「物語の作法」掲示板 (0019)

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宮田和美　39A　 2003年01月18日(土)03時47分30秒

タカハシくんは優しいから、きっとやだって言わない。つうかむしろ、やだなんて言わせない。そう思いながら私は、十日ぶりくらいにタカハシくんに声をかけた。
トイレから戻って、自分の机に掛けてあるかばんの中からはさみを取り出すと、私はそのまままっすぐ前をみて、教室のうしろまで歩いた。
「タカハシくん」
タカハシくんはウォークマンで音楽をききながら、あんぱんを食べていた。顔を上げたひょうしに右のイヤホンがぽろっと落ちた。私の顔をみながら、左のイヤホンもとるタカハシくんの目と鼻の中間くらいに、私ははさみをぐいっと差し出した。
「前髪、切って」
責めるように言う私をみて不思議そうな顔をしながらも、タカハシくんはいいよ、といつものおだやかさで言った。のこりのあんぱんを全部くちにいれてもぐもぐしながら、黒いウォークマンのからだにぐるぐるとイヤホンのひもを巻きつけていった。そんなタカハシくんなんかおかまいなしに、ぱちんと音を立ててはさみを机の上におくと、私はすたすたと教室を出た。

ＬＬ教室の前のベランダは、思った以上に風がつよく、スカートがめくれないよう、手で押さえながら段差に腰をかけた。空はやわらかい青で、私は顔を上げ、少しだけ力を抜いた。そのときからからとサッシを開けて、タカハシくんが来たので、私はまた、まぶたとまゆの間に力をいれて、唇をぎゅっと曲げる。
タカハシくんは、私の左ななめ前にしゃがむと、「どのくらいの長さにする？」と聞いてきた。私の気持ちも知らないで。だから私はちらっとタカハシくんを見ると、すっごい短くして、といった。
タカハシくんは私の前で立てひざになると、何も言わずに人差し指と中指で、私の前髪をはさんだ。私は目を閉じる。持ち手の黄色い工作用のはさみが、ゆっくり、ぽぽぽと遠慮がちに髪を切ってゆく。風が強いので、切り離されたとたんに髪の毛たちはちりじりに飛ばされてゆく。ばいばい。そう心の中で呟いたのに、首や手や、ひざらへんにもすこし落ちてくるのがわかる。
切られているあいだ、そして切っているあいだ、私たちはそれぞれ無言だった。私はいつ、タカハシくんが私に怒っている理由を聞きだすか待っていた。
言うことは決まっていた。
私のことべつに好きじゃないなら、私につきあってくれなくてもいい。ＣＤ貸してくれたりとか、土手で叫ぶとき、となりにいてくんなくてもいいとか、おやつにプリン、食べるのつきあってくんなくてのいいとか、誕生日に箸置きくれたりしなくてもいいとか、コンビニで生産者の顔が見える牛乳の、生産者の顔写真見て、結婚するならどの人がいいかって話とか、目黒の寄生虫博物館行く約束とか、世田谷のボロ市行こうとか、鎌倉行こうとか、夜の始まりから終わりまで、知らない町をひたすら歩くとか、もうそんなの、全部いらない。
あんたなんかいらない。

タカハシくんはなにも言わない。

「できた」という声を聞いて、私は鼻をずっとすすった。タカハシくんの顔をなるべく見ずに、ありがとうと言うと、想像以上に頼りない声が出たので、にげるように校舎の中へ入っていった。
教室にもどるとちゅう、洗面所の鏡と目が合った。ひどい顔だった。目も鼻も赤く腫れていて、おまけに涙でほっぺたにこまかい髪がはりついている。前髪だって、思ったよりも短くはなっていなかったし、じょうずに切れていたけど、でもなんかへんだった。私は鏡の前で、髪の毛を取ろうとした。けれど、指ではらっても、つめでひっかいても、ごしごしこすってもなかなか取れない。仕方がないので蛇口をひねって顔ごと洗った。
つめたい水で、手と顔がびっくりしてる。じんじんつめたく、びっくりした顔のまま、そういえばここでタカハシくんは体育のあとかならず、手を洗ってうがいしてたなあ、とふと思い出した。毎回欠かさずやってるのに、毎年欠かさず風邪をひいてるタカハシくん。そのりちぎなまぬけさに少しだけ笑って、私は顔を上げた。
目の前には、鏡にうつるちょっと笑った私の顔があって、なんだかそれにほっとして、それからすこし恥ずかしくなっていたら、５限がはじまるチャイムが鳴った。私はポッケの中の、梅のど飴をひとつ口に入れて、そうだ、散髪料としてタカハシくんにもあげよう、と思った。
のど飴をひとつにぎりしめて、私は走って教室に向かった。

滝　夏海　12A「あおいろ」 2003年01月18日(土)01時19分21秒

水の色は
水ではなく
水に映り込んだ空の色

空の色は
空ではなく
空を突き進む光の色

光の色は
なんの色？
私が見ている世界の色

私の色は
私ではなく
あなたが創り出す新しい色

奥野美和　23Ｃ「アメーバークローバー」 2003年01月18日(土)00時46分40秒

卑屈にはならないように意識して　さよならだってえくぼのもとさ

しゃがんでた気持ちゆっくり立ち上げてすこしまわりを見ればまぶしく

浅はかと怒られたけど会いたいと思う気持ちで走り出してた

さようなら！リップクリーム　これからはグロスを塗って遊びに行くの

失ったことをまっすぐ飽きるまで　見届けるんだ　ゆいつの意地だ

本日は家族でナベをしますのでデートは５時で切り上げます

他の子はぜったい乗せたりしないでね　君のそのひざ私のソファー

わたしの血トロッと甘い味がする　そんな気がしてジャムにしてみた

あのことがあったあの日の夕飯はママの得意なクリームシチュー

いちぬけたそうやってまたあきらめた　ふりをしてまた続きをつくり

おどおどとでも確信を持った手で知らない人がかさこそしてた

しかたない　ただぼんやりと眺めてた時間が過ぎるのを待っていた

石黒美穂　３？２？Ａ／愛哀 2003年01月16日(木)04時42分51秒

狂喜乱舞を込めて　あたしが貴方に送ります
黒よりも深い白の恋です

一緒の散歩は楽しいですか？
そよぐ風とつなぐ手の温もりは心地よいですか？
どつきあったりしてはしゃぐ道のりは苦になりませんか？
あたしは幸せです
あたしは幸せですよ？
貴方が犬が可愛いなんて言わなければ。
思わず絞めて埋めてしまいそうになります
あたしは素直で可愛い娘。

明日の予定が気になりますね？
いつも隣にいられるようにスケジュール管理
朝起こして　昼にさそって　夜に手をひきだだをこねます
あたしは幸せ
あたしは幸せなの
貴方が帰るなんて言わなければ。
つい仮病をつかって拘束してしまいました
あたしはおちゃめで愛らしい娘。

どうか今日もあたしに繋がれていて下さいな

＊・・・レポが苦しかったんです（、、

杉井武作　6D「鏡の果実」 2003年01月16日(木)03時36分03秒

疣なんて、消えてしまえばいいのに。

この疣（いぼ）さえ無ければ、桃子は振り向いてくれるに違いないんだ。
掌で顔を隠した俺が、あざ笑うように俺を見る。
俺は苛立ちを押さえきれずに、また俺を叩きまくる。

