ハルモニア Cafe Lunatique (No.0002)

寮美千子の掲示板

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門坂流  取り消し 2001年11月06日(火)15時25分33秒
装丁 へのコメント

今日『ロシア幽霊軍艦事件』が送られて来て、私の絵の雑さにがっかりしました。
デザインのコンセプトはいいのですが、私の絵が何だかB級でした。
失礼しました!無視しておいて下さい。

門坂流  装丁 2001年11月04日(日)17時54分52秒

今日朝日新聞朝刊の読書欄、「長友啓典の装丁問答」で島田荘司.著
『ロシア幽霊軍艦事件』装丁・岡孝治、が紹介されていました。イラ
ストは僕で装丁の岡孝治氏は「ぎょうせい」のデザイナーで、『風力
の学派』の時に出版に尽力してくれ、その後戸田ツトムのデザイン事
務所でチーフデザイナーとして活躍されていましたが、先日めでたく
独立され初めての仕事を依頼されたのがこの本でした。
めでたしめでたし!
もう2〜3日するとJTB出版から全5刊の「自選紀行集」が刊行さ
れます。作家「奥本大三郎」「西江雅之」「阿川弘之」「田中小実昌」
「宮脇俊三」です。
いずれの本も読んでいないのでお勧め出来ませんが、書店に行かれる
事があれば見て下さいね。

一色真理  夢の解放区展イベントご来場希望の方へ 2001年10月31日(水)16時54分49秒 http://member.nifty.ne.jp/suiheisen/

11月24日3時からの寮さん、小長老さんご出演のイベントにはぜひご来場下さい。
ただし、この会場には椅子がありません。
当日は茣蓙のようなものを敷いて、その上に腰を下ろしていただくことになりますが、
特に女性の方は腰が冷えたり、痛くなるのではないかと心配しています。
ミニクッションまたは、その代わりになるものをご持参いただくとよいと思います。

また、会場は大変手狭です。
まさかとは思いますが、入場を制限する場合もあるかと思いますので、
できるだけ早めにご入場くださるよう、お願いいたします。

planets0000.html#planets20011013212133

寮美千子  本多信介氏とのライブは24日! 2001年10月31日(水)03時15分55秒 http://ryomichico.net

▼左近充円さま

新居完成おめでとうございます。観測用のスライディング・ルーフ建設とはお伺いしていましたが、新居とは知らなかった! なぜなら、本人が屋根のことばっかりいってて、新居には一言も触れなかったからです。どれくらい天文に力が入っているのか、わかろうというもの。星空の美しい鹿児島は菱刈の街。ぜひ、いつかお伺いしたいと思います。

▼大長老〜!
あ〜ん。「夢の解放区展」でのリーディング・パフォーマンスは、24日です。14日に若い女の子とデートなのを自慢したい気持ちはじつ〜によくわかるけれど、だからって事実をねじ曲げちゃあだめよ。門坂画伯から「14日はどこで?」と問われ、びっくりしたわたしでした。

そして、17日には、渋谷の「ツインズよしはし」というワインバーで、明石隼汰氏率いるホロプラと初共演のリーディング・パフォーマンスも。

間違えないでね。17日と24日です。その若い女の子もいっしょに、ぜひお越しください。両方誘うと、元のデートも入れて3回デートできます。デートに誘う口実に、ぜひご利用を!

イベント詳細は「遊星たちの消息」をご参照ください。

planets0000.html

左近充 円  自己紹介 2001年10月30日(火)07時28分17秒 http://www3.synapse.ne.jp/kouko/

 初めまして!鹿児島県の菱刈町という山の中におります左近充と申します。
37歳(男)4人家族、星を見るのが何よりも好きで、寮さんとも「宇宙」を通
じてお知り合いになりました。皆様よろしくお願い致します。
 今年夏、やっと新居を構えることになったのですが、庭先に観測室を建設
することのほうが、僕にとっては重大でした。家族の協力のもと、やっとこさ
観測室が出来上がったので、ご報告です。職人気質な鉄鋼屋さんが一月かけて
コツコツ作ってくださり、ヨメさんはコンクリートを練ってくれ、子ども達は
お茶を出したりネジや工具を取ってくれました。
作ったのは観測室ですが、手に入れたのは星空です。建設風景をアップしまし
たので、よろしかったら覗いてくださいね。

http://www8.tok2.com/home/kouko/makomake/kensetu.htm

大長老  寮さん、本多さん。 2001年10月30日(火)01時19分30秒 http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/8863/rojin/rojin_index.html
「夢の解放区展」&「Review Lunatique/日記」新設のお知らせ へのコメント

14日のこらボれは、いつものよーに、例のよーに、
遅刻というか、1〜2時間ぐらい遅れてスタートしてくれるとありがたい。

わがままな物言いになって恐縮ですが、
当日、小生は、美しい若い女性と、3時過ぎまでデートなんす♪

寮美千子  「夢の解放区展」&「Review Lunatique/日記」新設のお知らせ 2001年10月29日(月)17時46分20秒 http://ryomichico.net

お久しぶりです。

▼「夢の解放区展」

四国旅行から戻り、「夢の解放区展」に出品するオブジェ制作に夢中になっている今日この頃です。オブジェ制作、といっても、8×5個の升目に仕切られた手持ちの木製ガラスケースに所有のキップルを並べるという作業。物品のコラージュ、とでもいったらいいでしょうか。物品のなかにこっそりと、自作のオブジェもしのびこませました。全40点。何を入れ、どうやって並べるか。これが、面白かった。いままでも、仕切のある小さな箱にちまちまと物を詰めるのが好きだったけれど、今回は大きさもあるし、数も多いし、ダイナミックに楽しい作業でした。

そして、そのひとつひとつに幻想の由来を書き下ろしたのです。キップルを見て、その背後にある物語を透視し、書きつける。すると、出てくるわ、出てくるわ、いくらでも嘘八百が繰りだしてくる。わたしの頭はどうなっているの? という感じ。楽しくてたまらない作業でした。もしかしたら、わたしがやりたかったことって、こういうことだったのかも? と思うほど。

その解説とオブジェ、含めて作品として展示します。夏休みの宿題のちょっと大がかりなのって感じではありますが。ご笑覧ください。詳しくは、こちら。

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▼「Review Lunatique/日記」開設のお知らせ

