▲2006年05月の時の破片へ


■ 6 Nov 2005 唐招提寺金堂大修理 一般公開


唐招提寺の金堂大修理の一般公開があったので、行く。普段はガラス越しにしか見学できない修理を、中に入って工事の足場から見学できる。ちょうど、柱と壁が組みあがって、これから屋根の構造材をのせるというところ。それを、上から見ることができた。屋根を乗せるための組物の複雑さ、美しさ。千二百年前に、すでにこれだけの設計と施工をする技術があったのだということに、改めて驚かされる。「免震構造」や「コンクリート」などなくても、千二百年も立ち続けてきたのだ。「木」という素材の強靱さも驚くばかりだ。

金堂大修理の技術者がこんなことをいっていた。
「いまは、設計をする我々技術者と、実際に施工する宮大工がいます。昔の宮大工は、設計も施工もした。その意味での宮大工は、いまはもう日本にいません」

手を動かす人が施工をすれば、そこに大きなフィードバックがある。机の上の設計では、それが失われがちになるだろう。いま建設中の平城宮の大極殿の基壇には、免震構造が施されている。これは、一体、何年持つのか。唐招提寺の金堂も、法隆寺の塔も、そのようなものなしに、千年以上立ち続けているというのに。


▼2005年08月の時の破片へ


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