「物語の作法」雑談板 (0004)


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中里友香 山口文女1A/読みました。 2002年06月06日(木)03時08分41秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

 はじめて山口さんの文章を雑談板やら作品で拝見した瞬間、
「おお、俳句との世界観が一致しておる・・」とすごく感心、納得したものです。
(ここでいう‘俳句‘とは、昨年度の福田せんせいの授業での作品。私もいたんですよ、、あの空間に。山口さんは、確か連句の採用率が高くて、恋の句を得意とされていたんじゃなかったろうか・・)
 今回の「お空のパジャマ」も、作品の送り手の存在がふっくらとみずみずしく香っていて、世界観が確立されているということのすごみを感じました。
 山口さんの作品世界のトーンというのは「かわいらしく、ほほえましい」ものだと思います。そして、そういったものを持つ作品には、ある種の‘力技‘が必要なのではないかと、私は推測します。(作品自体にというより、作品を発表しつづけるにあたって、といったほうが的確かもしれん)ありていにいうと、「なめられないくらい完成された世界観でGO!」ということです。作者自体が作品になるというスタイルで売る!、ということです。山口さんは絵も描くようだから、それも使って。『山口文女のライフ・スタイル』って、雑誌の見出しに載っちゃうような。・・・手始めに、コラム・エッセイなんてどうですか?
  
 

多田草太朗 麻生摂子1A/感想 2002年06月06日(木)01時48分52秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

この作品を読んで「詰め込みすぎている」と僕は思いました。
これはもっと長くするべき作品ではないでしょうか? これだけでは「あらすじ」・「概要」を読んでいる気分です。展開が速すぎるような気がします。長く書けば良いってものではないですが、この作品は長くするべきだと思います。
また、この作品について「クサイ」とは思いませんでした。この文の持つメッセージ性はそれで良いんですから、いきなり(もしかしたら「暫く考えました」とあるんだから、いきなりではないかもしれないですけど)この「少年」が「あぁ…そっか、分かったよ。しなければならない事って…『努力』だね」と気づいてしまったのでは・・・やはり展開が速すぎると思います。

多田草太朗 山口文女1A/感想 2002年06月06日(木)01時34分02秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

とても爽やかな印象を受けました。
気になったところは、初めから七行目までとそれ以後の違いです。最初の七行目までは本当に子供のような天真爛漫な語りなのですが、それ以後は少し物静かでセンチメンタルな印象を受けました。恐らく七行目以降の違和感、というか七行目までの違和感、それは七行目以降は「夜」を描いていることと、言葉使いの変化だと思います。七行目以降には子供が感じる「夜」の淋しさがよく書けていて、「僕」の口調が少し大人びた、一人称と神の視点の中間のような口調になっている。僕はその七行目以降のほうが断然好きです。この違和感は文章を長くする事である程度解決すると思います。最初の七行目が終わると、「突然」に印象が変わってしまうからでしょう。この「突然」が違和感を感じさせるのであって、もっとなだらかに書けば解決されると僕は思います。

その他に気になるところは、「ひとりのお布団は冷たすぎやしないか?夜のおしっこを我慢しておもらししないか?お化けがでたらどうすればいいのか?」のところ。なんだか順調に読んでいたのに、ここで言葉のリズムが少し狂った気がしました。少し他のパターンも考えるといいかもしれません。あとは、『「怖くない、怖くない。もう、お兄ちゃんだもん!」と力いっぱい目をつっむた』ところ。これはただの僕の意見なのですが、「怖くない、怖くない。もう、お兄ちゃんだもん!」は書かなくて、布団の端とか「空のパジャマ」の裾をギュッと握って我慢・堪えている描写だけのほうが良い気がします。関係無いですけど、僕は子供の頃、一人で寝るときは「幽霊」が布団の周囲に存在しているような気がして「恐くないよ」とか「僕は味方だよ」とか「淋しいの?」とか独り言を言っていたのをこれを読んで思い出しました。本当は自分がただ恐がっているだけなのにね。

目覚めの良い朝の青空、のような作品だと思いました。

久我真紗子 山口文女1A/感想 2002年06月06日(木)01時24分43秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

山口さんの文章には子供心がたくさん詰まっていますね。それが山口さんのスタイルになっているみたいです。作品だけじゃなく雑談板の文章を読んでも「これ山口さんだな」って思って名前を見るとやっぱり山口さんなんです。自分の文章に個性があるなんてすばらしいなといつも思っていました。私も自分だけの文章を書きたくていつもヤクモキしています。

引越しのエピソードも初めて一人で寝た時の事もすごくリアリティーがあるなと思いました。また子供の視点から見た青空、夜の薄明かり、風の音などがとても忠実に表現されていて大人の何倍も鋭い感受性が作品全体から出ていました。しかし困った問題がひとつ。このお話がどうかについては何も言えないのです。共感するほど私は子供心に溢れてないし、批評するほど批評材料がない。このお話は子供の絵本のような印象を受けますが、童話には2つタイプがあると思います。1つは子供が喜ぶような子供のための童話。もう1つは作者の意図を含んだメッセージ性のある童話。「お空のパジャマ」はどちらかというと前者のような気がします。子供を意識した童話ではどうしても私には限界が出てきてしまうのです。もし山口さんがこれからも童話を書いていくおつもりなら是非メッセージを感じさせる童話を書いてみて下さい。山口さんのそんな作品も見てみたいです。

