに登場していただければな・と個人的に思って、メイルさせていただきました。市瀬實
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 取材依頼文は以上です。長くなりまして、ごめんなさい。では。
星の語り部による朗読劇『星兎』@山梨科学館プラネタリウム 8月18日まで。

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管理者:Ryo Michico <mail@ryomichico.net>
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