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前澤貴仁 批評5/強さ 求めてた 2004年07月07日(水)09時58分08秒
▼課題と連絡:批評課題5/松本紗綾作品1〜7の批評 への応答
【作品7/世界の中心】
独自の世界観を持った作品ですね。
色々と考えたことを文章にするのは難しい。だけどそれを言葉(文章)にしたら気が楽になった、といったところでしょうか。誰しもが思う可能性を秘めた『問い』をテーマにした作品だと思います。また、扱っているのは哲学的(と自分は思います)なことの中にも「恋愛」も含まれている辺り松本さんらしさが窺えますね。
この作品で扱っている問題が松本さんが実際に感じたことかどうか気になるところです。
【作品2/愛する君へ。】
一連の詩を呼んでみてどれも「何かを求めてる」と思いました。
そして『作品2/愛する君へ。』求めたのは強さ。君の言う強さを、君の言う通りで手に入れようとしたぼく。それと同時に君の強さに近づこうとしたぼく。
もっと多くのことがよみとれるかも知れません。それだけの奥深さがこの詩から出てます。
7作品を通して「求めてた」共通に見出せるものではないでしょうか?
雨宮弘輔 批評5/「太陽が眩しかったから」って言う事も、ある意味正解 2004年07月06日(火)23時51分56秒
▼課題と連絡:批評課題5/松本紗綾作品1〜7の批評 への応答
【作品6/マザー】
『道徳ってなんだ?』と思いました。人を「傷付けちゃいけない」「悲しませちゃいけない」と小学校の先生とかに教えられたが、やっぱり生きていると人を傷付けちゃいますよね。それを認知した上で、その行為に走ってしまった辛さを感じる人間になる、ということはやはり難しい。
読んでいて、今の資本主義な世の中を思い起こしました。競争社会で自分が生活していくには、誰かを泣かせなきゃならない。
例えば(例えになっていたらいいんだけど)、ぼくらが持っている携帯電話。これを造るには『タンタル石』という材料が必要になります。この石を求めて、遥か南の国では争いが起こって、多くの人達が血を流しています。一方、日本では携帯電話のお陰で多少経済が潤っていますよね。こうした現状を気にせずに、我々が生活していくことは『悩めないことの不幸せ』なのでしょうか?
ついでに、ぼくは『傷付けること』と『悲しませること』は一緒だと思っています。
【作品7/世界の中心】
こういった考えは越智さんも指摘している通り『トゥルーマン・ショウ』でも取り上げられたし、他には『世にも奇妙な物語』でもあります。誰しもが考えることだと思います。ぼくも、こういった不安を抱えた時期がありました。そして、さらにそのマイナスなイメージを発達させて見事に外に出られなくなったこともあります。まぁ、この作品のように誰にも相談しませんでしたけどね。
タイトルでは、ミスターチルドレンの『CENTER OF UNIVERSE』を思い出しました。この曲は、「自分が世界の中心」というイメージをとらえています。
自分が立っている場所が『世界の中心』だと思えば、それは、それで正解なんですよね(間違いでもあるけど)。ぼくは、こういう抽象的で自分本位的な考え方が好きです。例えば、ぼくが「松本紗綾は世界一素敵な名前だ」と言ったら、それはひとつの正解にもなりますしね。
松本さんの作品は、どれも言葉がストレートですよね。しかも一度はみんなフッと思うこと。だからこそ、共感を呼ぶのでしょうね。
松本紗綾 作品8/王様は召使・1 2004年07月06日(火)21時55分28秒
『みんなが笑って、楽しいだけの空間があったらいいね』そう君が願った空間を創り上げる事に、どうやらぼくは成功したみたいだ。怒っている人はもちろん、悲しんでいる人もいない。ホントにみんな楽しそうに笑ってるんだ。笑えないはずのぼくでさえ笑う以外に何をすればいいのかわからず、笑ってる。
君とぼくが存在していたあの空間は、お世辞にもキレイだなんて言えなかった。君がいてくれたおかげで、ぼくは気付けたんだ。何かに怒り、周りを傷付ける人。何かにやるせなくなり、ただただ涙を流す人。みんな心に余裕無く、何かに追われていたようだった。そんな中、君だけはみんなとは違う所からこの空間をみていたんだ。
ぼくは、そんな君がいつも見ている所に行きたいと思うようになった。好きな人と同じモノを、同じ時、同じ様に見てみたい。そんな在り来たり過ぎてつまらないような想いからだ。ある日、ぼくはこっそり家を抜け出し、君の跡をつけた。周りのこと、後先のことは何も考えず。君と同じになるために。
君は最初から気付いていたんだね。君の後ろ姿を必死に追いかけるぼくの存在に。いや、そのずっと前から、ぼくが追いかけるということを知っていたのかもしれない。ぼくは、そんな君に全然気付かなかったよ。ぼくも、みんなと同じ様に、余裕が無かったから。
君と同じ視点からあの空間を見た時、驚いた。ぼくが当たり前だと思っていた空間の酷いありさまに。楽しく笑っている人を見つけるのに一苦労だ。ぼくは、目のそらし方すらわからず、ただ目を向け続けることしか出来なかった。そんなぼくに、君が言ったんだ。「みんなが笑って、楽しいだけの空間があったらいいね」
その君の言葉は、ぼくの脳に直接届くような不思議な響きがあった。そんな感覚は初めてだった。そして、ぼくは心に誓ったんだ。君が望むような『楽しいだけの空間』をこの手で創り上げようと。なぜならば、君の望みはぼくの望み。そして、きっとみんなも同じ望みを持ってくれるに違いない。
高澤成江 批評5/誰だって持ち合わせてる強さがきっとある。 2004年07月06日(火)17時14分51秒
