Review Lunatique／寮美千子の意見

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■書きかけの寓話

Thu, 16 Jan 2014 00:15:43

2006年　創作　未完成

Ⅰ
　あるところに、赤い衣を着たえらいお坊さんがいました。たいへん勉強をして、ある神さまが正しいと信じるようになりました。
「わたしの信ずる神さまが一番正しい神さまです。正しい神さまだけが、正しく人を救うのです。他の人の信ずる神さまは、みな間違いです。間違いを信ずれば、地獄へ落ちます。わたしは、みなさんを救いたい。どのようにしても、救いたい。どうか。この神さまを信じてください」
　みんなにそういって歩きました。お坊さんは、本気でした。心底やさしい人でした。そして、強い人でした。世界中の人すべてが、この神さまを信じればいいと、そう思って歩きました。

　ほかの神さまを信じている人は、お坊さんのいうことをきいて怒りました。石をぶつけた人もいます。それでも、お坊さんはやめませんでした。自分の信じる神さまが、なにより誰より正しいと思っていたからです。そして、その神さまの力で、人々を救いたいと思ったからです。お坊さんは、心をこめて、人々に語りました。子を亡くした人には、慰めの言葉を、親を亡くした人には、励ましの言葉を、病気の人には、いたわりの言葉をかけながら、その苦しみや悲しみから救われるには、この神さまを信じるのが一番だと、心から語ったのでした。

　苦しみや痛みを分かち合ってくれたそのお坊さんの言葉が、真実の真心から出た言葉だとしった人々は、お坊さんを、そしてそのお坊さんのいう神さまを信じるようになりました。信じた人は、まわりに人にすすめました。あなたもこの神さまを信じなさいと。

　別の神さまを信じている親に、子がそう勧めることもありました。親が子に勧めることもありました。それがもとで、仲違いする親子も出てきました。すると、お坊さんはいいました。
「わたしたちが信じている神さまが本物だから、苦しい目にあうのです。世の中の悪魔が、正しく清らかなものを苦しめようとするのです。苦しければ苦しいほど、わたしの神さまが本物だという証です。いつかきっと、真理は勝ちます。その日までがんばりましょう。命をかけて戦いましょう。それが、あなたの親や、あなたの子どもたちを救う道になるのです。黙っていれば、あなたの親も子も、地獄へ堕ちます。あなただけが、みんなを、そして世界を救うことができるのです」

　自分だけが救うことができる。そうきいた人々の心は、熱く燃えました。真理のためなら、自分一人のこの身など、どうなってもいい。正しく偉大な神に捧げられるのなら、世界を、そして未来を、このちっぽけなわたしが救えるなら、もうどんな犠牲を払ってもいいように思う人さえ出てきました。そんなわけで、お坊さんのいう神さまを信じる人は、どんどん増えていきました。

Ⅱ
　あるところに男がいました。男は、えらくもなんともないふつうの男でした。鹿をとったり、魚をとったり、栗を拾ったり、小さな畑を耕したりして暮らしていました。

　男は思いました。「鹿はえらいもんだ。ひとりでに大きくなる。そして、おれに命をくれる。おれは、鹿の命をたべて生きている。鹿はありがたい。おれの神さまだ」

　男は思いました。「魚はえらいもんだ。ひとりでに大きくなる。そして、おれに命をくれる。おれは、魚の命をたべて生きている。魚はありがたい。おれの神さまだ」

　男は思いました。「栗はえらいもんだ。ひとりでに実がなる。そして、おれにその実をくれる。おれが食べなければ、栗は芽を出して、また大きな木になるだろう。おれは、栗の命をたべて生きている。栗はありがたい。おれの神さまだ」

　男は思いました。「大地はえらいもんだ。何をうえても大きく育ててくれる。そして、おれにその実りをくれる。米も麦も、みんな土の子どもたちだ。おれは、大地の子どもの命をたべて生きている。大地はありがたい。おれの神さまだ」

　それから男は、毎朝のぼる太陽をみて思いました。「おひさんはえらいもんだ。毎日毎日必ずのぼって、おれたちをあっためてくれる。森や畑に実りをくれる。鹿も魚も栗も米も、おひさんなしじゃあ、生きられやしない。おひさんのおかげで生きている。おひさんは、おれの神さまだ」

　男は、雲を見ても、雨を見ても、風が吹くのを感じても、ああ、ありがたい、ああ。うれしいと思うのでした。世界は何ときれいなところだろうと思い、朝に晩に、祈りたくなるのでした。

Ⅲ
　ある時、大変な嵐がやってきて、男の畑をすっかりだめにしてしまいました。その冬、男は飢えて震えて過ごしました。

　男は思いました。「雨はこわいもんだ。風もこわいもんだ。神さまは、やさしいばっかりじゃあない。こわいもんだ」　それからというもの、男はますます雨や風や太陽を敬い、深い祈りをささげるようになりました。そして、あたたかな日射しや、やわらかな風、やさしくふりそそぐ雨を、ますますありがたく思うようになったのでした。

Ⅳ
　ところが、ある年、夏になっても空には薄く雲がかかるばかり、太陽は白く霞んで、畑の実もならず、森の木の実もならず、森からは鹿が、川からは魚がいなくなってしまいました。その頃、男は妻をめとり、赤ん坊が生まれたばかりでした。若い妻はげっそりとやせ細り、お乳も少しも出なくなり、かわいそうに、とうとう赤ん坊は、息を引きとりました。

　男は、小さな小さなしわがれた赤ん坊を抱いて、おいおいおいおい泣きました。「こんな年に生まれてきて、おまえも不憫だったなあ。もっともっとおひさんの明るい年に生まれてきたら、いまごろ丸々太って、そこらをかけまわっていただろうになあ」泣いても、泣いても、深いかなしみは癒えません。

　そこへ、あのえらいお坊さんが通りかかりました。泣き声を聞いて、そばにやってきていいました。「おお、かわいそうに。生まれたばかりのこのような命が奪われるとはむごいこと。しかし、これも神さまの思し召し。赤ちゃんが後生でしあわせになれるよう、たっぷりお乳が飲めるよう、供養してさしあげよう」　お坊さんは、ありがたいお経を唱えました。そしていいました。「あなたの赤ちゃんは、極楽できっとしあわせになりますよ」

　「ありがとうございます」と男はいいました。かわいい赤ん坊のことを思ってくれる人ならば、だれでもありがたかったのです。「ところで、あなたはどんな神さまを信じていますか」とお坊さんはききました。男はいいました。「おれの神さまはいろいろです。草でも木でも、おひさんも雨も風も、みんなみんな神さまです」　すると、お坊さんはいいました。「それは、あなたがほんとうの神さまをしらないから、そういうのです。ほんとうの神さまはおひとりです。この世界のすべてをつくられ、総ていらっしゃいます。草も木も太陽も雨も風も、そのあらわれです。あなたが、その神さまを信じれば、きっときっと赤ちゃんは極楽でしあわせに生まれ、あなたがいつの日か極楽にやってくるのを待つでしょう。そして、そこでまためぐりあえることでしょう。あなたがその神さまを信じさえすれば。あなたは、その神さまの名を、しりたくはありませんか」

　男はいいました。「お坊さん。お坊さんは、どうしてその神さまの名をしってるんですか。そして、どうして極楽の様子をしっているんですか。行かれたことがあるのですか」男が、あまりにまじめにそういいますので、お坊さんはこの男を、子どものようにいとしく思っていいました。「まだ、極楽にはいっておりません。しかし、極楽の確かなことは、勉強に勉強をしてしりました。海の向こうの尊いお経にもかかれています」

　男はいいました。「お坊さん。ありがとうございます。けれども、わたしは遠い海の向こうの誰が書いたともしれない神さまの名をしらなくてもかまいません。わたしが神さまの名をしらなくとも、神さまはわたしをしっています。そして、わたしは、そこらじゅうに神さまいることをしっています。それでもう、じゅうぶんです。赤ん坊は死にました。もう生き返りはしません。けれど、春になれば枯れた野から草が芽吹くように、命はまた生まれます。死んだ赤ん坊も、いつかまためぐりめぐって生まれてくるでしょう。悲しみは消えませんが、命はいつもそういうものです。それでわたしはいいのです」

　お坊さんはいいました。「あなたが信心しないと、赤ん坊は地獄に堕ちますよ。あなたも地獄に堕ちますよ」男はきっぱりといいました。「罪もない赤ん坊を地獄に落とすような神さまなら、わたしはいりません」お坊さんは、男の無知と頑固さをあわれみながら、去っていきました。

