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寮美千子  「昭和屋 GO! GO!」オークション佳境! 2005年07月15日(金)23時20分05秒
昭和グッズと文化資料のオークション「昭和屋 GO! GO!」 へのコメント

札幌の友人が出品しているYahoo!オークション「昭和屋 GO! GO!」
終了時間が迫ったものがいくつかあって、息詰まる入札合戦が繰り広げられています。
わたしは、このためにはじめてユーザー登録。
ネットでは生まれて初めてのオークション体験です。
6千円ではじまった「講談社*手塚治虫漫画全集【初版本】★286冊★」は、
なんと現時点で6万円に! 開始値の10倍の値がついています。
すごいなあ。
こうなるとわたしは、指をくわえて見ているだけ。
終了まであと30分。
いったいいくらつくんだろう?

ヤフオクのユーザー登録は、わたしにとっての禁断の扉を開けてしまいました。
もともと興味のあった骨董部門をのぞいてしまい、うっかり虜に。
開始価格が千円くらいだから、つい気軽に入札してしまう。
ところが、すぐにそれを上回る入札が。
カッとなって、つい再入札してしまう。
終了間際に、最高入札額があがると、
さらにカッとなって再入札のボタンを。
ワンクリックで、どんどん競りあがってしまう。
まるでパチンコでもしているよう。
とうとう、かなりの額で
(といっても「わたしにとっての」だから大したことないけど)
生まれて初めてネットで競り落としてしまいました。
いかんなあ。

骨董への物欲は、老いてゆく人に最後に残された恋心のような気もします。
血が泡立つ。いかんいかん。
物欲を離れて、すっきりした人生を送りたいわたしです。
でも、その前にアレとアレだけは落札したいし……。
うわーっ、いかん。まずいまずい。
札幌の友だちがいけない。と八つ当たり。

ともかくも佳境の「昭和屋 GO! GO!」オークション。
ぜひのぞいてみてあげてください。

http://openuser.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/showaya_go_go?

小西昌幸(徳島、北島町創世ホール)  「創世ホール通信/文化ジャーナル」2005年7月号 2005年07月14日(木)22時12分05秒 http://www.town.kitajima.lg.jp/hole/bunka/index.html
旅立っていった友に励まされる夏 へのコメント

■お世話になっております。徳島の小西です。「創世ホール通信/文化ジャーナル」7月号が北島町のサイト上で読めるようになっています。タイトルは「我ら見はてぬ夢の丘・林直人氏の思い出に捧げる」です。10月末に創世ホールで開く紀田順一郎先生講演会の予告にもなっています。文中の写真をクリックすると拡大されるようになっています。キャプションがないのでここで記載しておきます。左から、林氏、小西、北嶋氏です。当該文章に関連した、7月8・9日の「アルケミー・スペシャル・ナイトINトクシマ」〜「こなきじじい石像探訪ツアー」も無事終了しました。ご支援に深く感謝します。
http://www.town.kitajima.lg.jp/hole/bunka/200507.html
■また、小西のインタビューが「コケカキイキイ時事通信」というメールマガジンで最近読めるようになっています。関心ある方は、暇つぶしにのぞいてみてください。
http://www.geocities.jp/kokeka_web/ml/kokeka33.html
http://www.geocities.jp/kokeka_web/ml/kokeka34.html

http://www.town.kitajima.lg.jp/hole/bunka/200507.html

寮美千子  昭和グッズと文化資料のオークション「昭和屋 GO! GO!」 2005年07月10日(日)16時34分12秒

北海道の友人が、昭和グッズや本などの文化的資料を処分することになり、
ネット・オークションに出品しています。
もともとは、ミニ展示館をつくるために集めたものなので、一級品ばかり。
その名も「昭和屋 GO! GO!」
ぜひのぞいてみてあげてください。

http://openuser.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/showaya_go_go?

MARIKO  2つお知らせさせてください 2005年07月09日(土)02時00分44秒 http://www.geocities.jp/malicosmos/
▼遊星たちの消息:星と音楽と語りの夕べ―宇宙線を歌おう、語ろう へのコメント

高橋真理子@山梨県立科学館 です。寮さん、だいぶご無沙汰しています。しっとりとした七夕を奈良で過ごされたんですね。寮さんの身体を通過する奈良の風・・こちらにも吹いてきました。

さて、しばらくぶりなのですが、遊星たちの消息に一つ、プラネタリウムにおけるイベントのご案内させていただきました。ぜひおいでくださいませ。

もうひとつ、プラネタリウムでの企画で、すべての人々を対象に写真を募集しています。プラネタリウムのドームいっぱいにいろんな世代の、いろんな人々にとっての「たいせつなもの・こと」が映し出されます。たくさんのご応募、お待ちしております。これは館のスタッフの企画ではなく、「星の語り部」という市民活動メンバーの企画によるものです。企画の際には、勇崎さんにワークショップ講師として来ていただいて、プランニングをみんなで学びました。その成果ともいえます。 よろしくどうぞ!

http://www.kagakukan.pref.yamanashi.jp/space_the/kataribe_photo.htm

寮美千子  夕立・町の神様・陶片・町並み@奈良 2005年07月07日(木)17時27分46秒
七夕 へのコメント

さっきまで快晴だったのに、急に冷たい風が吹いてきたかと思ったら、
空が真っ暗になり、ざあざあ雨が降ってきました。
雷の音もゴロゴロ。
町のいたるところにある笹が、色とりどりの短冊といっしょに濡れていました。