▼課題と連絡:批評課題5/松本紗綾作品1〜7の批評 への応答
【作品2/愛する君へ。】
松本さんの文章の中には頻繁に「ツヨイ」という言葉が出てきますね。強さとか弱さとか、って判断基準が難しいと思います。負けたからって弱いわけじゃないし、勝ったからって強いわけじゃない。そうゆう気持ちが短い言葉でストレートに出ていて良い文章だなと思いました。
【作品7/世界の中心】
京極夏彦の「姑獲鳥(うぶめ)の夏」の序盤の辺りに量子力学という理論の話がありました。観測するまで決定するまで正しい形はない、という話なんですが、なんだかそれを思い出してしまいました。
私もこの文章のようなことはたまに考えます。でもそのことを考えると不安になるというかどちらかといえばワクワクします。自分中心の世界って素敵だなあって。
最後から二段落目(こんな風に〜)のところはなんだか少し拍子抜けしてしまいました。「それを言っちゃったらおわりでしょう。」みたいに突っ込みたくなってしまいました。
アノ人なら理解してくれるかも、という一文はちょっと重い雰囲気の文章に救いが入って良いと思います。
菊池佳奈子 批評5/正解のない世界 2004年07月04日(日)17時29分13秒
▼課題と連絡:批評課題5/松本紗綾作品1〜7の批評 への応答
【作品3/レスター】
「`ツヨイってなぁんだ´」
松本さんの作品の中でこの詩が一番ストレートに入ってきました。
ツヨイってなぁんだ。それは松本さんのいくつもの疑問のうちのひとつのように思えます。
誰もわからない、答えなどない。愛し方も、強さも、孤独も。感じ取って選び取って、自分で作るものだと思います。
作品としては、詩の一番のテェマを最後に持ってくることで、人を惹き付けることがあるかな。と思います。
【作品7/世界の中心】
松本さんの中の苦しみを赤裸々に語った作品だと思いました。
どの詩も、こういった苦しみや疑問や不安の裏付けの上で出てきたものに過ぎないのかなとも。
こういった不安って意外といろんな人が抱えているものだと思います。
私も全くもって同じ様なことをずっと考えていました。で、またそれは他の人には理解されないとも。
でも、口に出してみたら意外と、皆思っていたりしました。
松本さんの詩とこの作品の中にでてくる、『強いかどうかわからない 私』『ほんとうにわかりあえてるわけじゃない 仲間、友達』『あなたなら と思える アノ人』
その中で少し苦しんだり悩んだり迷ったり。
ツヨイって?自分って?世界って?
疑問符ばっかり見えちゃう。見えるってことは両刃の剣な気がします。
ただ、この世界には、ホントウとか正解とか、ないと思っています。
確かなものなど、なにもないのだと思っています。
その中でただ自分がいることは真実で、どうしようもないものなのだから、この世界が嘘でもなんでも、友達のいう言葉が嘘でもホントウでも。どうでもいい気がします。
その中で自分が何を信じて、何を選び取っていくか。
難しいですよね。
越智美帆子 批評5/トゥルーマンショウの世界 2004年07月04日(日)16時14分43秒
▼課題と連絡:批評課題5/松本紗綾作品1〜7の批評 への応答
【作品7/世界の中心】
この作品を読んだとき、映画『トゥルーマンショウ』を思い出しました。この映画は、一人のごく普通の男がごく普通の街で生活しているのですが、実は街自体がバラエティ番組のためにつくられていて、彼の行動を街中に仕掛けられたカメラが追い、世界で放映されているという話です。
彼が現れるときにだけ住人は動き、各々の役割を果たす。道行く人も、彼が来ないところでは別のことをしている。まさに彼中心でしか機能していない、彼以外の人が楽しむためにつくられた街です。
『世界の中心』では、自分を中心に世界があるのであって、自分の視界に入らないところでは何も機能していないということを不安に思って悩み眠れないという話ですが、これは思春期に誰しもが一度は思う死に対する恐怖にも似ています。
物語の中での不安と死に対する恐怖、どちらにも共通して言えることは、未知なるものへの畏怖です。この二つ以外にも、人は自分の知らないことに対して少なからず不安を抱くものですが、それが大きく近しいほどに恐怖が募ります。
主人公はこの不安を誰かに話すことで解消されるかもしれないと期待するものの、理由をつけてことごとく「わかってくれない」と切り離し、最後は一番大切に思ってくれている「アノ人」ならわかってくれるかもしれない、と完結しています。恋愛が不安を解消してくれるかもしれない、と幻想を抱いているところは見事だと思います。一人よがりの精神を、題名の『世界の中心』=自分が世界の中心に照らし合わせ、悩みから自己完結に至るまでの経緯がまるで思春期の少女の、他の誰かが見たら些細なことであるような悩みをうまく助長させています。
この作品はよくできている、と私は思うのですが、ラストが少々勿体ない感じがします。たしかに書くことですっきりするのはわかるけど、書いてもなおすっきりしない、だからもっと書いて書いて書きまくる、としたほうが、これからも先ずっと思うであろう不安の大きさを感じさせることができます。すごい不安そうなのに、もうすっきり? とあっけなさを感じてしまったので。
作品1〜6までで一番好きなものを挙げろとされていましたが、作品7が他のどれよりも気に入ってしまったので、批評は7しか書きませんでした。申し訳ありませんが、よろしくお願いします。
露木悠太 批評5/垣間 2004年07月04日(日)01時42分39秒
▼課題と連絡:批評課題5/松本紗綾作品1〜7の批評 への応答
【作品2/愛する君へ。】
>ぼくは強くなりましたか?