拳から血が吹き出る。
ステンレス製の鏡はついに割れてしまった。
痛みでうずくまる。鏡の欠片にうつる俺が、そのとき一斉に俺を見た。

ようやく意識がもどったとき、異次元空間に俺はいた。
ここはいったい、どこなんだ？
目の前に広がるのは・・・見たくもない無数の俺だ。
鏡？そうか、ここは鏡の迷宮だ。

よく見ると俺、疣がとれてるぞ。
へへへ、やったぜ。ついに消えた。見てくれ桃子。

・・・あれ？何故か桃子がここにいるぞ。
駆け寄ろうとすると、俺はコメディーのように鏡に頭をぶつけた。
俺を取り囲む鏡の中だけに、桃子は存在していた。
せっかく理想の俺になれたのに、桃子は俺に気付かない。
鏡の中の桃子を観察する。やっぱり桃子は、最高に可愛い。
と、高校の担任のエロ数学教師がやってきた。

桃子、なに笑ってんだよ。逃げろよ。
おい、なにやってんだよ。やめろヒヒジジイ。
桃子、なに汚いモンくわえてんだよ。
ふざけるなよ、それ以上触れないでくれ・・・

桃子が犯された。
ショックを受ける間もなく、次にやってきたのは小学校のときのクラスメートだ。
普段まったくしゃべらないクセに体育のときはニヤニヤ気味悪い笑みを浮かべながら女子の着替えをちらちら覗いてた、あいつだ。

桃子、なにされるがままなってるんだよ。
お前、綺麗な身体してたのに。

それからも次々と、桃子は変態共に・・・輪姦されていった。
桃子はずっと、変わらない笑顔を浮かべていた。

桃子・・・何故？桃子・・・

気が触れかけたとき、桃子がおれの前に現れた。
今度は鏡の中ではない。手を伸ばすと、柔かい感触が伝わった。
桃子、無事だったのか？よかった。
そうだ、桃子に伝えたいことがあるんだ。

おれ、桃子が好きだ。

桃子は、笑った。
それは、朝学校で会ったときの「おはよ」の微笑み。
帰り際の「さよなら」の微笑み。

そして、あいつらに汚されているときに浮かべていた微笑みだ。

汚らわしい。
その顔やめろよ。さわるなよ。変態。
桃子に腹を蹴り倒した。
近づくなよ。雌豚のくせに笑いかけるなよ。だらしない目でほしがるなよ。
「インラン・バイタ・キチガイ・ハイジン・チクショウ・ゴキブリ。」
しばる。のませる。まきつける。ねじふさぐ。
あらゆる言葉を浴びせ、あらゆるギャクタイを加える。
それでも微笑みをやめない桃子。

鏡にうつる自分を見ると、顔中がぼつぼつの疣だらけになっていた。
それよりも俺は、桃子を飼いならすことに夢中だ。
桃子を虐めれば虐めるほど、疣はどんどん増殖していった。
汗と血と膿で顔はぬるぬる。ぱんぱんに膨れ上がった顔の疣で、既に前も見えない。
唇が塞がれて窒息するのも時間の問題だ。

桃子はもはや動かない。ただ微笑みを浮かているだけの人形になった。
それを虐めながら俺は声にならない声で呟いた。

おれ、桃子が好きだ。

杉井武作　6C「鏡の果実」 2003年01月16日(木)03時35分46秒

鏡に映る自分を眺めたら
迷宮に迷い込んだ
どこを見回しても鏡ばかり
そこで女人を見つけた
一目で恋におちた
不思議なことに女人は
鏡面の世界だけに在った
私はそれで満足だった
あるとき男が現れて女人を汚した
男が去りまた別の男が汚した
柔らかい素肌が幾度なく
醜い血で染めあげられていた
何人も何人も
何度も何度も
女人は笑っていた

「自分が見えていないのか？」
女人の無垢な微笑みは
どこまで私を悩ませたのか
もう耐えきれなくなったとき
気付けば私のまえに女人
こんどは鏡のなかでない
募る想いを打ち明けると
返されたのはおなじ笑み

笑窪
八重歯
目尻の皺
鏡のまま

瞬間
私の中にざわざわと
芽生える狂おしい感情
嫉妬ではなく羞恥心
支配せずにはいられない
「若さを無駄に振り撒く
しでかしたことの卑しさを思い知るがいい」
女人を執拗に虐待した
子供をはらんでも罰を続けた
それでも変わらぬ笑み
澄んだ瞳は何をうつす？
いつしか女人は子供を残し
あとかたもなく消えていた
まるで幻であったように

私とうりふたつの
醜く血まみれた奇形児が叫ぶ

私は一生鏡の迷宮から抜け出せないだろう。

杉井武作　8D「楽しかった屋久島の思い出」 2003年01月16日(木)03時35分29秒

moonjoker

薄汚れたこの部屋の
小さな窓から差込むひかり
その向こうへと　願いを込めて
あてのない手紙を書きつづけ
あれから幾年　すぎたのでしょう？
あらたまのシャワーで今夜
仮面を溶かしてしまおうか
黄色いまるのむこうがわ
貴女の蜃気楼が見えるね
それはだんだん近づいて
いずれ花のように　舞い降りてきたよ
羽根を広げる貴女は・・・誰？
まさか私の移し身なの？

風のリズムに導かれ
静かなワルツ　踊りたい
優しく惹いた指先　絡まらず
静かにすりぬけ　消えてゆく
頬そめる涙　夜霧に溶ける
触れているのは　空白のわたし
慰めながらいま　消える

薄汚れた影(あなた)の落し物
轟きわたるJokerの笑い声
既に振り切れなくなってるわ
空が遠くて
貴女は見えないの

endless　weave

柔らかく惑わせる壊れた瞳に
いつの間に迷い込んだのだろう
貴女の水は澄み渡り
溺れる僕の謎が解けた
終幕を奪い合った二人は
血塗られた身体
何度も見せつけ微笑んだ
子供みたい無垢な唇は
ふいに背中を擦り抜けて
違う玩具を釣上げて
今は何処で踊る
死魚になった僕は
空へと続くはずだった
崩れ堕ちてゆく螺旋階段
その幻覚に目が塞がれて
真実の扉に届かないよ
つかの間の虚ろな夢は
ときおり独り歩きして広がるほどに
醜さだけが目に焼き付く結末
されど僕を縛る
釣り糸の快楽はその痛み
嵩を増し続ける血液に溺れ
自分の存在を確かめるだけ　
あのときからほつれたままの赤い糸
ここではない空へと
はばたいてゆく羽根を
いつまで編み続けるだろう
艶やかに染められた
空白の底に沈みゆくけど
今でも僕を操る糸を
捨てられないのは何故なのか？

UNCROSSED　FLOW

叶わぬ夢を　見させてよ
何時までも　乙女のように
甘ったるい　その目に溶けて
あなたをずっと　知りたくなる
悲しくさせる　止まらない
言葉じゃ　TA・RI・NA・I
カラダじゃ　A・I・MA・I
もっと深く
もっと深く
体内の水　全てで
あなたを　洗い流すまで
優しく包む　海になるの
淀んだあたしの海　全て
あなたに委ねてもう　死ぬまで
あたしを騙して　ほしいのに
あなたの瞳の　奥にある
脆くて　今にも崩れそうな
清らかな　一筋の流れ
その眼でときどき　寂しげに
空を眺めて　溜息をつく　あなたのクセ
あたしの心に　防げない穴を　開けるの
うすよごれている　その羽根で
まだはばたこうと　しているの？
あたしを置いて行かないで・・・
あぁ　せめて
あなたの流れをせき止めて
あたしの海で
沈めたい
共に堕ちてくことさえも
もはや叶わないというの？
泥海と清流
交われない　その流れのなかで
あたしの半身　いま既に
貴方へ流れてしまったのに

tears'Ring

また誰か扉をたたく音？
静かに眠らせてほしいのに
雨の日に限って押し入ってくる
殺風景なこの部屋で
決まって凍え死ぬつもり
一糸纏わぬ客人は
わたしの腕に身をあずけ
混ざり合おうと誘いかけ
その美しさでみちづれを
けれどこの部屋は寒すぎて
曇った瞳を持つわたし
伝わるのは胸を濡らす涙
その生ぬるい感触だけ
触れるほどに冷たく崩れ
朽ち果てていくのがわかるのに
わたしのなかでまた一人
命の花が散って往く