水落麻理 1A山口文女/ 2002年06月06日(木)01時01分06秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

男の子のほんの小さな成長をかわいらしくまとめてあり、情景が目に浮かびました。場面の切り替え、文章の運び方などのリズムが早すぎず遅すぎず読みやすいリズムだったので気持ちよく読ませてもらいました。

水落麻理 1A麻生摂子/幸せ 2002年06月06日(木)00時44分46秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

ストレートに伝わってきました。

現代では、どんなに努力をしても幸せになれない人もいます。むしろ、そういった人達は多いのでしょう。努力をして本当の幸せをつかむ人はほんの少しかもしれません。子供の頃に思っていた幸せというものへの考え方は、自己満足だったり妥協だったり、あらゆるものを知り、変わっていきました。それでも、努力すれば幸せになれるというメッセージを受け取ると少しホッとします。世の中やっぱりそういう部分は残っていなければならないし、残っていると信じなければならないという思いにさせられました。

奥山 伸太郎 感想 2002年06月06日(木)00時31分41秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

 全体的に幻想的な雰囲気を感じました。そのせいか、登場する少年は、すぐにヨーロッパの少年を思い浮かべました。フランス映画のような雰囲気に合っているなあと思います。
 ただ、少年が、「箱」を開ける為にしなければならないことをあっさりと答えられてしまったのが、展開的にも少々あっさりしすぎだと思います。

奥山 伸太郎 感想 2002年06月06日(木)00時04分15秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

 文章がとても丁寧に作られていて、すごくよく吟味したんだな、というのがわかりました。句読点の使い方がとても印象的でした。
 また、擬人化がとても上手だと思いました。パジャマに限らず、タンスやベッドも擬人化させているのは、意識したんですか?この作品の中では人と物の区別がなくて、あらゆる物が生きているんだなあと思いました。

久我真紗子 麻生摂子1A/感想 2002年06月05日(水)23時22分43秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

『「幸せ」なんて抽象名詞じゃさっぱり分からん、そんなものに興味はないね』が持論の私は「幸せ」について考えません。それでも「幸せ」を感じない訳ではありません。友達とガハハとバカ騒ぎをしたり、お疲れさんのビールを飲んだり、海で泳いだ後に夕風にふかれたり、あれを「幸せ」と言うのかもしれません。とにかく私は「幸せ」の基準を持っていないし、その基準は人それぞれ違うので満場一致で好かれる作品ではないと思いますが、麻生さんが『「努力」して手に入らなかったものを手に入れる=「幸せ」』の価値観を作品にするのは有意義な事だと思います。むしろみんな違うから面白い。

でもそのメッセージがストレートすぎる感はありました。「幸せ」の基準が人それぞれなら「努力」といきなり文字にしてしまうと、そうじゃないと思っている人(私もですが)は拒否反応を起こしてしまいます。それじゃもったいないんじゃないかと。「努力」が「幸せ」を掴むという過程をもうすこし加えれば、考える「幸せ」ではなく感じる「幸せ」としてがぜん説得力が増すのではないかと思うのです。例えば私なら、

少年は箱を開けるために旅をして名立たる鍵師に弟子入りします。
そこには意地悪な兄弟子やら美しい娘やらがいて色々あります。
しかし少年は箱を開けたい一心でがんばって修行してついに世界中の箱を
開けられる腕になりました。
幸せの箱を開ける時がやって来たのです。
そっと箱を開くと中は、、、からっぽ。
ガクリと膝をつく少年。騙された!
空虚な涙がいつまでも頬をぬらします。
ひとしきり泣き終わると少年は兄弟子や美しい娘を想います。
そして自分の修行の日々を想うのです。
静かにそして穏やかに少年の心は満たされました。

とかね。でも、箱と少年の会話形式にはなりませんね。二人の会話を重視するなら説教臭くならない様にもう一人道化役を登場させるのは。木にとまったカラスかなんかが、めたくそに少年を茶化して、箱と少年の「努力」という価値観に横槍をいれるのです。そうすれば押し付けがましさは無くなり、違う価値観と価値観のぶつかり合いで少年の言葉は強さを増すと思います。また反発されると跳ね返したくなるのは人の性でカラス(じゃなくてもいいけど)の意見が現実的で説得力があればあるほど少年を応援したくなる読者の心理も利用してみたり。そのくらいのハズシがないとどうしてもクサくなってしまいますね。


宮田和美 麻生摂子1A/感想 2002年06月05日(水)12時39分04秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

正直、ちょっと説教くさいなあ、と、思ってしまいました。
去年、授業で寮先生が
「説教はけっしてわるいものじゃない。ただ、説教をいかに説教くさくなくすかがむつかしい」
みたいなことを言ってました。とても印象的でした。

でも、麻生さんのことばは、とても伝わりやすくて、
そこがとてもいいと思います。

あ、それと、気になるところが、かぎかっこです。
「箱」を「開ける」
といった風にかぎかっこをつけるのは、
わたしはあんまりすきじゃないんです。
作者のメッセージは、さらりと隠しておいたほうが
かっこいいかなと思うんです
どうでしょう。

