ハルモニア Voice/寮美千子の詩

寮美千子がSt.GIGAで発表した[voice]と、新作の詩を載せていきます。
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▲ 二十歳のへ言祝ぎ  碧斐さんに捧げる   2014/7/28

Tue, 29 Jul 2014 22:02:41

その髪の美しく流れおちることにも
その立ち姿のりんとしたことにも
少女は気づかないまま 時の舟に乗り
いつしか海原へと漕ぎだしている

あお は碧空の碧
どこまでも澄みわたる青い空
ひ は斐伊川の斐
あやなしながら流れる赤き川

その昔 八つの頭と八つの尾を持つ暴れ龍に
八鹽折の酒を飲ませて なだめた神がいた
その神自身が 荒ぶる神
乱暴狼藉ゆえに 天から追放された痴れ者だった
神は 一人の乙女を救うため
乙女を櫛にして わが髪に挿し戦った

ああ 暴れる龍に打ち勝ったのは
荒ぶる神だったのか
それとも その髪に挿された 
櫛である乙女だったのか

乙女が 荒ぶる神を手なづけたのではない
乙女のなかに眠る荒ぶる魂が
荒ぶる神の心に共鳴し
もつれた髪を梳るように
整然とした力に変換して
驚くべき知恵と力とを湧きいでさせたのだ

だから 乙女よ
もっと 暴れるがいい
大声で 叫ぶがいい
好きなだけ 解き放つがいい
おのれの魂を

あお は碧海の碧
どこまでも深く青い海
ひ は緋色の斐
天空に耀く太陽の色

父と母の願いを込めてつけられた 
その名に守られているから
荒れた海も 凪いだ海も 
いつでも あなたを祝福している
あの水平線の果てまでも

大海原に漕ぎだした乙女に 祝福あれ!

        Copyright by Ryo Michico


○ 大空にバンザイ!

Mon, 20 May 2013 15:30:04

なにもいらない なんにもいらない
どこまでも澄みわたる 大空を見あげれば
大きく手を挙げて バンザイをしたくなる
そんなわたしが いるだけでしあわせ

なにもいらない なんにもいらない
青空にふいに出た 虹を見てうれしくて 
その空を指させば きれい!って声あげる
そんなあなたが いるだけでしあわせ



環水平アークの出た日に寄せる詩。
Tomonori Sekineさんの言葉に、触発されて書きました。

        Copyright by Ryo Michico


▲ ナウマン博士の歌

Tue, 22 Jan 2013 14:22:44

緑なす山々も大地も
すべては大海原に呑みこまれた
太古の奇しき生き物たちは
深き海の底で安らかに眠る
やがて大いなる力で押し上げられ
再び 輝ける日の光のなかへ
そして人類がやってきた
誰が知る この詩の結末を?
誰が知る この詩の結末を?


糸魚川ジオパーク 叙事的音楽劇「大地の祈り ナウマン博士の夢」より
ナウマン博士の言葉を寮美千子が意訳

        Copyright by Ryo Michico


▲ 翡翠麗し

Tue, 22 Jan 2013 14:19:15

微かな風に  震え怯えて
白露の玉   零すぬえ草
大和人らが  統べる地なれど
祈りの心   大地に満ちて
我らは死なず 永久に滅びず

野にある草の 芽生えるごとく
緑は萌える  永久に常磐に
祈りは満ちる この国原に
ああ永遠に  時の果てまで
翡翠の玉に  緑麗し

微かな風に  震え怯えて
白露の玉   零す人草
大和人らが  統べる地なれど
祈りの心   大地に満ちて
我らは現在も ここに息づく

野にある草の 芽生えるごとく
緑は萌える  永久に常磐に
祈りは満ちる この国原に
ああ永遠に  時の果てまで
翡翠の玉に  緑麗し

翡翠の玉に  命麗し



※ 零す(こぼす)
  統べる(すべる)
  永久に(とわに)
  常磐に(ときわに)
  国原(くにはら)
  永遠(とこしえ)
  翡翠(ひすい)
  現在(いま)

糸魚川ジオパーク 叙事的音楽劇「大地の祈り ナウマン博士の夢」より

        Copyright by Ryo Michico


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