じっくりと対話のできる場にしようというつもりで新装開店した Cafe Lunatique でしたが、店主の寮美千子が一人で大演説ばかりしているので、会話が困難になってしまいました。反省して、大演説は「Review Lunatique/日記」を新たにつくって、そちらに書くことにしました。大演説を書き込み次第、こちらでお知らせします。というわけで、こちらは昔のCafe Lunatiqueのような、なごやかな雰囲気でいきたいと思います。よろしくお願いします。Review Lunatique はこちら。

review.html

ドロンコ  こんなことも…! 2001年10月24日(水)13時18分35秒

寮さんのかつての同僚であり、いつの頃からか友人ヅラをさせてもらって
いるドロンコです。思えば、Cafe Lunaがリニューアルしてから、これが
初めての投稿になるんですね――。

ところで、今日ネットでぼちぼちと情報を見ていたら、9月11日の事件の後に、
この日本国のニューヨーク総領事館が「被災者の日本人に冷たい言葉を浴び
せ、助けを求めた旅行客を追い返した」などということがあったのだそう
ですね。「日経ビジネス」の記事なのですが、「テロ事件の後に自宅側の
ビルで爆弾騒ぎがあり避難した。総領事館に電話をしたら『こちらは知らない。
心配なら総領事館のビルの近くにいれば』と言われた」という留学生の経験談
や「横柄に電話を切られた」、「職員の対応が悪い」といった話はきりがない
――と紹介されていて、さもありなんとは思いつつも、やっぱり暗澹とした
気持になりますよね。
この記事を書いた同誌のN.Y.支局長氏は、総領事に対して「総領事館への
不信をなくすため、街角に立って日本人から要望を聞いてはどうか。在
ニューヨークの日本人に存在感を示せない総領事や政府が、米国や世界に
向けて示せるわけがないことに早く気づいてほしい」と、皮肉を込めた調子で
記事を結んでいますが、これが一般人としての精一杯の抵抗かも知れませんね。
こんなお寒い現実がある中で、自衛隊の「海外派兵」にだけ熱心になるなんて、
冗談もほどほどにしてほしいとぼくは思います。

まったく、なんてこった!



酒寄進一  おじゃまします 2001年10月22日(月)22時11分07秒 http://www.wako.ac.jp/~michael/

和光大学表現文化学科で教えている酒寄です。
ずっとROMしていたのですが、今回、一ヶ月半ぶりに寮さんのサイトにうかがってみて、「しまった!」と思い、はじめてメールを書きます。
今回うかがったのは、学科のホームページに寮さんの情報を載せるための情報集めと、池澤夏樹の「新世紀へようこそ」がらみでした。
じつは来年度の一年生向けのゼミで池澤夏樹のメルマガをテクストにしようかなと考えていて、そういえば、寮さんがよく池澤氏のことにふれていたから、なにか情報があるかな、と。
そして驚きました。10月2日の寮さんの新装開店の「ことば」までもどってしっかり読ませてもらいました。寮さんは新しい次元にはいったのですね。そのことが、その「ことば」からひしひしと伝わってきました。「遠距離」に加えて「中距離」の言葉への展開。
寮さんの「ことば」こそ、「美しく強靱だ」と思いました。
寮さんの生き方にあらためてエールを送ります。
新たな刺激を与えてくれたことを感謝したくて、メールをしたためました。

松永洋介  気になるニュースはすぐ検索 2001年10月20日(土)04時10分41秒 http://www.ceres.dti.ne.jp/~ysk/
武器輸出 へのコメント

ニュースとかで気になるデータを見たら、とりあえずはネットの検索でもいいから、元になったデータをさがすのがよいと思います。うろおぼえや、ガセかもしれない情報をもとにしていては、せっかく考えたことも無駄になるかもしれません。まずは判断を留保して、信頼できる情報源を確保してから考えたほうが、結局は早道だと思います。

というわけで、とりあえず「武器輸出額」で検索してみたら、5年前のデータがありました。
世界日報のサイトのデータ・コーナーにあった世界の武器輸出入ランキング(1996年)を見つけました。(世界日報は統一協会系の新聞。ニュース・ソースとしての信頼は厚いらしい。このデータの出典のACDAというのは、アメリカ軍備管理軍縮局のことだと思います。)

見ると一目瞭然、輸出額では、アメリカがダントツの1位でした。
輸入額では、なるほどサウジアラビアがダントツ。そして2位は、なんと、わが国です。
この数字(ここ数年はそう大きな変動はないでしょう)を見て、輸出は5位まで言って、輸入は1位しか言わないニュースは、なんかずるい感じがします。

便宜的に、ここに出ている数値を総額として概算すると、パーセンテージはつぎの表のようになります。
1996年の武器輸出入額
10位までの国名と、
上位10国中での割合(%)

輸出
米国58.5
英国15.2
ロシア8.2
フランス8.0
スウェーデン3.0
ドイツ2.1
イスラエル1.7
中国1.5
カナダ1.1
オランダ0.8
輸入
サウジアラビア40.0
日本9.8
台湾8.2
エジプト7.3
クウェイト6.9
中国6.1
英国6.1
トルコ5.7
オーストラリア5.3
韓国4.5

お金でやりとりしたもの以外に、“無償援助”の分なんかも額に含まれているかもしれません。
自衛隊の装備品なんて“使わない”ことがはっきりしてるのに、よくこれだけ買うなあ。わが国が、アメリカにとって、けっこうなお得意さんであることがわかります。
アメリカは、こんだけ作って売りまくってるのを常態としてるから、どんどん需要を喚起して消費しないと、産業が停滞しちゃうんでしょうね。(考えてみたら、自衛隊は古い武器をどうしてるんだろう。アメリカは海外へ消費しに行ったりしてるけど、平和的に処分する方法があるんだろうか。)

日本は武器輸出に厳しい規制があるので、こういう統計には出てこないと思いますが、それでも、浜野さんが挙げられたスイスのように、戦車のキャタピラの部品や軍用車の車台、各種エンジン、光学機器やセンサー、コンピュータ、その他諸々、輸出先で武器に使用される部品はたくさん作っているはずです。(前にキヤノンの人が「うちは軍用は一切やってないんですよ」と言っていたのを聞いたけど、もしかしたらそれは特別なことなのかもしれない。)