宮田和美 山口文女1A/感想 2002年06月05日(水)12時22分31秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

瑞々しい作品だなあと思いました。
たいせつなものは時間とともに否応なくきえてくけど、
それに固執せずに、とってかわる新しいものへ向かってくかんじが
いいなあっておもいました。
わたしはつい「むかしはよかった」って言っちゃうから。
じいさんみたい、わたし。

わたしも魔女の宅急便すきです。
おとついもビデオ見てました。

奥野美和 山口文女1A /感想 2002年06月05日(水)08時26分10秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

発想がとても素敵なので、もうすこし言葉のはしはしに気を使って書いたら、
もっと良くなると思います。個人的にですが、気になったところは
「お化けがでたらどうすればいいのか?」(2段落目)
「トラックの中でずっと眠ってしまっていて」(3段落目)
「ガランとした淋しい感じは無く」(3段落目)
「長い長い夜が終わるのをじっと待った」(3段落目)
の四箇所。リズムと口調?
何が気になるのかは、すみません。
まだはっきり解明できていません。
でも、そこが魅力なのかもしれません。


山口さんは、とても可愛らしい絵を描くので
絵本や、紙芝居という形態もいいなあ、と思います。
可能性の溢れる、発想豊かな作品だと思いました。

齋藤 亮 山口文女1A/感想 2002年06月05日(水)01時20分21秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

パジャマ主体のお話ということで、非常に新鮮でした。
僕はパジャマの気持ちを考えたことがなかったので、これを機に考えてみようかとも思います。

この作品では、ギュウギュウ、ソワソワ、ピカピカ、ピョコピョコ、コロコロ等、
何て言うのか忘れましたが、音を繰り返す表現が多様されています。
これは子供っぽさを演出するのにとても効果的だと思います。

個人的には、このパジャマと少年の別れのシーンも書いてほしかったです。
今からでも是非。

杉井武作 感想 2002年06月04日(火)19時25分48秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

一読して思ったのは、越智さんと同じく、「努力すれば必ず幸せになれるとは限らないし、努力しないでも幸せな人もいるよ〜」ということでした。

「幸せの価値観」の話になるともう本当に一人一人が違っていますから、先が見えない話になってしまいます。
僕は常に、まだ見えない理想を得るための努力をしていない自分に我慢ができない人間なので、
現状に甘んじている人に心のどこかで嫉妬と怒りを覚えていました。
でも、最近は考え方を変えて、幸せに相対的な尺度なんてないのかなとも思っています。
どんな価値観の人も、懸命に生をまっとうしようとしているという点では平等だから、あまり他人の幸せについて悶々としてても仕方ないな…というのは悟りすぎかな?

ただ、そこまで深く考えずとも、例えば努力をして欲しいものを手にいれたときに人は幸福感を抱き、それは本当に物凄い血涙と汗を絶え間無く流さないとなかなか実感することができない・・・そういう「教訓」を子供でも清々しく感じ取ることができる、いい作品だと思います。

東條慎生 麻生摂子1A/感想 2002年06月04日(火)19時01分40秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

くさいと言った友人に一票。
くさい原因とは寓意そのものにもありますが、古内さんが指摘するような、
作中で寓意になるはずのことをそのまま言ってしまうということにもあると思います。
というか、教訓をそのまま言ってしまっている。
伝えたいであろうことが生のまま露わになってしまっている。
これはちょっとどうかな、と思います。
それ以前に私としては、努力する=GET幸せという図式、それに「努力」しろという
押しつけがましさが漂っている点などは、趣味に合わないのですが。

東條慎生 山口文女1A/感想 2002年06月04日(火)18時59分48秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

爽やかな作品だと思います。空、夜、光、宇宙と、スケールの大きい要素が
ちりばめられているのをとても印象的に感じました。
あと、連用形とか、変な位置で句点が入るのは面白い。
しかし、だいたいが読点を句点に変えただけなように読めるので、
もう少し工夫をする余地があるのではないでしょうか?
それとは違いますが、「ママの反対を必殺!!」ってのは愉快なフレーズですね。
体言止めが効果的に使われていて、とても子供らしいと思います。

最後の段に、少年の失敗に関するリアクションを入れたらどうかと考えますがどうでしょう?
寝小便をしてしまったという事件があるにもかかわらず、布団の冷たさだけが伝わるというのは、
少年との距離が開いてしまっているように感じられるからです。

山口 文女 麻生 摂子1A/箱の中身 2002年06月04日(火)11時21分27秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