奈良はお天気が変わりやすい。
お水取りの頃には、青い空の下、雪が舞ったこともありました。
龍神か、はたまた雷神か。
気まぐれな神さまが、子どものように遊び回っているようです。

そうそう、奈良は神さまも近い。
雨の中、傘をさして、辻の小さな祠にお参りしているおじいさんを見ました。
辻々に小さな神さまがいて、それが生きている。
だれかがちゃんとお世話をしていて、花など供えられている。
まるで、バリ島かインドかネパールかタイのようです。

かつての日本は、きっと、アジアのほかの国々と同じように、
とても神さまの近い国だったのでしょう。
奈良には、その片鱗が残っています。

片鱗といえば、陶片。
町のなか、駐車場にするために家を壊したり、造成地にしたりしているところでは、
ほとんど必ずといっていいほど、古い陶片が土から顔を出しています。
拾ってみると、江戸期のくらわんか碗の破片だったり、明治の印判だったり。
もっと上等な赤絵の破片や、染付けもあります。
陶製の小さな三宝がゴロゴロ転がっているところもありました。
見かけるたびに拾っていたら、ひと月に満たないのに、
ダンボールいっぱいになってしまいました。
わざわざ拾いにいったのではなく、通りがかりでその状態。参った。

町を歩いていると、ふいにお香の匂いがしたり、
謡曲が流れてきて、みると、中学生くらいの男の子が、
普段着のまま、舞のお稽古をしているのが見えたりします。
古い時代の欠片は、土の中だけじゃなくて、人の中にも残っている。

ぼろぼろの、さびたトタン屋根の家や、崩れかけた瓦屋根の家が、
そのままそこにあって、普通に人が暮らしているのも奈良ならでは。
東京にあんな家があったら、とても目立つけれど、
奈良はおしなべてその雰囲気だから、当たり前。
当たり前だから、雨漏りさえしなければ、とりあえずこのまま、
っていう感じで、みんなが暮らしています。

いったい、どれくらい儲かるんだろう?と不思議になるような、
小さな個人商店がいっぱいあるのも奈良ならでは。
小さなお商売をして、その日その日を家族がつつがなく暮らせたら、それでいい、
という雰囲気が、そこここに漂っています。
足を知る暮らし、というのでしょうか。

決して経済的に潤っているわけではないのに、
町のなかいたるところに飲み屋さんがあるのも不思議。
誰が行くんだろう。
きっと、ご近所で行ったり来たりしているのかもしれない。

カルカッタに似ているなあ、なんて、思ってしまいます。
小さなお店がうじゃうじゃあるカルカッタに。

さて、そんな不思議の町・奈良にお別れを告げる時間が、刻々と迫っています。
まだ、雨が上がらないなあ。



寮美千子  七夕 2005年07月07日(木)14時08分00秒

奈良はよく晴れています。
暑いけれど、緑が多いので、子どもの頃の夏休みのような気候です。
まだ、クーラーもつけていません。
奈良では、クーラーなしで過ごす人も多いようです。
あちこちの家の軒にすだれがさかり、風に揺れています。
我が家にも、すだれを下げました。すれだ越しの風、いい感じです。

ここのところ、奈良で大工仕事?と陶片拾い!に明け暮れ、
ひたすら自転車を乗り回して真っ黒に日焼けしてしまった織り姫(自称)は、
いとしの彦星(織り姫の主観)と連れだって相模原に戻ります。
といっても、彦星は、七夕がすぎれば再び天の川の向こう岸に(涙)。

戻るとすぐに、父の喜寿のお祝い。
7月10日で父は77歳になります。
一病息災ですが、長生きしてくれてうれしい限りです。
これからも、もっともっと元気で長生きしてほしい。
7月20日は、恒例の「おひさま大賞」の審査会。
今年はどんな作品が大賞をとるのか、楽しみです。
7月21日は、恒例のラシエットの詩の朗読会。
2ヶ月ぶりに参加します。みなさまもぜひ!
7月30日〜8月1日は、東川町のフォトフェスティバルに講師として招かれました。
新人賞受賞の作家の下馬評も高く、これも楽しみ。
帰りに旭川、白老、二風谷のアイヌ資料館を巡る予定です。
さらに、世界の星民話を雑誌「マンモス」に発表予定。
予定満載の夏になりました。

みなさん、北海道で、そして首都圏でお目にかかりましょう!




寮美千子  旅立っていった友に励まされる夏 2005年07月01日(金)17時19分32秒
「徳島新聞」の「読者の手紙」欄への投稿が掲載されました へのコメント

小西昌幸さま

亡きご友人の思い出、聞かせてくださってありがとうございます。
「こなきじじいの像」が、ご友人を偲ぶよすがになっていくんですね。

創世ホールの「文化ジャーナル」も興味深く読ませていただきました。
「こなきじじいの像」の除幕式のゲストの「幻想文学」元編集長の東雅夫さんは、
『稲生モノノケ大全 陽之巻』の編集をなさった方。
「平気の平太郎 魔王の館の巻」をわたしに書かせてくださった恩人です。
水木しげる氏には、インタビューをしたこともあります。すばらしい方です。
うーん、わたしも行きたかったなあ、除幕式。残念。

