「物語の作法」課題提出板 (0047)


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越智美帆子 批評課題14/短くても 2004年12月08日(水)19時39分50秒
▼課題と連絡:批評課題14/土橋明奈作品の批評 への応答

私はこの二つを選びました。

【作品4/大人】
大人になると「ありがとう」と言えなくなる。本当ですね。なんだかオチが切かなかったです。

【作品5/ベートーヴェン】
こちらもオチで「耳が聞こえなかった」とは、おもしろい。

なかなか二つとも短いのに最後で一捻りあり、おもしろかったです。
他の作品も、あれだけ短いのにユーモアと切なさが混合されていて、土橋さんの力を感じました。
ただ、短くてもおもしろいのですが、やはりそれだけは物足りなさも感じてしまいました。たしかにこれはポンと短い物語を提示して、さらりと読めるものなのだけれど、おもしろいがゆえにもっと長くして一つの物語として完成させたらどんな作品になるのだろうと期待してしまいます。
しかし作者の意図もあるでしょう。
このような短い作品をたくさんつくって何かを完成させたいと言うのなら、それはそれでいいと思います。

加賀麻東加 批評課題14/アンガールズ(?)に似た空間 2004年12月08日(水)15時57分18秒
▼課題と連絡:批評課題14/土橋明奈作品の批評 への応答

土橋さんの作品は何だか味がありますね〜!
メディアサロンでニヤついた顔を隠しました。味があるというか、土橋さん風味というか、色があってすごく羨ましいです。
今回選んだ作品は一番シンプルにニタニタできたものを選びました。いい味があるのに、オチが「???」だったり、理解するのが難しいものは自分好みのコメントかもしれませんが「もったいない」と思ってしまいました。
(多分私の読解力の無さも関係しているのでしょうが…)
【作品2/フライパン】
両手で顔を隠してニヤケました。「あ〜やられた!」という気持ちです。
短くて素朴で、アンガールズ(でしたっけ?細い二人組の男の人の芸人。エンタの神様に出ている人)のショートコントをみたような感覚と似てると思ったのは私だけでしょうか。この作品、かなり気に入ってます。このようなシリーズをもっと書いてほしいです!たとえば泉の精がすごい妙な奴だったバージョンとか、泉の精が異様に筋肉質だったりとか。
ちなみにこのような作品はどのジャンルにあてはまるのですか?
【作品3/ベンK】
まず会話だけって所が目立った事と、二人の妙な空間が好きです。
二人のやりとりがやはりどうしてもアンガールズにしか見えません…。オチなのですが、「テメェ、よくも失くしやがって・・・!!」「えっ!?・・・・」では何かもったいない気がしました。もっと違う言葉で「実は弁慶を蹴りたい」映像が想像できるともっと味がでて良くなる気がします。かといって何の言葉がいいのかと聞かれるとなかなか思いつかないのですが…オチには迷いましたか?
土橋さんならもっともっと味をしめることができると思いますし、この妙にニタニタさせるような独特の風味をこれからも活かして欲しいです!

松本紗綾 批評課題14/オモシロイ 2004年12月08日(水)15時46分50秒
▼課題と連絡:批評課題14/土橋明奈作品の批評 への応答

【作品4/大人】
【作品5/ベートーヴェン】
土橋さんの作品は、小説じゃないし、詩ともなんか違う気がするし…と、私の中で何のジャンルかわからないものでした。だからこそ、どんな場所に目をつけて批評をすればよいのか、はっきりとわからなかったというのが素直な感想です。なので、批評するところがずれているかも知れませんが、この2つを選びました。
あぁ、やられたなと最後に思う作品が多く、ただ単に笑える、泣ける、考えるとは違う複雑な感情が芽生えるものが多かったです。笑える意味での面白いではない面白い作品でした。楽しいよりも、面白い。そんな感じがしました。

滝 夏海 批評14/(笑)の提供 2004年12月08日(水)15時14分10秒
▼課題と連絡:批評課題14/土橋明奈作品の批評 への応答

【作品3/ベンK】
 途中ややテンポが悪いかな、と感じるのですが私の読むテンポと噛み合わないだけかもしれません。台詞として聞くと、これが丁度良いのかも。ベンKという名前だけで落ちがわかるのに最後まで楽しいのは、友人の丸め込まれっぷりが見事だからでしょうか。
 もう少しキャラをたてて、この2人が朝会ってから放課後別れるまでを数場面に区切って書いても面白いかもしれません。

【作品4/大人】 
 上手くまとまったブラックジョーク風味のショートショート。ベートーベンもブラックなオチですが、向こうは「それを持ってきて良いのだろうか」と悩んでしまうのに対し、こちらは「うわ、やられた」という気持ちでした。
「なあに?トイレなの?おじいちゃん」
 この一言があるだけで、内容ががらっと変わってしまう。今回提出した中では、一番シンプルなのに奥が深い作品だと思います。

 全体的に見ると、土橋さんの作品は軽いコントのようで面白いのですが、ショートショートとしては少し物足りない。ネタ自体は良いので、もう一捻りあったりもう少し違う書き方(まとめ方)をするとそれが光ってくると思います。
 そしてとっても個人的な感想を最後に。何故、益岡。山田だとあれですが、佐藤でも渡辺でも小林でもなく、益岡。ちょっと気になる、益岡。

雨宮弘輔 批評14/滑稽であることの使命 2004年12月08日(水)12時20分09秒
▼課題と連絡:批評課題14/土橋明奈作品の批評 への応答

 ラジオコマーシャルみたいな、もしくは吊り革広告に掲載されているような短い話でした。短話には効果的な、起承転結の明確さ。贅肉のないスッキリとした文章が印象的です。しかし捻りが弱く、読んでいる途中でオチがわかりました。一遍だけならいいけれど、それがいくつも続くと読者は飽きてしまうかもしれません。もっと後半が予想できないような設定にしてもいいのではないでしょうか。例え不条理で、人によっては憤慨させてしまうようなオチでも、僕なら一か八かで賭けにでます。でも、この手法は好き嫌いの要素が含まれており、作者個人の問題でもあります。いち意見として受け取ってください。 

【作品4/大人】
 この「大人の意識」に注目したことに惹かれました。本人(おじいちゃん)は気高い大人のプライドを持っているのだけれど、言葉が上手く口に出せない。
「あ、あう、あり、あ・・」
という箇所に、老化の不甲斐なさが含まれているような気がしました。それを「なあに?トイレなの?おじいちゃん」と返すところは滑稽であり、また、トイレにさえ満足に行くことができないおじいちゃんの悲しさが伝わってくるような気がしました。
 この話を介護する人の視点で書いてみてはどうでしょうか? 二人の心情をそのまま入れ替えて。老人を子供と見なすことによって優越感を抱くというストーリー……ダメですかね? なんとなく福祉に触れていて、社会背景を映したショート・ショート特有のブラック・ユーモアの効いた作品になると思うのですが。

【作品6/9.81m/s?】
「なんで、こんな危険な場所に散歩に行くの?」という疑問はさて置いて、水面に落ちていく主人公に夏目漱石の『夢十夜』を思い出しました。
 危機的状況なのに、オムレツを思い出す主人公が面白かったです。僕も物語を書く際に滑稽的に使いますけど、人間って緊張したり、危機を感じたりしても、どうでもいいことを突然思い出したりするんですよね。
 科学的に説明すると、問題を打開するヒントを捜すために、脳が必死で記憶の引き出しを引っかき回すからだそうです。死ぬ前の走馬灯もこの現象のため、という説もあります。
 話が批評から逸れました。元に戻します。
 我儘をいえば、もう少し主人公の人間性を引っ掻き回して欲しかった。例えば、壁面にへばり付いている花、天辺で落ちていく主人公の様子を見つめる恋人。こういったモノを描写して、主人公の心情を書いてみてはどうでしょうか?