Ⅴ
　その飢饉の年には、男の村にすむ多くの人が、お坊さんの神さまを信じるようになりました。そして、おまえも信じろと、男に勧めるようになりました。だれそれさんちでは、信じたらおばあさんの病気が治った、だれそれさんちでは、牛が雌牛を二頭も生んだ、嫁と姑がいさかいをしなくなったと、いいことばかりをきかされます。まるで、信心しないと損をするような言い方です。男が「おれにはもう神さまがいっぱいいるから、もういらないよ」というと、みんな、怒るような、憐れむような顔をして帰っていくのでした。

　そのうち、男の家は、だあれもこなくなりました。信心しないと、仲間にしないというのです。仲のよかった幼なじみさえ、もう遊びにはきません。いままで、だれもが、そんなことは関係なく遊んだり助けあったりしていたのに、どうしてそんなことになってしまったのだろうと、男は思いました。

Ⅵ
　それからまた、次の飢饉のときのことでした。信心していたのに飢饉になったと、怒り出す人々と、いや信心が足りなかったと、もっと信心する人がいました。青い衣を着たお坊さんがやってきて「いままでの信心は間違いだった、だからこんなことになった、これからはこちらを信じなさい」と、別の神さまの名前を教えました。村の何人かは、別の神さまを信じるようになりました。村には大きなお寺が二つできました。赤い衣のお坊さんが作った赤い寺と、青い衣のお坊さんが作った青い寺です。人々はそれを火の寺と水の寺と呼ぶようになりました。そして、どちらが大きいか競うようになりました。

　それまで仲のよかった村人たちは、二つに別れてしまいました。まさに火と水でした。たがいにぜんぜん話が合いません。男はそれを見て思いました。「おひさんも変わらない、雨も風も変わらない。森も川も大地も変わらない。みんなおれたちにたくさんのものをくれる。それなのに、人だけが変わる。今までと同じ大地に住んでいるのに、信じる神さまが違うだけで、なぜ仲違いをするのだろう。そんな神さまは、どんな神さまだろうか」

Ⅶ
　またあるとき、べつのお坊さんがやってきました。このお坊さんは、いままのお坊さんに比べると、身なりもぼろで、何色だかわからないような色褪せた衣を着て、ぶしょうひげまで生やしています。「あなたは、何か信心していますか」とお坊さんは男に聞きました。男は「おひさんや雨や風や、森や川や大地や、いろんなもんすべてが、おれの神さまだ」といいました。すると、そのお坊さんはにこにことして、心の底からうれしそうにいうのです。「それはいい。それはいい。そう思えるのは、ありがたいことだ」　そして、まるで神さまに手を合わせるように、男に手を合わせて、のんびりと野道を歩いていくのでした。

　そんなわけでしたから、このお坊さんには信者もつかず、いつも乞食坊主のようにしていました。それでも、男はこのお坊さんがすきで、少ない食べ物を惜しげなく分けていっしょに食べたり、お坊さんの話すことに耳を傾けたりするのでした。

Ⅷ

■平城宮跡埋立て・舗装／文化庁・国交省の主張　　→反論・疑問点

Sun, 18 Nov 2012 20:40:03

2012年9月25日に開始された「国営平城宮跡歴史公園第一次朝堂院の広場整備工事」。
なんのための舗装工事か？　その目的は？
事業主である国交省と、許可をした文化庁の【主張】　→「平城宮跡を守る会」の反論。

【往時の広がりを再現】

→広がりなら、草地のままでも充分感じられる。

【歩きやすくする　基壇に近づきやすくする】

→遊歩道を設置すればよい。45,000平米のすべてを舗装する必要はない。

【古代の広場を復原　遺跡の理解になる】

→古代には建造物もあり、視界も遮られていた。
舗装するだけでは、京都へ遷都後の荒れ果てた風景の再現にしかならない。
→70年弱の間に、様々に景観の変わり、ダイナミックな変化があったのが「平城宮」。
舗装や建造物による遺構展示はイメージを固定化して、正しい理解を妨げる。
変化を体感してもらうには、ＣＧによる「バーチャル飛鳥京」などのような方法が
適しているが、その検討が為されていない。これならば自然との共存も可能。

【多数の観光客を収容するための広場が必要】

→広場ならすでに大極殿の前庭がある。
遷都1300年祭では100億円の広告費をかけて人を集めたが、その後、閑古鳥。
広場を作ったからといって、人が集まるわけではない。

【舗装は全体の５％　自然破壊にあたらない】

→45000平米の動植物が死滅するのは事実。
平城宮跡は全体として一つながりの生態系を保っている。
すでに舗装された大極殿もあり、中心部の舗装は、全体の生態系に大きな打撃を与える。

【地下埋蔵遺物には影響はないと思われる】
→木簡は地下水に浸ることで1300年間保存されてきた。
→現実に地価水位が低下しているところに、さらに舗装。
全く影響がないとは断言できない。
工事後も地下水位を計測するというが、地下水位が低下したときにすぐに対応する手段がない。
→文化庁は「木簡が毀損しても、世界遺産の取り消しはありえません」と発言。
文化意識が問われる。

【ユネスコへの報告義務はない　世界遺産の扱いとして問題ない】
→「世界遺産の現状の大幅な変更」にあたるので、報告するべきである。
現状、世界遺産委員会から、駐車場と大極殿の柵の撤去を勧告されているが、
それに応えていない状況で、さらに報告なしにこの工事をすることに問題はないのか？

【草刈り代が年間１億円かかっている。節約のために舗装を】

→１億円は、平城宮跡・藤原宮跡を合わせての代金。
舗装される場所の草刈り代は年間500万円と推定される。
舗装関連工事の予算は３億円。草刈り代60年分に相当。
また、草刈りは地元業者の収入源でもある。埋め立て工事は大阪の業者に発注。

【犯罪の防止のために舗装を】

→「犯罪」の内容を文化庁は「放火」と表現。建造物もないのに放火？
と警察に確認すると、その実体は「焚き火」と「煙草の火の不始末」。
舗装予定地内での火の不始末の跡は、この５年間、
そこにかかるかかからないかの場所で１回あっただけ。
文化庁は「５回」と虚偽を述べた。

→「犯罪」のもうひとつは危険行為。内実はゴルフの練習。
ゴルフの球が見つかったという。
ゴルフを止めさせる解決策は、45,000平米を舗装することか？　
またこの場所は湿地であり、もともとゴルフの練習には適していない。

http://narapress.jp/hjk/

■平城宮跡埋立て・舗装の問題点　早わかり　2012/11/18版

Sun, 18 Nov 2012 20:17:44

国交省は2012年9月25日「国営平城宮跡歴史公園第一次朝堂院の広場整備」工事を、突然開始した。平城宮跡の中心地にある45,000平米の自然状態にある湿地を埋立て＆舗装するという。市民から大きな反発の声があがった。工事終了は2013年3月中の予定。以下はその問題点。

１　周知不足・市民との合意形成ができていない

文化庁は平城宮跡整備計画を「国家１００年の国民的プロジェクト」と位置付けているが、
周知が不徹底である。多くの市民は寝耳に水。
地元の理解なしに強引に進めても、後々市民とのいい協力関係が得られない。

２　1970年代の古い計画で適切な見直しがなされていない

1978年に文化庁によって策定された基本計画を、2008年に国交省が踏襲し推進。
古い考え方のままの計画である。
新技術（ＣＧ「バーチャル飛鳥京」）の開発もあるのに、適切な見直しがなされていない。
パブリックコメントも市民の意見に充分に耳を傾けていない。

３　総予算800億円の整備計画　費用対効果の見直しがなされていない

税金の無駄遣いであるとの声が大きい。
東日本大震災や、奈良南部の台風被害の復旧もまだなのに、
なぜいま、危急ではない整備計画を強引に進めるのか？

４　朝堂院跡の「土セメント舗装」は、国交省の独断で決定されている

文化庁の案では緑地帯であったが、国交省の裁量により「土セメント舗装」になった。
整備として最適の方法を、市民の声も聞いて検討していない。

５　土セメント舗装の問題点

　Ａ　自然破壊　
　草１本生えない舗装は豊かな自然を破壊する。平城宮跡全体の生態系にも打撃。
　関西で第２のツバメのねぐら。レッドデータ生物のカヤネズミの生息地。

　Ｂ　地下埋蔵遺跡の損傷の危険
　国交省は「地下水には影響がないので埋蔵文化財を毀損しないだろう」という判断。
　しかし、状況が変わることは必至。1300年来の保存状況を温存すべき。
　国交省「文化庁の許可がある」という、文化庁は「国交省がその調査をしている」と。
　しかし、具体的に今回の工事の影響への調査は実験はしていない。