この年になると、わたしにも先に旅立っていった友人が何人もいて、
なにかあるごとに思い出します。

いまだにお墓参りを果たせていない宇和島のヤマウチのことなど、
四国、という単語を聞くたびに思いだし、いつか墓参りをと思っています。

瀬戸大橋を渡るときや、渡し船に乗るときは、
かつて一緒に取材をして歩いたオケさんのこと、
必ず思い出して、涙ぐんでしまいます。

軽トラックに梯子を積んでいるのを見ると、
植木屋をかねていたネバーネバーランドのマスターの
松崎さんを思わずにいられません。

桜咲く頃に旅立った渋谷さん、
5月の緑のなかで独り逝ってしまった大橋さん……。

旅立っていったたくさんの友人たち。
馬齢を重ねているわたし。
生きているということにもっともっと感謝して、
日々を楽しみ、いい仕事をしなければ、と思います。
亡き友たちに、日々励まされている思いがします。

暑い夏がやってきます。
小西さんも、お体に気をつけて。
あんまり無理をしないで、ゆっくり楽しみながら、歩いてください。
8日のライブは、残念ながらお伺いできませんが、
いつも気になるイベントをたくさんなさっていらっしゃるので、
都合がついたら、ぜひお伺いさせていただきます。

silica  平気の平太郎 魔王の館の巻 2005年06月29日(水)23時44分15秒

「稲生モノノケ大全 陽の巻」の中におさめられている寮さんの「平気の平太郎」を読みました。5000円で買ったお家のお話から始まる夏休みの出来事、お、おもしろ〜い!!!(おもしろかったです、という言い方よりもこういいたいのです。)私が寮さんの姿を知っているからかもしれませんが、主人公はいつしか寮さんの顔をしていて、寮さんの声で(講談、落語ではないのですが、)文章が聴こえてきました。すごく、小気味のいい言葉のテンポ感、リズム感で、頭の中に場面があれよあれよと展開し、一気に読んでしまいました。こんな分厚い本の中だけに眠っているのでは、寮さん平太郎くんがかわいそう。ぜひ、小学生や中学生が気軽に読める月刊雑誌の中でも発表していただきたいなと思いました。(明るいブラックユーモアが言葉の中にちりばめられていて、衝撃的でしょうか。)
寮さんらしい「銀河」というフレーズもさりげなく出てきて嬉しくなります。また、数年前でしたら、こんなふうにパパとママをおちょくらないで、と泣きそうなところですが、寮さんワールドにすっかり鍛えられた今は、「ははは!」と笑いとばしています。
寮さんの作品はいつもエネルギーがふつふつと湧いてまいります。また充電できました。ありがとうございます!

φ本  『楽園の鳥』背表紙のアンモナイトが・・・ 2005年06月28日(火)13時26分11秒 http://asoberu.jp

寮さん、みなさん、こんにちは。
V.Vのφ本です。
こういうことをここに書くのもどうかと思いますが(笑)、
『楽園の鳥』関連ということで。
『楽園の鳥』背表紙に使われている、門坂流画伯の銅版画
「アンモナイト」↓
http://vv.gsj.bz/cgi-bin/vv/merchan/view_goods.pl?goods_id=00000it003
が売れました!

とりあえず、乾杯!

小西昌幸(徳島)  「徳島新聞」の「読者の手紙」欄への投稿が掲載されました 2005年06月27日(月)12時04分33秒 http://www.town.kitajima.lg.jp/hole/bunka/200506.html

■寮さん、お世話になっております。徳島の小西です。6月27日付け「徳島新聞」の「読者の手紙」欄に私の投書が掲載されました。徳島県の山間部・高知県境に程近い山城町にある、こなきじじい石像にまつわる思い出です。以下に転載します。

【「徳島新聞」2005年6月27日「読者の手紙」欄掲載投稿】
 思い出が宿るこなきじじい
 二〇〇一年八月、大阪。私は自分のミニコミ取材で林直人氏のインタビューをした。林氏は町田町蔵氏(=町田康、芥川賞作家)の古い友人で十代のとき、一緒にINUというグループを作った関西パンクの源流的存在。自主レーベル・アルケミーレコードの専務だった経歴も持つ。
 インタビューには林氏の親友・北嶋建也氏(ロック歌手、ギタリスト)が同席した。その席で二人から「山城町のこなきじじい石像建立に役立てて欲しい」とカンパを授けられた。同年秋、石像は無事完成。像の隣の石板には浄財を寄せた人々の名が刻まれ、林、北嶋、小西の名前もそこにある。翌二〇〇二年秋、林・北嶋両氏がこなきじじい石像探訪のため徳島入りされた。二人が山城町の石像を見て大いに喜んだのはいうまでもない。温泉にも行った。
 二〇〇三年七月、林氏はのどの癌で死んだ。享年四十二歳。あまりに早すぎる死だった。
 今年七月九日、林氏の親友二人(北嶋氏とアルケミーレコード社長のJOJO広重氏)が亡き友を偲ぶため、私の案内でこなきじじい石像を訪れることになっている。
 私にとって、山城町の石像には悲しい悲しい思い出が宿っている。(北島町、小西昌幸・四十九歳・北島町創世ホール館長)

■で、北嶋・広重ご両名からは「せっかく徳島に行くので、7月8日にライヴをやらせてくれ」というご意向を伝えられまして、「アルケミー・スペシャル・ナイトINトクシマ」という催しを徳島市内(会場=アンカーベイ)でやることになっていて、2か月前からその準備でてんやわんやです。不順な天候が続きますが、どうかくれぐれもご自愛ください。お元気で!



