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杉井武作 自己紹介 2002年05月07日(火)03時39分27秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

はじめまして、表現文化学科一年の杉井武作です。
僕が紹介する文は、中島みゆきの81年発表のアルバム「臨月」からのフレーズです。


この世見据えて笑うほど冷たい悟りもまだ持てず
この世望んで走るほど心の荷物は軽くない
救われない魂は傷ついた自分のことじゃなく
救われない魂は傷つけ返そうとしている自分だ


みゆきさんの歌詞は、言い回しがオリジナリティーにあふれていて、どれも独特の世界があって好きなのですが、たまに「あっ」と驚くほど普遍的な言葉が出てきます。その一つがこれです。
中島みゆき・小沢健二・Hyde・宮沢和史など、独特の世界を持ってる作詞家が好きです。
あと松本人志の世界が好きです。
本は…これからいっぱい読もうと思います。

いろいろな表現を、いろいろな手段を使ってやっていこうと思っています。
執筆はその多様な表現手段の根底にあるものだと思うので、がんばりたいです。
よろしくお願いします。

杉井武作 1A「悪食」 2002年05月07日(火)02時37分45秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

 小学校…三年生くらいのころだったかなぁ。教室にいじめられてる子がいたんですよ。
 いじめ自体もそれほど問題にされてなかった頃のことですけど。小三くらいの年齢って一番そういう群集心理に弱い時期じゃないですか。自意識をまだみんな持ててないというか、どこかのグループにカタまらないと攻撃されるし。
 それで、流れといういか、そいつのこと避けなきゃいかんような雰囲気になって。で、徐々にエスカレートしていってね。ある日そいつの机にクラス全員でラクガキしようってことになったんです。
 俺はね、できるだけ、そのいじめてた主犯みたいなグループにはかかわらんないうにしてたんですけど。子供ながらに、あまり気持ちのいいことと思えなかったから。俺以外にも、そういう人いたと思いますよ。でもそういうときって、もうどうしようもないんですよ。一人でも反対したら今度はこっちに矛先が向きますからね。
 それでやっぱり、俺も書いたんです。今でも覚えてますけどね。目立たないようにちっちゃく「バカ」って。今思えば、デカく「死ね」とか書かれるより、そっちのほうがある意味キツいんですけど、なんかちっちゃいだけに悪意が濃縮されてるみたいで。
 その数日後にそいつ、自殺未遂を起こしたんですけど、結局学校側にはいじめられてたことは言いませんでした。そいつ今はなにしてるんでしょうね?

 それはともかく、その時期ですよ。初めて腹の中に異物感を覚えたのは。でもそのころはまだそれほど気にならなかったですね。小さなビー玉が腹のなかに入ってるような感覚でした。
 えーっと、それからしばらくは・・・とりたてて変わらなかったですけど。

 はっきりと腹の異常に気がついたのは、中学に入ってからです。
 中三のときに、小学校からの友達と喧嘩したんです。西端っていうんですけど。
 学校の帰りに西端を見かけたんですけど、むこうはまだ俺に気づいてない。軽いイタヅラ心で、後ろから「わっ」と大声でおどかしてみたんです。それで、こっちを振り返った西端の顔がなんだかおかしい。笑ってはいるんですけど、ヒクヒクと口の端が引きつっていたし、鳥肌が立っている。それで、普通ならそれから一緒に帰る流れになるじゃないですか。なのにどうも「もういいから、先、行って」って、足早に俺から遠ざかろうとしてました。でもなぜか、「内股」だからスピードがでない。んで、近づくとなんか匂うんですよ。さらに、ズボンの尻がやけにもっこりしてる。
 状況を察して、もう笑った笑った。そいつは泣きながら「誰にもいわないでくれ」って訴えたんですけど。なんか、「生まれつき肛門が弱い」とか言ってましたけど、それが本当だったのかは今でも疑わしいです。なにせ数年の付き合いでそんな様子は見たことなかったですから。
 それから一ヶ月くらい経ったある日に、なんの話題のときかわすれましたけど、俺がみんなの前で西端に「うるせーこのくそったれ!」って言ったんです。別に西端がうんこもらしたことを意識したわけじゃなくて、軽はずみで言ったんですけど。言われた西端はわなわなと唇をふるわせて、すごい形相で俺のことを殴りました。頬が三倍くらいに膨れ上がりましたね。後で俺は一応「ごめん」って謝ったんですけど、なぜ彼がそこまでムキになったのかわかりませんでした。
 次の日からは何事もなかったように俺と西端はよりを戻したんですけど、そうだなぁ…。少し態度がよそよそしくなったっていうか、服とか一緒に買いにいくことは、その日以降なくなりましたね。

 その出来事があってから、腹の中に入ってるビー玉が少し大きくなったような感じです。
 たまに腹のなかが「もぞもぞ」するんです。まるで生き物でも飼ってるように。それと、たまに食後とかに、腹のなかが「ちくちく」って。なんか、針みたいなので刺されてるような。痛いというより、う〜ん、むずがゆかったです、そういうときは。
 その時点で明らかにおかしいことに気づいて、一応親に告げたんですけど、あまり信じてもらえませんでした。俺の言い方にも問題があったんでしょうけど、自分自身でも自分の身体の中でなにが起きているのか、よくわからなかったですから。今でもよくわからないんですけど、さらに漠然とした、「おなかがなんか変」とか、そんな言い方だったような気がします。それでもまあ一応調べてみようってことになって、簡単な検査を受けたんですけど、全然異常なしって言われました。
 それからまたしばらくは深く考えませんでしたけど、異物感が徐々に大きくなっているのは、なんとなくわかってました。