箱の中には「幸せ」が詰まっている。というのは、とても素敵な事だと思います。
わたしは、「箱のイメージ」で最初は「お弁当箱」が浮かびました。遠足やピクニックのとき
「お弁当」は特別なものでした。朝、お母さんの作ってくれた中身は内緒のお弁当箱をリュッ
クサックにななめにならないように大事に入れて、お昼にふたを開ける寸前までのワクワクし
た気持ちも含め「お弁当箱」には「幸せ」が入っている気がします。「お弁当箱」は、努力な
しに簡単にあきますが、、、。
「小さな箱」では、箱を開けるためには「努力」が必要なこと、簡単には開かないこと。わた
しは、ずっと「箱」を思い浮かべると、すでに開いている箱をイメージしてたので、箱が開か
ないという発想は面白いと思いました。
開かない箱を開けるために必要なことを導きだすために少年が、もう少し悩むとより面白くな
るのではないでしょうか?箱を開けるために必要なことが「努力」の一言で終わらせてしまう
のは、アッサリしすぎてるかなと思いました。じゃあ、他に何が必要なのかと考えると、、、
難しいですね。頑張って考えてみます。

古内旭 山口文女1A「お空のパジャマ」への感想 2002年06月04日(火)07時24分48秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

「天井の木目が何かの形に見える」というのは非常に怖い。日常を切り裂く非日常であるという点に加え、それが自分自身の想像力の産物であるという点も非常に怖い。自分が無意識に想像したものは、限界を持たずどんどん成長します。そしてそれが決定的に怖い理由は、それを回避することがほとんど不可能だからです。

ところで、山口さんが自己紹介で取り上げた「落ち込んだりもしたけれど、わたしは元気です」という映画『魔女の宅急便』のコピーは、僕もとても好きです。文そのものの意味もさることながら、語感が非常に美しい。もしこれが、「落ち込んだりもしたけど、あたしは元気です」だったら全然価値がありません。「落ち込んだこともあったけど」とか「元気よ」とかは問題外。これは両親宛ての手紙に書かれた一節をイメージしているもの(だと思います)なので、あくまで口語的ではない。だから「けれど」であり「わたし」なのです。そこが非常に良い。また、これをCMではキキの声で喋るわけですが、その手紙朗読の話し方が非常に品性と知性を感じさせる。良いと思います。

古内旭 麻生摂子1A「小さな箱」の批評 2002年06月04日(火)06時36分06秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

ややこしいことを考えずとも、少年が箱に出会って世の中の法則の1つ「幸せになるには努力が必要」を教わる話だ、とそのまま素直にとってもいいかとは思います。実際にそれには共感できる部分があります。

しかし、この作品は象徴的表現に満ちています。
少年が見つける箱は、人によってどうやら見えたり見えなかったりします。また、「箱=幸せ」ということも書かれています(最初は「幸せになれるかも」といった程度ですが)。しかし「幸せになる為には努力が必要」ということをそのまま言ってしまいます。つまり象徴と単なる曖昧性、一義的な普遍的真理を述べようとしたものがアンバランスに同居しているのです。
「幸せ=箱」というのはメタファーとして成立していると思いますが、それを開かせるのが「努力」だという点はどうでしょう。幸せが箱ならば、それを開けるものに対しても少なからず象徴的表現が必要です。「箱」というのは実は「幸せ」のことであるが、その箱は開かない。なぜなら「鍵」がないからで、その「鍵」とは「努力」に他ならない。という象徴です。「箱」に対して「鍵」、「幸せ」に対して「努力」、というレベルの統一です。箱を開けるには鍵が必要なので、少年は鍵を探さねばなりません。その鍵はどうしたら手に入るのか。それは結局は「色んな意味での」努力なわけですが、しかし「鍵」という物にそれを込めると「幸せを得るためには努力が必要である」というやや安直で一義的な解釈が広がりを見せ、その「努力」の部分が読み手にとってより深くパーソナルなものへと変化していきます。無論、ここでいう鍵とは「鍵の役割をするもの」の意です。「努力」を置き換えたものなら、なんでもいいかと思います。

御伽話において、話そのものは決して難解になってはならないと思いますので、奇妙にひねった表現は混乱を招くだけです。しかし、世に伝わる昔話の類は極めてシンプルな物語に中に教訓めいたものが含まれていることが多く、見事だと思わされます。どれも決して教訓そのものを語ったりはしません。それは象徴的表現の中に見え隠れするのです。

もう一点、ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)は物語を書くときに妻に語らせ、それをもとに文章化していったということです。昔話や御伽話は、文で伝えられるより以前に言葉によって伝えられるものなので、その雰囲気を大切にしたということでしょう。古くはシェヘラザードの語りによる『アラビアン・ナイト』もそうですが、岩井志麻子の『ぼっけえ、きょうてえ』などはまさに寝物語としての魅力に溢れています。

越智美帆子 麻生摂子1A/感想 2002年06月04日(火)02時23分52秒
▼掲示板:1A「小さな箱」 への応答

 「幸せはなかなか見つけることができない。見つけたとしても努力しないと幸せにはなれない。」
 まるで、疑似的な幸せが溢れかえっている今の世の中を風刺するようなお話だなと思いました。
 しかし、努力すれば必ず幸せになれるのでしょうか。もちろん物語の中で、努力すれば必ず幸せになれる、なんて書かれてはいませんが、私は最初読んだときにそのようにとってしまいました。すいません。
 努力すれば必ず幸せになれる、とは限らない世の中だと私は思っています。反対に、努力しないでも幸せな人はたくさんいます。もっとも、その人が本当に幸せなのか、ある程度妥協して獲得した幸せなのかはわかりませんが。だから、「幸せになる為にしなければならないこと」=努力、というのには少し抵抗があります。もちろん努力することは大切だと思います。しかし、「幸せになる為にしなければならないこと」は努力よりも、例えば「自分を好きになること」や「自分を信じること」のような気がします。
 