http://www.town.kitajima.lg.jp/hole/bunka/12.html

寮美千子  『楽園の鳥―カルカッタ幻想曲―』とは何だったのか? 2005年06月27日(月)01時09分42秒
漸く単行本「楽園の鳥、カルカッタ幻想曲」読了しました。 へのコメント

古沢広さま

ごぶさたしてます。
『楽園の鳥―カルカッタ幻想曲―』、新聞連載時より応援してくださって、ありがとうございました。
単行本も読んでくださったとのこと。感謝の念に堪えません。

『楽園の鳥』は連載時よりヘヴィーな小説だと言われてきました。
担当してくれた編集者に「絶望的な小説」と言わしめたこともありました。
どういう意味で絶望的か?
物語に救いがないという点で絶望的、ちっとも売れなかったという点で絶望的。
また、いくつか書評は掲載されましたが、
文壇ではまったく話題にならなかったという点でも、
編集者にとっては、絶望的な作品だったかもしれません。
講談社の名物編集者の定年退職直前のお仕事だったので、
引退の花道を汚してしまったなあと恐縮な気持ちです。

それでも、ネットでは、いまだにどこの誰か知らない読者の方が、
『楽園の鳥』を読んだ感想をアップしてくれることもあります。
何かを受け取ってくれたと手応えを感じることも多々ありました。

そしていま、このように古沢さんから
新たに励ましのお言葉をかけていただけると、
深いところから勇気がわいてきます。

『楽園の鳥』の主人公のミチカは、うんざりするほどの大馬鹿者です。
心の弱いダメ人間です。そして、少しも学ばない。
自分のなかを吹き荒れる嵐に翻弄されるままに旅を続け、
人生の暗いトンネルの出口が一向に見つからない。
読んでいて、読者は苛立ちを感じ、
それでも、きっと彼女はなんとかするだろうと一縷の期待を持ちながら読み、
そして、その期待を裏切られます。
解決のつかない問題を抱えたままのラストシーン。
怒りを主人公に向ける人も、主人公を取り巻く男たちに向ける人も、
また作者に向ける人もいるでしょう。

その怒りは、しかし、作品に対する怒り、
というようなものではないらしいのです。
そこが、わたしには興味深い。
馬鹿すぎる友人に対して怒るような怒り。
あるいは、愚かな友人の言動にあきれかえる気持ち。
小説世界が境界線を超えて、まるで現実の出来事のように、
物語が読者に迫っていくらしいのです。

それは、物語が閉じていないから。
物語として隔離され、安全な場所に安置されていないから、
だから、この物語は容赦なく現実に流入してきてしまうのです。

その意味で、これは「小説」ではないかもしれない。
いわゆる「小説」を期待して読んだ読者には、
この「閉じていない」ということが、納得がいかない。
小説らしくないと思う。
現実世界に流入してきて、時には危険でさえある。
けれど「小説」に対する既成概念の希薄な読者には、
その「閉じていない」ところが
かえってヴィヴィッドで面白く感じられるようです。

なぜ、この物語は閉じていないのか。
ひとつには、わたしがそう望んだということがあります。
安易な解決を与えたくなかった。
物語らしい結末で、読者を簡単にほっとさせたくなかった。

けれども、もうひとつ、
わたしに「安易でない解決」を与えられるほどの人間的成熟がなかった、
ということもあると思っています。
主人公に心の闇を乗り越えさせ、
明るい場所に連れていけるだけの力が、作者であるわたしになかった。

けれども、安易な解決を与えずに、闇を闇のまま見つめ、抱えていく、
そういう力だけはあったように思います。

「安易でない解決」とは何なのか、
わたしは、わたし自身の人生を生きながら、いまも考え続けています。
これからも考えていくでしょう。
考えながら、作品を書いていくと思います。

いま『楽園の鳥』を振り返ってみると、とことん愚かな主人公のなかに、
それでも溢れるような「生命力」を感じます。
そして、そのことがわたしを励ましてくれるように感じます。

>この小説との関わりには、何か時間、空間を超えた
>不思議な縁のようなモノを感じています。
>生命的共感といったことでしょうか。

『楽園の鳥』出版直前、古沢さんが掲示板でそうおっしゃってくださったことがありました。
ミチカは、古沢さんのそんな応援を受けて、しあわせ者でした。
そして、わたしも同じように、しあわせ者です。
古沢さん、ありがとう。
これからも、がんばります。よろしくお願いします。

なんくる  森口さんへ 2005年06月20日(月)21時31分25秒
藤村時代さんの個展開催中! へのコメント

コメントありがとうございます。
ぜひ、一度、行ってみたいと思います。
たんぽぽの家の歴史、すごいですね。
私たちのデイサービスでも、仲間とすてきなアート活動ができたらいいなと思っています。また、いろいろ教えてください。

マミ  父の日におめでとうございます! 2005年06月19日(日)04時26分13秒 http://www.geocities.jp/mamy_madagascar/

父の日におめでとうございます!
マダガスカル人には6月19日も父の日です。
父は家族にお土産をもらうのです。
母の日に比べると、父の日が有名ではありません。
日本にはどうですか?同じですか?
お父さんたち、今日の日に楽しんでください。