死顔をつたう
指ですくった糸の輝き
わたしの心を優しく縛る
環になる
だからもういくことにする
柔らかく編み込まれた
光の海のかなた迄
あの音で目覚めなくなる迄
もう二度と目覚めなくなる迄

NEVERGREEN

きらきら　おひさま！
さらさら　おみず！
いっぱい　き！
みんな　にせものだーーー！！
ぼくは　ぼくは
まっかだーーーー
あーーーーつかれたーーーーーーー！
おれを　すいこめーーーーー！
うあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああい

屋久島新観光名所「月光ガジュマル」

宮之浦の焼け跡には、殺風景ななかに一本の巨大なガジュマルが力強く立っている。
一人の男がいた。彼は屋久島の宮之浦岳を、登山中にガソリンを撒いて、燃やし尽くしてしまった。しかし奇妙なことに、彼は生きていた。ガジュマルの木の中に避難していたのだ。何故かその木だけは、どうしても燃えなかったのである。彼は犯行直後に絞首刑になり、亡くなった。死顔は笑っていた。
宮之浦の大火事があった1月30日の夜。月がとっても綺麗だったので、この名前がついた。

松永洋介（アシスタント）　雑談板に「空の上のサイクリング」の詳細な感想出てます 2003年01月16日(木)02時31分37秒
▽松永洋介（アシスタント）１６日の授業で扱う作品への応答

「空の上のサイクリング」については、雑談板に詳細な感想というか評論が出ていますので参考にしてください。
⇒こちら。

松永洋介（アシスタント）　１６日の授業で扱う作品 2003年01月16日(木)01時35分02秒
▽松永洋介（アシスタント）今年度最後！あす（１６日）の授業は杉作作品への応答

今年度最後の授業で扱う作品は、杉井武作くんの
鏡の果実
空の上のサイクリング
ある阿呆の生涯
です。

昼休みの延長はしない予定です。よろしく。

松永洋介（アシスタント）　今年度最後！あす（１６日）の授業は杉作作品 2003年01月15日(水)16時23分32秒

あすの授業は今年度最後となります。
前回の授業でもお知らせしましたが、合評会は杉作くんの作品をやります。

⇒作品インデックス
⇒作品一覧

みなさんともかく読んでください。
取扱い作品の詳細はのちほどお知らせします。

奥野美和　２２C「耳を閉じても」 2003年01月14日(火)09時05分31秒

空回りホラきれいだよ失敗も色とりどりで明日へ向かう

わたしでも弾けばギターが鳴らせるとあの子は言った希望をなめた

ドア開けて深呼吸して会いに行くまだ見たことのない友達に

あたたかいミルクは唯一甘えても良い場所だって決めてここまで

真夜中のタクシーおぼえてしまったの　もう戻れない膝こぞうの夏

突然の雨にふられて　風呂上りみたいで可愛いと言ったあなた

ほっぺたをくっつけたときチクチクとしたのは心も同じでした

お化粧をするのは君の為じゃなくわたしの為よ知ってるわよね

自分へのご褒美つねに増えていく頑張ってるし　まあいいかしら

完璧な何も知らない少女でいたかったんだ君の前では

逃げるのは君からじゃなく私から自分がコワイ想いがデカイ

もう一度信じろなんて無理なことバカな恋とかもう出来ないよ

携帯を変えたけどもう知らせないだって君から逃げるためなの

ライン引くこれで終わりと決めながら何回ゆるしかばっただろう

さっぱりとした女の子になりたくて知らないうちに恋もさけてた

東條慎生　9A「クインシー」第五話 2003年01月13日(月)09時27分20秒
▽古内旭８Ａ『クインシー』第４話への応答

　　　第五話　死の流れ出す時

　窓を開けるとそこには奇妙なものがぶら下がっていた。正確には、開けた窓から見えた向かいの家のベランダに、である。奇妙なものとは一言で言えば死体である。死体とは一言では言えないがつまりはすでに生きていない人間である。
　彼女はそれを見て階下の夫はもとより隣の家の住人にも聞こえそうなほどの叫び声をあげた。腰を抜かしてひっくり返り、目は死体に釘付けにしたまま、恐怖によって捉えられた視線をそらすことができず、大きく目を見開いて彼女は震えていた。
「おい、どうした」
　男が階下から声を掛け、階段を駆け上ってきた。どたどたと廊下を踏みつけ部屋のドアを開けると、彼はそこにうずくまった妻の姿を見た。五体満足の妻の姿を見て、命に関わる事件が起きたのではないことを確認すると、男は安堵して妻に近寄り、落ち着いた声で彼女に呼びかけた。
「一体どうしたんだ、そんな大声を出して」
　妻はゆっくりと振り返ると、涙ながらに喋り始めた。
「向かいの、家に……誰かが、首を吊って……」
　断片的に聞こえる話の節々には物騒な単語が並んでいて、夫は何か厄介なことが起きているということを察知した。妻が指さす方向を探してみると、言葉通り、そこには二階のベランダからぶら下がった死体があった。ベランダの手すりからロープを垂らし、それを首に巻き付けて二階の手すりを乗り越えたのだろうか。顔はすでに青白く、息絶えていることが遠目から見てもはっきりとしていた。しかし、と彼は考えた。あんな男は見たことがない、と。向かいの家に住んでいるのはある仲のよい夫婦であったはずだった。休みの日にはクラシックが聞こえてくるような、落ち着いた雰囲気の二人が住んでいるはずだった。向かいの家からは人が居るらしい雰囲気は感じられなかった。ただ、テレビから流れる雑音があたりの街の音に混ざって流れ出していた。辛うじて聞き取れるのは、「幸せのアップルパイを探してください！幸せのアップルパイを探してください！」という素っ頓狂な声だけだった。しかも、その声はさっきからずっと繰り返されていて、いつ止むのか見当も付かないほど、長々と続いていた。
「おい、アレは誰だ？」
　彼は首吊り死体を指さして、妻に尋ねた。
「わからない。知らない人」
　顔を上げることなく妻はしばらくしてそれだけ答えた。彼はもっと訊きたかったのだが、妻は絶対に死体のある方を向こうとはしなかった。もう二度とあれを見たくないと繰り返した。
　私ももう見たくはない、と彼は思った。

　彼らは警察を呼び事情聴取を受けた。その男が見知らぬ人物であること、向かいの家に住む夫婦が居なくなってしまったことを話すと、彼らはもう何も刑事たちに伝えるべきことはなかった。それでもしつこく訊いてきたが、無関係であることは明白な今の時点で、これ以上訊かれても何も知っていることはないと繰り返すうちに、刑事たちも無駄なことだと気がついたのか、いかにも丁寧な挨拶をして帰っていった。私が局のエリートであると知ると、嫌みな笑みを浮かべた権力の追従者たち……。