菊池佳奈子 批評14/意味 2004年12月08日(水)10時51分49秒
▼課題と連絡:批評課題14/土橋明奈作品の批評 への応答

【作品3/ベンK】
どの作品もナンセンスユーモア?溢れる、独特の作品で楽しいのですが、このとんちがすごい楽しかったです。
最後までにやにや笑えるというか。
結末が読めてもその先も楽しく読めて。
「何云ってんだよ、お前は痛くないんだよ。
 ベンKと隠された人には特別な絆が出来て、そのスイッチングポイントは向う脛なんだ。
 それはベンKの弱点なんだけど、そこを蹴る事によって観念して返すんだよ」
てところがすごい良いです!
会話の受け答えが単純なのにどっかおかしくて楽しい。

【作品4/大人】
笑えるような笑えないような。
笑いが引きつってしまった。
ちょっと胸が痛い話。
出だしがよくて「私は大人になった。」と注意を引かれて、終わりも「それが大人ってもんだろう。」で終わってるので完結してる感じがあります。
その間に「なあに?トイレなの?おじいちゃん」で一気にわかって胸が痛くなるのに、語り手がそれを許さないで終わる。
なんか、すごく心をつかまれるお話でした。

今までこういうものをあまり読まなかったので、他にこういった作品があるのかどうか、わからないのですが、
でもすごい楽しいなぁと思って読みました。
「冬の行事」や「フライパン」はどこか納得がいかない点があり、「ベートーヴェン」と「9.81m/s」はちょっと尻切れな感じがしました。
それと「ベートーヴェン」と「ベンK」が会話という同じ形式で進んでいくので、少し変化が欲しかった。
余談ですがベートーヴェンは病気でだんだん耳が聞こえなくなってしまったはずです。
だから彼の後期の作品になればなるほど、音量記号のつけ方が異常なほど激しい。
でも彼の作品はほんとうにすばらしいです。

城所洋 批評課題14/メリケン風味 2004年12月08日(水)07時30分08秒
▼課題と連絡:批評課題14/土橋明奈作品の批評 への応答

【作品2/フライパン】

【作品6/9.81m/s?】

 自分はこの二つを選びました。
 何と言えばいいのか、土橋さんの作品はどことなくアメリカンジョークのように感じました。
 あるいは、ショートギャグの台本のようでした。それは口頭で軽快に笑い飛ばすにはもってこいの話だと思います。身振り手振りで表現できますし、声のイントネーションだけでも、大分雰囲気は違ってくると思います。
 しかしながらその分、文章にしてしまうと「・・・?あ!これがオチか!」などと、芸人気質な自分には落とし所が分かり辛く、耐え難さに落ち着いてはいられませんでした。
 ですので、作品2のフライパンが一番オチが理解できたので、それを挙げました。

 さてさて話は一転、作品6だけが何故だか雰囲気が若干違いますね。たまたま自分の好みに合ったのか、この作品が何だかとても光って見えるような気がしました。
 確かに露木君の言うように、確かにこれは掲示板という利点があって発揮する魅力だと思う。掲示板の形式や機能、延いては文字の大きさや背景の色などが絶妙に絡み合って、何かを感じ取らせたのでしょうか。
 いや、でもこの書き方も中々面白いと思いました。落ちているのに淡々と話している所や、思い出(走馬灯)の内容とかには、ある種のセンスを感じ取りました。
 所々違和感を感じますが、その出っ張りを上手く丸めて一個の作品として洗練させれば、より面白さが滲み出てくるかも知れません。

露木悠太 批評14/語り手と書き手 2004年12月08日(水)03時30分29秒
▼課題と連絡:批評課題14/土橋明奈作品の批評 への応答

【作品4/大人】
笑ってしまいました。『なあに?トイレなの?おじいちゃん』というところ、『私は大人になった』から始まってこれ。なんとも言えない可笑しさです。

【作品2/フライパン】
軽快です。ベタベタの上にダジャレ。何だよこれ、と言う間も無く終わり。紙芝居みたいですね。


これはどう批評したらいいのだろう、と思ったのが正直なところです(まず、やはり短い。というところから)。漫談(?)のようなものにも近いのでは、と思ったのですが、しかし、やはり語って聞かせるというよりは活字の方が良いのかもしれません。【作品6/9.81m/s?】の終わり方なんかは特に。意識しているのかもしれませんがインターネットの掲示板というものに合った書き方ですね。逆に言ってしまえば、紙面に載せるものとすると弱い気がします。改行や行あけも紙の上で見たらやたら白くなってしまうのでは、と思いました。あと、どうしても気になってしまったのは、人物(と語り手)がみんな似た感じの人のように受け取れてしまったところ。作品が変わっても人が変わらないような。これは少しもったいない気がしました。(登場)人物のおもしろさももっと見たいなぁ、と。例えば【作品4/大人】のおじいちゃん、この人の人物像を追って(作って)いってもおもしろそう。でもそれをするにはやはり長さが必要かもしれないですね。

五十嵐 舞 批評14/ 土橋ワールドにハマル私 2004年12月07日(火)14時39分07秒
▼課題と連絡:批評課題14/土橋明奈作品の批評 への応答

 ホント全部短い文章なのですけど、内容もありオチがあって、楽しく読ませていただきました。そのなかでも、私の一押しは【作品1/冬の行事】【作品2/フライパン】ですね。
それぞれ作品別にコメントするなら、「冬の行事」のほうは、読んだ後にちょっとした笑いとほんわか心が温かくなる作品でした。技術面でいうと始まりの入り方と最後の締めくくり方も良い感じを受け、この文章量で起承転結は難しかっただろうし、読者にそれを意識させないところが巧いなと感じたところです。ただ、最初の入りの「黄緑のラインの入った銀色の乗り物」の表現するものが見えてこない?これはバスor電車なのかな??地域によって違うからこの表現するものが判らなかった…これが唯一気になった点でしょうか。また、「フライパン」のほうは、漫才かコントのネタのような印象を受けました。最後の締めくくりのオチで何故揚げパン?と読み返してしまい判った時は思わず笑ってしまい、普段の土橋さんを知る私としては彼女らしい作品だと思いました。あまり、これに関しては技術面というかそういうものはないです。濡れた揚げパンってところが皮肉というか風刺のスパイスが効いていて面白かったです。
 この作品以外も面白かったです。こんな作品を書けるならもっと作品を書いてみたらどうでしょう。