古沢 広  漸く単行本「楽園の鳥、カルカッタ幻想曲」読了しました。 2005年06月18日(土)23時52分41秒

6ヵ月近く、気になりながら読む状況に無かった本を、書棚から取り出し5/3、5/4、5/17、5/28、5/29、6/18と、6回かかって読了。小説を単行本で読むのが、結構忍耐力が要ると知りました。読んだ憶えのある文章や情景、物語の主要人物などが、親近感や懐かしさを伴って語りかけて来て、小説の世界に没頭する間の緊張と集中と充実は快いものです。 新聞連載の時に感じた新鮮さとは異なる、しかし人間、男女のもつ深層なカルマ(業)の発露、生命に宿る制御不能な行為力や言動力など、作者から発信される魂の声が次々と降り注いで来ます。異国、インド、カルカッタ、ネパールの山々からガンジス河口、宗教、祭りと風俗の描写等から伝わる、永い人間の営み。沢山の精神の肥やしを、幻想ではなく与えられた想いをしております。多謝。

マミ  匹敵するもののない上等の生産 2005年06月18日(土)18時11分33秒 http://www.geocities.jp/mamy_madagascar/

ご存じように、世界的に一番ココア産出国はコート・ジボアール(西アフリカの共和国)です。
マダガスカルのココアは美味と芳香に関して匹敵するもののない上等の生産です。
先週にチョコレート製造の連邦会長とチョコレート製造業者(39人)はチョコレートのファースト・グランプリ・アカデミー・フランセーズを渡しに来たのです。
その他、ロンドンにある International Cocoa Organization によると、マダガスカルとヴェネズエラにはココア・バターの濃度がトップだと言われています。

森口弘美  藤村時代さんの個展開催中! 2005年06月15日(水)17時30分13秒 http://popo.or.jp
「たんぽぽの家」のギャラリー へのコメント

寮さんこんにちは。
なんくるさんはじめまして。たんぽぽの家で非常勤職員をしている(現在産休中)森口です。
実は今、寮さん絶賛の藤村時代さんの個展が開催されています。

▼催名
 ときちゃんの“いっぱい”展
▼開催日
 6月4(土)/5(日)/9(木)16(木)
   18(土)/19(日)/23(木)25(土)
   26(日)/30(木)
 7月2(土)/3(日)/7(木)/14(木)
   21(木)/28(木)
▼時間
 13:00〜18:00
▼場所
 大木庵
 京都市上京区東堀川通出水下る4町目198
  市バス 堀川下立売から徒歩1分
  地下鉄 烏丸丸太町から徒歩15分
  東西線 二条城前から徒歩15分
 Tel/Fax:075-451-2288
 Mail:bigtree@mbox.kyoto-inet.or.jp
 URL:http://web.kyoto-inet.or.jp/people/bigtree/
▼藤村時代さんのトーク&ワークショップ
 “いっぱいだけではありません”
 6月26日(日)13:00〜15:00
 参加費1000円(お茶付き)
▼主催
 NPO法人BIGTREE
▼協力
 社会福祉法人わたぼうしの会
以上。

京都近辺に在住の方、また関西方面に来られる方、ぜひお立ち寄りください。
なんくるさん、ぜひたんぽぽの家にもお越しくださいね。お待ちしています。

http://popo.or.jp

なんくる  すごい発見だったんですね! 2005年06月12日(日)22時38分10秒
佐保川 羅城門橋付近の土器片 へのコメント

これは新聞記事にならないんですかー?
すごいですよねー。
漂着物に魅せられた者にしかできない発見です!

なんくる  たんぽぽの家 2005年06月12日(日)22時36分31秒
「たんぽぽの家」のギャラリー へのコメント

今日、おはなしの会で協力してもらうジャンベのお兄さんと初練習し、そのとき、
彼も(私は知的障害者デイサービス)身体障害者療護施設ではたらくそうで、話の流れで、たんぽぽの家のはなしになりました。やはり、関西でかっこよく、本物のアートとして、やっているのはたんぽぽの家しか、知らないなぁ、となりました。
そのたんぽぽの家をまだ、行ったことがない。
ぜひ、次の機会も声をかけてくださいね。
ならまちに行ったとき買った、やまなみ工房の土のかわいい人形、すきです。

寮美千子  佐保川 羅城門橋付近の土器片 2005年06月10日(金)01時15分15秒
奈良通信/陶片・土器片・自転車 へのコメント

先日、佐保川の羅城門橋付近、前川樋門の川原で拾った土器片
奈良市埋蔵文化財調査センターがさっそく調査して、結果を知らせてくれました。

前川樋門付近は、奈良時代に朱雀大路だった場所。いまでは川になっています。
川原には、やはり驚くほどごろごろと土器片が転がっていたとのこと。
それも、弥生から中世にかけてのあらゆる時代の土器片が混ざっていたそうです。
土器、須恵器、瓦と同じ製法で外側だけ真っ黒になった瓦器などです。

なぜそんなことになったかということも説明してくれました。
佐保川は昔から有名な暴れ川。
流路も時代によって変遷し、その流域の遺跡から、
あらゆる時代の破片が集まって、川底に砂利とともに集積し、
それが、前川樋門の浚渫工事によって川底から掬いあげられ、
川原に捨てられたのではないか、ということでした。

ということは、これらの破片は、まさしく「漂着物」だったわけです!

それにしても、弥生時代から中世まで、あらゆる時代の土器片が、
一カ所でいくらでも拾えるなんて、奈良ってなんてすごい場所!
改めてびっくりしました。凄すぎる!