　Ｃ　景観の破壊
　市民の憩いの場。遠い時代をしのぶ草原。
　多くの人に愛され、会津八一をはじめ、文人たちに愛された風景である。
　人々は舗装化を望んでいない。

　Ｄ　利用価値の低下
　同様の舗装がなされた朱雀門前広場には人影がない。
　夏は暑く、冬は砂埃が舞い、歩きたくない。
　埃まみれになるため、模擬店などのイベント会場としても適さない。
　観光客も地元民も喜ばない。

http://narapress.jp/hjk/

■平城宮跡万葉集　抄　2012/10/16

Tue, 16 Oct 2012 04:19:59

▼行政への怒り
17「万葉の　歴史を覆う　蛮行を　決する木端　神は許さず」加藤
18「平成の　悪政のため　平城の　大事な遺産　守れなくなり」Medama Voyage
19「あをによし奈良の都は土建屋のしゃぶりつくしてもう終わりなり」kinokuniyanet
135「セメントを　復興支援に使うなら　誰も文句を　言いやしませぬ」田宮電気
79 「昔から大勢の人に守られて愛された地をなぜ埋め立てる？」Tampopo

▼「なにもない草地」を愛する心
12 「手つかずの草の原こそ宝なれ　しかも謂れのあればなほさら」不夜庵
61「だだっぴろい草はら渡る風に頬撫でられるのが好きだったのに」Negi
90「皆も知る　奈良の都の　空広き　それも緑の　あればこそなり」久田充朗
112「みやこ跡草原にしか見えずとも永久の歴史を感じる心」ソルファ
115「人の眼の想像力を遊ばせよ　虫の眼差し鳥の眼差し」幽黙
132「平城の宮の形見は草深き波の上にこそ　あらまほしけれ」KG
151「何もない　その草原に　いにしえの　ロマンが眠る　平城宮址」ソルファ
177「草っぱら　何といっても草っぱら　豊かな広場　朝堂院跡」猿沢の亀

▼舗装に抗議する声
44 「埋め立てて再現しても現れぬ　そこに見るのはただ虚しさよ」Yoichi Tsutsumino
45「草の地で思いを馳せて命聴く者のうちにぞ　そは現わるる」Yoichi Tsutsumino
124 「秋風や　虫の音偲ぶ　古代人　全面舗装で　草原悲し」山村さちほ
130 「いにしえの　魂ねむる　土の中　舗装されては　息ぐるしいよ」松本恭明　

▼自然への思い
29 「セメントの上を漂う風よりも　草の香恋しと鈴虫が鳴く」上野浩司
56「草原に　虫と野の鳥　土の中　ミミズ活動　舗装しないで」谷幸三
156「枯れ草の下で冬越すはずなのにクビキリギリス途方に暮れる」谷幸三
173「平城にバッタ飛びかう草原に　舗装をしたら産卵できない」谷幸三　

▼思い出
30「我が母校校歌に歌う平城宮跡風吹きなびく青草よ」ベニー経
34 「父と我　凧上げをした草原の　思い出をどうか　埋めてくれるな」sshin2
35「雲雀啼く常盤緑の都址　萌えいずる草も無き春の野か」 pyu-i
36「夕暮れに　燕集いし　葦原を　見守りたもう　ふるき宮跡」 pyu-i
92「早春に土筆を摘みしあの野原　父子の笑顔われは忘れず」Ｎｅｇｉ94
145 「寝転んで　大空見上げ手をつなぎ　背中の草を払って笑う」薫京
107 「子と集う　平城京の草原に　突如出現　鉄柵悲し」ガンジーのスゝメ

▼世界遺産・未来への責任
50「幾歳も　また幾歳も　悔まれる　平成の世の　宮址舗装化」摩耶滝富一
53 奈良だけの　ものではないぞ　その史跡　世界遺産の　破壊許さぬ」ＭＯＲＩ
55 「長屋王草葉の陰からのぞき見ておれの残りの木簡どうする」塩見俊次
69 「ユネスコの　勧告無視する　駐車場　次の舗装で　遺産取り消し」山下真
91「平城宮跡レジャーランドじゃないんだよ　世界遺産が台無しやんか」Ｎｅｇｉ
110「失うは　過去のみならず　未来をも　破壊せんとす　わが世代にて」寮美千子
139 「グローバルコンセンサスも死語なりや　認定受けし世界遺産を」Dorothy
140 「みやこ跡セメント固めの地層みる　未来の子等の当惑おもう」Kanabun et Gilles
179「宮跡はいにしえからの贈り物　未来へつなぐ我らが使命」かぎろひ・豊永かずみ

▼ニセモノ
68 「ニセモノの　みやこを今に　造れども　ホンモノ求む　人は集わぬ」山下真
71 「まやかしの広場で往時現れぬ」山下真「風の音にぞしのぶ万葉」寮美千子

▼観光客の視点から
27「遠き土地　思いを馳せる　西の空　まほろばの地よ　変わらずにいて」こおり
89 「観光客古代のロマンに逢いにくるテーマパークを見たらガッカリ」akko
95 「バスで来て　舗装歩いて　大極殿　でかかったなと　都も見ずに」sin
94「車窓から　いつか行こうと眺めてた　いつかを永久(とわ)に失いたくない」ニロ

▼子どもたちの声・親の思い
166「バッタさん　いっぱいいてて　たのしいね」中村健介　７才
167「ぼくたちの　まわりをとぶよ　バッタさん」中村健介　７才
168 「バッタくん　ならのみやこを　とんでいる」大ぶきょうご　８才
170「妹が四つ葉を見つけ姉にあげ　姉がよろこぶすごくうれしい」鳥居風香　８才
171「妹が　コオロギつかまえ　よろこんだ」鳥居風香　８才
172「役人も　考え直すかもしれない　バッタ見つけた子供の笑顔」岡

▼聖地としての平城宮跡
207「平城の　都の跡の草原に　鳥は巣籠り　神は宿れる」久麻當郎

▼国への願い
208 「民草を薙ぎて栄えし国はなし命芽吹かば国も滅びむ」寮美千子
209 「草原にそよぐかそけき声に耳傾けたまえ民を思わば」寮美千子

http://narapress.jp/hjk/

■平城宮跡埋立て・舗装の問題点　早わかり

Tue, 16 Oct 2012 04:13:53

１自然破壊
45,000平米の動植物が全滅し、平城宮跡全体として一体となっていた生態系が乱れる。
湿地が埋立てられることにより、生物多様性が損なわれる。

２　地下埋蔵遺跡の損傷の危険
地下水には「影響がない」という判断だが「絶対」ではない。
原発の安全性と同じで「絶対安全」はありえない。
1300年間、田んぼと湿地という環境で遺物が守られてきたのが「保存の実績」。
過去の実績に学び、継承するのが、もっとも「科学的」な態度。
1300年間守られてきた埋蔵文化財を我々の世代で破壊することは許されない。

３　今回の工事にあたり、地下水への影響の調査検討が行われていない。

４　世界遺産の大幅な現状変更であるのに、ユネスコへの報告が行われていない。

５　市民が必死で守ってきた草地。「草ぼうぼうの空き地」ではない。
・江戸期　北浦定政による平城宮跡の発見。
・明治　棚田嘉十郎による保存運動により
　　　　平城宮跡の中心部分が民間の寄金によって買い取られ、国に寄付された。
・昭和　近鉄車庫、国道計画があったが市民運動により回避された。
・平成　高速道路のトンネル計画反対の市民運動が続行中。
長い歴史にわたって市民が身銭を切って守ってきた草地。
歴史的経緯と市民感情を無視した「舗装」は許されない。

６　日本の原風景、市民の憩いの場である。
千年以上田んぼであり、半世紀にわたり草地であった平城宮跡は、日本人の心の原風景。
市民の憩いの場であり、多くの文学者により作品にも詠われている象徴的存在。

６　市民への十分な説明と検討が行われていない
国交省の管轄の国営平城宮跡歴史公園となり、その整備計画が発表された。
有識者会議やパブリックコメントが取られたというが、
実際に市民に充分に周知された上での決定ではない。
実際、この計画を知らない人が多数いる。

７　国交省近畿整備局の独断である
国営公園としての整備計画には「舗装」とは記されていない。
整備を「土とセメントの舗装」にする決定は、国交省近畿整備局内の独断である。

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■平城宮跡万葉集　二〇一二年十月十六日版

Tue, 16 Oct 2012 03:57:33

平城宮跡舗装工事に抗議し工事中止を求める「平城宮跡万葉集」

１　@AIZUyaichi　昭和18年平城の宮址に遊び大極の芝にて
「みはるかす　ふるき　みやこ　の　の　の　はて　に　ひと　ありて　うつ　くは　の　かがやき」会津八一　奈良を愛した大歌人の一首から平城宮跡万葉集をはじめる