 最初の主人公が箱を見つけるシーン。
 思わず映画のように、その場面が頭に浮かびました。
 
 箱から見た視点
 人々が往来する街路
 人々はモノクロで
 画面がぶれたときのようなぎこちない動きをしながら行き交っている
 その中で、箱に気付いた少年がこちらを見る
 少年にはちゃんと色があり、動きもおかしくない
 彼は不思議そうにこちらに近付いてくる

 こんな感じで。勝手な想像なので、イメージと違っていたらすいません。
 
 

越智美帆子 山口文女1A/感想 2002年06月04日(火)01時37分10秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

 お空のパジャマが男の子の気持ちを代弁しているようで、かわいいなと思いました。住み慣れた家から離れる悲しさがわざとらしくなくて、子供の心の単純な移り変わりも引っ越した後とでよく書かれていると思います。
 ただ、新しい家で初めて一人でね眠る男の子の恐怖を、もう少し子供らしい言葉で表していたらもっとよくなるんじゃないかな、と思いました。
 

寮美千子 いつだってだいじょうぶ 2002年06月03日(月)19時55分06秒
初投稿「水槽」 への応答

課題の提出、いつだって構いません。
大切なのは、書くこと、そして人に読んでもらうこと。
掲示板に載せておけば、いつか、だれかが読んでくれる。
感想も、すぐにではなくても、きっと書いてもらえる。
ネットの掲示板は、時間を超えられるのがいい。
じっくりゆっくり考えることができます。
十年後の自分が、十年前の自分に応答できるかも……。なんてね。

提出した作品に、ここ雑談板で触れるときには、
作品の下にある「雑談板で応答」のボタンをクリックして書いてください。
でないと、すぐにリンクできないからね。
書いた本人も、同じようにしてください。

さて、わたしはきょう月曜日なのに大学へ。
いま、モンゴルの民話を題材にした作品を絵本にしているのですが、
いろいろと質問したいことがあって、モンゴル人の先生バー・ボルドーさんに
お目にかかりに行きました。
作品は『青いナムジル』というタイトルで、わたしのサイトのレビューに載せています。
まだ、出版前なので、推敲の余地あり。
感想があったり、気づいたことがあったら、どしどし書いてください。

伊藤早紀 初投稿「水槽」 2002年06月03日(月)14時54分29秒

いまさら、いまさら「何だ」って感じですが
最初の課題を出していました。
いまさら、いまさら…。
うぐぐ。
遅いですか?遅いですね・・・。

伊藤早紀 お空のパジャマの感想 2002年06月03日(月)14時43分59秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

住み慣れた家から新しい家に引っ越す、家が箱・・・でいいんですよね?
私は去年、東京に引っ越してきたのですが、その際に実家に自分の荷物を
かなり置いてきました。
処分せずに置いて行く事になった時に一瞬、置いていってしまって
寂しがらないかな?大丈夫かな?なんて物を勝手に擬人化して考えてしまいました。

そして今、私が少ないながらも厳選して東京に持きたお気に入りの物たちが
もし「気持ち」を持っているなら、この物語に出てくる
「お空のパジャマ」と同じような気持ちだったらいいなぁと思いました。



伊藤早紀 感想 2002年06月03日(月)14時23分00秒
▼掲示板:1A「ポスト」 への応答

私は最近メールやチャットになれてしまって、すっかり葉書や手紙が
苦手になってしましました。この間、ひさしぶりに葉書を書いたのですが
なんだか、メールやチャット感覚でおしゃべりのようにダラダラした感じに
なってしまいどこで終わればいいのやら葉書の枠ギリギリまで書いてしまいました。
失敗、失敗・・・。

そんな、葉書や手紙・・・郵便物を届けてくれる箱『ポスト』。
赤い原色の箱、大きな体を支える細い足!
たしかに、よく見ると変な形が「かわいい」し
他にはない解りやすい単色の色使いが「おしゃれ」な気がします。
そういう表現、私は好きです。

そして私のようなメールになれて葉書や手紙を書かなくなった人たちへの
風刺的メッセージも込められていて思わず「書いてみようかな」なんて
ポストを意識してしまうような作品だと思います。

杉井武作 感想 2002年06月02日(日)18時37分59秒
▼掲示板:1A「ポスト」 への応答

郵便ポストのことを
「カワイイ」「おしゃれ」と表現しているところがおもしろいなぁと思いました。
手紙を使わないことの寂しさだけでなく、
実際、心をこめた活字を使わないことから現代の人間関係が希薄になってるような気がします。
おしゃべり感覚のメールや、インターネットでの素性も顔も知らないメルトモ…。
否定はしませんけど、少し考えちゃうものがあります。
そういった現代社会への風刺めいたことを匂わす表現もさりげなく入ってると、
もっと話に深みが出るような気がします。
関係ないですけど、今回二作品とも語り手の一人称が「僕」なんですね。
最近、現実に己のことを「ボク」って言うようなかわいらしい子供は
滅多に見なくなったような気がします。
夢のない時代になりましたねぇ。
おっさんくさくてすんません。