　その夜、彼は夢を見た。
　その夢のなかで彼は何度も死んでいた。
　はじめは、首を吊って死に、次には妻に包丁で頭を切り裂かれて死に、海に溺れて死に、団地のベランダから落ちて死んだ。その夢のなかで彼はいつも違う妻と一緒にいた。苦労性が滲みでた表情を浮かべ家に染まりきってしまった妻、若々しく生気を湛えいつまでも若く見られる妻、働きに出ていつも家にいない妻。彼女たちの彼を見る視線もまたそれぞれ違っていた。優しく、荒々しく、和やかに、禍々しく、軽蔑するように、恍惚として、私を見つめ続ける、目、目、目。一対の目。
　私の妻は、誰だった？

　朝起きると彼はある違和感に襲われた。寝室に一人で寝ている自分を知って、何かが足りないという感覚に悩まされた。それだけではない。とても奇妙な夢を見たこと、それだけは覚えているのだが、どんな夢を見たのか全く思い出せないことも彼の感情を波立たせる原因であった。漠然とした違和感、茫漠とした夢の雰囲気。
　彼はベッドから体を起こして、窓を開けるためにカーテンを左右に開いた。さっと開かれた部屋には日の光は差しこまなかった。代わりに妻の姿が彼の目に入った。
　妻は、ベランダに据えてある物干し竿から首を吊っていた。ぐらぐらと揺れ、覗いた横顔は確かに彼の妻だった。
　その時、身に覚えのない記憶が彼の脳裏を焼き尽くすばかりに駆けめぐった。夢の記憶をふとしたときに思い出すように、一挙に襲い来るイメージの津波。幻影のかけらの降り注ぐ彼の精神は混乱の渦に叩き込まれ、メイルシュトロムに飲み込まれる酒樽として、彼は膨大な幻像に溺れていた。
　さまざまに駆けめぐる光景のなかに、彼はある女性の姿を見た。どこまでも穏やかな海のなかから浮かび上がる、おぼろげな女性の姿を。

「EGⅡだ！」
　彼はふと思い出した。
「EGⅡを操作しなければならない。この混乱のすべての原因はあれにある！」
　部屋のなかで立ち直った彼は、事態の原因をはっきりと突き止めた。それがなぜ今までわからなかったのか、それが今はもう不思議なことに思えるほど当然に感じられた。
　（不確定性が滲み出し、世界そのものの構成が切り崩され始めている。EGⅡがおそらく何らかの原因で動作不良に陥ったのだろうか。このままでは、何もかもが確率の海に消えてしまう。そこに現れるものは、もはや予測することもできない異様なものであるだろう。いや、そもそも「現れる」などという生やさしいものではないはずだ）
　急いであれを調整しなければと、階下に降りて着替えを始めた彼だったが、ネクタイをしめたところで、ふと気づいた。
　EGⅡとはなんなのか、それが彼には全く見当がつかなかった。彼は混乱した。事態の原因とそれを止めるにはEGⅡを操作しなければならない。それは彼には当然すぎるほどによくわかっていた。しかし、EGⅡがなんなのか彼にはわからなかった。どこにあるのか、どうすれば操作できるのか。それが彼にはわからなかった。
「俺は、EGⅡを知らない『俺』なのか？」
　部屋の中で立ち尽くした彼は、これからどうすればいいのかわからなかった。
「誰が、あれに触れることができるんだ……？」

奥野美和　22C「学校でジャム」 2003年01月04日(土)23時05分57秒

ささやいてわたしの耳のすぐそばで誰かのじゃなく君のほんとう

あなたからではないのですあなたへの想いからきっと逃げたいのです

風が吹く　ふりこのこころ動かない　居場所はここじゃない気はしてる
　
わけもなくグルグル回って目的地　着いても僕ら話すことなく

ダンプカー過ぎ去るような咳をして　わけしり顔ですり減ったふり

奥野美和　21C「ふらついて錯覚」 2003年01月04日(土)22時55分34秒

ヒエピタじゃ治らないのよあなたの手おでこにそっとのせてお願い

杉井武作　21A「エンターテイメントとしての恋愛」 2003年01月04日(土)18時35分17秒

カミソリ負け　ばれないことを　願いつつ　デート出陣！　いきなり指摘！！

おしゃべりな　空気を急に　静めちゃう　魔法の呪文　「付き合ってくれ！」
きまぐれな　そのカオ紅く　　染めてみる？　ならこの魔法！　「うん、愛してる。」　

電話では　愛の言葉を　たっぷりと　会うといつでも　「あっかんべぇー」

もし俺が　和田勉みたいな　顔ならば　オマエは俺を　好きになってた？
「じゃあもしも　あたしがゴマキ　ならもっと…」　言いかけた口　キスでふさいだ

求めてる　君の眼差し　熱いけど　ごめんね今日は　でこちゅうまでね

恋愛に　なれない馴れ合い　刺激ナイ　そんな関係　続かナイ！　

泣きつくな　あんな女に　ほだされた　オメーが悪りーよ・・・チンコをもむな！

関係が　終わりゃなんでも　話せると　思っているの？　やめて、恋バナ

恋人に　決してならない　いつだって　恋の駆け引き　そんな二人さ

いっしょにね　うんちもらした　きっかけで　うばわれちゃった　初恋園児

宮田和美　38A 　 2003年01月02日(木)16時00分26秒

間違えてリンスを先に手に出したような違和感　胸がざわつく

ミルクティーのみかけだけどカンパイをしようよ（君のコーヒーとキス！）

次はいつ会う？って言ってばっかじゃん　そんなに未来のわたしが大事？

古内旭　８Ａ『クインシー』第４話 2003年01月02日(木)00時35分55秒
▽杉井武作 19Ａ「クインシー」第３話への応答

　第４話　海の女王

　それは、ぬらぬらとした黒い毛が全体を覆っている球体だった。確かに、人間の頭だった。その顔は苦痛に歪んでおり、目と口はこれでもかというぐらいに大きく開かれていた。
　妻が、その頭に包丁を入れた。眉より二センチほど上の辺りだ。血が吹き出し、めりめりと気味の悪い音をたてた。その目は狂気の色を宿し、涙を噴出させた。口はさらに大きく開かれるが、声は出てこない。
　妻はまるでメロンでも切るかのように、平然とその作業を行っていた。
　刃が食い込んでいくと、その口はぶるぶると振るえて涎を垂れ流し、舌がだらりと延びた。目玉は視神経を引き擦り出しながら、眼窩からこぼれ落ちた。
　妻は左手を包丁に添えて、なお力を入れた。
「………ひいっ」私は声を出していた。
　頭は二つに割れた。しかし、それに驚いたのではない。驚くべきは、割れた頭の中身だったのだ。私は、脳漿が溢れ出すものかと思ったが、それは違った。
　中は空洞だったのだ。
　そこに脳味噌は収められていなかった。そこにあるのは、二つの黒いチップだった。二センチ掛ける一センチほどの長方形で、厚みはほとんどなかった。そしてそのチップには、白くＥＧⅡと刻印されていたのである。