情報収集については、きつねさんなんかは大学生なんだからぜひとも大学の図書館を活用してほしいし、ニフティを使ってるんだったら、ネットで百科@niftyもおすすめです。月額300円で「世界大百科事典」が引き放題。
たとえば「武器輸出」の項目には、こんな記述もあります。
 日本では敗戦の結果,占領国軍によって徹底的な非軍事化が企図された。しかし,冷戦の激化は,主たる占領国であったアメリカの方針を一変させて日本に再軍備を求めるようになり,さらに朝鮮戦争の〈特需〉を経たことから軍需産業は息を吹き返した。(……)朝鮮戦争後も東南アジアや中東諸国向けに銃弾,砲弾などの小型武器の輸出は続行された。しだいに日本の軍需産業は主要兵器の生産能力を回復し,かつ日本がベトナム戦争の補給基地化したことに伴って活況を呈した。
 このような状況に対し,平和憲法のたてまえから武器輸出は行うべきではないという野党側の執拗な追及を受けた政府(佐藤栄作内閣)は1967年,(1)共産圏諸国,(2)国連決議により武器輸出が禁じられている国,(3)国際紛争の当事国またはそのおそれのある国に対しては武器輸出を承認しないという方針を打ち出した(武器輸出三原則)。さらに76年,三木武夫内閣は,(1)三原則対象地域以外の地域へも武器輸出は慎む,(2)武器製造関連設備の輸出も武器に準じて扱う,という三原則の強化方針を打ち出し, 〈武器技術の輸出も三原則に照らして処理する〉という方針を提示した。このように,あらゆる地域への武器輸出を原則として行わないという方針が日本の基本政策として確立された観があった。
 しかし,日米安全保障体制下に1954年には〈相互防衛援助協定〉(略称MDA)が締結され(……)アメリカは,日本側がアメリカ側から武器技術の提供を受けるのみでアメリカ側に提供しないのは義務違反だとして,日本側からの技術提供を要求するようになった。このため83年中曾根康弘内閣は,(1)アメリカへの武器技術供与の道を開く,(2)この供与はMDAの枠組みによるもので, 武器輸出三原則の枠外とする,(3)武器輸出三原則そのものは基本的に堅持することを基本として,日米間で交渉が行われた。この結果,(1)個々の技術供与を協議・決定する場として日米武器技術共同委員会を設ける,(2)個々の供与に際しては,日米間で実務取決めを結ぶことが合意された。このようにして日本の武器輸出三原則には,風穴があけられることになった。

……なんか、ついさっきまでは「厳しい規制があって“武器”は輸出できない」と思っていたのですが、どうも、世の中いろいろのようです。
アフガンにも日本製の武器や、日本の技術を利用した武器が行ってるのかなあ。行ってるんだろうなあ。

浜野 智  武器輸出だけでなく… 2001年10月19日(金)20時45分58秒

アナログ時計に代表されるスイスの精密技術は、実は武器の製造に使われているという面があるんですね。
「永世中立」の国は、実は軍需産業への貢献度が高いというこの事実。

きつね  武器輸出 2001年10月19日(金)06時31分41秒

深夜のニュース番組を見るともなしにみていたら(他のとこでもやったのかもしれませんが、私、あんまり見ないもので・・・)、
「世界で最大の武器輸出国はアメリカで、全体の50パーセント、二位はイギリス17パーセント、ついで、ロシア、フランス、ドイツの順です。
武器の輸入が多いのは中東で、一位はサウジアラビアでした。」
それだけ言って、そのニュースは終わりました。
あんまりにも具体的で固まりました。
今まで何度も言われてきたことですけれども、こう具体的に出てくるとショックです。
世界はこういう構造になっているのだ、というのをまざまざと見せ付けられた気がして・・・。
これだけ見たって、なにが起きているかは、ちょっとおかしなことがおきているということにくらいは、気付いてもよさそうなものなのに・・・。
そのニュース番組では、その数値に対するコメントはありませんでした。

勇崎哲史  迂闊でした 2001年10月19日(金)02時55分25秒
おっしゃる通り へのコメント

迂闊でした。
寝る前に、読み返してみると、目玉おやじさんの提案に、べらべらとおしゃべりしすぎました。
ここは寮さんのお部屋でした。いつか誰かが言ってたように、放浪をやめて、やはり自分のBBSを持つべきなのでしょうね。
でも、当分持てないでしょうね。生来の放浪癖はなかなかぬけない。
でも構想はあるんですよね。「ゴジラ対太陽の塔」っていうんですけどね。岡本太郎と作曲家・伊福部昭について、その共通性について研究しあう、ってやつですが、ほとんど誰も乗ってこないでしょうね。

勇崎哲史  おっしゃる通り 2001年10月19日(金)00時47分46秒
催促してみましょう へのコメント

目玉おやじさん。
おっしゃる通りですね。
僕が送った文はファックスでしたので、配達証明はとりそこねました。郵送すべきでしたね。
その新聞社時々は、権威的なデスクがおられるようです。署名原稿にも、この表現は読者にはわからないだろう、という親切なデスクがおられるんですね。そうやって、アカを入れるのがデスクの仕事だと思っている人が時々いるし、たまたま巡り合わせが悪かったんですね。
実はその前の原稿にも手を入れられてしまいました。支笏湖という、その透明度を世界的にも誇れる湖が札幌の近くにあるのですが、そこに家族で訪れた時、水上バイクのようなレジャー乗り物が10数台、金属的な騒音をまき散らしながら、湖面を我が物顔に走り回っていました。湖面が悲鳴をあげながらカッターナイフかなんかで切り裂かれているような光景です。それで僕は「悲しい湖面を見た」と書いたのですが、「悲しい情景を見た」と書き換えられました。冗談みたいでしょ。どこが「情景」なんでしょう。四角い机みたいなデスクですね。悲しい国語力です。
このときは電話で担当者に抗議し、書き換えたデスクが不在ということで、先方からの電話もなく、2度電話しましたが、それでも返信がなかったので、僕は翌月のコラムをボイコットして抗議しました。2ヶ月ボイコットするのは大人げないと思って、その次に書いたコラムが先日この掲示板にコピーしたものです。
当然、僕はその翌月のコラムもボイコットしました。
地方で暮らす、ということは、こんなことにもつき合わされます。もちろん、その新聞社の名誉のために書き加えますが、そんなデスクばかりではありません。グウーなやつもたくさんいます。
ところで、この件は7年前のことですから、これから催促しても、催促相手が定年退職されているかも知れませんね。

目玉おやじ  催促してみましょう 2001年10月18日(木)22時02分27秒
加害者意識 へのコメント

一回ならストーカーとは呼ばれないでしょう。

★勇崎さん
>返事は来ませんでした。

正しい受取人、つまりその抗議を受け取るべき担当者にまで届いてなかった可能性があります。
また、返事の郵便が紛失した可能性もあります。私は数年前に小学校の同窓会案内の往復葉書を
150名ほどに送った際に、届かなかった人が3人ほどありました。

内容証明付き郵便で、もう一度確認してみてはどうでしょうか?