松本紗綾 作品10/ラブゲーム 2004年12月06日(月)21時10分04秒

 俺は昔から「作戦」というものが大好きだった。例え一人でも、何かと「作戦」を立ててきた。あるときはヒーローの俺がいかにして悪者を倒すか。また、あるときはどうすれば睡魔に勝ち仕事を進めることができるのか。そして、彼女を手に入れるにはどうすればいいか・・・。俺の「作戦」はいつでも完璧だ。彼女でさえ、俺の「作戦」に見事に引っかかったのだから。
 そんな俺は今新たな「作戦」を練っている。聖なる夜。そのときを二人で過ごすにはどうすればいいのか。今のこのあやふやな関係のまま誘っても、普通にかわされるのが目に見えている。だからこそ、得意の「作戦」だ。
 一緒に過ごすには・・・一緒に過ごさなければならない状況を創り上げれば良いのだ。そう、例えばどうしてもその夜渡さなければならないものが・・・あった。ビデオテープだ。連ドラの最終回までにテープを返さなければ、最終回だけ別のテープに録画しなければならなくなる。主人公のファンであり、A型の彼女が、それを許すはずがない。テープを渡すのを口実に呼び出せさいすれば、「作戦」成功と言えるのではないか。これしかない。

 ドラマの感想、テープのお礼をしっかりと言い、あっ…返さなきゃね、テープ。…えーっと…明後日。明後日の夜って空いてる?と、こんな具合に何気なく誘えば警戒心もなく、上手くいくはずだ。だって、彼女は今フリー。
 明後日…?そっか。明日は仕事だし、明後日じゃないと録画できないもんね。うん、空いてる。と、少々悲しくもなるような返事だったが、きっかけ作り成功。

 
 全ては「作戦」通りに進み、俺は彼女との甘いひと時を優雅に過ごすことに成功した。やっぱり俺は「作戦」を考える天才だ。誰にも気づかれず、目的を達成させるのだから。これだから、「作戦」はやめられない。

 
 彼は自分の「作戦」でこうなったと思い込んでいる。聖なる夜、共に過ごすことになったこの事実を。そして、あたしとのこの関係も・・・。彼の「作戦」も含め、全てあたしの「作戦」だということも知らず・・・。これだから、「作戦」はやめられない。

越智美帆子 批評課題13/言葉の難しさ 2004年12月06日(月)17時25分55秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

【作品2/泡沫の温もり】
この作品は、恋人との関係をティーセットに置き換えて語っているところにおもしろさを感じました。ラスト一行の醤油とワサビという言葉も、思わず顔を綻ばせました。
ただやはり、失恋とは感傷的なものではあるのですが、キレイごとや格好よさを意識しすぎた言葉が目立ちます。せっかく独自性のある表現であるのに、語り口調に違和感を覚えました。

【作品6/色眼鏡】
「全てが僕の色に染まれ・・・」の繰り返される、僕の憂鬱な世界。言葉遊びのようで、とても読み易いです。それに情景が思い描きやすく、そのイメージは闇とネオンがほどよく配置された世界でした。
しかし、この「僕」の言っていることはワガママに聞こえました。現実が気にいらないから、「僕」は現実にいないとする。「僕」が本当に存在するためには、「僕」の色に染まれ、と。そういう思いを抱いている若者の葛藤をこの詩で言い現したいのなら、ちゃんと成功しています。ただ、私は共感はできませんでした。

城所さんは、前に提出された作品の数々を読んでも。とても言葉を知っているなぁと感心します。たしか、辞書を引くのをかなりされてるとか。その姿勢は私も見習うべきところだし、やはり語彙力とはそういう努力から産まれるものでもあると思います。
しかし、それゆえなのか少し言葉に頼りすぎてしまっている部分が見えてしまいます。たしかに適切でかっちりした言葉を使ってはいるのですが、詩でも小説でも難しい言葉を使えばいいというものではありません。
文章には読み手がいます。読み手を意識するというのは、とても大事なことだと私は思っています。言葉の響きや感じ、字面など、そういうことを意識して書くということは、プロを目指すならば絶対に必要なことだと思います。

提出がだいぶ遅れてすみませんでした。

五十嵐 舞 作品4/いろは 泡沫の唄 2004年12月06日(月)02時24分08秒

紅く熟れた唇と
意志の強さが表れた漆黒の瞳
薄みがかった純白の絹のようなの肌を持ち
笑顔が宿る顔は意外と曲者
男を魅了してやまない魔性の女

カレンダーは
気づくともう10月なのにまだ8月のまま
暮れゆく夕日を眺めながら
決断した 彼との別れの未練が残っています
今夜は月見と洒落込んで酒をあおる 女ひとり

最高の幸せ 掴んだはずなのに
しかし 思い通りにいかないもので
過ぎた日々を嘆きつつ
洗濯、料理など家事、育児に明け暮れる
そんな毎日が 今の私の現状です

たくさんあった将来の夢
中学まではそのどれかに必ずなるものんだと信じていた
月日は流れ大人になると
手厳しい世の中に翻弄され
とうとう 夢までなくしてしまいました

何気なく思いついたことが
人気爆発 流行まで生み出した
抜かりなく商売をしていたら とうとう
妬まれるほど大金持ちになりました 今では
のんびり余生を過ごしています 年金暮らしで悠々自適毎日送っています

始まりはあの時
ひとり街を歩いていた
ふと呼び止められ 知らないうちに名刺を渡され
返事はあとで待つから 検討してみてと言われたよ
本当にこれはスカウトなのか 聞いた事がない事務所のアドレス

…マジだって(通話中)
見てみろよ 写メールで撮れって?(通話中)
無理だって 遠すぎるって(通話中)
目の前に行って来いって、勘弁してくれよ(通話中)
モ〜〜リ、お前がこっちに来いっつうの…来るって、じゃ****で待ってんぞ!(通話終了)

八ヶ岳まで遊びに行こう
雪化粧に染まったゲレンデに新しい出会いがあるかもね
予定の段階だけど もう期待は膨らむばかり

ラジカセから聞こえてくるDJの声を聞きながら
料金所を通って1時間
瑠璃色に染まる街を眺めながら
レインボーブリッジを渡ったら 下におりて
路肩に止めましょう ナイトスポットお台場で

若いうちにやってしまおう やりたいことは
何を始めるのも早いほうがいいらしい
んん やっぱ年には勝てないってことかな

土橋明奈 作品6/9.81m/s² 2004年12月03日(金)21時38分37秒

4秒は長い。

もう大分こう、ホヤホヤしている気がする。
お腹がムズムズするのを除けば心地は良い。

そもそもは。
部屋の掃除が億劫で散歩に出たが面白い事など、
そうは無かった。
そう云えば、今朝のオムレツは上手くいった。
益岡の持って来た卵が良かったな。
あいつはイイ奴だ。
今度泳ぎを教えてくれると云ってたな。
早く教えて貰えば良かった。
今度は無理そうだ。
現在、散歩に出た絶壁で風に足を捕られ落ちている最中。
目測で80m強の高さだったから着水までは約4秒。
岩場は無かったから上手く入水出来れば助かるやも。
でも、泳げない。
しかし、受け身位は取っておくか。
あ、もう駄目だ。
海面が目のま