寮美千子  「たんぽぽの家」のギャラリー 2005年06月10日(金)00時33分16秒
すごい! へのコメント

なんくるさま

ごきげんよう!
わたしはいま、奈良滞在中。
5日にはなんくるさんも行きたいとおっしゃっていた、
障害者の施設「たんぽぽの家」のバザーに行って来ました。
その時、新しく建設されたギャラリーも見学できました。
すばらしいところです。そして、作品もまたすばらしい。
「エイブル・アート」と銘打っていますが、
そんな名前でくくる必要もないほど、すぐれた作品群だと感じました。

わたしが特に気に入ったのは、藤村時代さんの作品。
細かい、繰り返しのパターンのそれぞれに顔があります。
タイトルを見ると「バランちゃん」。
固有名詞かと思いきや、よく見るとお寿司のバランではありませんか。
「フネちゃん」というのは、うにの舟の形です。
ほかにも「ノコギリちゃん」「包丁ちゃん」「ろうそくちゃん」
「チューリップちゃん」「ひよこちゃん」「ホイップの機械ちゃん」などなど。

どうも、作者は同じ物がいっぱいある状態がどうしても好きらしい。
そして、ぎざぎざしたパターンが、気になって仕方ないらしい。
バランもノコギリもぎざぎざ。
「ホイップの機械ちゃん」というのは、クリーム絞りのぎざぎざの口金。
そしてチューリップの花びらの形も、見ようによってはぎざぎざパターン。

その「大好き」「気になる」という気持ちが、素直に露出されている。
すがすがしく健康な感じがするのです。
好きなことを好きといって肯定されているしあわせな感じ。

同じ繰り返しのパターンでも、草間弥生の病んだ水玉模様とは、
ずいぶん趣が違いました。

わたしは藤村時代さんの、作為のみじんも感じられないすこやかな絵を、
大変好ましく思いました。

ギャラリーの隣には、アトリエがあり、
各人が存分に自分の作品を制作できる体制になっていました。
ああ、こんな環境なら、わたしもここで制作したい!と思うほど。

なんくるさん。こんどいっしょに行きましょうね! では!

追伸:「たんぽぽの家」のエイブル・アート・ジャパンには、ショップもあり、
   作品の販売も行っています。


http://www2.gol.com/users/wonder/shopping.html

なんくる  すごい! 2005年06月08日(水)09時52分59秒
柳田邦男氏『イオマンテ めぐるいのちの贈り物』を推薦! へのコメント

おめでとうございます。
だって、本当にいいものはいい!
ますます、いろんな方に読まれることになりますね。

漆絵本や陶片絵本もなんだか楽しみです。

寮美千子  奈良通信/陶片・土器片・自転車 2005年06月07日(火)23時26分25秒

15年ほど前に下北沢から相模大野へ引っ越してからというもの、江ノ島・鎌倉がぐっと近くなりました。以来、時々気晴らしに海に行くようになりました。季節は夏でも冬でも構わないのです。波の音を聞きながら、ただ砂浜を歩く。それだけで、気分が晴れます。ことに、小砂利や貝殻が溜まったところに座って、波で丸く削られたガラス片や、螺旋階段のようになった風化した巻き貝の芯、きれいな小石を掌に掬っているときが、わたしの至福の時間。人工物も貝殻も石も、すべての欠片が、かつて自分が誰だったのかを忘れて、ただ小さな砂粒になっていく。それを思うと、なんともいえずに癒されるのでした。

そんな時、偶然見つけたのが印判や染付の陶片。青が鮮やかな、江戸や明治期の伊万里の陶片です。細かい、美しい模様が焼き付いた陶片は、わたしの宝物になりました。

漂着物学会のメーリングリストに入ってから、陶片集めがさらに面白くなりました。先日、四国で落ちあっていっしょに海岸歩きをした陶片窟の女主人Kさんの薫陶を受けてからは、なおさら夢中に。

Kさんは、なんと長靴を履いて川床を歩き、陶片探しをするという本格派。四国の父母ヶ浜の川でも、わたしがのんびりと渚を歩いて「なにもないねえ」なんていっている間に、たくさんの陶片を拾ってきました。

以来、川を見ると、陶片がないかと気になってしまうようになったわたし。一昨日の5日に、奈良にやってきましたが、唐招提寺で鑑真像を見た帰り道、秋篠川の岸辺に小砂利が溜まっているのを見つけ、いても立ってもいられなくなって、降りられるところを探して陶片を探しました。

すると、ありましたありました。あちらにもこちらにもぽろぽろ落ちています。印判や染め付け、なかには縄目のついた土器の破片らしきものも。さすが、古い歴史のある奈良です。

さらに昨日、陶片がないかと降りた佐保川のほとりで、こんどはなんと土器や須恵器、瓦器などのかけらを大量に発見。炭化した杭も見つけました。

きょう、奈良の埋蔵文化財センターにいって、展示してある発掘品を見たら、同じような物がいっぱいありました。センターの研究者に佐保川の話をすると、なんと! 同センターでは、その場所を遺跡として把握していなかったのです。「そりゃあ、行って見なくちゃなあ」とのことで、感謝されました。

研究者に聞いたら、なんとそこは、羅城門跡地のすぐ南でした。もともと、その付近には平城京の大宮人20万人の生活を支える官営の「西の市」が立ったという場所のそばでもあり、瓦や土器の産地でもあったようです。
http://www3.kcn.ne.jp/~mamama/nara/temple/heijyoukyou-rajyoumonn-03.htm