　私は、閉じられた窓を見ていた。そして考えていた。
　全て夢ではなかったか。
「どうしたの？」部屋には妻がいた。彼女は、やはり学生時代から変わらぬ若さと美しさを持っている。
「この窓から首吊り死体を見たんだ。そういう夢だった………」と私は言った。
「夢？」
「しかし、夢ではないかも知れない。僕は今、それを確かめるかどうか迷っているんだ。今、この窓を開ければすべてが分かる。ただの夢だったのか、それとも現実に起こっていることなのかが。僕は、この窓を開けてみるべきだろうか？　それとも、このままにしておくべきだろうか？」
「どっちにしても、そこに首吊り死体があるかどうかは、もうすでに分かっていることでしょ。それを確認するかしないかの問題ね」
「いや、違うんだ」
「違う？」
「そうだ。物事は確定的ではないんだ。僕がこの窓を開けた瞬間に、どちらかの事実が確定するんだ。つまり、死体があるのか、またはないのか、そのどちらかが決まるのは窓を開けた瞬間なんだ」
「それはおかしいじゃない。すでにどちらかの状態が存在するはずよ。じゃあ、今はどうなっているのよ？」
「波のような状態だ」
「それはないわ。開けてみれば分かるわ」
「いや、君は分かっていない。いいかい、すべてのものは分子からできている。そして分子は原子からできている。さらに原子は、電子と原子核からできている」
「知ってるわ。原子核だって陽子と中性子からできているのよ」
「さらにそれらはクォークからできている。つまり、素粒子だ。粒子の状態は、速度と位置で決まる。しかし素粒子の速度と位置は同時に観測できない。動いている状態の時には、その位置は正確には分からないし、位置を確認しようとすると止まった状態でなけりゃならない。不確定性原理だ」
「じゃあ素粒子の真の状態はどうなっているの？」
「一点にとどまらない波として計算すると辻褄が合う。実際にその計算方法で色んなことが実証された。海みたいなどろどろした状態だ。でもそれは誰も見ることができない」
「何で？」
「観測した瞬間に、波動関数が収束して一つの状態を見せるからだ」
「おかしいじゃない。粒子というからには粒なんでしょ？　それが何でそんな海みたいな状態になるの？」
「確かに粒子は、粒だ。観測すると粒なんだ。けど、計算する時は波じゃないといけない。だから、観測する時は粒子の形をとるが、そうでない時、つまり誰も観測しない時は波の形をしているんだ。解釈としては。少なくとも、数字上はそうでなければおかしい。実際にそうなっているかどうかは誰も分からない。波動関数が収束するから」
「じゃ、波動関数が発散している時には全ての可能性を同時に持っているわけ？」
「そう。例えば、箱の中に半減期が一時間の放射性原子を一つ入れたとする。つまり、一時間以内に放射線を放出させる可能性は五十パーセントということだが、そういう箱を、一時間放置してみる。そしてその後に、どちらの結果がもたらされたのか調べようというわけだ。しかし、実は観測する一歩手前までは、まだ放射線が出ているか出ていないかは決定されていない。出ている時と、出ていない時が同時に存在しているはずなんだ。そして観測した瞬間に、波動関数が収束してどちらか一方が確定する」
「不確定性原理が正しいとすると、そうなるわね」
「不確定性原理は正しいよ。だから原理と呼ばれている。そしてこれをもっと身近なもので考えたらどうなる？　例えば、さっきの箱の中に猫を入れてみる。原子が放射線を放出すると、センサーが感知して強力な毒ガスを撒く仕組みにしておく。すると、放出の可能性が五十パーセントなら、猫の生死の確率も五十パーセントだ」
「それで？」
「つまり、箱を開けるまでは、その箱の中に死んだ猫と生きている猫の二つが同時に存在しているということになるんだ。海みたいな状態で。素粒子の世界の話は、世界が素粒子で構成されている以上、干渉されざるをえない。だから………、その窓の外は今は海になっている。そして、僕が開けた瞬間に波動関数が収束して何かの事実を作る」

　何を考えていたのか。
　私には妻などいない。
　夢に出てきたあの女は、私が学生時代に好きだった女だ。彼女は局のエリートと結婚したはずだ。
　余計なことを考えるのはよそう。
　私は、あの窓を開けるべきだ。
　海の女王は、どのような事実を私に提示するのか。

古内旭　７Ａ「陽子崩壊」 2002年12月31日(火)18時03分19秒

●　来るべき　陽子崩壊　無限の闇　宇宙の終わりは　君と二人で

●　渋谷駅　酔って吐いてる　トイレ内　去り行く終電　去り行く意識

●　さり気なく　冗談めいて　書いてみた　手紙の最後　「愛を込めて」と

●　前の席　透けるブラウス　女の子　夏のあこがれ　いつかみてろよ

●　誕生日　お祝いメール　一番手　このオレからに　決まってるだろ

●　クリスマス　手編みのマフラー　初挑戦　結局マルイで　完成品

奥野美和　20C「シュークリーム主義」 2002年12月31日(火)11時48分10秒

何度でも裏切ってみせてこりないの目は覚めたけど熱は冷めない

なんでかなひとりの方がふたりなのいつまでたっても失えないの

恋人が切れた時だけ連絡をしてくるなんてよくあることよ

幸せにしてあげたいと思ってた自分のことなどどうでもよかった

意見とか意志とか気持ちそんなもの　めんどくさいと言われています

深刻になるといつでも不機嫌になって替えの子メールで呼び出し

宮田和美　37A 夢をみているような夢です 2002年12月31日(火)01時48分27秒

ぜったいにそこで待っててくれるなら泳げるような気もしなくない

ダッシュしてやっとこさ手に入れたのに心臓いたいの言い訳にギブ

西荻の居酒屋できみと偶然に会って話した夢を見ました

すまんのう　その「すまんのう」が原因でけんかしたよね笑っちゃうよね

正しくはあの子でもっていうんだよ　花いちもんめ最後のひとり

薄曇り多摩川　記憶はやわらかい　「二度と」とかって言いたくないけど

ゆりの木の下で落ち葉を踏んでいた　目をつぶったらいないと同じ

わたしの手よりも紙ナプキンで折るバレリーナのが君の手に合う

横田裕子　９Ａ「さらに実話な短歌　１２月２８日編」 2002年12月28日(土)20時52分50秒

真夜中の渋谷の街の居酒屋でうちら三人短歌で談義

眠らない渋谷の夜は長すぎてネオンがやけに瞳に染みる

横たわる長い黒髪さらさらと座布団の上広がっている

年末の午前０時の居酒屋でぶつぶつ歌うすぎざく一人

夜更かしはやっぱり苦手私には早寝早起きそれがジョーシキ

いつだって良くも悪くもマイペースそれが私の性格だから

こうやって歳を食うって悲しいね時間の中で汚れていくね

横田裕子　８Ａ「８割方実話な短歌」 2002年12月28日(土)20時44分58秒

まだ蒼い月を見上げて飛び乗った始発電車の井の頭線

恋愛の相談私にしてみても経験不足何も出ないよ

午前５時はぁっち白いため息とコーヒー色が闇に溶けてく

明け方の渋谷の駅を駆けて行く夜遊び疲れのブーツが響く

君の事忘れたくても忘れない忘れもしないウルトラマリン

もういちどキスはしたいと思うけど好きになれないきっとならない

抱くという意味を知らずにいた頃の純な自分にもう戻れない

がむしゃらに走り続けて傷ついてそして僕らは大人になって

背伸びして追いつけなくてつまづいて小さな恋は遮二無二もがく

甘い恋夢見ることにもう飽きただって私は子供じゃないし

杉井武作　20Ａ「しあわせの国から。」 2002年12月28日(土)13時13分52秒

ねぇ
別れ話をしているとき
世界の裏側で愛され人が帰らぬ人になっているってさ
名前を呼び間違えられたとき
世界の裏側で姓のわからぬ子供が捨てられているってさ
赤っ恥をかいてしまったとき
世界の裏側で罰っせられた女が嗚咽をもらしているってさ
小さな虫を殺して泣いているとき
世界の裏側で乾いた心の男が権威のために殺しあっているってさ
目を覚ましたとき
世界のどこかで誰かが何もかもを無くして泣いているってさ
ナイテ
ナイテ
ナイテイルッテサ・・・