土橋明奈 作品5/ベートーヴェン 2004年12月03日(金)21時36分26秒

「お前、その頭どうしたんだよ!?」

「おはよー。あ、頭?格好良いだろ。俺、昨日からベートーヴェンなんだ」

「はぁ?唯の寝グセっぽいけどな」

「始めた仕事が結構肌に合っててさ」

「そりゃあ良かったな。始めた仕事って、確かだい・・」

「リズムが良いんだろうな。高い処も好きだし」

「流すなよ。だからベートーヴェンって。そんなオチかよ」

「大工だから第九でベートーヴェン!なんつってな」

「説明すんなよ」

「あっ俺、益岡に返す物があったんだ。そろそろ、行くわ」

「あぁ、じゃあな」

「ごめんな。一方的に喋っちまって。昨日から耳が聞こえなくってさ」

土橋明奈 作品4/大人 2004年12月03日(金)21時34分38秒

私は大人になった。

社会で認められたし、
耐える事も知ったし、
我が儘は云わないし、
人に物を譲る事も出来るし、
ある程度の経験は積んだし、
多くを学んだつもりはある。

「うふふ、子供みたい」

なんて、私が子供なら云われないだろう?

「あ、あう、あり、あ・・」

“ありがとう”と、
口から素直に云えなくなってしまったけれど、

「なあに?トイレなの?おじいちゃん」

相手が分かってくれなくても、そうそう怒りはしない。

それが大人ってもんだろう。

土橋明奈 作品3/ベンK 2004年12月03日(金)21時32分58秒

「はぁああぁ〜!?俺のノート失くしただと?今日のテストはノート無いとヤバイのに」

「ホントごめん。ごめんなさい!めっちゃ探したんだけど、何処かに挟み込んじゃったかもしんなくて・・」

「ぁあ、謝んなくて良いって、お前は悪くないから」

「・・へ?」

「悪いのはベンKだから・・」

「ベンケー?」

「知らんの?鎖国の時代にオランダから入ってきた妖怪の一種だよ。カウヤングに封印されたんだが、昨今それが破れたって話」

「へぇえー。知らんかった!そんで?何でベンケーが悪いの?」

「ベンKは賢すぎて、遅れた人間の学問を憎んでたんだ。そんで、書物やら古文書を隠す悪さを働いて退治されたんだけど。
 現代に復活したベンKは学校を狙い始めたんだよ」

「そうか!それでお前のノートを隠したのか!!」

「・・・・おそらくな」

「どうすれば退治出来るんだ?」

「あぁ、退治の方法までは知らんが取り返す方法なら知ってる」

「どんな!?」

「失くした奴の向う脛を蹴飛ばすんだ。思いっきり」

「・・・俺の?」

「そう。お前の」

「痛いじゃん、俺」

「何云ってんだよ、お前は痛くないんだよ。
 ベンKと隠された人には特別な絆が出来て、そのスイッチングポイントは向う脛なんだ。
 それはベンKの弱点なんだけど、そこを蹴る事によって観念して返すんだよ」

「・・・・・お前、賢いなぁ〜」

「常識だぜ?」

「じゃあ、俺の向う脛蹴ってくれ!」

「おう!きっとこれで、もう一回探せば見つかるよ。もし、見つからなければベンKにもう一発だな!」

「だな!」

「じゃあ、行くぞ」

「うん!」

「テメェ、よくも失くしやがって・・・!!」

「えっ!?・・・・」

土橋明奈 作品2/フライパン 2004年12月03日(金)21時28分53秒

泉にフライパンを落として困っていた若者に泉の精が尋ねました。

「あなたが落としたのは、
 金のフライパンですか?
 銀のフライパンですか?
 それとも普通のフライパンですか?」

若者は正直に答えました。

「僕が落としたのは、普通のフライパンです」

泉の精は若者の正直さに感心して、こう云いました。

「正直な若者よ、あなたに普通のフライパンを返し、金のフライパンと銀のフライパンを授けましょう」

若者は喜びましたが、困った事には変わり有りません。
濡れた揚げパンと金属の揚げパンを貰っても、若者の空腹は収まらないのでしたとさ。

寮美千子 「稲生物怪録」物怪カタログ 2004年12月03日(金)17時21分41秒

『稲生モノノケ大全 陰之巻』の京極夏彦による現代語訳からの要約。
権平は稲生家の執事、権八は平太郎の友人の元相撲取りの名です。

【7月1日】稲生家物怪始の事
権平恐がる。
障子赤く染まる。屋敷鳴動。障子開かない。無理に開ける壊れる。
縦長の一つ目の毛むくじゃら入道につかまれる。
刀で切りつけると平たくなって縁の下にもぐる。
部屋の畳、勝手にめくられてなくなっている。
床に刀、突き刺す。

権八、天目茶碗を持った一つ目の小坊主に回りをぐるぐる回られ、金縛り。
やっと解けてかけつける。
畳、散らばっている。権平、畳の下で気を失っている。
(その後、3日目に権平、病になり下がる。平太郎、独居となる)

【7月2日】火責め水責めの事
行燈の炎が天井まであがる。
寝所、生臭くなり、水が出る。無視して寝る。
目醒めると、匂いが消えたが、布団は水浸し。

【7月3日】逆さ首と青瓢箪の事
畳替え。寸法足らずで角に隙間。隙間から髪の毛がするりと伸びる。
その髪に引っ張られて女の生首現れる。
切り口を上に逆さに歩く。足は髪の毛。
生首、膝に乗ってくる。石臼のように重い。
髪が伸びて全身絡まれる。舌が出てきて全身舐められる。
そのままにしておくと消えた。
蚊帳を吊って寝ると、天井から青瓢箪ひょろひょろ降りてくる。

【7月4日】水が凍り紙が散る事
茶を点てようとすると、瓶の水が凍っている。手桶の水も凍っている。
火で解かそうとするが、火吹き竹が詰まっている。
水も茶も飲まずに寝る。
箱枕から濡れたちり紙が15枚ほど出てきて散る。
目覚めると、ちり紙が唐紙やら障子やらにくっついている。

【7月5日】奇妙な赤石来る事
表座敷に巨大な赤石。
石の表面に次々目が開く。指も生える。
指を動かしながら、近づいてくる。
庭に蹴落とすと、もうもうと煙が上がり、何も見えないので寝る。
翌朝、石は台所の庭に。

【7月6日】戸口いっぱいの婆ァの顔のこと
薪小屋の入口いっぱいに老婆の顔。
眉間に小刀を刺し、石で柄のところまで打ちつけるも変化なし。
蚊帳を吊って寝る。足許に死体、這いあがってくる。
翌朝、死体消えている。
小屋の入口には、中空に小刀が浮いている。
やがて、敷石の上にちんと音を立てて落ちる。

【7月7日】竹箆と鳴弦の事
伯父の同僚・影山庄太夫が「たいとう和尚の竹箆」を持ってくる。
化け物退散の力ありという。
近所の甚左衛門、太歳神社の八幡奉納名弓を持ってくる。
魔を封じる弓とのこと。
ふたりとも呪法をはじめる。

甚八、槍を持って外を護るも、塀の内側から黒い影現れ、
槍を刺すと、却って槍を奪われてしまう。
槍、障子を破り、唐紙に突き刺さる。
一同、適わないといって四つ刻には、帰ってしまう。