問いかけのような。しかしそれは他者だけに向けられたものではなく、松本さん自身にも問いかけているような印象を受けます。もちろん作者が松本さんなのだから当然と言えば当然なのですが、何か自分の疑問を自分にぶつけているような、それを書き記していくことで創作されたもののように思いました。つまりその答えのようなものを人に全て委ねてしまうつもりは無く、自分自身から生まれたものとして持ち続けて行こうという決意にも似た、強い意志を感じました。きっとこれから先も悩んだり、考え込んだりしていくことでしょう。でもきっとそれが松本さんの創作意欲を支えているもののひとつなんだろうなと僕は思いました。
弱いところを見せることが強いことなのか。…わかりません。しかし素直であることは、僕の憧れであり、一つの「強さ」のように感じます。
【作品7/世界の中心】
難しいですね。自分は自分以外の何者にもなれはしない。自分が自分の世界の主人公であるのは当然だし、そうでないはずは無い。でもそれを「自己中心的」と言うのではなく、「世界の中心」というタイトルはいいなぁと思いました。実は最後の部分で「自己満足」と言ってしまっているのだけれど、それは自分の考えにではなくて、考えを吐露してしまった(と感じている)ことについて、ですよね?
>自分が一番大切に想っているアノ人なら心から理解してくれるだろうか。自分が相手を想っているのと同じように、自分のことを想ってくれているのなら、理解し、力になってくれるに違いない。
この「大切に想っているアノ人」だけは、少し違う気がしました(違和感ではなく)。自分以外の一切のものを疑ってしまっているのに、「アノ人」だけは信じている、信じられる、もしくは信じたい、という思いを含んでいるように読みました。何かそこに救いがあるような。だから僕はどこかでまだ、世界について完全に疑いをかけているわけでは無いのだと思いました。「信じたい」という気持ちがほんの少し垣間見える部分、僕はそんなところもまた、松本さんの作品の魅力だと思います。
城所洋 批評5/文章にオリジナルレシピを! 2004年07月03日(土)22時45分29秒
▼課題と連絡:批評課題5/松本紗綾作品1〜7の批評 への応答
【作品7/世界の中心】
この話は結構共感できます。何だか、ちょっとした思春期の自分を思い出しました。
今見ている世界は、あくまでも自分から見た世界。物事の真偽の判断材料は、自分の視野からしか得られない。それ故に、一旦部屋の扉を閉めてしまえば、もうこの部屋しか世界は動いていないんじゃないか、などという、排他的とも、懐疑的とも言えるような妙に不安定な心情に、今でも陥ってしまう事があります。
これは現象学の考え方と似ていて、そこに何かが在るから自分がそれを認識しているのではなく、あくまでも、自分がそこに何かが在る事を確信しているから、或いはそこにあるであろうと推定する事ができる。だから、自分はりんごが赤いと思っていても、他人には青に見えているかもしれない。いや、もしかしたら赤というものの定義すら、他人とは違っているのかもしれない。そもそも、色って何だ?
そうやって掘り下げていくとキリの無い問題ですね。
ただ、ちょっと気になったのが、一番最後の方に「文章にしちゃった」と入れたからには、あえて一番最後の方だけ「」で括って、いかにもセリフっぽくしたら、すっきりしたかもしれません。(そうしたらエッセイじゃ無くなるのでしょうか・・・?)
例えば、後日談「〜〜〜・・・」とか。煙草吹かしながらいい顔して悦っている図が目に浮かぶような口調で言ったら面白いかもw
【作品5/オモイ】
このタイトルのダジャレっぽい韻の踏み方、こういうのは自分も良くやるので、中々好みの作品です。
でも、韻を踏んでいるようで、ちょっと安直のような気もしました。
例えばどんどんどんどん、というのも、「鈍々鈍々」で鈍くなっていくのを表現したり、「貪々貪々」で貪欲に体に溜め込んでいくのを表現したり、同じ音でも、様々な意味を含ませる事が出来ます。そしてそれが言葉を扱う楽しみでもあると、自分は思います。
だから、まるでとんちやパズルのように、自分なりのこじつけ方を編み出せば、一層文を書く事が面白くもなるし、読んでも面白い、それでいて自分流の、いわゆる「オリジナルレシピ」を編み出す事にも繋がり、まさに一石三鳥!?になりますw
かといって、あんまりごちゃごちゃやってしまうと、かえってネタの持ち味を殺してしまうかもしれないので、難しいですね。
要は、良いネタ(フレーズ)が手に入ったら、それだけで出す、いわゆるピアノの独奏。ネタに力がなかったら、色々組み合わせて、全体的に旨みをだす、いわゆるピアノの協奏曲。この使い分けが、作品をより美味しく賞味させる方法だと思います。(正味な話w
千田由香莉 作品2/檸檬 2004年07月03日(土)16時37分52秒
「レモン、って漢字で書ける?」
4月。私は大学生になり、これまでの生活は一変した。
知らない建物、知らない顔、知らない景色、知らない匂い。これまで見ていたものからは、遠く離れた場所のような気がしていた。
入学式の帰り道は、新しさを主張するかのように薫る桜の匂いを、複雑な気持ちで嗅ぎながら歩いた。
駅の改札。ピンコン!と道を閉ざされた。赤いランプの横で、”NO”と受け付けてもらえなかったのは高校のときの定期券。うっかりしていた。慌てて新しい定期券を探した。鞄にはない。焦ってポケットに手を突っ込むと、発見。あった。突き刺さる沢山の視線と溜息が背中に注がれた。
行き先は以前とは全く逆方向。未だ乗り換えには慣れず、やたらと人の多い列車に足をもたつかせながらなんとか乗っている。 逃げるように改札を潜り抜け、定期券を新しいものに入れ替えた。