(1)届いたのか
(2)しかるべき担当者が読んでくれたのか
(3)返事は投函されたのか

一読者からの手紙は読まれなかったり、読んでも黙殺されたり、そして大抵返事は来ない。
でも、コラムの執筆者から「掲載記事に関する抗議」の手紙なのですから、常識有る担当者
ならば、黙殺はしないと思うのですが、私が甘いかもしれませんね。

純 sumi  はじめまして。 2001年10月18日(木)02時05分08秒

こんばんわ、そしてはじめまして。以前に数度、旧Cafe Lunatiqueに書きこみをさせていただいたことがあります。私は横浜に住む女子大生で、専攻は日本の美学と美術史です。寮先生の作品との出会いは、近くの図書館で手に取った「ノスタルギガンテス」でした。装丁がとても綺麗で、昔好きだったORIGAというロシアの歌手さんの、ファーストアルバムのジャケットの写真に似ているなぁと思ったのがきっかけでした。そして今ではこの出会いにとても感謝しています。

こちらに集うのは、人生の大先輩の方々ばかりなので、いつも少し緊張してしまいます。それに自分自身の、どちらかというと頭でっかちな所もあまり好きではないのですが、テロ事件以来ニュースを観ていると怖いわ悲しいわで、少し吐き出していかないと居ても立ってもいられないので、今日は率直に感じたことを書きたいと思います。
今回のことで一番怖いと思うのは、報道や情報が意図的に偏っていると感じることと、それに煽られた周りのムードというか、熱気みたいなものに対してです。自分たちに都合のいい価値観が蔓延していて、それを自分自身で検討することもなく鵜呑みにし、再生産を刳り返しているような。自分たちの豊かな生活が遠い国の人々の犠牲の上に成り立っていることにも、「この戦争は正当な正義の報復だ」という言葉に流されて、何の罪もない多くの人々の命が今この瞬間にも失われていることにも、目を逸らしちゃいけないことに目を逸らしている。都合のいい価値観を持っている者同士が集団になっていて、その価値観にどっぷり浸かっていれば嫌な思いをしなくて済む。きっと大抵の人間が、自分たちの豊かな生活と人の命とを、目の前で実際に秤にかけられたら、人の命の方を選ぶと思うんです。少なくとももっと躊躇いがあると思いたいです。なのに消極的な態度とはいえ、人の命を奪うことに対して自分たちを正当化していられるのは、集団心理みたいなものが働いているからという感じがして、それがとても怖いです。

勇崎哲史  加害者意識 2001年10月18日(木)00時31分36秒

ご無沙汰です。お元気ですか。
先月、宮古群島に行く前は大忙し、帰ってきてからも残務山積み。その1週間後には、仕事でまた1週間出張。帰ってきてから残務山脈で遭難。僕んとこのような、泡沫零細弱小会社は、机を空けると、その前後はたいへんです。
ニュースにふれるたびに、最悪の奈落シナリオへと向かっていて、僕は鬱病にでもなりそうです。
戻ってきて、過去ログを拝見しました。寮さんの論考パワーに驚異と拍手(拍手などしている場合ではありませんが、アフガンの状況を鑑みて拍手自粛、というのもヘンですし、、、)。
鬱気味の僕には、寮さんやみなさんの論考に、うんうん、と頷いて、膝を叩いて、3日間が過ぎました。
鬱気味の僕には、想いが胸一杯にざわめいて、何か書き込もうとしても、言葉として順に出てくる状態にありません。自衛隊の派遣について、政府はまるで火事場泥棒みたいに、この機に乗じて、憲法を全く踏みにじる既成事実づくりにやっきになっています。7年前、確かカンボジアへの自衛隊PKO派遣について議決された時だったと思いますが、あの時もそうだった。
当時、こちらの新聞に月1回の小さなコラムのひとつに、僕は当時のPKO派遣についても書いていました。田舎の新聞ですから、ほとんどの人が読まれていないでしょうし、与えられているのは小さなスペースで、論旨が伝わったか(伝わるか)どうかわかりませんが、ファイルから以下にコピーします。いつもなしくずしにされる悔しさ。議論は、ずっと以前に立ち返ったところから出発したい。

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「加害者意識」         勇崎哲史

 「君死にたまふことなかれ」とうたった与謝野晶子の詩は、その心情の美しさと、戦争の被害者は戦地に赴く者だけではなく、残された者も同様であることを読む者に伝える。また、日本は唯一の戦争被曝国。その証言の数々は悲しみを深くにじませる。
 戦争を知らずに生まれた僕は、このような文献や証言などから教えられ、終戦後の苦しい生活を聞き、戦争に関わる被害者意識を無意識下に育てていった。だが二十数年前、沖縄での放浪時代のことだった。「日本人はアジアの人々をたくさん殺し、沖縄戦では、防空壕にいる同胞である沖縄の人々をも銃で殺し、戦後処理まで沖縄にしわ寄せした」。若かった僕は頭が混乱し、ただ自虐するしかなかった。僕の“悲しくも美しい被害者意識”からは何も生まれないことを知った。加害者意識こそ必要なんだと。
 「もし殺されたらどうするのか、いのちの保証はどうなるのか」が最初のPKO派遣の議論だった。「それでは、いのちを守る短銃を携帯させ、死亡時の保険金をかけましょう」ということで論争は鎮火した。「もし人を殺してしまったらどうするの」は、問われなかった。
 殺した側は時の流れと共に忘却する。だが、殺された側は決して忘れない。殺した側の末裔(まつえい)に罪がなくとも、殺された側の子孫代々は憎しみを抱きつづける。与謝野晶子の心情もさることながら、「君あやめることなかれ」と、加害者意識はつぶやく。
(1994年10月14日掲載)
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このコラムに関して、僕的にはもうひとつ憤慨したことがありました。原稿の“日本は唯一の戦争被曝国”が紙面上では“日本は唯一の被爆国”と書き換えられていました。電話で、書き換えられた真意を聞きましたが、慣例的に戦争被曝国とは書かないということでした。僕はその新聞社に以下のような趣旨の抗議の文を送りました。
1)今日、被爆は、広島・長崎だけではなく、スリーマイル島、チェリノブイリ、核実験地となったビキニ他多数の地域、原発従事者、レントゲン技師などの医療現場、空港の手荷物検査従事者など、いたるところに存在する。
2)したがって、日本が唯一の被爆国ではない。
3)「唯一の被爆国」という言葉は、無意識からの被害者意識から発せられるものであり、僕自身がこのコラムのなかで、そのように表記することは、僕の論旨を自己矛盾させることになる。
4)したがって、「戦争における被曝」が唯一なのであり、唯一と表現するときには「戦争被曝国」と表記すべきと考える。
5)新聞社間で、日本型の、いわゆる広島・長崎における被曝を表現する術語があれば、教えて欲しい。