【7月8日】塩俵高下駄飛ぶ事
友人6人と車座になって話していると、塩俵が空中に出現、どさりと落ちる。
天井の隅の壁の欠けたところから、高下駄が出てきて飛ぶ。
鴨居のところで低く飛び、また高くなり、唐紙に歯で噛みつく。
友人、恐れて帰ってしまう。
蚊帳が白くなり、ずっと波打っている。

【7月9日】庄太夫自害の怪の事
庄太夫、家宝の宝刀を持ちだしてきて、物怪退治をするという。
黒い子犬のような塊二つ、いきなり飛びこんできて座敷をごろごろ転げる。
庄太夫、刀で一刀両断、火花が散る。もうひとつも切る。火花が散る。
見れば、石臼。宝刀はぼろぼろに歯こぼれ、
家宝をこのようにしてはと、庄太夫、いきなり自害する。
慌てて死骸を隠す。まだ息があり声を上げるので、慌てて抉り殺す。
庄太夫の幽霊、出てきて、自害せよと迫る。
妙恵寺の半鐘鳴り、夜が明けると、すべては怪かしであったとわかる。

【7月10日】頭より赤子の出る事
周防屋貞八という五十ばかりの禿頭赤面の男、来る。
頭がやけに大きく、ぱくりと割れて、なかから赤ん坊が十人ほど這いだしてきた。
十人、ひとつにくっついて、巨大な目玉になる。
訳が判らないので、寝る。

【7月11日】鞘、吊袋より落下の事
親類十三人集まり、平太郎に屋敷を出るよう説得する。
物怪が出るので、帯刀のまま夜明かしをしようということになる。
遅れてきた彦之丞、次の間に刀を置いてくる。
取りに戻ると、なぜか抜き身だ。鞘がない。
探すと、天井から吊っていた物入れの袋が動きだし、なかから鞘が落ちる。

すりこぎがひとりでにすり鉢に収まり、勝手にごりごりすっている。
勝手にしろと思い、寝る。

【7月12日】葛籠の蟇蛙の事
上田治部右衛門という者、魔除けの札をしたため、四方の柱に貼る。
西江寺の和尚、文字が間違っているといって、
新たに札を書き、上田の札の上に貼る。
和尚を見送って戻ると、和尚の札がない。
上田の札にも、いたずら書き。

葛籠、唐紙を開けて飛びだしてくる。
蟇蛙の形。のしのし歩き、蚊帳のなかにはいってくる。
くくってある紐を握って眠る。
朝になると、枕元に葛籠があるばかり。

【7月13日】赤き石飛び来る事
親族六人が集まる。
昨日、西江寺の和尚のところに薬師御判を借りにいく約束をしたので、取りにいく。
途中、薮が動きだし、小桶ほどの黒いモノが飛んでくる。
眉間に当たりそうになるを、峰打ちで跳ね返すと、長倉の胸に当たる。
長倉、苦しむ。
長倉を連れて家に戻り、親類に長倉を頼んで、再び西江寺へ。
帰り道、調べてみると、真っ赤な石が落ちていた。
これが、長倉の胸に当たったモノらしいと、持ち帰る。

【7月14日】天井いっぱいの婆アの顔の事
お昼。臼をつく音がする。
納戸へ行ってみると、臼が勝手に動いている。
勿体ないと思い、黒米をつく。
つきすぎると米が粉になると思って出すが、米は糠だらけだった。

夜、蚊帳を吊って寝る。
天井いっぱいに婆アの顔。
ぺろりと長い舌を出して、蚊帳を突き抜け、顔をなめる。
我慢しているうちに眠る。

【7月15日】部屋中が白くなる事
蚊帳を吊って寝る。
蚊帳の中、白くなっている。
波立つ如くぐにゃぐにゃ。
畳も蒲団も筵も真っ白になって蒟蒻をちぎったよう。
恐くもないが気持ち悪い。

【7月16日】香炉宙を舞う事
額が「とんとこ、ここに」と3回しゃべる。
はずすと、額の裏から、鼠の糞と塵芥と、
以前なくした権兵衛の脇差しの鞘が出てくる。

心配した友だちがやってきて、
今晩は自分たちが起きて番をするから、君は眠れ、という。
毎晩よく眠れるのに、ま、いいかと夜になるまで話をする。

台所で物音。
行ってみると、納屋においてあったぬか漬けの樽がころがっている。
ちょうどいいやと、中から茄子をだしてお茶請けに出すが、
みんな気味悪がって食べない。

蚊帳を吊る。
いくら吊り上げても蚊帳の天井が低い。
蚊帳の上に、いつの間にか友人三人の刀と脇差しがのっている。
取りのけて櫃にしまう。

寝間に先般借りた薬師御判はかかっている。
寝間に置いては失礼かと巻き収めて仏壇にしまうと、
御判の前に置いてあった机が香炉を乗せたまま蚊帳の周りをこそこそ歩く。
香炉は宙を飛び蚊帳のなかを飛び回る。
灰が飛んで目に入ってたまらない。
そのうち、香炉は友人の枕に当たって自爆。
友人は嘔吐。
大騒ぎになり、かえって朝まで眠れなかった。

【7月17日】転げ盥と串刺しの頭
友人の奥方が、化け物見舞いにくる。
友人が恐がってこないので、自分が来たという。
と、次の間から盥が転がってきて奥方を追いかけ回したので、
奥方は驚いて裸足で逃げ帰ってしまった。

夜、小坊主のあまたを串刺しにしたモノが出てくる。
茄子のシギ焼きの如し。
櫛を軸に飛びはね踊る。
櫛から抜けたり刺さったり、大変愉快。
最後は、頭が一つになって大きな鯰になる。奇妙である。

【7月18日】畳吊上がり、錫杖鳴る事
家中の畳が魚釣りの意図のようなもので吊り上げられ、天井に引っ付いてしまう。
権八がやってきて、一枚ずつ引き下ろして敷き直してくれる。

夜。どこからともなく錫杖が飛んできて、行く先々で三度ずつ宙に鳴る。
うるさかったが、どうということもないので、寝る。

【7月19日】十兵衛の罠の事
次郎左衛門という人が来て、この妖怪は狐狸だという。
畜生には仏の功徳も効かないので、ありがたいお経も効果なしという。
十兵衛という者がよい罠を仕掛けるというので、その人を呼ぶ。

十兵衛、罠を仕掛ける。
罠には「日に当たるとダメになる」という弓を使う。

朝になると、罠、壊されている。弓がない。
昼頃、弓が屋根の上にあるのを発見。十兵衛すごすご帰る。

【7月20日】美女、餅を持ち去るの事
すごい美人がやってくる。
おみやげに、重箱入りの牡丹餅をくれる。白砂糖までついている。
煙草をほしいというので、あげると、さもおいしそうに吸うので見とれる。
美人が帰った後、牡丹餅をおいしくいただく。