それにしても諸行無常。奈良の都の朱雀大路がどーんと通っていたはずのその場所は、すっかりさびれ、羅城門跡地は、なんと川の中。

そんな景色の中、河原にぽつんと落ちている色鮮やかな陶片たち。掌の中の陶片を眺めながら、遠い時代の職人さんの手や、使った人の心に思いをはせます。その一方で、わたしたちは遠い将来、この時代の欠片として、なにを残すのだろう、こんなに美しい破片を残せるだろうか、と考えてしまいました。

奈良の本格自転車ショップ「キタサイクル」で、真っ赤なマウンテンバイクを注文。数日のうちには届く予定。そうしたら、自転車でどこまでも奈良の道を走れます。寮美千子の奈良狂いと陶片狂いは、当分収まりそうにもありません。すでに陶片絵本の企画も考えています。実現できるかどうかは別の話だけど。漆の絵本も作りたい! 欲望は制作のはじまり。突っ走ります。(なんか、異様に元気そう?!)

寮美千子  柳田邦男氏『イオマンテ めぐるいのちの贈り物』を推薦! 2005年06月07日(火)22時33分30秒

本日6月7日付け読売新聞朝刊に、
柳田邦男氏と谷川俊太郎氏の対談が掲載されました。
これは「いま、大人にすすめる絵本」という柳田邦男氏の対談シリーズのひとつ。
そして、柳田氏おすすめの27冊の中の一冊に
拙著『イオマンテ―めぐるいのちの贈り物―』が選ばれました。快挙だ!

子どもばかりでなく、ぜひ大人の方にも呼んでほしい絵本です。よろしく!

寮美千子  韓国語版「ほしのメリーゴーランド」発売! 2005年06月03日(金)03時54分05秒

この6月、韓国の Hansol Gyoyook.co.ltd 社より、
「ほしのメリーゴーランド」のハングル版が出版されます。
価格は3000ウォン、日本円にして約300円。部数は2万部。
印税は1%強、とわずかですが、
絵本というささやかなところから、韓国との交流が深まればと思います。

言葉が違っても、きっと心は通じるはず。
「国境」という見えない壁を、子どものための絵本が、やすやすと越えていきます。
子どもの心と心の間には、国境など存在しないかのように。

「経済水域」を巡って、緊張が高まっています。
「経済」でいがみあうのではなく、たがいに助けあい支えあうような、
そんな世界を築くことはできないのでしょうか。

子どもたちがやすやすと越える国境という壁を、
大人が越えられないわけがない。
辛抱強く対話を重ねれば、きっといい関係が結べる。
そう願っています。


寮美千子  波の子 2005年05月31日(火)02時15分00秒

28日、鎌倉の由比ヶ浜から材木座海岸を歩いていたら、
小さな女の子と男の子が、砂を掘って遊んでいました。
そばで、おじいさんと犬が手持ちぶさたに立っています。
「何がいるの?」といって穴を除くと、小さな二枚貝がいっぱい。
「これ、動くんだよ。見ててごらん」と女の子。
見ていると、小さな貝は、すばやく縦になって砂に潜っていきます。
「おうちに持って帰ろう」と男の子。
「あら、そんな小さな貝、持って帰ったらかわいそうじゃない」
とわたしがたしなめると、女の子がいいました。
「この貝、これより大きくならないんだよ。ナミノコだもの」
「この貝、ナミノコっていう名前なの?」
「うん」
『波の子』という文字が浮かびました。
なんというかわいい名前でしょう。
「よく知ってるねえ。誰に教えてもらったの?」
「誰にも。自分で図鑑見たりするの」と女の子。
小学校2年生だそうです。
「へえ、エライねえ。2年生なのに、自分で調べるなんて」
「あたしね、大きくなったら生き物の博士になるんだもん」
「へえ。すごいねえ」
「お家でね、生き物たくさん飼ってるんだよ。
オタマジャクシでしょ、ハゼでしょ、ザリガニでしょ……」
「でもね、おねえちゃん、勉強嫌いなんだよ」と弟くん。
弟くんは、幼稚園の年長さんだそうです。
「うん。あたし、勉強、大嫌いなの」ときっぱりいう女の子。
「でも、勉強しないと生き物の博士になれないよ」
「うん。だから、困ってるの。毎日ドリル3枚やってるの」
「えらいなあ」
「ぼく、ナミノコ、持って帰ろう。すぐ死んじゃうけど」
「何食べるか、わからないしね」と女の子。
「ほらほら、ダイゴローが待ちくたびれてるぞ」とおじいさん。
子どもたちは、ナミノコを握って帰っていきました。

いいなあ。こんなふうに自然と触れて、自分で調べるなんて。
いまは学校のお勉強なんかできなかったとしても、
この子はちゃんと自分の好きなことを見つけられるし、
自分が知りたいことも調べられる。
きっと、自分から学ぶことのできる人になるだろうなあと思いました。
こんな子どもたちがのびのびと育っていけるような世界であるようにと、
祈るような気持ちになりました。

家に戻って図鑑を見ると、ありましたありました「ナミノコ」が。
女の子がいっていたのは、本当のことだったのです。
図鑑には、こんなことが書いてありました。
この貝が寄せ波に乗って多数に波と共に躍るさまは誠に壮観で、別名ナミアソビとも称せられている。しかしさっと波の引いたあとには砂中にもぐって貝の片影だも止めない。<「原色日本貝類図鑑」(保育社)より
すごいなあ。見てみたいなあ。
海のそばに暮らしてきたのに、海のことを何も知らないわたし。
あの小さな女に子や男の子より知らない自分に気がつきました。