返事は来ませんでした。

φ本  目玉おやじさんへ 2001年10月17日(水)12時35分21秒 http://homepage1.nifty.com/FAIMOTO/index.html

目玉おやじさん、おひさしぶりです。
松山のφ本です。

>大阪のV.Vルシアス店でお会いしたのも遥か昔になりますね。

その節は、わざわざお越しいただきありがとうございました。
ほんとに月日のたつのは早いですね。
母親のお腹から生まれたのが、昨日のことのようです。
それは言いすぎですね。

そんなボケはおいといて、『ファイトクラブ』を見る方法、いくつか考えていただき、ありがとうございました。
図書館というのは、まったく思いつきませんでした。自分がいきつけにしてた図書館では、CDの貸し出ししかやってなかったものですから。松山の図書館にはまだ一度も行ってないなあ。

レンタルビデオ屋で借りてから、個室ビデオ喫茶に持ち込みというのは、許されるかどうかもありますが、場所が場所だけにちょっとうしろめたいですね。うしろめたい気分でうしろめたいビデオを見るのは、まあいいかなと思うのですが、そこで『ファイトクラブ』を見るというのは、紹介してくれた寮さんに対してうしろめたいです。今度お会いするとき、どんな顔をすればいいのやら。

そんなことを考えていて思い出したんですが、たしかTUTAYAでDVDプレーヤーのレンタルもしてたはず。しかも、タイミングよく今月『ファイトクラブ』のDVDも発売されてるじゃあないですか。値段も2500円と手頃。
というわけで、プレーヤーはレンタル、ソフトは買うことにしようと思います。
お金に余裕があれば、これを機会にDVDプレーヤーも買うかもしれません。

そんなわけで、よきアドバイスをありがとうございました。
ではまた。
失礼いたしました。

門坂流  HELP!! 2001年10月16日(火)20時09分35秒

僕の友人のドイツ人ダンサー、アナ.マリア.クリスティーナさんがピンチです。
初来日は1983年。1986年、ミュージカル「モンキー.マジック」の振り付け。
1990年より朝日カルチャーセンターにて、ラテンダンス、フラメンコ、
アートセラピー(哲学、心理学、ヨガや気功を取り入れた彼女独自のメソッド)
のクラスを受け持っていましたが、昨今の不況で朝日カルチャーセンターの大幅な
リストラで教室が閉められる事になって、外国人の日本滞在の最低条件である12万円
の基本給がなくなるという状態なのです。
プロのダンサーとしてお金を稼ぐ事に不安は無いようですが、給料として最低12万円
稼げる事をそ証明する事が日本滞在の条件のようです。
オーナーがいないと滞在出来ないというのは初めて知りました。
彼女は31カ国公演に行って、日本が一番好きだと言っています。
僕の画集「百年の預言」を見て、ぽろぽろと涙を流し、わざわざ会いに来てくれたのが
きっかけで友人になりましたが、精神的には(残念ながらまだ彼女のダンスを見ていないのです。)
僕より純粋にすべてを芸術に捧げていると感じられます。
どなたか何とか彼女が日本で基本給を得られる方法なりアドバイスなりを教えてくれないでしょうか?
彼女は子供の頃から、毎日寝る前に自分の心のために水彩画を描き続けていて、日本の出版社「とびら社」
から画集が出ていて、今年の12月に日本橋の「木の葉画廊」での個展が決まりました。又案内しますので見てあげて下さればと、、、、。

彼女の経歴
ドイツ生まれ、バイエルン国立劇場をバレエダンサーとして卒業後、奨学
金を得てNYのジュリアード音学院、マーサグラハム、コンテンポラリー.ダンス
センターを卒業。カーネギーホールや世界各地のダンスフェスティバルや国連主催の
公演に出演。青山学院大学などでも定期的に講演。
彼女は日本語を含めて8か国語が出来ます。


目玉おやじ  φ本さまへ 2001年10月16日(火)17時38分31秒

大阪のV.Vルシアス店でお会いしたのも遥か昔になりますね。

> いかんせん、うちにはビデオがない(^_^;)。

大きな図書館に行くと、ビデオの貸出し・閲覧できるところがあるようです。
家にデッキが無いと借りても駄目ですが、その場で閲覧という方法があります。

また、レンタルビデオ屋で借りてから、個室ビデオ喫茶に持ち込み(許されるか不明)して、
そこで見るとか…

大長老  おんれい 2001年10月16日(火)04時40分48秒 http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Desert/8863/rojin/rojin_index.html
「新世紀へようこそ」がasahi.comに転載 へのコメント

「田中宇」さんのメルマガと「クロニクル」ご紹介いただきありがとう。松永さん。
フランス、ドイツの情報がなかったので助かってます。
フランスは反米的なスタンスあるし、イギリス同様にずるい大人の国だし、ドイツは敗戦国だし、
イスラムの研究ではなんてったって巴里だし。ずーっと気になってたんですよ。
どろんこさんも、フランスの政府とマスコミの情報提供でひと肌ぬいでくれないかねえ。

松永洋介  「新世紀へようこそ」がasahi.comに転載 2001年10月16日(火)04時08分49秒 http://www.ceres.dti.ne.jp/~ysk/
池澤夏樹メールマガジン「新世紀へようこそ」021 へのコメント

さっき朝日新聞のサイトを見たら「おすすめ最新情報」のコーナーに「池澤夏樹コラム」とあって、見ると「新世紀へようこそ」が、「第一回目のはじめに」からすべて転載されていました。
これで誰でも原文に簡単にアクセスできるようになって、内容にも言及しやすくなることでしょう。よかったよかった。(いつまで掲載されているかは不安の残るところですが。)