牡丹餅は、実は近所の家の法要に用意したもので、
ひとつ行方不明になっていたことが、後でわかる。

蚊帳を吊って寝るも、何度吊っても四ヶ所ともはずれて落ちてくる。
どうせ、何度やっても無駄と思い、そのまま寝る。

【7月21日】行燈の講釈師の事
行燈に何者かの顔が映る。
なにやら講釈をする。
見台の本をめくる指先も見える。

【7月22日】棕櫚箒の怪の事
棕櫚箒がはずれて宙を飛び、座敷中を掃き回る。
親切である。

大きな音が三度鳴る。音は床下に向けて落ちていった。

【7月23日】隣家留守宅騒動の事
隣の家が留守なのに、人の気配。
権八が戻ると、中から閂がかかっていて入れない。
塀に梯子をかけて中にはいると、惨憺たる散らばりよう。
しかも、禅と椀が二十人前並べてある。
権八、ご主人が帰る前にと慌てて片づける。

ようやぅ片づけ終わると、天井が膨れてくる。
権八、何をと脇差しで突くと、べったり糊がついてくる。
よく見ると、それは濡れた煤。

夜、平太郎寝ていると、天井から蜂の巣が下がってくる。
蜂が出てきたら嫌だなあと思っていると、巣から黄色い泡がぶくぶく出てくる。
気持ち悪いので寝た。

【7月24日】蝶の怪と石塔の怪の事
昼、蝶が迷い込んでくる。巨大な蝶。
ひらひらと飛んで、やがて五分ばからいの小さな蝶にぱっと散る。
そして、四散。

その夜、行燈が突然石塔に変わって、青い火に包まれる。

【7月25日】骸を踏みたる事
縁側から庭に下りようとすると、踏み石がぐにゃりと柔らかい。
見ると、屍体が横たわっている。ふくれあがって脳天まで沁みるほど冷たい。
目玉だけがぱちっとあいて、瞬きのたびに、ぎいぎいと音がする。
足の裏と屍体の腹の皮がくっついてしまって離れない。
片足剥がそうとすると、反対の足がくっついてしまう。
仕方なしに両足で跳ねると、屍体ごと跳ねることになる。
仕方ないので、そのまま縁側で敷居を枕に寝た。

朝、起きるとなんでもなかった。

【7月26日】臓物を下げた生首の事
縁の下から木遣りを歌う声。
どこからともなく、女の生首出現。
宙に浮いて、臓物をぬるりと下げている。
これが冷たくて、おえたりとひっついてたまらない。
頭にきたので、蚊帳の中にはいって寝る。

【7月27日】拍子木と溜息の事
午前中、外壁が急に黄黒くなった。おやと思うと、こんどは白くなる。

夜、拍子木の音が響き、徐々に移動して床下に消える。
蚊帳にはいると、女の長い溜息が聞こえ、床下に消える。
きょうはそれだけ。

【7月28日】三人の虚無僧の事
三人の虚無僧が出現。尺八を吹けども音は聞こえず。
蚊帳に入って寝ようとすると、虚無僧も蚊帳を手繰って中に入り、
宙に浮いている。気にしないで寝た。

【7月29日】星が吹き込む事
朝から風が強い。
四方から絶え間なく家に吹き込む。
夕暮れより、風に乗って星が吹き込んできた。
きれいだな、と思って寝た。

【7月30日】魔王、参上の事
なにも来ない。
変だと思っていると、戸が外れ、障子が一枚残らず開く。
四角四面の大男が立っている。
大男を切りつけるも手応えなし。
大男、石を石を叩くような声で話す。
耳から頭へ抜ける鋭い声である。

渡来の魔王、山本太郎左衛門と名乗る。
日本在来の魔王、信野悪太郎と覇権争いをしている。
十六歳の気丈の者百人の正気を失わせたならば、その者が王になる約束。
しかし、平太郎は気が狂わなかった。
山本太郎左衛門の負けである。悔しい。
これにて退散するが、もしも悪太郎が攻めてくるといけないので、この木槌を渡す。
悪太郎がきたら、西南の間のたるきをこの槌で叩けば、必ず駈けつける。
さすれば、難を免れること間違いなし。
ただし、このこと五十年間は他言無用。

魔王、礼をする。平太郎も礼をしたところが、そのまま頭が上がらなくなる。
重石をのせたように思い。
ようやく見ると、偉業の者ども、群れをなして去って行く。
駕篭に山本太郎左衛門が乗る。
一間半もある巨大な髭足、ぬうっと駕篭に収まる。
鬼火に先導され、化け物行列が移動する。
まるで絵灯篭を見ているが如し。

翌朝、証拠の木槌、そこにある。おわり。

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高澤成江 批評課題13/空気感と新しさ 2004年12月02日(木)05時58分28秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

提出が遅れて申し訳ありませんでした。
【作品2/泡沫の温もり】
二人の関係をティーセットに表したのが面白いです。
可愛い雰囲気が流れていて、読んでいて心が温まります。例えも全体的にわかりやすいのですが、最後の「でも今はでも今は、醤油とワサビを上にのっけている 」のところだけ何を例えているのかわからなかったです。最後の二行は文法も違和感がある気がします。

【作品7/神が造り給うた、神を作りし存在】
面白い作りの詩だと思いました。詩なのに、読んでいて次が気になる感じ。セミの命の強さみたいのも感じます。最後がすごく暗いので読んでてちょっと落ち込む感じがします。


児玉武彦 批評課題13/シンプル&ダイレクト 2004年12月02日(木)01時48分25秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

今回、城所さんの詩を読んで僕自身曖昧になっていたことがハッキリしました。
「詩というのは解り易い方が共感や感動を呼ぶ」ということです。
そういう点で次の二作が良かったと思います。
『張りぼて』【作品1/張りぼて】
『泡沫の温もり』【作品2/泡沫の温もり】
『詩』というジャンルは他と違ってセオリーな表現の法則なんていうのがないために、ある人には良くても違う人には理解できないという構造があると思います。だからこそ無限の展望があるのだけれど、もし、より多くの人に共感してもらいたいという想いがあったとしたら(誰もがそうかもしれないけれど)できるだけシンプルに、ダイレクトに表現した方が良いのではないでしょうか?
もしかしたら見当違いな意見かもしれませんが・・・。

松本紗綾 批評課題13/実験 2004年12月02日(木)00時58分28秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

【作品1/張りぼて】
これは、みんなが「あぁ、なんかわかる気がする」と思えるような内容ではないかと思う。恋愛だけに限らず、精一杯頑張ったけど、最後には素直な自分で…と。そして、最後にひとひねり。私個人としては、このひねりは好きとは言い切れないところはありますが、ひねりが上手くいくと、武器としては使いやすいのではないかと思った。

【作品2/泡沫の温もり】
これは、誰もが見たことある身近なものだけに、絵が浮かびやすいので、入ってきやすいのではないかと思った。最後のオチのようなものも、頭に鮮明に絵が浮かび、わかりやすかった。絵本のように、可愛い絵とともに詩を載せ、意味などを小さい子供と親でじっくり話をする。こんなことをしたら、面白そうだと思った。

【作品7/神が造り給うた、神を作りし存在】を読んで、こういうものも詩なのかとビックリした。全体的に、音にこだわったのかなとか、歌詞みたいにしたのかなとか、作品を作る裏側を想像してしまう(想像してしまった?)ものが多いと勝手に思いました。