２　@ryomichico 「胎内に天平の夢抱きつつ秋草ゆれる平城宮址」寮美千子

３　@yasuhirohiraoka 「いにしえの　平城（なら）の都に　吹く風に　ゆれる芝草　しばし思ほゆ」平岡泰博

４　@yasuhirohiraoka 「みはるかす　春日の山の　みどりなり　宮趾に立ちて　ひとりわが見む」平岡泰博

５　@yasuhirohiraoka「佐紀山の　古代の帝　目の下の　草刈る愚挙を　ながめやるかも」平岡泰博

６　@yasuhirohiraoka「歳月を　宮趾の保存に　費やせり　棚田翁見ゆ　荒れにし都」平岡泰博

７　@MedicinadaJunji　「はっしゅたぐ　つけてつぶやく　ことだまに　へいじょうきょうの　かぜはよろこぶ」純司は風の通る草原へ♪⇔地球に在る理由　

８　@tokoro_ten　「稚き国をかく美しく育みし宮の名残を永くとどめむ」ところてん　

９　@freely2400　「平城宮　宇宙と微生物の　目で見れば　何事も無き　平常のみや也」西尾仁秀

10 　@Nobuyan　「原っぱに佇み天平の宮跡賑わいに思い馳せ」米田元信

11 　@Nobuyan　「日本人のふるさと汚すコンクリート舗装工事世界遺産を潰す気か! 」米田元信

12 　@huyaan「手つかずの草の原こそ宝なれしかも謂れのあればなほさら」不夜庵

13 　 @sin_soba_eater「空に風鳥虫草に土と水静かに眠れいにしえの宮」sin

14 　@anzanshi_ymd 　長歌「あをによし寧楽の京のいにしへの姿思ほゆはろぱろと砂地ばかりぞ叢(くさむら)の繁るばかりぞその深き大地の底に眠りたる木片木端に記されし古人の声をぞ耳にせよその広き大地の縁に育まる水の豊けき檐溜(たんりふ)に生きとし生けるものたちの声をぞ聞けよ果てしなき時の流れに身を委ね今を流れる気に吹かれ今を楽しむ人たちの思ひを聞けよ　また今の形を育て守りたる地域の方の寄せ来たる思ひを聞けよこの土地のすべてはこの地に縁を持つ過去から未来生き継ぎしすべての命が重ね来し思ひの重さ感ずべし思ひを繋げ声を出せ新たに思ひ積み重ねそを保つこそ吾らが務めと」幽黙