話は戻る。
「緊張」という二文字を額に貼り付けて、私は初めての「講義」に挑んでいた。広い教室…いや、講堂という未知の空間に、自分という存在を小さく感じながら座っていた。話し声や雑音がやたらと響いて聞えた。
声の感じからして男の子。恐る恐る目を向けると、見事に的中。彼は出席表をトントン、と人差し指で叩いて答えを促していた。
「…書け、ません」
彼はふうん、と言った別段興味がないかのような顔をし、机に向き直った。…何?意味のない質問を投げかけられながらも、何だか段々と話し掛けられたのが嬉しくなって、何とか会話を繋げようと必死に”つなぎ”を搾り出した。友達を増やすチャンス。勇気を振り絞った。そして、
「バラ、は書けますか?」
彼は「?」という顔をした。しまった、すべった。瞬時に体から全身の血が引いていくのが分かった。不思議ちゃんと思われたに違いない、穴があったら入りたい。そして、数十秒沈黙を置いた後、彼は真剣に考えた様子で答えた。
「…書けない」
回ってきた出席表に目を落とした。彼は「梶井」と言うらしい。そして、同じ一年生だという事が分かった。私はその隣に自分の名前を書き込んだ。
講義は何だか難しい話を延々聞かされているだけのものだった。寝ている人、机の陰に隠れてメールをしている人。ふと、隣が気になった。気付かれないように横目で見てみると、…彼は寝ていた。しかも、私が見た瞬間は決定的で、頬杖が見事にかくん、と外れて、それはそれは漫画のように、それはそれは強力な頭突きを机にお見舞いしていた彼の姿。私の数えた限り、合計3度。尋常な戦数ではない。
終業ベル。「長かった〜」と誰もがベルと同時に帰り支度を始めた。そんな言葉を聞きながらそうかな?と首を傾げた。私は不思議と退屈していなかった。
以来、この授業が始まると、決まって彼は私の視界に存在していた。
私は彼の目の先にあるものを追いかけた。彼の興味の対象は様々で飽きなかった。あくびする猫、きらり、と光る先生の頭。天井、無造作に描かれた机の落書き、窓の外。そして、彼はペンを器用にくるくると回す癖があった。それは決まって講義が中盤に差し掛かる頃で、それが合図であるかのように眠りに落ちていった。
今日は何を見ているだろう。私から3列前の左斜め前。いつものように彼の視線を辿っていくと、ある一点に定まった。それを目にした瞬間、心臓が激しく飛び上がった。
視線の先にあったのは、女の子。彼女の手には、梶井基次郎の「檸檬」あと少しで読み終わる残り少ないページを丁寧に彼女はめくっていく。指の綺麗な女の子だった。その日、彼の横顔は机に戦いを挑むでもなく、ただ一点を見つめていた。
今日の授業はやたらと長かった。ベルと同時に誰よりも先にこの部屋を出ようと出口を目指した。と、私より先に誰かの手がドアノブに伸びた。
「あ」
梶井君だった。
「ああ、」
私たちは特に話すでもなく坂を下った。彼は、ちょっと待ってて、と駐輪場へ向っていった。
「荷物のせる?それとも乗る?」
そう言って現れた彼の右横には自転車が。何でもない姿なのだけれど、どうしても彼が”自転車”というイメージとは程遠く、その異様なコラボレーションに笑えた。
「これで毎朝来てるの?」
「うん、そうだよ」
「あんまり…似合わないね」
「何だよぉ」
噴きだす私を前に、そう言って彼は照れくさそうに笑った。
自転車の後ろに乗るのは何年ぶりだろう。まずは乗り方に困った。あんまりもたもたしてもいられないから、脳内シュミレーションでの試行錯誤の末、結局、とある映画を真似て横に座ることに決めた。
「いくよ」
彼は蹴りだした足を、すぐ元に戻した。
何でだろう?と、思うより先に、はっとした。
「あっ、重い?」
今更、ダイエットしておけばよかった。そんなどうしようもない事を考えた。そもそも、こんな場面に遭遇すると分かっていたなら、もう少し考える事が出来たのに…微かに自分を呪いながら降りようとした。
「ん、いいや、そうじゃなくて。ちゃんとつかまってないと落ちるよ」
彼の目線は私の手元に落ちていた。サドルの下を掴んでいた手を、彼の背中に近づけた。
「そうそう、いくよ」
私には心臓の音しか聞えていなかった。
地面を蹴り上げると、景色が流れだした。加速していく。景色は流れていくのに、時間は普段の3倍くらいゆっくりと息を潜めながら流れていくように感じた。私は手に少しだけ、力を込めた。
「梶井君…」
「バラ、って漢字で書ける?」
風が前髪と袖を揺らしていく。背中越しに、彼が笑った。
「書けない」
「…じゃあ、レモンは?」
多分、数十秒。車輪の音だけになった。
「書けるよ」
…知ってるよ。
彼の視線の先には、「檸檬」と彼女がいたのだから。通り過ぎた風に夏の匂いを感じた。気がつけば春は終わりを告げ、景色は綺麗な青に染まっていた。
生温い風を受けながら、速度を上げて坂を下ってゆく。何だか心地よい匂い。風も、景色も、何もかもが鮮やかに彩られて見えた。
駅が見えてきた。今は迷うことなく歩ける。
千田由香莉 批評5/果てのない旅 2004年07月03日(土)15時16分45秒
▼課題と連絡:批評課題5/松本紗綾作品1〜7の批評 への応答
【作品3/レスター】
`ツヨイってなぁんだ´
それは「弱さを知ってる人のことだよ」とよく聞くけれど、本当だろうか?私はどの答えにも素直に首を縦に振ることが出来ない。
「あなたは強いですか?」
「あなたは優しいですか?」