露木悠太 批評13/伝える! 2004年12月01日(水)19時14分02秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

【作品7/神が造り給うた、神を作りし存在】
作品をつくる核となるもののパワーをもっと引き出して欲しい、と思いました。というのも、隠れているものがまだあるような感じを受けたんです。もしかしたら立ち向かったものに目を逸らしてしまう部分があるのかもしれない、でも目を逸らしてしまうなら逸らしてしまうでそのことを書いて欲しい。『慈善』『自己欺瞞』という言葉にしても、僕にはその言葉に内容がともなっていないような違和感が残りました。そう言わせるものは一体何だろう、と考えて込んでしまったんです。死にかけのセミの側に立った語りも、今ひとつ変な感じがする。やはりそう思わせたものは何だろう、と。その隠れた(見えない)部分をぶつけて欲しいと思いました。

【作品6/色眼鏡】
『そびえ立つ廃墟/犇めき合う雑踏/隠蔽する現実/倒錯する虚構/全てが僕の色に染まれ・・・・・・・・・。』というところも同じように思いました。何か漢字負けしてしまっているような、言葉ほどの思いが感じられないんです。言葉が正確にはまるような、何かを伝えるということの一番大事なところ、ここをぜひもっと追求して欲しい。そう思いました。

野島 明菜 批評課題13/愛の存在。 2004年12月01日(水)17時59分40秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

【作品2/泡沫の温もり】紅茶に例えたところが、カフェ好きの私にとって好きだなぁと思える詩でした。最後の醤油とワサビが詩の中に入ると和風な要素がはいってきて、少し合わないかもしれない。でもそんな部分がユニークさに繋がっている。そんな印象をうけました。「なんでそうなったのか分からない」のあとに「でも」と入るのは日本語の形式としておかしいのではないでしょうか。
男女の仲を紅茶セットに上手にたとえているなと思いました。

【作品4/ボクらを造っているモノ】3行目の文章について、話の内容の種類が切り替わっているように思うので上の文章と切り離すか、もしくは削ってみたらスッキリするかもしれない。
言葉のいいかたといい、文章の行数といい、計算された詩である。しかし、それは何度も読まないときづかなかった。それはなぜか。1つ1つの文章は共感できるし、音もいい。しかし音のリズムが1つ1つ違うため、全体的にみるとバランスが少しずれているように感じるのだ。
詩の内容は「どいつもこいつも雑誌でみた服装ばかり」の部分など共感できるところが沢山ありました。

雨宮弘輔 批評13/窓辺に揺れる○○…… 2004年12月01日(水)17時02分02秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

 以前、行った菊池さんの批評から色々考えましたが、僕は未だに「詩の批評」のやり方に疑問を持っています。頭の中に「詩 = 作者から吐き出された想い」という、小説や随筆よりも感性の強い式を思い浮かべてしまって、自分の批評を作者に伝えることに躊躇してしまいます。詩の評価基準というものは、十人十色であるような気がします。
 ですから、今回の批評は(も?)僕個人の好みの問題になる可能性が高いことを伝えておきます。

【作品2/泡沫の温もり】
 一番想像しやすかったので、この作品を選びました。少し前に店でティーセットを買おうとしたら、棚に表示されている金額がセットではなくてカップのみの値段、という体験をしたことを思い出しました。
 ティーセットというと、ソーサーもカップも同色同質なのでどうしても「離せないモノ」というイメージがあります。ですから、この詩のようなことを考えるのは、語り手が恋人と別れる前の方が自然なのではないでしょうか。
 それと冒頭の<君と僕との関係は/まるでティーセットのようだと/最近 ふと、そう思うようになったんだ/君がカップで 僕は受け皿/ほら、僕はよく君に敷かれてたから>という部分。解りやすくて、具体的なイメージを浮かべやすいというメリットがあると思います。しかし、その反面、果たしてここまで説明する必要があるのか、と考えました。僕が普段観ている詩とは異なるために、少し戸惑いました。どちらかというと、例を用いて人間関係を表している説明文に観えます。その説明がずっと続いていて、読み手に理解を求めている文章のような気がしてしまいました。
 せっかく良い比喩だと思うので、それをもっと上手く活かして欲しかったです。こういった場合「さりげなく活かす」ことで「最大限の効果」になるのではないか、と思います。
 それと<・・・あれから、もう一年か>の部分で、いきなり場面が変わってしまった箇所にも違和感を抱きました。

【作品7/神が造り給うた、神を作りし存在】
「これがシュールというモノなのか?」
 何となく、そう感じました。もしそうだとしたら、少し嬉しいです。僕が作った小説やコントを見てくれた人達は、よく「シュールだよね」と言われるので。ですから、この作品には親近感がわきます……といっても、僕は「シュール」の定義が良くわからないのですが。「シュール・レアリズムのことかな? 超越? 現実? ダリ?」とか、考えると頭が混乱してしまうので。
 兎も角、つげ清春の漫画の一部分を切り取ったような『詩』だと思いました。
「ほのぼの」としています。




前澤貴仁 「批評13/自分が共感できるとき」 2004年12月01日(水)16時09分14秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

【作品6/色眼鏡】

 色はまさに灰色でしょうか。
「面倒くさい」「だるい」「かったるい」そんな現代の若者がすぐに言葉にしてしまうような、虚無感がよく出た作品に思えます。共感できるところも多々。
特に『本当の自分』はあちらこちらで聞く言葉ですね。結局なんなのか誰もが分かってそうで、誰も分かってないもの。そこにこんな意味づけをしたところ、面白いと思います。

【作品7/神が造り給うた、神を作りし存在】

 夏の一場面。外が暑い中、PCルームで呼んだのをはっきり覚えてる作品です。印象深かったのでしょう。見てきたものを描写されており、本当にその光景を浮かべることが出来ました。見たものをそのまま描いた感じが強いですね。
 ほんの気まぐれで道の虫を植木の元に置く。慈善、自己欺瞞、偽善。この様々な感情はもっと多くの、この作品にぴったりな表現の仕方があるかもしれません。

土橋明奈 作品1/冬の行事 2004年12月01日(水)02時35分05秒

それは黄緑のラインが入った銀色の乗り物が街をぐるぐる廻り出すずっと前のお話。
君の頬に触れる事を幸福だと気付くよりずっとずっと前の物語。

昔々のある冬の日、三郎太爺さんは還暦のお祝いを盛大に挙げてもらってご満悦でした。
嬉しくて嬉しくって仕方なかった三郎太爺さんは皆にお礼をしようと考えました。
そこで祝ってくれた人達に、ささやかな贈り物をしようと決めました。
寒い地方だったので風邪をひかぬ様それぞれの贈り物に靴下を添え・・・ではなく、
それぞれの贈り物を靴下に詰めて用意をしました。
内緒の話、三郎太爺さんは少しボケていたのです。
折角用意したものの、家族達はあまり三郎太爺さんを外に出したがらなかったので、
三郎太爺さんはこっそり夜中に届けるに事しました。
赤いちゃんちゃんこを着込み愛犬の一郎太と二郎太にソリを引かせて、
暗く深い雪の中へ贈り物を配りに行きました。
深夜の事なので皆は当然夢の中です。
三郎太爺さんは気にせず、勝手口や窓や屋根裏から家に入って贈り物を枕元に置きました。
翌朝になって皆は謎の贈り物に驚きました。
三郎太爺さんは贈り物をした事に満足をし、名乗り出る事はしませんでした。
皆は三郎太爺さんのした事だとすぐに気付いたのですが、素知らぬ顔を決め込む三郎太爺さんに
嬉しい気持ちだけを伝え、誰がした事か分からないフリをしました。
味を占めた三郎太爺さんはそれから天に召されるまで毎年冬になると、
赤いちゃんちゃんこを着込み愛犬の一郎太と二郎太にソリを引かせて、
暗く深い雪の中へ贈り物を配りに行く様になりました。
三郎太爺さんの話は伝統になり、伝説になり、西洋にまで伝わって行き、
今でも細々と世界中で語られ、続けられている冬の小さな行事になりました。