杉井武作 感想 2002年06月02日(日)18時04分30秒
▼掲示板:1A「お空のパジャマ」 への応答

パジャマのあたたかい人柄(?)が滲み出ていて、優しい気持ちになりました。
本当に子供と一心同体なんですね。
かわいらしい雰囲気の作品ですけど、毎夜一緒に寝てるはずのパパとママがいない一人きりのべット、初めてのそこにいるハズの人がいない現実・・・というのは、子供にしてみたら本当に底の無い恐怖。そこをしっかり描けているのがいいなぁと思いました。
ただ、むつかしい言葉で細かい表現をするより、もっともっと柔らかくて簡単な言葉で描いたほうが好みではあります。子供でも読めるしこの内容には合ってるんじゃないかなぁ。

みやた かずみ どきどきする。 2002年05月31日(金)01時51分29秒

こんにちわ。みやたです
新作、かきました。
ずっとかたちにしたくて、
でもうまくできなかったものです。
みなさんお暇でしたら、
感想きかせてくださいね。
う、わー。

みやた かずみ 日々のかけらコレクター協会 2002年05月28日(火)23時50分25秒
課題(親記事)/古内旭1Aへの感想 への応答

そういえば、安斎水丸は
「全日本スノードーム協会」の会長らしいね。
ほんとかよ。

さて、とにかく日常の描写がとにかく魅力的で、
自称日々のかけらコレクターのわたくしとしては
うなってしまいました。
うしろ手でスカートおさえるとか!
シドニーシェルダンとか!
小テスト、先生のとこもっていったわ!とか、
しかも、ただ細かなところに目をむけているだけでなく、
そこから、もっと大きなスケールの出来事にもっていく書き方がすごい。
まねしてやるー。
ただ、その「大きなスケールの出来事」が、
ちょっとしり切れとんぼな感じがしました。
助走が長くて、あんまし跳べなかったような。
そのせいか、リアリティーに欠けてしまった感がのこります。
もったいないです。大変。

ちなみにわたし、小学3年のとき、
となりの席の男の子とテレビ番組名しりとりやってて、
「り」のつく番組おもいだせなくてくうーってなってたら、
その男の子に「臨時ニュース」っていわれました。
それで、その子をすきになりました。
なんか思い出しました。

おしまい

奥野美和 たびたびすみません 2002年05月28日(火)23時49分45秒

1Aとか、2Aとか、わからず2Aにしてみました。
親記事とかも、どうしたらいいもんかと。。。
適当でごめんなさい。

短歌、むずかしいです。
でもトレイニング!
もまれて日々精進。
不安だなあ。

あと、東條くん、お返事ありがとう。
わたしは、酔うためにお酒を飲むことが多々あります。

「水と鉱物のイメージを形にするにはどうするか考えてます。」
……面白いです。

ではでは。

奥野美和 古内旭1A/感想 2002年05月28日(火)23時31分23秒
課題(親記事)/古内旭1Aへの感想 への応答

面白く読みました。

「我々」と言うのは、わたしも気になったところです。
でも、きちんと説明されてましたね。うーん。なるほど。。。
でも、やっぱり気になりますね。

ちょっと「取り残された」感じもありました。
なんでしょう。これが、古内さんの言う
「奇妙な違和感を持ってもらえれば」
の「奇妙な違和感」なのかな。

で、タイトルは「テスト」。。。

ごめんなさい、まだまだ消化しきれてません。
また、合評会の時までに、きちんと自分の中に
いれておきます。

みやた かずみ ちょほら、て感じかしら 2002年05月28日(火)23時24分12秒
課題(親記事)/斎藤多佳子2Aへの感想 への応答

はじめて読んだときの感想は、とにかく「かわいい」ってかんじでした。
けど、よみすすめていくと、この作品の甘くてかわいいキラキラ世界の中に、
狂気に近い「あなた」への思いが、ひっそりと息づいているような気がして、
ぞくぞくしました。
ちょっとホラーな感じ。

宝石箱がどんなのだったのか、もうちょっとくわしく知りたいです。
6行目と7行目のつながりが、よくわかりませんでした。
あと、
最初よんだとき、「ハート」って言葉がなんだか少し抵抗あったのですが、
この作品の狂気の部分をひきたてるなら、いいアクセントになってる気もします。
とかいって、斉藤さんはたぶん、狂気とか無意識のような気もするけど。

いっすねー、すきです。

奥野美和 斎藤 多佳子2A/感想 2002年05月28日(火)23時16分55秒
課題(親記事)/斎藤多佳子2Aへの感想 への応答

とても可愛らしく素直な作品だと思いました。
女の子らしくて良いですね。

女の子が、女の子らしい文章を書く、と言うことに
まっすぐで斎藤さんは素敵です。

ところで、「わたし」と「あたし」
の違いってありますか?

わたし個人としては、
「わたし」が好きなのですが、
斎藤さんは「あたし」派ですか?

それとも、この作品だけかな?

わたしの幼い頃の宝石箱と言えば
「メープルタウン物語」(ふるい)の
オルゴール付きのだった気がします。
ウサギがくるくる回るやつ。

乱暴物だったので?ウサギの部分を力ずくで回し、
音を鳴らしてました。ネジを回さず!