15 　@naraneko21　1300年祭後、奈良県が近鉄線路踏切前後に設けた鉄柵を嘆きて詠める「朱雀門、大極殿ヘと歩む夜、遮断機開くも鉄柵阻む」由比かがり

16 　@naraneko21　「踏まれても　打たれてもなお　輝けり　オオゲツヒメ受く　五穀の実り」由比かがり

17 　@caphatman「万葉の　歴史を覆う　蛮行を　決する木端　神は許さず」加藤

18 　@MedamaOyaji　「平成の　悪政のため　平城の　大事な遺産　守れなくなり」Medama Voyage

19 　@kinokuniyanet　「あをによし奈良の都は土建屋のしゃぶりつくしてもう終わりなり」kinokuniyanet

20 　@ryomichico 「千年の月光の記憶刻まれし土やはらかく草草の生う」寮美千子

21 　@kinokuniyanet　「大むかしの　野にコンクリの打つ見えて　かえり見すれば　奈良かたぶきぬ」kinokuniyanet

22 　@syouyouha「あをによし奈良の都に咲く花を舗装埋没誇りも埋没」食欲の秋なう

23 　@uenoco「県民に　市民に知れたら潰される　それが答えだ　すぐやめなさい」上野浩司

24 　@qcmr32959　「なれやしる　奈良の都は　独裁の　我欲の私案　スイスイ通る」摩耶滝富一

25 　@richan_to_issyo　「古宮の草踏み歩き耳澄ます聞こえたあれは古の声」りっさん

26 　@ko_o_ri1975　「千年を超える年月ひとびとの思いが積もる平城宮址」こおり

27 　@ko_o_ri1975　「遠き土地思いを馳せる西の空まほろばの地よ変わらずにいて」こおり

28 　@a02e179 　「おもはぬを　おもふといはば　おほのなる　みかさのもりの　かみししらさむ」万葉集561　暁貫太郎選

29 　@uenoco　「セメントの上を漂う風よりも草の香恋しと鈴虫が鳴く」上野浩司

30 　@benniekei　「我が母校校歌に歌う平城宮跡風吹きなびく青草よ」ベニー経（yasuo）

31 　@yasuhirohiraoka　「生駒なる神寂ぶ山に落ちる日の　その影宿す宮址（あと）かなし」平岡泰博

32 　@ranmaru0424　「草花に　先人達に　鳥に虫　そして我らに　涙あふるる」蘭丸　

33 　@ryomichico　「いやだいや　やめてよやめて　はらっぱを　つぶさないでよ　おねがいだから」寮美千子

34 　@sshin2　「父と我　凧上げをした草原（くさはら）の　思い出をどうか　埋めてくれるな」sshin2

35 　@pyui2 　「雲雀啼く常盤緑の都址　萌えいずる草も無き春の野か」 pyu-i

36 　@pyui2 　「夕暮れに　燕集いし　葦原を　見守りたもう　ふるき宮跡」 pyu-i

37 　@tomoko3298　「りょうさんの　力一杯こうぎする　すがたに魅せられ千葉けんからも」沼田知子

38 　@akko1027　「月灯り浮かび上がるは朱雀門虫の音だけが響き渡りて」akko

39 　@shi24451　「碧き地球（ほし）人間が今塗り替える聞こえないかい大地の嘆き」紫雨

40 　@shi24451　「古の都と繋ぐ草原を我欲の果てに破壊するなり」紫雨

41 　@KanabunGilles　「荻の穂の　刈り払われて　色はなし　この草原を埋める　謀あり」Kanabun et Gilles

42 　@KanabunGilles　「国交省は神にあらねど　木簡の　眠りし田居をグラウンドと成しつ」Kanabun et Gilles

43 　@KanabunGilles　「国交省は神し知らさむ　ツバメらの　すだく水沼をグラウンドと成しつ」Kanabun et Gilles

44 　@tutumino　「埋め立てて　再現しても　現れぬ　そこに見るのは　ただ虚しさよ」Yoichi Tsutsumino　　

45 　@tutumino　「草の地で　思いを馳せて　命聴く　者のうちにぞ　そは現わるる」Yoichi Tsutsumino　

46 　@toraititamiya　「わけわからん　いにしえかたる玉手箱　ベトンで固める　バカな役人」田宮電気

47 　@C0C0D0C0　「みやこ跡　昔偲びて　チキチキと　草原を飛べ　ショウリョウバッタ」 cocodoco

48 　@ryomichico　「無惨にも刈りはらわれし都跡鈴虫は鳴く命の限り」寮美千子

49 　@ryomichico　「受精せし蟲の卵も草の実も土の褥に眠れるものを」寮美千子

50 　@qcmr32959　「幾歳も　また幾歳も　悔まれる　平成の世の　宮址舗装化」摩耶滝富一

51 　@qcmr32959　「こころある　公僕ならば　議論せよ　県民の声　宮址の保全」摩耶滝富一

52 　@qcmr32959　「こころない　キャリアが跋扈　国交省　民は焦がれし　室井慎次を」摩耶滝富一

53 　@tosikun21　「奈良だけの　ものではないぞ　その史跡　世界遺産の　破壊許さぬ」ＭＯＲＩ　

54 　@ko_o_ri1975　「亡き背子が　深く愛せし　まほろばの　美しき場所　姿変わるな」こおり

55 　@sshiomi　「長屋王草葉の陰からのぞき見ておれの残りの木簡どうする」塩見俊次

56 　@kozotani「草原に　虫と野の鳥　土の中　ミミズ活動　舗装しないで」谷幸三

57 　@okunoao　平城宮址すすきの原を海とみて「ひとむれが　あおきうみべに　つどうあき　しらべとともに　おもふなみまに」奥野正美

58 　@ryomichico 国交省分室にて平城宮跡埋立て舗装工事の説明を聞き「自然保護と遺跡保存を再優先　いけしゃあしゃあとたわけたことを」寮美千子

59 　@hsa_n　「みやこ跡美しき野を舗装とは愚かなる県世界の恥よ」Negi

60 　@hsa_n　「みどりなす平城宮址舗装する？それってアホやん意味ないやん！」Negiの娘（小５）

61 　@hsa_n　「だだっぴろい草はら渡る風に頬撫でられるのが好きだったのに」Negi

62 　@caphatma　「万葉の　木端を覆う今木端　いづれ己も覆われにかや」加藤

63 　@hifumi_nagisa　「常しえの草原夢の香りして生きる想いに便り寄こして」なぎさひふみ

64 　@hifumi_nagisa　「古の想いの風に草揺れて先人歌の後人いのち」なぎさひふみ

65 　@hifumi_nagisa　「草いきれ今も揺蕩う跡慕いとわへの想い変わるなかるや」なぎさひふみ

66 　@hifumi_nagisa　「跡追いの祈る草花一面に宮に馳せるる想い絶たずや」なぎさひふみ

67 　@yamashitamakoto　「ヒバリ鳴く　草むら深く　いにしへの　こころ伝ふる　そよ風匂ふ」山下真

68 　@yamashitamakoto　「ニセモノの　みやこを今に　造れども　ホンモノ求む　人は集わぬ」山下真

69 　@yamashitamakoto　「ユネスコの　勧告無視する　駐車場　次の舗装で　遺産取り消し」山下真

70 　@yamashitamakoto　「まやかしの　広場で往時　現れぬ」山下真　@naraneko21「魑魅魍魎跳梁跋扈」由比かがり

71 　@yamashitamakoto　「まやかしの広場で往時現れぬ」山下真　@ryomichico　「風の音にぞしのぶ万葉」寮美千子

72 　@yasuhirohiraoka　「車窓から見し草原のいまはなく　こころあらなももとにもどして」平岡泰博

73 　@yasuhirohiraoka　「ならの宮流るる水脈（みお）のつき果てて　埋もれるたから朽ち果てゆかん」平岡泰博

74 　@yasuhirohiraoka　「ねぐらなる青き草原消えさりて　虫に鳥にもつらき秋の夜」平岡泰博

75 　@anzanshi_ymd　旋頭歌577577「生きてゐる遺跡としても大地としてもセメントが殺そうとするその価値命」幽黙　

76 　@pyui2　「白き鷺　舞い降り憩う　宮跡の　豊葦原を　守り抜く時」pyu-i ‏

77 　@pyui2　「お役所に　埋め立てやめて　願う民　思ひ届けて　天鳥船」「あまのとりぶね」pyu-i ‏

78 　@amazakeoisii　「風が吹く　ここは天国　わたしらの　心を寄せる　大切な場所」あまざけ ‏

79 　@usagidenpa　「昔から大勢の人に守られて愛された地をなぜ埋め立てる？」Tampopo

80 　@masuwo1980　「悠久の時間の流れに蓋をして臭い声にも蓋する行政」貧乏暇だけ

81 　@masuwo1980　「後世に伝えて統べるが伝統と伝えず統べずは誰の仕事や」貧乏暇だけ

82 　@wildcat721 　「采女の袖吹き返す明日香風みやこを遠みいたづらに吹く」志貴皇子　万葉集51　やっち選

83 　@chiaranCo　「飾るるは　野山の錦　平城宮　とこしえならませ　嬉しからまし」きあらん

84 　@hifumi_nagisa　「秋風に透る夢の端草原に想いしとわに宮の栄えを」なぎさひふみ

85 　@hifumi_nagisa　「思いして跡なる価値の草はらの変えることなき夢を探して」なぎさひふみ

86 　@hifumi_nagisa　「未来して跡の夢見に草なくばいのちの祈り見つかざりしに」なぎさひふみ

87 　@hifumi_nagisa　「雲謳う時の夢には草はらの揺らす風にと想い伝えて」なぎさひふみ

88 　@akatsukikantaro　「怒髪天　伐折羅と阿修羅　盧舎那仏　吉祥天に　鑑真和上」暁貫太郎

89 　@akko1027　「観光客古代のロマンに逢いにくるテーマパークを見たらガッカリ」akko