ねぇ
幼い頃刻まれていった傷跡が在るの？
その悲しみが
違う誰かをふしあわせにするの？

ふしあわせ知らずに生きること
ふしあわせ知りすぎてしまうこと
どっちがしあわせなの？

答えてよ。

奥野美和　19C「忘れる法則忘れない法則」 2002年12月28日(土)10時57分25秒

なさけない声とか眉とか知りたくて薄目をあけて観察してた

動揺を見せてくれても良いのにな「やっぱり」なんて言葉でエンド？

本当は折りたたみ傘持ってるよあの手この手でそばにいたいの

気持ちとかなくていいから傍にいて今このときを一緒に飲んで

オサイセン投げてお願いしたことをもう忘れてる　叶うはずない！

練習をしたんだふたりで一本のマフラーしたくてからまりながら

あんなにも好きだったのにバイバイを言うのがわたしほんとに不思議

「興味がそういう事にないんです」あまいフリ方　逃げだったかな

いつかまた会えると言われもう２度と見たくないので逃げ出しました

太陽の日差しをすったおふとんで　まぼろしずっと見ていました

カーテンが揺れるたびにあの人がドアを閉めた日おもいだしてる

送信をした後すぐに後悔をしていまうのはなんでなんだろう

ほんとうは君が一番好きだけどキスが出来ない恋になれない

後悔を意外と普通にするんだね「会えない」なんてホントにできる？

傷ついてみたかったんだ君になら　どんなことでも試したかった

そっけない態度をとると思ったらきみはひとりに絞ったわけね

たんぽぽをつんで幸せな顔をしておうちにちゃんと持って帰るの？

フレアーのスカート履いてくるくるとまわれば君のうたが聴こえる

宮田和美　36A 2002年12月27日(金)22時08分50秒

枕元　見知らぬ贈り物をみたドキドキのようなメールをサンキュ！

気に入りの白いセーター笑われたあの日の私がまだ泣いている

昼休みホフク前進をしながらハンカチ落とししてるの見たよ

傷つけることのできない人からは離れたくなる　どうしてだろう

毎日ね寝たりテレビを見ているよ　６年前の色紙と話す

改札でずっと背中を見てたのは振り向く君を傷つけないため

宮田和美　35A 2002年12月27日(金)02時03分45秒

アマゾンのみどりと黒のイグアナのようなパックで湯上り美人

・　・　と　宙をただようオルゴール　とぎれた旋律　私たちだ　ね

あなたにはまだみせたことない場所であなたのくれた星がひかるよ

杉井武作　19A「call to mind」 2002年12月26日(木)22時59分46秒

女子高生　みんながオレを　見てるのさ　クール気取って　チャック全開

チンコをね　桃の香りの　石鹸で　洗うよやらしい　願いをこめて

この女　顔は女神の　輝きで　口の匂いは　サタンの毒ガス

こんなこと　書いてちゃ絶対　もてないよ　わかってるのに　手が勝手に

こんなにも　人を嫌いに　なれるとは　感謝しなくちゃ　あの××××に

全力で　合わせることだけ　うまくやる　嫌われるのが　こわいからなの

誰からも　嫌われたくない　ぜったいに　ホントの俺が　路頭に迷う

あの人と　同じ価値観　なれたらな　どんどん自分　嫌いになるよ

テンションを　あげずに電話　するなんて　もう絶対に　きらわれちゃったよ

メールでさ　同情誘って　返事なし　やっぱり俺が　嫌いだからだ

わからない　こともわかった　ふりしてさ！無理みえてるよ　ああ嫌われた

なにもかも　すべてが順風万歩だが　いつ歯車は　狂い出すのか？

南国の　ウォールナッツの　かほりする　俺のワキガは　スカッと爽やか

どのくらい　心の汚れ　積もっても　目には見えない　ずるいよ俺は

もう俺に　心許すの　やめようよ　そのぶん傷が　増えるのに馬鹿

持て余す　若い貴方の　いいところ　ガラスケースに　いれてあげたい

どうでもいい　あの女より　憧れの　あの子のまえで　素直になりたい

「あなたなら　あたしを変えて　くれるよね？」ああオレこいつと　縁きらなくちゃ

頼むから　俺を見捨てて　行かないで　殴られてでも　すがるあの袖

「みてみてみて　やーんこの猫　超かわいい～」　オメーのほうが　かわいいっての

「杉作の　好みのタイプ　当てたげる」　いやてゆーかそれ　オメーだってば

つんくになりたいつんくになりたいつんくになりたいつんくになりたいつんくになりたい

久我真紗子　３A/ココロの中の渦巻星雲 2002年12月26日(木)02時38分49秒

猛ダッシュ　追いつけないよ息きれる　だから休憩　ここでバイバイ

バスケなら　３歩以上は反則です　そんな遠くへ行かないでよね
バスケする　君わたしのココロ持ったまま　３歩以上はトラベリング　
　
暗くして　ムード満点　ときめき絶頂　なのにどうして　バイオハザード！