新聞社のサイトに「半ば私信のような」メール・コラムが「転載」されたのを見て、ぼくは、新聞協会の非現実的な見解を思い出しました。
 利用者の側が、情報をどのような形で利用しようとしているか、動機も、利用形態もまちまちなため、新聞・通信社としても、個々の事情をうかがわないと利用を承諾していいものかどうか、一般論としてだけでは結論をお伝えすることはむずかしい側面もあります。リンクや引用の場合も含め、インターネットやLANの上での利用を希望されるときは、まず、発信元の新聞・通信社に連絡、ご相談をしていただくよう、お願いします。
1997.11 ネットワーク上の著作権に関する協会見解 ネットワーク上の著作権について――新聞・通信社が発信する情報をご利用の皆様に
リンクや引用のたびにいちいち連絡だの相談だのされたら、それは事実上、嫌がらせというか、新聞社の業務をパンクさせる目的でやってるとしか考えられんでしょう。さすがに朝日新聞社の見解はもうちょっと現実的ですが。
asahi.comでの「新世紀へようこそ」は、原文のままの転載なので、当然「もしも幸いにして共感してくださったら、お知り合いの方に転送を」という文言がそのまま書いてあります。そして、同じページには「asahi.comに掲載の記事・写真の無断転載を禁じます」という朝日新聞社の文言もあります。へん。どう理解したものか。

転載にあたって、新聞社からお金は出ているのかな。通信社の記事みたいに、よその新聞社のサイトにも同じ内容のまま転載される可能性はあるのかな。

もし池澤夏樹氏が、本人の管理下のサイトでこのコラムを連載していたら、どうなっていたか。多くの人の訪れる新聞社のサイトで、まるごと転載されたり、URLが紹介されるようなことは、なかったかもしれない。しかしそれでも今より広まっていたような気がします。
メール・マガジンもいいけど、自前のウェブサイトに載せるという前提があって、そこへのアクセスの補完として使ったほうが、情報の流通としては健全だと思います。(田中宇の国際ニュース解説がその典型。)

ところでこのコラムは、紙の新聞にも転載されているのでしょうか?

寮美千子  池澤夏樹メールマガジン「新世紀へようこそ」021 2001年10月15日(月)03時46分32秒 http://ryomichico.net

作家の池澤夏樹氏が9月24日より、今回のテロ事件を考えるメールマガジンを発行している。Cafe Lunatiqueの読者にも、このメールマガジンをとっていらっしゃる方は多いと思う。

このメールマガジン「新世紀へようこそ」にはいつも「転送自由」と書かれている。ネットにおける「転送自由」という方法の是非について、わたしは思うところがあるけれど、それはまたいずれ書くことにしよう。「転載は自由なのか?」と発行元に問い合わせたところ、下記のことを明記する条件で、転載の許可を得た。(以下インパラからのメール引用)

>以下の点を明記していただくという条件で、転載OKです。
>・メール・マガジンであること
>・問い合わせ先メール・アドレス:impala@ryukyu.ne.jp
>・著者名:池澤夏樹
>・発行者名:有限会社インパラ

というわけで、転載である。池澤夏樹氏は、その第一回で、メールマガジンを始めた理由をこのように語っている。

 第一回目のはじめに
 この時期に、この世界の動きについて、言いたいこと
がぽつりぽつりと出てきます。
 われわれは2001年の9月11日から真の21世紀
に入りました。
 結局のところ人間はこういう形でしか新世紀に入るこ
とができなかった。
 今までは、作家という特権的な身分のおかげで、書い
たものを発表する場には事欠かないと思っていましたが、
それでは間に合わなくなってきました。二週間先に刊行
される月刊誌では事態の方が変わってしまう。
 そこで、しばらくの間、半ば私信のようなこの形式で、
考えたことをお送りします。
 当面は一日一通を目指しますが、ご存じのとおり決し
て勤勉な性格とは言えないので、抜ける日もあるかもし
れません。次第に間遠くなることも考えられます。
 内容にしても一般メディア以外の情報源があるわけで
はなく、少々の思考力と同じく少々の知識がたよりとい
うだけです。
 一回ごとにテーマを限って、文体もメール風に、短く
簡潔に書きましょう。
 以下に載せる一回目はいささか総論的ですが、後はな
るべく各論として具体的に進めたいと考えています。
 もしも幸いにして共感してくださったら、お知り合い
の方に転送を。



湾岸戦争の時には連名で反戦運動をした作家たちの多くが、積極的な発言をしていないいま、切実な思いからメールマガジンをはじめた池澤夏樹氏の態度に、わたしは深い共感を覚える者の一人だ。ひとりでも多くの人に、読んでほしいと思っている。

さて、きょう配信された「新世紀へようこそ021」には、小泉首相の言葉に対する反論が、実に丁寧に述べられていた。このメールマガジンとしては、異例の長さだ。それはまるで、もっともらしい言葉をひっさげて乱入してくるネットの「荒らし」に対して、どこがどうおかしいのか、論理的な間違いがあるのか、ひとつひとつ丁寧に立証していくような話しぶりだった。わたしはその丁寧さに感動し、またどうして池澤氏がこのように語らなければならないかについて、語りたいことがある。それは、以前から書こうとしていたことと重なるのだが、残念ながら、きょうはそれについて書いている時間がない。

よって、きょうのところは、まずみなさんに、池澤夏樹氏の文章を読んでいただきたいと思う。

 新世紀へようこそ021 小泉氏の話法

 今の総理大臣である小泉純一郎氏は二つの話法を持っ
ています。
 一つは、メモをぼそぼそと読み上げるだけの消極的な
もの。
 もう一つは、きっと前をにらんでガンガンまくしたて
る積極話法。
 まるで正反対に見えますが、原理は同じです。覚えた
内容についてはまくしたてる。覚えきれなかった場合は
読み上げる。
 どちらの場合も、対話になっていない点が問題です。
国会の答弁を見ていても、質問の内容に対して決して直
接には答えない。いつも話を逸らす。頭の中に用意して
ある数個の論旨の一つを選んで投げ返すだけ。打席に立
っているはずなのにバットではなくボールを持っている。
ピッチャーを前にしながら自分もピッチャーになってし
まう。野球にならない。