わたしは、最近、自分の言葉が女の子らしくなりすぎて、
というか、なんでしょう。斎藤さんの作品を読んでいて、
いいなあ!とも思ったのですが、うーん、自分の中で
いろいろ考えています。
女の子らしすぎる文章にコンプレックス、というか。

わたしは、何を書いて行くのか、
そんなことを考えて、
この目で見たもの、わたしが感じたこと、
イメージしたことを書けば良いんだ、
って思ったんですけど、
なかなか考えてしまいます。

でも、考える時間は大切だと、自信を持って言えるので
頑張ります。

斎藤さん、次の作品も楽しみにしています!

滝 夏海 もう少しヒントが欲しかった 2002年05月28日(火)21時55分07秒
課題(親記事)/古内旭1Aへの感想 への応答

まず、気になった部分を書きます。
初めにあれだけ鍵について語っているのに、鍵の使い方が甘い気がします。物語の中でもっと思わせぶりに登場するのかと、期待してしまいました。もう1、2カ所ちらつかせたり、少女がスカートから取り出すシーンで後1〜2行長く書き込んでみてはどうでしょうか。
「僕」と「我々」に関しては他の方も言っていました。わざとなのかも知れませんが、一カ所「僕たち」が出てくるので、余計に違和感を感じます。ここを「皆」か何かに置き換えてみては。
それから、話自体は面白いのですがピントが合わせ難く、少女と見た「青白い箱」が文章に埋もれている感じもしました。私の個人的な趣味かもしれませんが、比喩や言葉の飾りをもう少し省いた単調なものの方が、この話は不思議感を増すような気がします。

と、うだうだと述べたところで一番の感想を書きます。

この作品をオムニバスで3作くらい読んでみたいです。
たんなる続編ではなく、同テーマで別主人公のオムニバス。
これが、読み終えて真っ先に思った感想でした。

滝 夏海 文字まで可愛らしく見えてしまいました 2002年05月28日(火)21時03分07秒
課題(親記事)/斎藤多佳子2Aへの感想 への応答

暖色系の画像(それもパステルで描かれた物)が見えてくる、そんな柔らかい詩だと思います。
最後の最後で自分以外の人(読み手というか、相手というか)に話をふる、というのは私も好きで使う手なのですが。ドキッとするものですね。自分で書いている時には、あまり気付きませんでした。
この後、照れてる相手はなんと答えるのでしょう。想像して思わず、ほわんと微笑んでしまいました。

山下遼 古内旭1A/感想。 2002年05月28日(火)03時21分08秒
課題(親記事)/古内旭1Aへの感想 への応答

最後はミステリーな形で終わってますね。
「転校生の女の子」と出てきたところで居なくなりそうな気はしてましたが。

それよりも、本当にこの主人公は小学6年生ですか!?
「世界がどうやって始まったか」なんて考えるんでしょうか?
せっかく小学生という設定があるのなら、そのあたりの年代がもつアンバランスな部分を
見てみたかったのに。こんな完成された小学生、僕はイヤですよ。

あと、前半部分の意味が難解で、もう少し深く読み込んでみないと
理解できないところがありました。
「世界にはまだもののけが存在して〜」のあたり、他の皆さんはどう解釈しているのか
気になるところです。

山下遼 斎藤多佳子2A/感想。 2002年05月28日(火)02時53分44秒
課題(親記事)/斎藤多佳子2Aへの感想 への応答

提出がだいぶ遅れてしまってすみません。
まだ合評会に間に合うみたいなので一応提出しておきます。


「宝石箱」
心温まる、素晴らしい詩だと思います。
「あなたが笑ってくれた日はハートをひとつ」なんてあたりは
女の子ならではの言葉の表現ですね。


だけど、そんな可愛らしい詩にさえネガティブなツッコミを入れてしまうのが僕の悪い癖。

宝石箱が「もうすぐあふれそう」になってしまったら
今までの「夢と希望と不安」を外に出さなければ新しいものが入らないのでは??
そう考えると結構ブルー入ったりもします。
テーマが「箱」であったがためにちょっと悲しいです。
「箱」に何かを「入れる」場合、
よほどデカイ箱でないと「限界」が見えてきてしまうのが辛いところだと思いました。

しかし、そんな現実を振り切ってまで「それでも開いている一つの場所」を
「大切な人」のために残しているいじらしさが、この詩の味噌であるとも思いました。

松永洋介(アシスタント) きのうのこと、次回のこと 2002年05月24日(金)04時07分51秒

きのう(23日)の授業では、
越智美帆子1A「ケーキボックス」
について、みっちり合評をおこないました。欠席した人はもったいなかったかも。

次回(30日)の授業では、
斎藤多佳子2A「宝石箱」
古内旭1A「テスト」
を扱います。それぞれの作者は、授業を休まないようにしてください。授業に出られないことがあらかじめわかっている場合、できるだけ早く知らせてください。
斎藤さんの「宝石箱」は、1A「無題」の改稿ではなく2つめの作品とのことなので、作品番号は1Bでなく2Aとなります。掲示板/雑談板上の表記はすべて修整しました。ついでに脱字も補っておきました。