90 　@hitsun09　「皆も知る　奈良の都の　空広き　それも緑の　あればこそなり」久田充朗　

91 　@hsa_n　「平城宮跡レジャーランドじゃないんだよ　世界遺産が台無しやんか」Ｎｅｇｉ

92 　@hsa_n　「早春に土筆を摘みしあの野原　父子の笑顔われは忘れず」Ｎｅｇｉ

93 　@ryoimichico　「菜摘ます児摘みし土筆菜われも摘む千年後のこの宮跡で」寮美千子

94 　@orange7854　「車窓から　いつか行こうと眺めてた　いつかを永久(とわ)に失いたくない」ニロ

95 　@sin_soba_eater　「バスで来て　舗装歩いて　大極殿　でかかったなと　都も見ずに」sin

96 　@sijouooji「風誘う　すすき穂波のさやぐ朝　守らむ平城宮跡　翁若者みな立つべし」四条大路

97 　@kotosuzume　「青垣と　野草広々　天高く　花鳥虫群れる　天平の夢址」古都雀

98 　@ixthusnesos　「いにしえの奈良の都の忍草土ほるしだに惜しとぞ思う …忍と偲ぶ」土井侑紀

99 　@sulwha51「いにしえの奈良の都に恋い焦がれ今も昔も変わらぬ思い」

100 　@hsa_n　「風渡り　鳥が飛び行く　かの野辺も　今は減りゆき　いと悲しきや」Ｎｅｇｉ

101 　@peccopocco56　「虫の音を聴いて子供の手を引いて思いを馳せる平城の宮」稲垣@奈良ときどき三重　

102 　@naraneko21　「秋篠氏土師氏ら移転で平城宮嘆きさらなり1302年後」由比かがり

103 　@yasuhirohiraoka　「あしひきの春日の山の秋鹿の　みやこを遠見かなしけく鳴く」平岡泰博

104 　@amazakeoisii　「宮跡は　緑あふれる　希有な場所　整備するより　保持する道を」あまざけ

105 　@m_mmadeline　「草原に　虫鳥の声　そのままに　時流れても　ここにあり』やざきまさえ

106 　@m_mmadeline　「電車から　見える景色に　はるかなる　奈良の都を　思い浮かべて」やざきまさえ

107 　@sakrasak48　「子と集う　平城京の　草原に　突如出現　鉄柵悲し」ガンジーのスゝメ

108 　@niwa_karesusuki「あらッ “いいね！”フェースブックの　そこぢから　都の空へ　響けいかずち」トミー

109 　@mipoko611　「雨風と　緑が剥がし　また肥やし　廻る輪を断つことの哀しき」mipoko

110 　@ryomichico「失うは過去のみならず未来をも破壊せんとすわが世代にて」寮美千子　

111 　@huyaan　「草の原ゆゑに幻視の楽しきを奪ふ権利の誰にかあらむ」不夜庵

112 　@sulwha51　「平城宮草原にしか見えずとも悠久の歴史感じる心」ソルファ

113 　@KanabunGilles「野の草の　名も知らぬ日の　思い出は　平城京に　金のえのころ」Kanabun et Gilles

114 　@masuwo1980　「復原と　セメント大地　前にして　古代の技術の　高さのみぞ知る」貧乏暇だけ

115 　@anzanshi_ymd　「人の眼の想像力を遊ばせよ虫の眼差し鳥の眼差し」幽黙

116 　@fuku00011　「いにしへの　奈良の都の　草野原　けふ役人が　土埋めんとす」Yumiko【持続可能な社会を創ろう】

117 　@fuku00011　「平城京　いにしへ人に想い馳せ　草の影から　虫の音聞ゆる」Yumiko【持続可能な社会を創ろう】

119 　@fuku00011　「いにしへの　都の草地に　佇みて　若草山より　出でし月見ゆ」Yumiko【持続可能な社会を創ろう】

120 　@mipoko611　「何もなき　草叢と見えし　その原に　太古の人の　愛別想う」mipoko:NoNukes&NoFur

121 　@hitsun09　「役所ふる　民代も聞かず　平城京　声聞かないに　草埋めるとは」久田充朗

122 　@the_longest_777　「草生（む）すも　立てば都の　夢のあと　大宮人の　声ぞ聞くなむ」棚田豊作

123 　@Aug381　「あな醜賢しらをすと野を埋めぬ人をよく見ば猿にかも似む」KG

124 　@sijouooji　「秋風や　虫の音偲ぶ　古代人　全面舗装で　草原悲し」山村さちほ　

125 　@yasuhirohiraoka　「家持に詠んでほしいなおびとにも　この荒らくれるならの宮址を」平岡泰博

126 　@hifumi_nagisa　「秋風の想い映して揺れられし草はら夢の宮辿りしに」なぎさひふみ

127 　@hifumi_nagisa　「宮追いの風雅に憩う草はらの払う勿れと想い伝えて」なぎさひふみ

128 　@hifumi_nagisa　「祓いしや息の連なる想いしていのちに萌える草はら揺れて」なぎさひふみ

129 　@hifumi_nagisa　「聞こえしに草はら響き古の交わすいのちの祈りに添えて」なぎさひふみ

130 　@yatsucyanman　「いにしえの　魂ねむる　土の中　舗装されては　息ぐるしいよ」松本恭明

131 　@okinahimeji　「咲く花の匂うと詠まれし古の都を偲ぶ鳥宿る草」櫻井光政

132 　@Aug381　「平城の宮の形見は草深き波の上にこそあらましものを」KG

133 　@Eucaly_Maehira　「友垣と　共に歌いし　みやこ跡　変わらぬ緑と　変わらぬ夢と」Oshiro Miki

134 　@Aug381　「土は哭き草は哀しみ風猛り天は怒りに燃えにけるかも」KG

135 　@toraititamiya　「そのベトン　復興支援に使うなら　誰も文句を　言いやしませぬ」田宮電気

136 　@toraititamiya　「われおもう　古き遺跡を塞ぐより　人を守れる礎となりたい」田宮電気

137 　@Aug381　「舗装して野の彩消すか小役人心眼毒す汝が色紫」KG ‏

138 　@naratakasi　「土かため　大和の野良の　かぐわしき　はるか思いも　千三(ちみ)とせ悔しき」 ‏奈良たかし

139 　@yasekamasu　「グローバルコンセンサスも死語なりや認定受けし世界遺産」Dorothy ‏

140 　@KanabunGilles　「宮址に　セメント固めの地層みる　未来の子等の　当惑おもう」Kanabun et Gilles

141 　@KanabunGilles　「三和土の　平城宮は砂けぶり　まだらまだらに　力芝生う」Kanabun et Gilles

142 　@naratakasi　「大野原見わたすかぎり古代草息吹と怒り誰が知るらん」 ‏奈良たかし

143 　@naratakasi　「滔々と流れる雲のいのち水降り透り来て野に生きざわめく」奈良たかし ‏

144 　@55zakky　「草の上走って投げて転がって　笑って叫ぶ　楽しい遠足」薫京 ‏

145 　@55zakky　「寝転んで　大空見上げ手をつな　背中の草を払って笑う」薫京 ‏

146 　@55zakky　「走っても走っても　どこまでもずっと緑の広場　ここが奈良」薫京 ‏

147 　@55zakky　「奈良公園　鹿の糞で寝転べない　平城宮址は寝転べる」薫京 ‏

148 　@niwa_karesusuki　「あるまじき　復興予算の　使い道　もしやこの金　何処より湧く」トミー

149 　@niwa_karesusuki　「税金は　かなしからずや　腹の黒　心の白に　染まず息づく」トミー若山

150 　@sulwha51　「いつの世も　飾らずそこに　あらんとす　平城宮に　来世も会いたい」ソルファ

151 　@sulwha51　「何もない　その草原に　いにしえの　ロマンが眠る　平城宮址」ソルファ

152 　@fuku00011　「風渡る　奈良の都を　見おろして　うき世を嘆く　夜半の月かな」Yumiko【持続可能な社会を創ろう】

153 　@fukkurasuzume　長歌「年ごとに草は萌え出づ　春ごとに子らは花摘む　旅鳥の羽交い安ろひ　蛙鳴き蜻蛉飛び飛ぶ　生きかわり死にかわりつつ　青垣の国のまほらに　いのち継ぐ千年の野を　うつそみの　人な名付けそ　空き地荒れ地と」ふっくらすずめ

154 　@naratakasi　「とこしえの都の果ての思い草　ひくき謀りの土モルタルに消(き)ゆ」奈良たかし

155 　@naratakasi　「たそがれの黒き手がつく金(かね)手毬　ただひとひらの宮跡も埋め」奈良たかし

156 　@kozotani　「枯れ草の下で冬越すはずなのにクビキリギリス途方に暮れる」谷幸三

157 　@niwa_karesusuki　「パルテノン　天衣無縫の　復元を　誰れぞよろこぶ　厳しきは奈良」トミー

158 　@sijouooji　「セメントの舗装で野鳥追い放ち　後に来て鳴く閑古鳥かな」西本もりなお

159 　@sijouooji　「もしやこれ　工事で遺跡朽ち果てば　太古の記憶　忘れ去りなん」西本もりなお

160 　@sijouooji　「ここに立ち　宮跡の原　眺むれば　怒り沸き立つ腹の底より」四条大路

161 　@sijouooji　「ももしきの　大宮人も嘆きけり　復興にまわせこの無駄遣い」西本もりなお

162 　@sijouooji　「宮跡（みやあと）を　まもる想いは　脈々と　地下水のごとく　今に流るる」西本もりなお

163 　@naratakasi　長歌「虚空飛ぶ　朱鳥(しゅちょう)は見ずや　緑なす　草原広さ　限りなき　大豊穣の　天恵を　地に群(む)る人は　無の荒れ野　功利に壊れる　古伝さえ忘れ」奈良たかし