それは小さな箱を使って遠くの人とおしゃべりをし出すずっと前のお話。
君が躊躇い無く頬に触れさせてくれていたよりずっとずっと前の物語。

土橋明奈 批評13/もう一方の心情。 2004年12月01日(水)02時29分09秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

【作品1/張りぼて】

『くわん、くわん、くわわわん』と云う音が気に入りました。が、ろくろが回る音ですか?
音のイメージでは薄い器を弾いた時の反響音みたいなのですが。
『・・・彼女には、合わなかったみたいだ』『思わず僕は 彼女を吐き出した 』
安直な気もしますが、彼女の気持ちを量らない盲目さ子供っぽさが面白かったです(少し反復が過ぎますけど)。

【作品2/泡沫の温もり】

『でも 今は、醤油とワサビを上にのっけている 』オチが面白かったです。
しかしまぁ、紅茶なんてものは粘性が無いのでサーモカップで無い限り受け皿が幾ら頑張ろうがすぐに冷めてしまうのが切ないですね。
熱い内に飲んで注ぎ足さなくてはならない。最初は例えでカップとソーサァだったのに仕舞いには主人公がまま擬人化した様に
見えて笑えました。

城所さんの作品の文面で一番気になる事は『・・・・』の多用です。間とかタメの為で、作品内容の性質上所為なのですが、
それならそれで他にもっとさり気無い方法を模索するのも良いんじゃないでしょうか。
男女の恋愛物では、感情の双方向も書いてみればもっと作品の深みが出てくるでしょうから頑張ってみて下さい。



滝 夏海 批評13/吐き出す言葉・伝える言葉 2004年12月01日(水)00時55分05秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

 【作品1/張りぼて】
 飾らない素の「僕」を彼女が受け入れてめでたしめでだし…と思いきや、そのすぐ後にくる2行で「僕」が何も解ってない事がわかる。結局「僕」は見た目や思いこみに囚われたままだという、ちょっと皮肉な所が面白いと思いました。
 作品の中で「僕」が器で「彼女」が中身なので、最後の段落の「彼女をちびりと一口と飲んだ」も同じイメージの方がすっきりするかもしれません。「僕に注がれた彼女」とか。

【作品2/泡沫の温もり】
 本来カップと受け皿は同量の水が入る作りになっている、というところから少し深読みして「彼女と僕は初めから合わなくて無理をしていた」と解釈しても面白い作品なのではないでしょうか。
 最後の「醤油とワサビ」が好きです。ティーカップの受け皿に、醤油とワサビ。なんとも言えない、妙な組み合わせ。受け皿は受け皿でしかないのに、カップは単独で成り立っちゃうのが切ない感じです。

 全体的に見て歌詞のような作品が多いと思いました。元々は歌詞として作ろうとしたものもあるのでしょうか?
 言葉を飾る事で、本人の書きたいテーマが見えにくく、できあがった物も少しずれてしまっているような感じがします。シンプルな詩は余計に勇気が要りますが。一度、城所君の直球勝負を見てみたいです。続けてみると、自分でも気付かなかった言葉が出てきて、そこから眠っていた本音が見えたり、と面白いものですよ。

菊池佳奈子 批評13/泥 2004年11月30日(火)22時35分58秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

【作品2/泡沫の温もり】

私はまずこれを選びました。
【作品1/張りぼて】と中身はわりと似ていて、恋人と自分の関係を何かに例えたもの。
例え方は、作品1の素朴な僕を彼女がうけいれるっていうのもあって、好きなのですが、落とし方が作品2の方が好きなので、こちらを選びました。
途中まではわりとあっさり読んだのですが、「カップを失った紅茶は 小さな僕では、受けきる事は出来なかったんだ」という比喩の仕方にちょっとしてやられた感があって
最後の「今は、醤油とワサビを上にのっけてる」って文が、なんでここに入っているのか
なんで醤油とワサビなのか、わけがわからないけれど無性に笑えて良かったです。

【作品8/LOST ME】

この作品は、城所君の言いたいことが素直につまってるのかなと思って選びました。
現実と理想との差とか、どうしようもなくわきあがる感情の見せ方がいまいちわからなかったり。
そういう泥臭いようなものが、実は底にはあるんじゃないのかなぁ。と勝手に思ったのですが。
全体的にクサイといわれるような、アツイ想いがあって、それを綺麗に文字面整えてみたり、遠まわしに比喩にしてみたりする。
一回それをやめて、底にあるものを素直に表現したらどうでしょうか。
私は昔そうだったのですが、最初から修飾とか文字の綺麗さばっかり見ちゃうと作り手さえもその煙にまかれちゃうから、読み手は本質を読み取りにくいです。
実はどうなの?っていう曖昧なものにしかならない。
実はこうなのって本音のところを素直に相手に伝えられるってすごい技術がいることだと思います。
それをできた上で、じゃあ少し広げてみようかなって比喩を使ったり言い回しを変えたり…
そうするとまた違うと思うのですが…
自分が変だと思ってることとか口に出してみると、意外と人は受け入れてくれたりするものです。

なんにせよ、城所君はすごい書くペースが早いので、どんどんチャレンジしてみてはどうでしょうか。
最近全然書けない身としては実にうらやましいです。
がんばってください。

圓山絵美奈 批評課題13/詩の批評 2004年11月30日(火)14時56分15秒
▼課題と連絡:批評課題13/城所洋 詩作品の批評 への応答

張りぼて
【作品1/張りぼて】
泡末の温もり
【作品2/泡沫の温もり】
この2つを私は選びました。意識した訳ではないのですが、系統が似ている
2つかもしれません。まず発想が好きだったことと、最後の方で
「とてもしょっぱくて」とか「今は醤油とワサビをうえにのっけている」
とちょっと毒ずいているかんじとか、おもしろい所が好きです。
今まであんなきれいな言葉使ってたのに・・、彼女がとてもしょっぱそう
には思えなかったのに・・とか、そういういい意味でのギャップがあって。
全体的な城所さんの詩はちょっとした短編を読んでいるような
印象を受けます。そういうのが得意なのかなあと思いました。短めでずばっと
したものよりも、長めでちょっと物語風というか・・。言葉の一つ一つが
繊細なのでそういう詩の方が似合うのかもしれません。

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管理者:Ryo Michico <mail@ryomichico.net>
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