「はい。」と答える人はどうも疑わしいと思わずにいられない。電車の中でよく聞く会話で、誰もが「だからこう言ってやった、だって馬鹿らしいじゃない。」と、理不尽な事に対して言い返すことが出来る自分を誇らしげに語る。「そんな事よく言えたね。あなたって強いのね。」そんな言葉を欲しがるように。まあ、「お前は弱い」と言われるよりは「強い」と言われたい気持ちはわかる…。でも、理不尽なことに対して言い返せるというそれは、「強さ」ではないと思う。それは自分を馬鹿にされた事に対しての怒りであって、強さじゃない。自己防衛の一種だ。自尊心。犬がほえるのと同じ。私の探している強さじゃない。
松本さんは、「強さ」ってなんだ?と問う。どの作品でもそれをぶつけてくる。私もその答えを探しつづけているところだけれど、同じくいまだに何処にも見つかっていない。強くなりたいと願うけれど、ふとした拍子に臆病な自分が顔を出す。それがしつこく波線を描きながら反復しつづける。
答えなんて何処にもないのかもしれない。ただでさえそれは目に見えない。多分、他者の中にしか「強さ」は感じる事は出来ない。自分の中にある強さは自分じゃ気付くことが出来ない。すぐ近くにあるものが見えずに捜し求めてしまうのかもしれない。「何処だ?何処だ?」と。
うーん、しかし、考えは浮かぶのに上手く文章にならない。そもそもこういうことは言葉に変換できるの?そこをなんとかするのがプロの表現か?なんか話がずれそうだ。兎に角、ゆっくり語りたい。そんなすぐ答えがでるものじゃない。だから迷うし痛い。
そうだ、松本さん。突然ですがこの文章、なんかグッときませんか?
「なにも殺せない指を遊ばせて 時を撫でている」(スピッツ「SUGINAMI MERODY」)
何か、松本さんの作品には、得体の知れない…混沌としたものを持て余すような雰囲気がいつも出ているような気がして。ふと、これが浮かんだんです。
木曜までもう少し悩んで行こうと思います。私にとって永遠の課題です。
五十嵐 舞 批評5/それが人間なのさ!! 2004年07月03日(土)14時46分04秒
▼課題と連絡:批評課題5/松本紗綾作品1〜7の批評 への応答
【作品7/世界の中心】
作品7は松本さん自身の内面の吐露のように感じる。私自身も感じていることだから共感を覚えます。そんな気分にまりますよ〜〜。でも、そんなことを考えすぎたら鬱になりそうなのであまり気にしないようにしています。最終的には作品7で語られているように最後はいろんなことを感じ考えている「我」一人なのです。デカルトの言葉にあるように「我思うゆえに我あり」って私はあれって結構審理をついていると納得しているんですよね!!私という個があり、その個の周りに友人、家族、社会、国があると私は思ってます。私は私自身は世界を構成する一部であり、また世界そのものでもあると考えています。そうでなければ、私という存在が生まれてきた、存在する意味がわかりません。
でも、これは一時期真剣に考えましたけど、結局は答えっていう完全な終着点がないのですよ。だからこそ面白いと思っています。
【作品6/マザー】
マザーを読んで・・・思わず連想したのは教会の神父とかがいってそうだなって思いました。まあ、お坊さんでも構わないのですが。なんか、人間臭くなくて「いい」というか、他の作品とは雰囲気が違ったのも惹かれたのかもしれません。どこか、感情が表れていない言葉でかえって、その言葉の持つ意味と力があるように思います。
全体を通して、とてもいいなって思いました。もっと作品を書いてください。書くことを恐れないで下さい。載せることで嫌な思いをするかもしれませんが、やがてそれが糧になると思っています。松本さんには伸びていく可能性を秘めています。頑張って下さい。
城所洋 作品5(仮)/長編小説のプロット・・・・・・にする予定が。 2004年07月01日(木)18時40分11秒
え〜と、何時ぞやに、自分が次回作の長編小説のプロットを投稿すると言ってましたよね?
それで昨夜、ようやく基礎となる部分は何とか構成できたのですが、ちょっとプロットにするのが困難、というかイメージがうまく表現できないので、一度、全部書いてみたいと思います。
というのも、今回の作品は、先の合表を参考に、前回のとは大幅に手法を変えて、この作品用に描写も、前とは似ても似つかないものに、簡単に言えば、イメチェンしたいと思っているので(世界観は変わりませんが)、前のを引きずっていたら全然想像できないと思い、あえてこのまま書いてしまおう、と思った次第です。
しかしながら、それだけ告知して終わるのは忍びないので、ちょっとした感じの、まぁ、映画の宣伝みたいに、全容は分からないけど、各章から抜粋したセリフ等を踏まえて予告をしてみよかと(セリフ自体予定ですが)。それを見て、ちょっと個人個人で想像を膨らましてもらって、後でそのギャップを楽しむのもアリかもです。
題名:僕を呼ぶ、君の残像
メインテーマ「自分と他人 人の存在証明」
サブテーマ「幽霊?とのラブ?ストーリー」
登場人物:主人公「川原 大介」 ヒロイン「春日 美晴」 主人公の姉「川原 涼子」 主人公の母(名前未定) その他未定
プロローグ
(回想)君は健気で、儚くて、それでも美しくて、・・・・・・でも、僕は君を殺した
第一章:瞳の裏に映る君
(回想)大介「だから美晴、俺をフッてくれ!」
第二章:償いというインテルメッツォ(間奏曲)
美晴「ほら、境界線が生まれた。だから私達は他人よ」
第三章:辿り着いた先に
美晴「また同じ理由で私を殺す気?」
第四章:夢と幻と現と・・・・・・。
大介「何でだよ!何でこんなもの見せるんだ!やめて!もう、やめてよぅ〜・・・・・・!」
エピローグ
大介「好きだ、美晴・・・・・・」
8月下旬 完成予定 目標枚数 180枚前後
・・・・・・・・・・・・・COMING SOON!