得意なの　短期戦より長期戦　７年越しの　ｗｉｎｎｅｒは私

幼いね　守ってあげたい　妹みたい　つらかったなんて君は知るまい

天井の　ＡＫＩＲＡのポスター　眺めてる　オトナの楽しみ　君の部屋で
思春期に　夢見憧れ君の部屋　少女の願い　大人のユメへ

サンタさん　聖なる夜のプレゼント　運転免許欲しかったのに

マンゴーの　泡で体を包み込み　私の楽園　明日へのパワー

嬉しくて　自転車いっぱい飛ばしたら　赤トンボの群れ　いっしょに飛んだ

午後６時　街の空気が水になり　電車の窓から水族館

遥かなる過去の幻影　色褪せず　天の星々　地上の貴方
見上げれば　五千年前の星々と　二年前の貴方が見える
　　

滝　夏海　12A「讃美歌、うたって」 2002年12月25日(水)19時51分25秒

恋人がサンタクロース　店先でサンタクロース　見つけちゃったよ

24、25とまた空いてるの　母の溜め息　父の微笑み

祝いましょ　マリアの息子の誕生日　ケーキにろうそく　何本立てる？

サンタさん　可愛いあたし、くださいなっ　靴下の中入らないけど

越智美帆子　12A　シチュー 2002年12月25日(水)06時48分36秒

　女は、そのシチューを三晩かけてじっくりと煮こんだ。浮いてくる灰汁を、一生懸命とりながら、寝ないでそれを仕上げた。
　ちょうど、１０日前だった。男が女のもとにやってきて、女のことを好きだと言った。けれど、女はそう男が好きではなかった。ただ、男のその風貌や美しい肌には好意が持てた。男は女に必死に愛を語った。あまりにもその姿が健気だったので、女は情に打たれて、それならばと、男の願いを少しでも叶えるべく、あることを決行することを心に決めた。
　一日目、男は手錠に繋がれていた。女の部屋にあるベットに、両手を繋がれていた。抵抗することもなく、男は静かにただ座っていた。ときどき、女が食事を持って来て、それを男の口へと運んだ。
　二日目、女は食事をつくることをやめた。ダイエットのためだった。もちろん、男のためだけに食事をつくることなどはせずに、一日中、水ばかり飲んでいた。
　女は癇癪持ちだった。それは、普通の粋を超えていて、何の理由も無いのに、突然残虐的な行為にでることがあった。それは、猟奇的とも言えるような犯罪行為すれすれのものだった。いや、もうそれは犯罪だったのかもしれない。
　三日目、女はとてもいらついていた。その鉾先は男に向かった。女は、裁縫道具の中から、何本もの縫い針を出すと、男の耳に順に刺していった。男はまた、抵抗もせず、針が刺さるたびに、うっという呻き声をだした。耳からは、鮮血が頬を伝って男の服に赤い花のような染みをつくった。女はその様を、嗜虐的な笑顔で見つめていた。しかし、耳に穴をあける場所がなくなったとき、女は男の舌をひっぱりだして、そこにも穴を開け始めた。舌の端に五か所。男は先ほどの痛みの比にならないくらいの激痛に、声もあげることができなかった。ようやく女は満足したのか、血だらけの男を放ったまま、ベットで寝てしまった。男はその光景を微笑ましく眺めていた。
　四日目、そう言えば、男は昨日から水さえも飲んでいないことに気付いた。喉はからからに乾いている。それを女に訴えると、女は悲しそうな目をしたので、男は水にありつくことを断念した。
　五日目、女は買い物に出かけていた。男は、この部屋に来たときのまま、まだベットに手錠で繋がれていた。小さい１Kの部屋で、男は白昼夢を見ていた。
　それは男が女に出会ったときのものだった。男は電車の中にいた。出張帰りで、ちょうど隣に乗り合わせた女に一目惚れした。しかし、運の良いことに、女のほうから男に声をかけてきたのだった。電車が目的地に着くまで、男と女は意気投合して、話に没頭した。それから、何度か食事をしたり、映画を見たりして、男はだんだん女のことを愛するようになっていった。
　六日目、男の目にはいわゆる幻覚のようなものが見え始めていた。視界の端に、いつも黒い影が見えるのだ。それに、男の目や鼻や口から、いるはずのない芋虫が出たり入ったりしているのだ。男は一応、取り払う仕種をしてはみたものの、感触はあってもどうすることもできなかった。
　七日目、女が帰ってきた。男はもう皮と骨のようになっていた。女はそれを見ると、そろそろね、と言い、男に白濁した酒と、白い糖衣錠を何粒か飲ませた。男は３０分も経たないうちに、緩やかな眠りへと誘われていった。

　女はキッチンに立って、鼻歌を歌っている。『主よ、人の望みの喜びよ』だ。ワンフレーズが終わる音と共に、女は、そのまな板の上にあるものに向かって、勢いよく鉈を振りおろした。ダンっという音が、小さな部屋に響いた。
　男は、女を愛していた。その愛は、果てしなく、しかし男はその愛をどうやって表現すればいいのか、検討がつかなかった。それを女が教えてくれたのだった。
　シチューはコトコトと煮えている。女は献身尽くして、そのシチューを見守った。おいしくなるように。残さず、最後の一滴まで食べれるように。やがて、シチューはちょうどいいくらいに煮えて、女は味見のために一口だけお玉でそれを救って、口に入れた。それはとてもまろやかで、女は満足だった。しかし口の中で、シチューには入っていないはずの堅さのものが、歯にあたった。女はそれを吐き出すと、懐かし気に見つめた。それは、男の舌にしたピアスの銀色の丸いキャッチだった。

宮田和美　34A 2002年12月24日(火)23時07分39秒

いち、に、さん、しい、ご、ろく、しち　目を閉じる　君に笑顔がもどりますよう

のぞきこむ君のうつった水たまり凍らせたなら窓辺に飾ろ

ほか弁のとなりに薬局あるようにいつでも君をすきでいれたら

ごみはごみ箱にって習わなかった？　責めたりしない　早く捨ててよ

サイレンの音が闇夜に溶けていく　ありえないこと期待してみる

妄想が疾走してる午前２時朝になったら即失速で

ルイトモは人類みんな友達の略らしいからお茶でもしましょ

君をみた　くすぐったくていつもよりうまく塗れないリップクリーム

ぶしつけなほどにじろじろ見てたかも　髪の毛の量　コートのステッチ

人ごみと無縁で君と目が合って　花火見るより花火になりたい

自慢した　エステキャッチの人にまで「あたしこれからデートなもんで！」

「ねぎぼうず初めて見たの？」いまなにかべつのことばを言いかけたでしょ

ドアに立つぼくとホームで待っているきみの位置とで相性チェック

　

杉井武作　19Ａ「クインシー」第３話 2002年12月24日(火)10時36分08秒
▽7A「クインシー」第二話への応答

　　　『クインシー』

　　第３話　うさぎ混乱！タキシード仮面は悪？

　私はＥＧⅡの連続性を考えながら、窓を開けた。
　寝室は二階にある。窓からは、隣のアパートのテラスが見え、普段ならそこには洗濯物やら布団やらが干してある。
　しかし、違っていた。
　私は絶句した。
　私がそこに見たのは、死体だったのである。
　首吊り死体。それは、手すりからロープにぶら下がっていた。痩せた男だった。手足はだらりと垂れ下がり、首は信じられないぐらい伸びていた。
　記憶の洪水が脳に直接流れ込んできた。あの死体は私だ。ＥＧⅡが狂ってしまったせいだ。
　あと三十分で妻が戻ってきてしまう。私は足早に風呂場へ向かった。早く頭をスッキリさせて、ＥＧⅡの呪縛から逃れる術を考えなければならない。
　
　甚平を脱ぎ、浴室に入る。なにも異常はない。私はいつもどおりシャワーを浴びた。
　ここでいつも私を悩ませるのは、シャンプーである。二種類のものが置いてある。ひとつは4000円、もうひとつは500円のものだ。4000円のシャンプーは、泡立ちもなくぬるぬると油のような指通りで洗っている心地がしない。しかも流したあとほんのり頭皮に「かゆみ」が残っている。髪と頭皮に良いと床屋に進められたから使ってみたものの、確める術もなく、使い切ってしまわないともったいないので、持て余している。一方、500円のシャンプーは、非常に泡立ちが優しく、髪を包み込んで洗い上げてくれる。バスルームいっぱいに広がる『太陽の恵みスパニッシュメロン』のフローラルな香りは格別だ。
　私は迷わず500円のシャンプーを手に取ると直接髪に浴びせた。たっぷり、たっぷりと。
　しゃかしゃか
　うん、やはりこのシャンプーは違う。指通りも滑らかで。それでいてなんという優しさだ。こんなにも、こんなにも泡立っているぞ。みんな見てくれ。
　私はたまらず外を飛び出した。洗面台の鏡が目に飛び込んだ。
　そこで私が見たものは、血みどろで頭皮をえぐりとっている私だった。すごい勢いで垂れてしまって、髪も顔も身体も赤く染まっている。なぜか私は頭を引っ掻くのをやめない。脳髄は掻き出され、赤い液体とシェイクされる。
「このシャンプーは爽やかだなァ！あのスーパーで売っていたなんて考えられないヨ！わっはっは」しゃかしゃか
　ぼたぼたと血の塊と脳みそがそこら中に散乱する。
　違う！これは私の意思ではない！
　ＥＧⅡの呪縛からは逃れられないのか？