 しかしながら、小泉氏が頭の中に用意してある数個の
論旨はとてもうまくできています。単純明快で、威勢が
いい。対話と説得の言葉ではなく、煽動の言葉です。A
である。従ってBであり、Cである。何が悪いか!
 悪いのは、論理を運ぶステップごとに、本来いくつも
あったはずの選択肢をすべて無視して、自分に都合のい
いものだけで一直線に組み立てていることです。

 具体的に見てみましょう。小泉氏は言います──
 1 テロは悪い。
 2 テロは根絶しなければならない。
 3 徹底的に戦わなければならない。
 4 そのために英米はじめ国際社会が団結している。
 5 日本だけが何もしないではいられない。

 入口はわかりやすい。
 「1 テロは悪い」──WTCのあの場面と亡くなっ
た人々のことを考えれば、あれが霞ヶ関ビルか、横浜の
ランドマーク・タワーか、大阪ならば梅田スカイビルだ
ったらと考えれば、誰しも納得します。
 しかし、一歩引いて考えれば、テロの善し悪しは立場
によります。第二次大戦でナチス・ドイツに占領された
フランスはレジスタンスで戦いました。ドイツの側から
見れば、フランス人がしたことはテロでした。

 「2 テロは根絶しなければならない」──テロは天
然痘のように根絶できるでしょうか? テロは社会の底
の方から湧いて出ます。収賄や、組織ぐるみの選挙違反
や、援助交際とおなじくらい根絶しにくいものです。

 「3 徹底的に戦わなければならない」──勇ましい
けれども、戦うにも相手の姿が見えないのがテロです。
正々堂々とは戦わないのがテロなのです。軍事戦略が通
用しない相手。狂牛病対策に自衛隊を出して牛を撃ちま
すか?

 「4 そのために英米はじめ国際社会が団結している」
──国際社会というのは、お金持ちクラブです。そこに
貧国の視点はない。だからこそテロが起こるのです(こ
の話は今月11日に「一か月」というタイトルで書きま
した)。

 「5 日本だけが何もしないではいられない」──こ
こが小泉氏の論法のもっとも大きな飛躍です。自衛隊を
出す以外の方法は最初から視野に入っていない。おまえ
も来るかとボスに言われていそいそと駆け寄る、国とし
ての主体性のない、尻馬に乗るだけの情けない応対では
ないでしょうか。

 その自衛隊を出すことについての小泉氏の論。
 6 戦闘地域には行きません。
 7 武力行使もしません。
 8 人道的支援をするだけ。
 9 それがなぜいけないのですか!

 人の生命がかかっている言葉です。意味は明確でなけ
ればいけない。
 6について言えば、戦闘地域はそんなにはっきり定義
できません。巡航ミサイルが発射されるインド洋は戦闘
地域ではない? 大砲を撃つところは戦闘地域の外で、
その弾が当たって人が死ぬところが戦闘地域? そんな
自分勝手な線引きはないでしょう。
 いかなる線も引けないのがテロです。今回ニューヨー
クは戦闘地域の中だったのですか、外だったのですか?
 小泉氏が本当に言いたいのは、敵の弾が飛んで来ると
ころに自衛隊は行かないということです。では何をしに
行くのか。海外に行ったという実績を作りたいだけ。テ
ロ撲滅について実際には何の効果もない。むしろテロの
標的として日本は名乗りをあげることになるのではない
でしょうか。パキスタンの反米デモの参加者が掲げたプ
ラカードにKOIZUMIとあったのは何を意味するのでしょ
う。

 「7 武力行使もしません」──では自衛隊員諸君を
丸腰で送り出しますか? ブッシュ氏はこれは戦争だと
言っています。そこに丸腰というのは常識に反します。
隊員がかわいそうです。
 どこまでが武器使用か? 小銃はよくて、機関銃もよ
くて、大砲はだめ? 小泉氏が言っているのは憲法と現
実の間をつなぐための、ゴムのように伸び縮みする言葉
でしかありません。今やもう憲法そのものが伸びきった
ゴム輪で、切れる寸前なのですが。

 「8 人道的支援をするだけ」──このあたりが最も
大きな欺瞞です。人道的という口当たりのいい言葉に気
をつけましょう。米軍のために「後方」で食料などを運
ぶのは人道的でしょうか。
 本気で人道的支援をするというのなら、アフガニスタ
ンの人々が今もっとも必要としている小麦粉や井戸掘り
の道具をたくさん用意してアフガニスタンに入り、相手
の顔を見ながら手渡しで配ってください。なにしろ戦闘
地域ですから相当な危険を伴うと思いますが、人道的に
ふるまうにはそれくらいの覚悟がいる。
 毛布とテントを隣国の空港に届けたくらいで人道的な
どと思い上がってはいけない。人道というのはまずもっ
て相手の立場に立つことです。日本国内の問題を(具体
的に言えば憲法と日米安保のねじれを)解消するために、
アフガニスタンの餓死寸前の人々の存在を利用すること
を人道的とは言えないでしょう。

 「9 それがなぜいけないのですか!」──これは問
いのように見えますが問いではありません。小泉話法に
よる断定の典型です。問いかけるように見えて、実際に
は反論を遮断している。
 
 ファシズムは暴論を用いません。その時々、だれにも
わかりやすい、国民みんなの心に響く、情緒的な、一見
反論しにくい、聞く者を興奮に誘う話法を使います。
 ファシズムとは、一国ぜんぶを巻き込むカルト宗教で
す。実態は羽毛布団のだまし売りと同じです。
 後になってファシズムを糾弾するのは簡単です。しか
し、振り返ってみれば、その時には国民はこぞって支持
したのです。1930年代のドイツでは、国民の多くが
ヒトラー氏の政策を歓迎したのです。わかりやすい敵を
指さし、戦いを煽る。みながその気になって棒を持って
走り出す。そういう方へ誘導する話法があるのです。
 ナチス・ドイツが崩壊してから今までの数十年間で広
告戦略は格段に進歩しました。買いたくないものを消費
者に買わせる誘導的な話法が徹底的に改良されて、今、
ブッシュ氏や小泉氏によって使われています。彼らの背
後に広告代理店の有能なディレクターの姿がちらほら見
えるような巧妙な展開です。
 一歩の距離をおいて、冷めた頭で彼らの言うことを聞
きましょう。買いたくないものを買わされないよう気を
つけましょう。

        (池澤夏樹 2001−10−14)


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http://www.impala.co.jp/oomm/index_i.html