164 　 @fuku00011　「風薫る古都の跡地の空仰ぎ雲間に瞬く星のさやけさ」Yumiko【持続可能な社会を創ろう】

165 　自然観察会にて詠める「バッタが　いっぱい　飛んでて　よかったね」おおぶなつき　４才

166 　「バッタさん　いっぱいいてて　たのしいね」中村健介　７才

167 　「ぼくたちの　まわりをとぶよ　バッタさん」中村健介　７才

168 　「バッタくん　ならのみやこを　とんでいる」大ぶきょうご　８才

169 　「すざくもん　まわりを　バッタが　とんでいる」大ぶきょうご　８才

170 　「妹が　四つ葉を見つけ　姉にあげ　姉がよろこぶ　すごくうれしい」　鳥居風香　８才

171 　「妹が　コオロギつかまえ　よろこんだ」鳥居風香　８才

172 　「役人も　考え直すかもしれない　バッタ見つけた子供の笑顔」　岡

173 　「平城に　バッタ飛びかう草原に　舗装をしたら産卵できない」　谷幸三（10/13　平城宮跡自然観察会・講師）

174 　「平城宮　一面広がる草原に　セメント埋め立て　いと悲しかな」　鳥居佳子

175 　「千年の風吹き渡る宮跡の　草原なればいのちつながる」　たむらよしかず

176 　「今のまま　おいておくべきこの場所を　世界遺産の名さえ台無し」　メグ

177 　「草っぱら　何といっても草っぱら　豊かな広場　朝堂院跡」　猿沢の亀

178 　「絹の道　旅路の果ては平城京　久遠の想い　地下に眠れり」　トホル

179 　「宮跡は　いにしえからの贈り物　未来へつなぐ我らが使命」　かぎろひ・豊永かずみ

180 　「空も地も　草花虫鳥風霧よ　ともに語らん　過去から未来」　かぎろひ・豊永かずみ

181 　@kozotani　「ぼくたちの棲みかを舗装しないでとエンマコウロギ悲しげに鳴く」谷幸三　

182 　@matsuyaman_83yh　「千年の想いも知らぬバッタかなただ時を尊(と)びただ空を跳び」やすし

183 　@ryomichico　「風わたる草海原にまぼろしの遣唐使船浮かぶ宮跡」寮美千子

184 　@ryomichico　「なにもなき草原なれば限りなく心広がる平城宮址」寮美千子

185 　@ryomichico　「なにもなき草原にこそ命満ち命めぐれる平城宮址」寮美千子

186 　@tomoko3298　｢遥かなる平城京に思い馳せ一日も早い中止を願う｣沼田知子

187 　@okeigaeru　「手を触れぬ事こそ誉れ我が京すべての命に赤き血流るる」okei

188 　@usagidenpa　「後の世に　セメント残して　何になる　貴重な原っぱ　平城（なら）なればこそ」Tampopo

189 　@pyui2 「鳥の声　虫の声聞く　この場所を　残して欲しい　切なる願ひ」pyu-i

190 　@pyui2 「あしもとの　野の花たちに　囲まれて　こんなしあわせ　他にはないわ」pyu-i

191 　@hsa_n　「草の原緑の風を頬にうけ　太古の都思い浮かぶる」Ｎｅｇｉ

192 　@hsa_n　「世界遺産　真の目的保持保全　舗装するとは愚行なりけり」Ｎｅｇｉ

193 　@fukkurasuzume　「世界遺産セメントで埋め　愚かなる世紀の記念碑作らむとするか」ふっくらすずめ

194 　@fukkurasuzume　「千年の野末に渡る風の声　ただ聴いてみたい　子と手をつないで」ふっくらすずめ

195 　@niwa_karesusuki　「こなたより　かなたへ向かふ　この道は　歴史なす道　子々孫々へ」トミー

196 　@pyui2 「この思い　届いてるはず　役人に　だって人の子　人の親だし」pyu-i

197 　@the_longest_777　「もののふの　こころがあれば　毀つ（こほつ）まじ　宮に秘めたる　地下の木簡」棚田豊作

198 　@the_longest_777　「はつごころ　思い出しなよ　任官の　たみはなとり（民・花鳥）は　いま嘆くなり」棚田豊作

199 　@the_longest_777　「県知事は　景観保全　言うけれど　遺跡保全は　視野のまた外」棚田豊作

200 　@flora2012　「あをによし奈良の都に土建屋の匂いぷんぷん今盛なり」flora

201 　@akatsukikantaro　「あまつかぜ　舗装のしごと　差し止めよ　ありし日の寧楽（なら）　とは（永久）にとどめむ」暁貫郎

202 　@hifumi_nagisa　「草はらの恋して夢の祈りして続くいのちの跡を想いて」なぎさひふみ

203 　@hifumi_nagisa　「栄枯する歴史の姿草はらの夢といのちを消す勿れと」なぎさひふみ

204 　@hifumi_nagisa　「膨らみし宮跡草原いのちして舗装に祈り未来を消して」なぎさひふみ

205 　@niwa_karesusuki　「千秋の　水田（みずた）なるこそ　保たれり　祖先の息吹き　セメントに消ゆ」トミー

206 　@akatsukikantaro　「桜散る　曲水の宴　はらはらと　夢見る乙女　集ふ芝草」暁貫太郎

207 　@Kuma_ataro　「平城の　都の跡の草原に　鳥は巣籠り　神は宿れる」久麻當郎

208 　@ryomichico　「民草を薙ぎて栄えし国はなし命芽吹かば国も滅びむ」寮美千子

209 　@ryomichico　「草原にそよぐかそけき声に耳傾けたまえ民を思わば」寮美千子

210 　@Ichimi_RAIN　「人々の心を洗う平城宮　いにしえの宝　ありがたい草原」慈空

http://narapress.jp/hjk/

■平成の大焚書としての「第一次朝堂院の広場整備の工事」

Fri, 28 Sep 2012 01:10:38

本日9/27、平城宮跡の「土色舗装」に抗議のため、国交省の平城分室へ行った。ツイッターで急遽募ったにもかかわらず、25名もの人々が参加。市会議員、県会議員、元知事候補者、世界遺産を守る会の方なども駆けつけてくださった。新聞社も５社が取材に来てくれた。まずは、担当の国交省平城分室の桑田課長の説明を受けた。

「第一次朝堂院の広場整備の工事」は、国交省が国営公園として、大極殿の前の草地4万5千平方メートルを舗装する工事で、25日にすでに着手している。完成すれば、近鉄線から大極殿までの、ほぼすべての草地が舗装されることになる。
【土色舗装工事の記者発表用リリース】

国交省側の説明によると、この工事の目的は利用者の利便性であり「草ぼうぼうの湿地で足元が悪いので、歩きやすく」「文化庁が整備した基壇に自由に行き来できるように」することだそうだ。

歩きやすくするだけなら、道をつければいい。4万5千平方メートルもの土地を舗装する必要はない。この草地は湿地なので、尾瀬のように自然を破壊しない道をつける方法もある。

また、国交省のリリースには「来訪者は大極殿を真正面に見て往時の広がりを体感できる」「復原された第一次朝堂院基壇を間近に見られる」とあるが、広がりなら舗装しなくても柱を立てるなどで充分示すことができる。平城宮跡の一部には、遺構の柱の部分に、木を植えて、柱の形に剪定したものがあるが、これは自然と一体化したすばらしいアイデアだ。すでにこんなすばらしい造園技術があるのに、なぜ4万5千平方メートルもの広大な野原を、コンクリ舗装する必要があるのか？　理解しかねる。

また、３Ｄメガネを使ったヴァーチャル体験をすることも可能だ。この装置を導入すれば、多くの観光客を呼び入れることができるだろう。今回の舗装化の総予算は、３億円ほどになる予定。それだけの予算があれば、３Ｄメガネの導入も可能だ。

他の方法を検討せずに、ひたすら「土木工事」を目指す国交省のやり方は、まったく時代遅れであり、整備ではなく、自然破壊だ。

しかも、これが、自然破壊に留まらず、文化破壊にもつながるところが、今回の大問題である。平城宮がここにあったのは実際には70年ほど。都でなくなってからすぐに、田畑になった。その後、忘れ去られていたが、江戸後期の北浦定政による研究で、都跡であることが判明。明治期に棚田嘉十郎・溝辺文四郎らが中心となり保存運動を起し、大正10年、平城宮跡の中心部分が「民間の寄金」によって買い取られ、国に寄付され、翌年に「平城宮址」として国の史跡に指定された。以来、田畑は草原や沼となり、自然状態が維持されてきた。つまり、単なる草ぼうぼうの空き地ではなく、人々が身銭を切って必死で守ってきた草地なのだ。

その草地が、地下に眠る遺物を守ってきた。地下水に浸されてきたことで、酸化を免れ、木簡の文字が読めたのだ。発掘現場に行けばわかるが、土から掘り出された木簡はみるみる黒くなっていく。酸化するためだ。これを食い止めるため、埋蔵文化財センターでは、木簡を水に沈めて保管している。さほど、地下水は埋蔵文化財の保存に重要なものだ。

もし、この地下水が枯渇すれば、いまだ未発掘の木簡（発掘は3分の1しか終わっていない）が酸化し、読めなくなる。つまり、1300年間地下に保存されてきた大図書館を、わたしたちの世代で「燃やす」ことになる。これは、平成の大焚書に他ならない。

平城宮の中心にある4万5千平方メートルもの広大な湿地に盛り土をして埋め立て、湿地でなくしてしまい、しかもそこにコンクリを張る。当然、水は浸透しない。夏はじりじりと灼かれる。こんな状況で、地下水を確保できるのか。

国交省の平城分室の課長は「問題ないと思います」と語った。地下水脈は北から南に流れるので、ここには北からの水が流れ込む「はずだ」という。だから「たちまちは問題ない」というのだ。「たちまち」とは？　1300年間、地下で保存されてきた遺物に関して「たちまちは問題ない」といった短期的な認識しかないのか？　

しかも「問題ないと思います」である。「問題ない」ではない。たとえ課長が「問題ない」と断言したとしても、ほんとうに問題がないかどうかは、実際わからない。やっていなければわからないし、やってみたとして、地下のことはわからないから、遺物に損傷があってもわからない。取り返しのつかないことになる。

ところで、なぜ「問題ないと思います」なのか、その根拠の提示を求めたところ、非常に出し渋った。よくよく問いつめると、なんと、この工事に関して、地下水についての考察はしていないというのだ。なんという暴挙。

平城宮跡は、1998年に「古都奈良の文化財」として東大寺などと共に世界文化遺産に登録された。考古遺跡としては日本初である。その時点で、大極殿はなかった。ただの原っぱだったのだ。それが評価されたのは、地下に眠る遺物が、1300年間、守られてきたからに他ならない。その守り神である地下水の検討もせずに、舗装工事に着手したのである。論外だ。文化破壊そのものである。

ユネスコの世界遺産委員会は、2011年、平城遷都1300年祭のために設置された駐車場を急ぎ撤去するよう、日本政府に求める決議を採択した。また、大極殿の周囲に張り巡らせた修景柵も、実際にはなかったものなので、誤解を招くとして撤去を求めた（ちなみに、修景柵の建設費は、県当初予算の２.５倍の３億円である）。しかし、奈良県も日本政府も、ユネスコのこの勧告になんら対応せず、放置。来年2月1日までに返答をするように迫られている。みっともない限りである。

さて、そこで今回の「土色舗装工事」であるが、ユネスコへ報告したのかと問うと、していないという。駐車場と柵の問題も解決していないのに、報告も相談もせずに、新たに4万5千平方メートルもの土地を舗装するなど、信じられないことが起きている。これでは、いつ世界遺産登録を剥奪されても仕方ないだろう。国際的な視点から見ても、まったくお粗末な、恥ずかしい顛末だ。

国交省は、この工事に当たっての優先事項として「地下の遺物の保存」「自然環境の保護」の２点を挙げたが、あきれかえるしかない。遺物の保存に関しては、地下水の検討もしていないばかりか、ユネスコへの報告もなし。しかも、4万5千平方メートルもの土地を舗装して「自然環境の保護」とは噴飯物である。この土地は、平城宮跡の中心にあり、ここが舗装化されると、緑の中心が抜けてドーナツ状になる。豊かな湿原とその周囲が一体化して、生物多様性を確保しているのだから、ここが破壊されると、この周囲にも自然破壊が及ぶことは必至である。

国交省に「土色舗装」のメリットとデメリットをどう考えるかを訊ねたが「歩きやすくなること」がメリットであり、デメリットは「あえて言えば、緑がなくなり土になること」との返答。その程度の認識しかないことに、言葉を失った。「歩きやすくなること」のために、どれだけの犠牲を払えというのだろう。1300年前の貴重な文化遺産と、長年育まれた豊かな生態系を破壊してまで、「歩きやすさ」を取るというのか？