感想をまだ書いていない人は、各作品と既出の感想をよく読んでから、それぞれ、
課題(親記事)/斎藤多佳子2Aへの感想
課題(親記事)/古内旭1Aへの感想
への応答として投稿してください。


きのう教室で配布した紙は、
越智美帆子1A「ケーキボックス」(1枚)
斎藤多佳子1A「無題」(1枚)
斎藤多佳子2A「宝石箱」(1枚)作品番号が「1B」と印刷されているのは「2A」の誤り
古内旭1A「テスト」(4枚)
の合計7枚でした。次回、忘れずに持ってきてください。きのう出席しなかった人は、自分で印刷して持ってきてください。

斎藤多佳子 「宝石箱」の訂正と補足 2002年05月23日(木)16時34分23秒

本日先生の方から「1Aと1Bはつながった作品なのか?」指摘がありましたので一応こちらの掲示板のほうで訂正させていただきます。この二つは繋がってません。
正しくは『2A「宝石箱」』と表記しなければいけなかったらしく、混乱させてしまい申し訳ありませんでした。

あとが水落さんが指摘していたとおり一連目の二行目は「誰に」ではなく「誰かに」です。すいません。打ち落としです。

それではまた授業で

上村謙輔 古内旭 1A「テスト」(全文版)感想 2002年05月22日(水)21時24分11秒
課題(親記事)/古内旭1Aへの感想 への応答

物語の進展がスムーズで読みやすかった。
が、物語としては完成していたが、結局の所の主旨が分かりにくかった。

『対極にあるべきはずのものが、溶けて混ざりあっていた。』

という文章の意味が分からなかった。
あと、我々という言葉遣いに違和感を覚えた。

冒頭の文章が指すものとは何か、それが分からなかった。

まず、鍵について話す、という話し始めなのに、鍵についてしか話してないのは何か別な意図があるのか。

構成という面では、できた文だと思った。

上村謙輔 斎藤多佳子2A「宝石箱」感想 2002年05月22日(水)21時04分49秒
課題(親記事)/斎藤多佳子2Aへの感想 への応答

詩的な書き方が上手だった。
子供の頃の優しい記憶が蘇った気がした。
ただ、詩としてこの文章を書いたのなら、もう少し、言葉の音としてのリズムに気を付けた方がいいかと思いました。

詩の一番の素晴らしさは、音楽と似た、言葉のリズムだと私は思っているので、読んでいて、リズムに気を使っている箇所はありましたが、そうでない箇所もあったんで、そこを指摘させて頂きました。

越智美帆子 斉藤多佳子2A/かわいらしい詩ですね 2002年05月22日(水)18時28分44秒
課題(親記事)/斎藤多佳子2Aへの感想 への応答

 母親にもらった箱がどんどん幸せで満ちていく。。。この子は母親に愛されていて、順調に成長していき不安もあるけど好きな人もできて幸せになりました、という詩だと受け取りました。世の中のマイナスをこの子は見ずに育ったのかなぁ、なんて勝手に思いました。私もこのような詩が書けるようになりたいです。

越智美帆子 古内旭1A/感想 2002年05月22日(水)17時21分11秒
課題(親記事)/古内旭1Aへの感想 への応答

 小学六年生のとき、自分は何を思い何をして過ごしていたかな、と思い起こしました。ありもしない地震に怯えたり、自分だけの偶像を勝手につくってみたり、人間関係は取り引きだ、とわけのわからないことを思って粋がってみたり、まるで自分が一番のような幻想を抱いたりしていました。世論がどうだとか、首相が代わったとか全く気にもとめず、毎日自分と自分の周りの小さな世界で生きていました。だからこの主人公が「我々はドラクエIVの発売は心待ちにしていたが、誰もベルリンの壁については考えなかった。」と言うところで、あぁそうだったなと共感しました。

 前半の「僕」と後半の「僕」は少女の登場で生きる世界を少し移動したのかな、と思いましたが、噂に聞いていた森は実際もその通りで、少女が消えるまではずっと僕が中心の世界だったのかなと思いました。「僕」の心の中で成長を促す起爆剤が少女で、鍵は次の世界(=次の箱)へ行くためのアイテムで、最後「僕」は次の箱に足を踏み入れたのではないでしょうか。

奥山 伸太郎 「宝石箱」の感想 2002年05月22日(水)13時57分38秒
課題(親記事)/斎藤多佳子2Aへの感想 への応答

 それでも空いてる場所ってなんなんだろう??僕がこんなこと言われたら本気で困惑してしまうな、と思います。でも、それが具体的には判らなくても、言わんとしてることは伝わってきました。まさに、フィーリングで共鳴させる作品ですね。宝石箱を貰った嬉しさのあまりその日のうちに扉を一つ壊してしまうところなんかは、すごくよくわかりました。誰もがこれと同じようなことを一度は経験しているのではないでしょうか。
 
 楽しかったときにお星さまを入れるというところ、2回目の「ハート」と対応させて気持ち的なものにしてみてはどうでしょう。たとえば、「思い出」とか。

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管理者:Ryo Michico <mail@ryomichico.net>
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