菊池佳奈子 作品5/音の箱ー5(な行) 2004年07月01日(木)14時57分46秒
【ナイフ】
「赤い屋根の
白いお家で
茶色い犬をかうの
それが夢なの」
カラフルな君のナイフ
となりの男の子につきささった
君は満面の笑みで
彼の鮮やかな血に気づかないから
思わず指差して
ゲラゲラ笑ってしまった
【似たカタチ】
似たカタチの想い
似たカタチの存在
似たカタチの思い出
似たカタチの痛み
似たカタチの傷口
でもどこか
やはりどこか違って
なにひとつ
おなじものなど
ありえないのです
【縫い目】
君と僕とをつなぎましょう
君と僕との境目が
くっきりしてるの 嫌だから
皮膚と皮膚をビラリ剥がして
ちくりちくりと縫い合わせる
この針はきっと愛という名で
この糸はきっと絆という名で
君と僕とがつながったなら
君と僕がつながれたなら
縫い目はギザギザ
君は痛いと泣くけれど
君の痛みは僕の痛み
僕も痛いと泣けるから
【眠らない夜】
眠れぬ夜の孤独を
夜の中の私の孤独を
誰が知るというのか
この夜にたったひとり残されたような
あの不安な空気
眠れぬ夜の私の孤独
【軒下】
激しい雨に
ぐっしょりやられて
げっそりなって
雨宿り
遠くのほうから
走ってくる君
ぐっしょりで
からっと笑顔で
こんにちは
やあやあひどい雨ですね
まったくひどい雨ですね
いったいどちらに行かれるのです
私は私へ
君は君へ
どうやら大分やんできたのか
私の行く先 雲間が見えた
ではこのへんで
どうかお元気で
君よ どうかお元気で
激しい雨の中
もう一度足を踏み出した
菊池佳奈子 作品4/音の箱−4(た行) 2004年07月01日(木)14時40分16秒
【体温】
かなしくて
くやしくて
どうしようもなく
自分が嫌で
泣きたくて
だけど泣けなくて
そんなあの日
ずっととなりで
空を見ていた
君の体温が
やさしくて
あたたかくて
すべてのトゲが
お日様に溶けて
じわりとしみて
僕の目にしずく
【誓い】
そばにいてください
今となりにいてください
永遠をその指輪に誓うのならば
今ここにいるとこの指先に
誓って
【紡ぎ歌】
きれいなことばを吐きましょう
どんなにみにくい私でも
つむぐことばがきれいなら
少しはきれいに見えるやも
きれいなことばを吐きましょう
どんなにみにくい感情が
ことばの裏にあったとて
ことばの面のきれいさに
ごまかされるやもしれません
きれいなことばを吐きましょう
きれいなことばを吐いたなら
こんなに醜い内側も
いずれきれいになるやもしれぬ
いずれきれいになって欲しいと
きれいなことばを吐きましょう
【手紙】
綴じた封筒
わたすことができなくて
あの時言いたかった
ごめんなさいと
ありがとうは
今もピアノの上
時を止めたまま
【道化】
みんなのまえで
ぼくがじょうずにわらえたら
閉じた右目
まぶたにそっと
哀れみのキスをください
志田 匡平 課題5/情けないブルース 2004年06月30日(水)22時06分41秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
・恋心 抱いた相手は 小悪魔で パクッと食べられ ポイと捨てられ
・『彼女など作る暇など無い』などと 言って帰って ただ眠るだけ
・携帯に 残っているのは あの頃の 彼女の番号 今は通じず
寮美千子 志田匡平さま/課題5は自選三首 2004年06月30日(水)18時57分00秒
▽志田 匡平 課題5/いつもだよ…。 への応答
課題5/自選三首、というのは、自分が作った短歌の中から三首選んでください、という意味です。志田匡平さんは、提出していないから、選べないはず。だけれど、新たに作歌して提出してもらって構いません。がんばれ。
志田 匡平 課題5/いつもだよ…。 2004年06月30日(水)18時34分31秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
いつのまに こんなに僕等ずれていて どこでどうして 遠ざかる君
変化球 空振り三振 今度こそ 受け止めて欲しい 恋の直球
いつまでも できないままの 鬼ゴッコ 誰も追わない 誰も逃げない
千田由香莉 課題5/恋のうた 2004年06月30日(水)18時02分02秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
● 君と観た最悪につまらない映画 でも、笑いが止まらないどうしよう。
● 夏風にのせて薫った汗の匂い さっき来たとこ、って笑う君。
● 君の癖 うつったみたい こそばゆい 嬉しいような 照れくさいような。
● いつだったか 君が教えてくれたあの歌は 今でも大事に憶えてる。
● この間ひさびさに聴いたあの唄に 君を重ねた東京の空。
前澤貴仁 課題5/青々と夏 2004年06月30日(水)17時59分27秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
仰ぎ見る 空の青さは まぶしくて 二人で過ごす 初めての夏
いつまでも 二人歩いた 線路沿い いつかの空は とても青くて
ねぇキミが 私の傍に いてくれる いつもの日々が 小さなひかり
野島明菜 課題5/えへへ 2004年06月30日(水)17時49分25秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