いまさらながらに、自然の多様さ、その面白さに気づかされたような気がします。
都会って、情報がいっぱいのように見えるけれど、実はすべてふるいにかけられ、
人間に都合のいいように整理整頓された情報ばかり。
自然の途方もない多様さに比べたら、情報過疎、といってもいいくらいかもしれない。

さて、わたしはそのナミノコガイを掌いっぱい持ち帰りました。
そして、釜ゆで! 小さくて食べるところは少ないけど、いい出汁が出ました。
いっしょにとってきたシッカタ1個とハリサザエ1個も茹でて食べました。
小さかったけど、おいしかった。

すてきな陶片が拾えるし、おいしい貝もあるし、観察は楽しいし、
海に行きたくてたまらないわたしです。

寮美千子  寮美千子作品3本/ビーチコーミング 2005年05月29日(日)14時59分04秒


寮美千子作品が、この5月末に3本、発売となりました。万が一寮美千子作品コレクターなんていう奇特な人がいたら、お財布が痛いだろうなあ! ごめん! でも、版画一枚買うのに比べたら激安だ。(ってスーパーじゃないんだから、もう!) ともかく、書店で手にとって見てください!

・絵本『たいちゃんのたいこ』
・CDジャーナル・ムック『ザ・ベスト・オブ・ジャズ 101人のこの1枚』寄稿
・『稲生モノノケ大全 陽之巻』19人競作の作品集に新作発表


『青いナムジル』は、韓国語版が出版されることになりました。ただいま制作中。日本で作ったモンゴルの民話の絵本にハングル文字が。うーん、アジアだ。いいなあ。アジアの国々ともっともっとなかよくしていきたいと思います。


この一月、鎌倉の浜辺に6回、四国の浜辺に4回行ったわたし。ビーチコーミング魂が燃えあがって、楽しみを超えて苦行状態にまでなっています。昔、オケさんが「寮美千子の辞書に『ほどほど』という言葉はない」といっていましたが、その通りだと痛感。何事もやりはじめると、トコトンやらないと気がすまない。昨日など、真っ暗になってしまった浜辺にひとり突っ立って「わたし、どうしてこんな暗い浜辺にいるんだろう。どうかしている?!」と思ったのでした。

南宋時代とおぼしき青磁の蓮弁のかけらを3個も拾ったり、大潮の日には、七里ヶ浜で小さな宝貝を200個以上も拾ったりと、海辺には楽しいことがいっぱい。シッタカやサザエなど、生きた貝も拾ったので、おいしくいただきました。

こんなに遊び呆けていても、昔やった仕事が次々世に出て、まるでちゃんとお仕事しているみたいに見えるのが不思議。

自由業だからこそ出来るこのデタラメ生活に感謝しつつ、海辺の陶片の絵本を作りたいなあ、なんて思っています。遊びをそのまま仕事にする。これが出来たらいいなあ! などとほざいているしあわせ者の寮美千子です。ほんとはちょっとウツで朝から涙を流していたりするのに、この行動力は不思議? と我ながら思うのでありました。

寮美千子  『稲生モノノケ大全 陽之巻』に新作発表! 2005年05月29日(日)14時32分36秒

広島県に伝わる妖怪談「稲生物怪録」を下敷きに、19人の作家が競作した作品集『稲生モノノケ大全 陽之巻』。その一人に、末席ながら加えていただきました。作夏書き下ろした寮美千子の新作「平気の平太郎 魔王の館の巻」が収録されています。愉快な妖怪冒険譚です。よろしく!

この本の編集をなさった東雅夫さんが「幻妖ブックブログ」で解説を公表なさっていらっしゃいますので、その一部を再録させていただきます。
▼幻妖ブックブログ
『稲生モノノケ大全 陽之巻』解説/先行公開!
http://blog.bk1.co.jp/genyo/archives/2005/04/post_220.php

「平気の平太郎 魔王の館」寮美千子
 日本児童文学の開祖・小波の「平太郎化物日記」に匹敵するような、明朗闊達で奔放自在なモノノケ童話の書き手として、私が真っ先に思い浮かべたのが寮氏であった。『おおおとこエルンスト』や『きつねこぶた』をはじめとする氏の幼年童話に接した際の新鮮な驚き――あたかも敏捷で気まぐれな小動物の身ごなしを連想させるような、全篇にみなぎる幸福な疾走感は今に忘れがたいものがある。そんな作者の手で生み出された平成の平太郎少年、どうしてなかなかアッパレな「ますらお」ぶりではあるまいか。
東 雅夫 : 2005年04月29日 15:58
『稲生モノノケ大全 陽之巻』そろそろ書店に並ぶ頃か? よろしく!

寮美千子  『ザ・ベスト・オブ・ジャズ 101人のこの1枚』 明後日発売! 2005年05月29日(日)14時10分33秒

CDジャーナル・ムック『ザ・ベスト・オブ・ジャズ 101人のこの1枚』に寄稿しました。寮美千子とジャズの関わりは? 選んだ一枚は何か? これが意外とディープな一枚なのでした。明後日5月31日発売。書店でぜひ!

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管理者:Ryo Michico <mail@ryomichico.net>
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