φ本  おれは『ファイトクラブ』を見たか? 2001年10月13日(土)23時27分41秒 http://homepage1.nifty.com/FAIMOTO/index.html

見てません。というわけで、寮さん、まいど(^_^)/ 

映画『ファイトクラブ』についての文章、すごく興味ぶかく読ませていただきました。なんか、ずりずりひきずりこまれなが読みました。

で、いますぐ『ファイトクラブ』が観たい気分なんですが、
いかんせん、うちにはビデオがない(^_^;)。
衛星放送のチューナーもないし。
食器洗い機はあるけど、これじゃあちょっと無理。

どうしようかと思ったんですが、まずは原作本を取り寄せて読もうかと。
こういうとき、本屋やっててよかったと思います。

ではまた。

寮美千子  タイラー・ダーデンはビンラーディンか?/映画『ファイト・クラブ』 2001年10月13日(土)04時41分19秒 http://ryomichico.net

さて、下記で紹介した映画『ファイト・クラブ』。アメリカでの公開は1999年10月だった。日本では、人気俳優ブラッド・ピット主演の「お正月映画」として同年の12月に公開されている。ブラピ主演のお正月映画?? 見に行くわけがない。だから『ファイト・クラブ』が、まさかそんな映画だとは、わたしはつい先日まで、知らなかった。見たのは、今年になってから、WOWOWでだ。見て、腰を抜かした。この作品のどこが「人気俳優」の「お正月映画」なのか? お正月に見る軽く楽しく明るい娯楽作品などでは、さらさらない。そのつもりで見た人は、一体これをどう受け取ったのか? 気の毒に思うほど、映画の内容は濃く、考えさせられるものだった。そして、この作品はわたしのなかで一気に『ブレードランナー』と双璧をなす傑作として位置づけられたのだ。

その時のショックもさることながら、いま、見直してみて、再び強いショックを得てしまった。ラストシーンの高層ビルの大崩落。詩的なまでの美しいそのシーンは、まるで「あの映像」そっくりではないか。映像ばかりではない、彼らがなぜ、テロ行為に及んだか、その本質的な意味合いもまた、今回のテロと重なる(とわたしは感じる。その理由については、すでに縷々と書いてきたので、省略する)。

「物質至上主義への反乱」「経済を崩壊させ、心の優位性を取り戻す」

その反乱が、映画の中ではアメリカの白人社会から起こっているのだ。そう、この映画の特徴の一つは、名前のある主人公がすべて「白人」だということだ。白人の中から起こった反乱。という形をとることで、これが「人種問題」でも「宗教問題」でもないことを示唆している。と同時に、ハリウッドのエンターティメント映画として社会の承認を得ているのだ。なんという巧妙な手段だろう。

ハリウッドの人気俳優を使って撮られた娯楽映画、という意匠。しかし、内実は違う。あまたある娯楽映画のように、物語を盛りあげるために「物質至上主義への反乱」という口実を、道具として使っているわけではない。見終わったときに手渡されるもの、それは簡単に解決のつかないもの、ただ娯楽として「面白かった」ではすまないはずのものだ。

そのすまないはずのものを、すませてしまう観客が大半であることを、監督はわかっていたのかもしれない。ラスト・シーンで画面が微妙にぶれた。コマ送りしてみると、そこには裸の男の腰を正面から撮った映像が、差し挟まれていた。明らかに「ファック・ユー」というメッセージ。そう、これはきっと娯楽映画のふりをした、限りなく危険な映画なのだ。

しかし、そんな映画が撮れてしまったということ。しかも、ハリウッドで。しかも、人気俳優主演で。それは、一体何を意味しているのだろう?

いまから半世紀前、アメリカは無邪気に物質文明を謳歌していた。巨大冷蔵庫、緑の芝生、芝刈り機、聡明なパパと美人のママに、いたずらな子どもたち。その舞台は田園から都市へと移る。ドラマ「パパは何でも知っている」の、都市のコンドミニアムの豊かな暮らしのまぶしかったこと!

あんな脳天気なことを、いまもみんなが考えているわけではない。豊かになるはずだったのに、心が荒んでいく。何かに渇き、何かが足りない。お金では、解決のつかないものがあることを、人々は共通理解として共有するようになった。だからこそ『ファイト・クラブ』のような映画を撮ることが可能だったのだろう。

崩落する高層ビル。それを「美しい幻想」として見たい欲求があったからこそ、あのような映像が現実より2年早く、予言のように存在したのではないか。それが、流血なしに遂行されるファンタジーを、人々は夢見ていた。あるはずがないと思いながらも、待ちこがれていた。

大切なのは、その幻想の中では、人が死なないということだ。人が簡単に、いくらでも死ぬハリウッドの娯楽映画で『ファイト・クラブ』のなかの死者は、テロ側のクラブ員ひとりだけだ。しかも、その男の死は、無数の死のひとつとしてではなく「名前のある死」として、人々に記憶され、語り継がれることになる。これだけ暴力で満ち満ちた映画の中の死者がひとりだけなんて、これは尋常ではない。監督か、作家か、それは知らないが、実に注意深く無意味な死を避けている。

流血なしにファンタジーが遂行されれば、という夢は虚しく、実際には六千もの尊い命が失われた。そればかりか、いまもアフガニスタンの空の下、命が奪われつつある。爆撃で、そして難民という過酷な暮らしのせいで。アフガニスタンを爆撃するアメリカを、西欧諸国は支持し、さらには国連までもが支持している。その国連事務総長が、ノーベル平和賞を受賞するというこの馬鹿げた世界。こんな世界に、わたしは生きている。世界は『ファイト・クラブ』よりもずっとグロテスクで、狂気じみているではないか。死に瀕した人々の互助会に出席することに中毒になり、殴り合うことにリアルを感じている主人公の心の方が、ずっと健康に見えはしないか。

「ぼくは何もしていない。何も知らされていない」
そう思っていた主人公のジャックが、テロの首謀者タイラーから突きつけられた言葉。
「おまえが、おれを創りだしたんだ」
ジャックは、最終的にその意味に気づいた。その意味に気づく人が、いま、アメリカに、日本に、どれだけいるだろう。ほんとうは、わかっているはずだ。ほんとうに望んでいるのは、こんな人生ではなかったはずだ。こんな社会ではなかったはずだ。そのことに、より多くの人が目覚めるのは、いつのことだろう。

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管理者:Ryo Michico <mail@ryomichico.net>
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