久しぶり 心ときめく この気持ち しあわせだなあ しあわせだなあ
愛してる って言ってみたい 愛してる って言われたい 私の夢よ
好きなのか 嫌いなのかも 分からずに ただあなただけ 見つめていたい
滝 夏海 課題5/蹴飛ばしたのはスニーカーだけじゃなくて 2004年06月30日(水)17時17分12秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
喉のライン横目で見ながら窓際で並んで食べるファーストフード
オーディオのスイッチ叩き壁を蹴り アナタ消し去るロックンロール
ヘッドフォン耳に押し当て口ずさみ 誰かの声に気付かない振り
児玉武彦 課題5/日常の恋、唯一の人 2004年06月30日(水)16時59分12秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
○ 歯があたり 堪え切れずに吹き出した 正直に言え 初めてだって
○ 暗くても 触れば判る腹の肉 滑稽だけど 君は綺麗だ
○ 君の皮膚 冷えていくのが寂しくて クーラー消した夏の密室
瓜屋 香織 課題5/ひとりのごはん 2004年06月30日(水)16時52分40秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
釣れちゃった変な魚だどうしよう でもすこしだけ味見をしよう
ひらふわと花から花へ飛んでゆく節操なしの吸蜜器官
カンカンカン君が目の前通るたびこころに遮断機そっとおろすの
児玉武彦 課題4/ 2004年06月30日(水)16時50分49秒
▼課題と連絡:課題4/七夕・コイノウタ5首【日常芸術化計画】 への応答
○ 君の皮膚 冷えていくのが寂しくて クーラー消した 夏の密室
○ 暗くても 触れば判る腹の肉 滑稽だけど きみは綺麗だ
○ こんなにも 早く過ぎてく夏休み そう思うのは 君がいるから
○ タイトルは 忘れていても思い出す 君が泣いてた別れの場面
○ 歯があたり 堪えきれずに吹き出した 正直に言え 初めてだって
提出が大幅に遅れて申し訳ないです。直ちに3首選んでアップします。
雨宮弘輔 課題5/癖愛・偏哀 2004年06月30日(水)16時15分35秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
SMを試してみたけど痛いだけ 縛る方も縛られる方も
黒髪にのぞく首が愛しくて ほんの一瞬殺意芽生える
この笹に愛を記した歌はある? ところで僕は君が好きです
寮美千子 課題5に関する注意事項/推敲を! 2004年06月30日(水)15時36分38秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
▼推敲せよ!
「課題と連絡」にも書きましたが、提出の際には、もう一度推敲をして、作品の完成度を上げてください。
授業で指摘され添削された部分でさえ、直しを入れないまま提出している作品があります。(己の胸に手を当ててみよ!) これじゃあ、なんのための授業? なんのための批評?
批評や添削に耳を傾け、自ら推敲してこそ、この授業の意味があります。作品の完成度をあげるために、これほどいい機会があるでしょうか? これだけの人に読んでもらい、批評してもらえる機会など、そうそうあるのものではありません。これを生かさないで、どうする?
「自作の完成度を上げたい!」ということに、もっともっと貪欲になってください。書きっぱなしは意味がありません。批評を聞いたのに推敲もせず、書きっぱなしにするくらいなら、「物語の作法」で発表する必要もありません。
自選3首。既発表作品に飽きたらず、新作を書いてしまった菊池佳奈子さんの貪欲さはすばらしい。高く評価します。
2年前に「物語の作法」で発表した作品に推敲を加え、ぐっと完成度をあげて
「あさよむ携帯文学賞」に応募した越智美帆子さんの意欲、すばらしい! この意欲あってこそ、最終候補作に残ることができたのだと思います。
▼五七五七七
せめて、授業で注意した「韻律 五七五七七」くらい、ちゃんと整えて提出せよ。
▼改稿の提出方法
一旦提出した作品を改稿したい場合は、以前と同じように「課題5A(BCD)」として提出するように。改稿前の作品の削除依頼など、もってのほかです。
まるやま 本音は正直 2004年06月30日(水)14時45分36秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
あなたはね手に入らないそれだけがゆいつ持ってる魅力なんだよ
人嫌い なのに彼女は彼氏もちどうみてもあれ人間だよね?
あなたより自分の方が大切で今日も私は返事をしない
土橋明奈 課題5/宛ら六月の様な好き。 2004年06月30日(水)14時32分56秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
君想うこの意を歌にしたためよう なんて出来るかこっぱずかしい
浅はかに繰り返される思慮深さ 芯に染み入る至味の口先
恋をして胃痛胸焼け偏頭痛 パンシロンでは駄目なのですか
加賀麻東加 課題5/ありがとう☆ 2004年06月30日(水)12時34分17秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
デートの日 メイクもバッチリ! 準備OK 私に惚れる 準備はOK?