田畑であり野原であったからこそ守られた地下遺跡と豊かな生態系。その両方が危機である。工事の記者発表は9/20、奈良新聞に第１報が掲載されたのが9/24。翌日の9/25から、突然工事が始まった。市民に周知もせず、いきなり工事を始め、反対の声を封殺しようというやり方に、卑劣さを感じずにいられない。あるいは、そんな大問題になるほどのことという認識すらないのか。

田畑となり、草原であったからこそ1300年間守られてきた地下の遺物。それこそが保存の「実績」である。何が科学的かと言えば、1300年の実績を重んじて、環境を変えないことこそが、いちばん科学的なことだ。これにまさるものはない。湿地の埋め立てと舗装工事を、即刻中止するべきである。

国交省との話し合いの帰り、埋め立てられる用地を一周した。広い、ほんとうに広い。ここで月を愛で、虫の音を聞き、また花を愛で、鳥の声を聞きながら、この草原を守ってきた先人たちに思いを馳せ、1300年前をしのぶことのほうが、どれほど文化的か。

「整備」＝「コンクリで固める」時代は終わった。草地をコンクリにすれば、ヒートアイランド化し、温暖化に拍車を掛ける。時代への逆行も甚だしい。土埃も舞い、人々の憩いの場とは呼べなくなるだろう。町中に残された貴重な緑だ。国交省は、いま本当に求められているものがなんなのかを、真摯に考えてほしい。

■平城宮跡の「土色舗装」抗議行動の連続ツイートまとめ

Thu, 27 Sep 2012 23:58:03

本日9/27 #平城宮跡の「土色舗装」に抗議のため、国交省の平城分室へ。担当者の説明を聞き、言いたいことを言うための場で、急遽ツイッターで参加者を募ったのだが、25名もの参加。新聞社も５社来てくれた。担当者の国交省平城分室の桑田課長の説明に唖然。驚きの新事実が

国交省は #平城宮跡の「土色舗装」の目的を、「利便性。草ぼうぼうの湿地で足元が悪いので、歩きやすく」「文化庁が整備した基壇に自由に行き来できるように」と語った。歩きやすくするだけなら、道をつければいいだけで、4万5千平方メートルもの土地を舗装する必要はないはずだ

国交省によると #平城宮跡の「土色舗装」において優先すべきは第１に地下の遺物と遺構の保護と保存。第２に自然環境の保存とのこと。遺物保存に地下水は必須だが、コンクリ舗装による地下水への影響に関しては「大丈夫でしょう」というだけで、まったく検討していないことが発覚

第２の自然環境の保存においては、何をかいわんや。平城宮跡の中心部をすべて盛り土してコンクリで固めでしまえば、その部分の自然はすべて破壊されるのは明白。そればかりか、広い面積が全体として一体化して守られてきた自然が分断され、残ったドーナツ部分にも悪影響が

#平城宮跡はユネスコ世界遺産委員会から駐車場と大極殿周囲の柵の撤去を勧告されている。しかし、返答すらしていない。しかも、今回の「土色舗装」の件は、ユネスコに何の報告も相談もしていないとのこと。世界遺産認定を取り消されても仕方ない暴挙

#平城宮跡の「土色舗装」の予算。盛り土だけで１億１千万円。さらに舗装に１～２億円、水の流れが変るために大極殿の北西に作る２つの調整池（！）造成に１億円弱。国交省の予算＝税金。復興も進まないいま、なぜ？　しかも、自然の文化遺産も傷つける工事なのに

国交省の見解によると #平城宮跡の「土色舗装」のメリットは「歩きやすくなること」、。デメリットは「あえて言えば、緑がなくなり土になること」と。その程度の認識しかない。あきれた。

国交省のニュースリリースによると、舗装の効果は「来訪者は大極殿を真正面に見て往時の広がりを体感できる」「復原された第一次朝堂院基壇を間近に見られる」。しかし、広がりなら舗装しなくても柱を立てるなどで示せるし、近くに行きたいなら道を造ればいいだけ

#平城宮跡の一部に、遺構の柱の部分に、木を植えて、柱の形に剪定したものがある。これぞ自然と一体化したすばらしいアイデア。すでにこんなすばらしい造園技術があるのに、なぜ4万5千平方メートルもの広大な野原を、コンクリ舗装に？　国交省は仕事といえばコンクリしか頭にないのか？

#平城宮跡３Ｄメガネで当時を再現して見られるようにすれば、評判になり観光客も来るだろう。自然を破壊せずに、目的を達することができる。国交省よ、なぜ、他の手段を考えず、ひたすら土木工事をしようとする？　利権か？

#平城宮跡の「土色舗装」の工事はすでに開始され、25日には、盛り土部分への立ち入り禁止の柵が張られた。ぐるっとひと巡りした。広い。そこには秋の草が茂り、虫が鳴き、鳥たちがいる。このすべてが、破壊される。殺されるのだ。「歩きやすく」するだけのために

#平城宮跡の「土色舗装」の用地は湿地帯である。豊かな生物多様性が見られる場所だ。湿地を埋めて盛り土をしてコンクリ舗装すれば、自然破壊のみならず、雨水の様子が変り、地下水が枯渇する怖れもある。科学では、ほんとうにどうなるかは、予想も付かない。

#平城宮跡の「土色舗装」により地下水が枯渇すれば、いまだ未発掘の木簡（発掘は3/1しか終わっていない）が酸化し、読めなくなる。つまり、1300年間地下の保存されてきた大図書館を、わたしたちの世代で「燃やす」ことになる。これは、平成の大焚書に他ならない

#平城宮跡　のみならず、この地域の地下水脈が変化することで、平城京全体の地下水脈に変化が起こることも想定できる。そうなれば、さらに大きな損害が。地下に眠る文化遺産の大破壊となる。

#平城宮跡が都だったのはわずか70年ちょっと。あとは田畑と野原だった。だから木簡を始めとする地下の遺物が守られてきた。1300年野原だったことの方に、大きな価値がある。世界遺産の指定も、地下の遺物の保全を評価されてのものだ。

#平城宮跡の遺物は草原だったからこそ1300年間守られてきた。つまり遺物保存の「実績」があるということだ。いくら「問題ないと思います」と国交省が言っても、コンクリ張りの影響は誰にもわからない。何が科学的かと言えば、1300年の実績を重んじることがいちばん科学的

つまり、歴史に敬意を払い、余計なことは何もしないのがいちばんなのだ。野原だったのも、放置されてではない。野原として市民が守ってきた経緯がある。近鉄車庫化、国道などの計画を、市民運動により排除してきた。人々の思いが詰まった野原なのである　#平城宮跡

#平城宮跡の「土色舗装」は、朱雀門前とほぼ同等の仕様で、それよりグレードが落ちるという。朱雀門前は、現在ひどい砂埃で、1300年祭の時、テントを張りイベント会場となったが、商品も食べ物も砂まみれ。その何倍もの面積の「土の広場」がどれだけ使い勝手が悪いか

#平城宮跡の夏の暑さは大変なものだ。草原であっても暑いのに、それがコンクリ張りの土の広場となったら、どれほどひどいことになるか。温暖化を推進するし、表面温度は以上に高くなり、地下の水も蒸散するだろうから、地下の遺物にも影響が出るだろう

平城京を実感してもらうために「公園整備」をすると国交省は言うが、いまの広い広い草原で、月を愛で、虫の音を聞きながら、また花を愛で、鳥の声を聞きながら1300年前をしのぶほうが、どれだけいいだろう。どれほど文化的か。コンクリで固めればイコール整備という考えは古すぎる

「整備＝コンクリ」という発想は、バブル期のもの。せっかく残された自然こそが宝だ。1300年間、守られてきた地下の遺物を、守り続けることも、いまを生きるわたしたちの務めだ。国交省よ、#平城宮跡の「土色舗装」工事を即刻中止せよ！

本日国交省の平城分室に集った25名の総意で、国交省に「#平城宮跡の土色舗装工事を即刻保留とすること」を申し入れた。中止を願いたいが、ともかく保留にして工事を中断し、きちんと市民と話しあってほしい

「#平城宮跡の土色舗装工事が突然始まって、多くの人がショックを受け、怒り、哀しんでいます。把握なさっていますか」と訊ねると、国交省のお役人は「まったく聞いていません」と。実際、その課長に直接訴えた人もいるのに。ひどい。聞く耳を持たないつもりか。

しかし、市民から大きな声があがれば、国交省も文化庁も動かざるを得ないだろう。みんな、声を上げよう。ハッシュタグ　#平城宮跡をつけて、舗装化反対を述べるだけでもいいです。野原の消える哀しみと怒りをぶつけるだけでもいい。ツイートが集ったら、国交省へ持っていきます

資料／土色舗装工事の記者発表用リリース

http://www.kkr.mlit.go.jp/asuka/heijo/activities/current/pdf/120920release.pdf

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