　そのとき、ドマルトライの歌曲が徐々にフェードアウトしてゆき、可愛らしい女の子の声が耳に入ってきた。　その声は、声優の椎名へきるだった。
「幸せのアップルパイを探してください！幸せのアップルパイを探してください！」
　こうなったらもう、やるしかない。

（つづく）

杉井武作　18Ａ「あの子はいつもシコッていて悩みがあると子種虐殺。～サイテーの短歌傑作選～」 2002年12月23日(月)21時40分16秒

オナニーは　女を守る　思いやり

手を添えて　発射させよう　法隆寺

遠くより微かに聞こゆ父の屁に挫けるムスコまだ修行中

憧れの輝くスターのポスターもこのひとときはただの目障り

流行服ヘソ出しアリで乳出しとドテ出しナシは誰の尺度か

想像は目に映るもの超えるからＡＶよりもアイドルビデオ

妄想は実世界さえ超えるから本番のとき力でねえよ

美意識に反する行為その恥が性的興奮パラドックス

乱れてる助兵衛顔が普段から読み取れぬ子が理想なりけり

連続で溜めずに放つをもしろき鈍い快感いと風流

精巣を酷使するよな趣は社（やしろ）を崩す白蟻にも似て

尿の音聞きつつ果てよ逆らわずムスコを溶かせ遥かなリズム

東條慎生　7A/「なんだよおまえ話聞いてないだろこの野郎」「そんなことないってマジで聞いてるって話ホント」「じゃあおまえ何話してたかいってみろ」「そんなこと言ったってすぐに思い出せないって」「ほらおまえ聞いてねえじゃ…」「あ、そうそう。ウツボだろ、そうそう、ウツボの話してたよな、ウツボ」「……」「ルツボ？」「違う」 2002年12月23日(月)18時03分08秒

晴れた日に自転車に乗る川べりで走る光りとならんで走る

夜明けまえ、暗がりの空かがやいた赤い鰯が群れた湖

ボール箱一杯詰まったミカン箱たまにはリンゴも食べてみろ

雷が落ちるときにはうれしくて窓からそっと雲を眺めて

寒い夜冷えたからだが痛いけど風呂に入れば溶けてなくなる

おまえだろ言い出したのにそれはねえ崩れてきても支えはないぞ

ことわればいいんだろうがそれもなあいつもおんなじところをまわる

ためらえば居場所がなくなる気がしても口をあけないそういう決意

そのことはもう終わったか本当か後引くばかりで切れることない

裏切りと言えば言えるがその実は？君は思いを語ったか？

滝　夏海　11A「おひさまひとつ　ふたつ」 2002年12月23日(月)01時02分09秒

座ってるキミの背中に頬を当て夢見るあたし　日溜まりの猫

あの歌が好きなわけじゃなくて　キミが歌うあの歌が好きなんです

天の邪鬼はあなた譲りよMyMother　だんだん似てきて腹立たしいわ

照れながらカノジョの話するキミが可愛らしくて憎たらしくて

気を抜くと涙になって溢れ出すもう届かない好き・好き・好き……

アトピーの痒さもキミの思い出も消えてしまえと叫ぶ寝付けない夜

越智美帆子　11A　恋歌 2002年12月22日(日)09時22分26秒

＊マニキュアの　色が私の　心内　今日はとても　ピンクを塗れない

＊桜吹く　車の中で　キスをした　子供だった　私の全部

＊もう帰る　その言葉がね　永遠の　別れと感じ　悲しかった

＊明け方の　さよならのキス　「名残惜しい」　そう言った彼　今はどこ？

＊他の人と　遊んでいたのは　嫉妬させ　あなたがきっと　ほしかったから

＊抱き締めて　そう頼んだのは　エゴだけよ　ごめんねだって　しょうがなかった

＊今日だけは　一緒にいてと　頼んだけど　あなたにはいる　決った人が

＊海でした　花火が闇に　消えていった　砂と戯れ　笑っていたね

＊見ようねと　楽しみにしてた　ミニシアター　DVD出て　どれくらいたった？

＊毎日の　メールは全部　嘘だったの　泣く泣く消して　空っぽの箱

＊貰った本　母も持ってて　２セットある　どうしようかな　まだ読んでないの

＊父ほどの　年が離れた　人だった　何も言えない　その立場上　

奥野美和　18C「寝台列車に乗りませんか」 2002年12月22日(日)00時28分47秒

片想い彼のうわさを耳にした　「あいつホテル派」なんだそうです

長いことぎゅっとしていたらいつのまにナイロンパーカーファスナーの跡

お古ならいらないんです別のとこ行ったくせに戻ってこないで

料理が出来ないとこが魅力的だと言った彼　出て行きました

「僕のこと自由に使っていいんだよ」そんな言葉をうっかり信じ

いつの間に押し出されては消えてった君の着信履歴はもうない

君の言う優しい人ってきっとそれ都合の良い人の間違い

あの頃は言葉をねだってばかりいた恋の形見がごろんと残る

くつひもを結びなおして深呼吸　気付かないフリずっと出来たら

宮田　和美　33A 2002年12月19日(木)02時07分49秒

体から想像つかないほど大きな水の輪を放って泳げ

いっとうに横断歩道を闊歩する　誰も待たない明日があるから

一時間900えんをもらわなきゃ優しくなれないあたしは屁タレ

「自主休講」むかいの女の子の言葉　それ以外は全部英語に聞こえる

でっぱって赤くなってるくるぶしの皮を見つめる　夢じゃないんだ

二十年生きてもイマイチ優しさの言葉のイミがよくわからない

ゴミ箱の上に置き去りのしょうゆを使って豆腐をたべてたでしょ

学バスの運転手さんが陸上をあるいてるのをはじめてみました

両親のどっちかが元ヒッピーで　それしか知らないピーちゃんのこと

一日をもっと上手に暮らしたい味噌汁のんで電話をかけて

宮田　和美　33A 2002年12月19日(木)02時07分49秒

■一つ前の過去ログ：「物語の作法」掲示板 (0018)

[奥野美和] 17C「ミルクを見ていた」 (2002/12/18 22:02:16)
[奥野美和] 16C「かすかに浮かんだ　編集編　リライト未」 (2002/12/18 21:48:34)
[古内旭] ５Ａ　『姫』 (2002/12/18 09:08:01)
[宮田和美] 32A　 (2002/12/17 23:56:31)
[宮田和美] 31A　空の高い日 (2002/12/17 12:15:08)
[宮田和美] やわらかな光の塔を (2002/12/17 00:23:24)
[越智美帆子] 10A　羽の取り扱いについて (2002/12/16 18:53:56)
[宮田和美] 29Ａ　平成12年 (2002/12/16 15:25:59)
[奥野美和] 15Ｃ「冬への正装」 (2002/12/15 16:34:31)
[宮田　和美] ２８Ａ　うたかたラバー (2002/12/15 14:13:15)
[杉井武作] しあわせの　あかい　ふうせん (2002/12/15 12:23:30)
[杉井武作] 16A「ペヤング」 (2002/12/14 00:53:37)
[杉井武作] 15A「日々のナルト」 (2002/12/11 03:52:25)
[杉井武作] 14A「ねればねるほどストーリー完結編」 (2002/12/11 03:50:23)
[杉井武作] 8Ｃ「ある阿呆の生涯」 (2002/12/11 03:44:10)
[杉井武作] 13Ａ「ＣＡＲＯＬＥＹＥＳ　第一話」 (2002/12/11 03:40:25)

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