友達の 彼氏は白馬で お出迎え なぜロバが合う 私の彼氏
帰り道 手も繋がない キスもない 空気に響く 互いの鼓動
室橋あや 課題5/タナボタ。 2004年06月30日(水)11時07分15秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
働けと母が言うたびぎょうざ耳 父の背中にだいこんもみじ
かごの鳥 かがみの鳥に 恋をした かいぬし今も かごごしの恋
あなたには 壊れた画面その裏の 配電盤すら見えやしない
露木悠太 課題5/晴れのち、 2004年06月30日(水)01時05分18秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
そら仰ぎ ああ、きらめいて あきらめて 行き過ぎる雲 いくつも数えた
胸いっぱい 溜めた思いと 込み上げる リズムをもとに 揺らそう世界
悲しさは 突然降りだす 雨のよう やっぱりどこにも 傘がないんだ
松本紗綾 課題5/アタシはアタシ 2004年06月30日(水)00時53分39秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
魅せられた ふとした仕草 見せられて どうやらあたし あなたにぞっこん
してやったり あなたははまる 甘い罠 堕ち堕ちたとき あたしの虜
“別れましょ” 最後の切り札 隠し持つ 使う勇気は ないのだけれど
吉見幸子 課題5/こころの中のキミとの時間 2004年06月30日(水)00時32分36秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
きれいだね そう覗き込む 君の顔 最初で最後に ならないように
寂しさを ほんのちょっぴり おすそわけ 外はおまつり だからいいよね?
この町に 大事な人が いると知り 一人微笑む 夕暮れの駅
雨宮弘輔 世界の中心からずいぶんと離れた『アイ』 2004年06月29日(火)22時27分01秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
SMを試してみたけど痛いだけ 縛る方も縛られる方も
黒髪にのぞく首が愛しくて ほんの一瞬殺意芽生える
この笹に愛を記した歌はある? ところで僕は君が好きです
越智美帆子 課題5/内緒事 2004年06月29日(火)21時38分31秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
指絡め 赤く三日月 手の甲に 下限の浮かぶ 濃紺の空
小指に朱 絹滑らして 覗く粒 一つ摘んで 甘露の如し
頬紅を 鎖骨に落として 小薔薇痕 鏡の中に 見知らぬ私
城所洋 課題5/気づけば近くて遠い距離だった 2004年06月29日(火)17時51分06秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
携帯の 着信音に 飛びつくが 何だよ今日も 迷惑メール
会いたくて 焦がれ焦がれて 木枯らしが 僕の気持ちを さらりと冷やす
言の葉の キャッチボール 慣れるほど 離れていって 届かなくなる
加賀麻東加 作品6/歌葉新人賞応募作品 2004年06月29日(火)16時17分14秒
若者の詩(うた)
ダボダボの シャツに腰パン Bボーイ 彼氏はただの BUSAIKUボーイ
夏近し 余分な脂肪 ぶん投げて ゴジラ松井に 打たせてしまえ
ブリッ子に 翻弄される 馬鹿男 火花散らして 合コン中だ
バイト先 社員のオヤジに カメハメハ くらわせた後 瞬間移動
生まれつき しゃくれたアゴの 得意技 猪木の真似は 単なる序曲
電車内 新聞覗く 横の人 嫌味で腕を 震わす自分
かっけこは いつもビリの 私だが ゴキブリ見れば マッハ末纉
ミニスカに ルーズソックス 超フツー 卒業後今 腰痛悩む
授業中 隣の男子 風扇ぐ ぶっちゃけお前 屁ェこいただろ
反抗期 母の苦労を 知ってから 謝罪を込めて 花束贈る
分かってる リストカットを する理由 気付いて欲しい 傷む心に
大嫌い 自分自身で 殺したい 姿形が 全部醜い
友達の 彼氏は白馬で お出迎え なぜロバが合う 私の彼氏
彼女去り ヤケ酒暴れ 金落とし 家賃払えず まじありえねぇ!
デートの日 メイクもバッチリ! 準備OK 私に惚れる 準備はOK?
好きだから 痛くて心 壊れそう 君が見るのは 隣のあの子
洋服の 袖を伸ばして 手を繋ぐ じかに触れると 恥ずかしいから
寂しさや 傷みや悲しさ ぬぐえずに 見上げた夜空 君に会いたい…
汗流し 彼女探して 三千里 あぁ女神様 舞い降りてくれ!
帰り道 手も繋がない キスもない 空気に響く 互いの鼓動
顔真っ赤 デート中でも 下を向き 照れて離れて プリクラ撮った
どうしたら 自分を好きに なれるかな 彼への想い 止めてしまうの
恋愛と 呼べる“好き”かは 分からない でも今はただ 傍にいたいよ
カラオケで 彼がうたった あの歌は 今は聴けない 想い出すから…
好きだよと 言ってもくれない 彼は今 男仲間と アイラブ遊だ
変化球 空振り三振 今度こそ 受け止めて欲しい 恋の直球
もうだめだ 諦めるのは まだ早い 前に倒れる 根性見せる
「大物に なってやるぞ」と 言ってたが 世の中甘く ないと気が付く
どこへ行く? どっちに行けば 夢に着く? 道はデコボコ でも行ってみよう
ヨーイ、ドン! 道もゴールも 見えないが 人生はまだ 始まったばかり
五十嵐 舞 課題5/ねぇ、虹の向こうにいってみない? 2004年06月29日(火)11時31分00秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
召し上がれ貴方への愛詰まってます 賞味期限は一週間です
流れゆく涙とともに恋も逝く さぁ旅に出よう愛を探しに
あっというまに過ぎている恋時間だからいつもさ名残惜しくて
菊池佳奈子 課題5/ワタクシゴト 2004年06月29日(火)09時54分00秒
▼課題と連絡:課題5/コイノウタ自選三首 への応答
さみしいと すがったその手に愛はなく 私がとっくに熱の中でも
いつのまに 僕等こんなにずれていて どこでどうして 遠ざかる君
君の手が 迷いながら頭なでるから 悲しくないのに涙した
露木悠太 作品3/『ラジカル・ラジオ』 2004年06月29日(火)03時46分39秒
管理者:Ryo Michico
<mail@ryomichico.net>
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