 でも、高校三年生くらいで決定的になりました。
 あのときに祖母が亡くなりました。祖母を入院させたのは、俺なんですよ。
 もうボケちゃってて、いつでもガスの元栓のことばっかり気にしてた。それが妙に腹がたった時期があって。大学受験で気持ちにも余裕がなかったせいですけど。
 あるとき、いつものようにガスのことを俺に尋ねてきた祖母を、軽く突き飛ばしたんです。もちろん本気で暴力を振ったりはしませんが、そのときにバランスを崩して、足の骨を折ってしまったんです。
 入院中に肺炎にかかったことが、直接的な死の原因だったんですけど…。そのときのことは今でも忘れられなくて、たまに夢に祖母の顔が出てきます。

 その後かな、腹の中に激痛が走るようになりました。
 グサグサ突き刺さるような鋭い痛みが腹を襲い、すぐに病院で精密検査を受けました。でも、やはりどこにも異常は見当たらなかった。
 それから、原因について考えたあげく、気がついたんです。思い返してみたら、痛みが増した時期には微妙に、なにか「良くない出来事」が起きてるのかもしれないと。
 そのことがこの身体の異常に影響を与えているとは、にわかには自分でも信じ難いのですが、万に一つの望みを持って、精神科の名医であるあなたに相談しました。


 なるほど、坂野さん。あなたは腹の中に悪魔を飼っています。
 誰にでもあることです、心配はいりません。パンドラの箱を使いましょう。たちどころに貴方の体内に巣食う悪魔が封じ込められ、痛みはスッキリと消えるはずです。
 さぁ、お腹を出してください。



「本当にね、こんな日が続いたまま俺たち、生涯を終えるんだろうかね」同僚がいつもの居酒屋でいつものようにくだをまいている。
「おい坂野、なぁ、俺たちずっと、このままだな」ふと声をかけられて、俺は我に返った。
「ん?…そうだな、いつのまにか俺たち、社会の歯車になっちまったな」
「若かったときは、先のことなんて考えもしなかった。甘い夢だけをみてれば、生きてゆけたのさ。それが今では、毎日毎日馬車馬のように働いて……」
「年をとればとるほどに、現実を知るんだよ、仕方ないな」

 駅へ歩く数分の間、ふと見上げると都会には珍しく、きれいな星空だった。
 そうか、俺にも夢のような時代があったんだな。
 がむしゃらにもがいていたあの頃の想いは、いつの間にかうち砕かれていたんだな。

 あのとき医者が俺の身体に埋め込んだ箱。あれ以降、俺の腹にいた「悪魔」を感じることはなくなり、痛みも嘘のようになくなった。
 でも、それからの俺はまるでドーナツのリングになったように、ぽっかりと心に穴が開いてしまったみたいだ。むなしさが心をすりぬけ、気がつくと学生時代は終わっていた。職に就き、人並みの生活を送るようになった。

 たまに、まるで燃えカスがゆらめくように、古い記憶がうずくことがある。
 青い時代の優しさも美しさも、遠い思い出になってしまった。
 夜空を見上げて、輝かしい日々を慈しみ、目を閉じて星に小さな祈りを捧げた。

 目を開けると、星が一段ときらきら輝き始めた。
 そして俺の腹も、ちかちか光っている。
 星の瞬きと呼応するように、腹の光の点滅が眩しくなり、俺の身体は熱くなっていく。
 そして、その光が突然身体を離れ、地面に落ちた。やがて点滅は消えていった。
 しばらく唖然としていたが、目をこらして光の正体を見ると、すぐに事態がつかめた。
 あのときの箱…パンドラの箱だった。
 地面に落ちているそれを拾う。この中に、あのとき俺を苦しめていたものが入っているのだ。
 俺はそれを拾って、フタを開けた。

 箱に入っていたのは、ゴミクズのように小さな、真っ黒い物体だった。
 よく見るとそれは、死体だった。
 精気を吸い取られて小さく干からびてしまった、醜い生物の死体だった。
 だが、表情は、うっすらと笑っているように見えた。
 その姿をしばらく眺めていると、なぜだかぽろぽろと涙が落ちてきた。

 俺は、かつての悪魔の死体を口の中に入れ、そのまま飲み込んだ。

山下遼 自己紹介 2002年05月07日(火)01時56分05秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

はじめまして。
人間関係学科2年の山下遼という者です。
僕が「これだッ!」と思い、このたび提出することになった言葉は
フジテレビ系列『笑っていいとも』の番組内で、ふかわりょう氏が言っていたものです。
本から出典したとか、好きな作品のキャッチフレーズといったカッコイイものではありませんが
どうしても印象に残った(というか死ぬほど笑った)一言なので、ここで使わせてもらいます。


「俺のウォーリーに、勝手に○つけんなよ!!」


元々、ふかわりょう氏はこういったシュールなギャグのセンスが
非常に高く(個人的な感想ですが)、実は著書も数多く出回っています。

僕がやはり文章に求めているものは、単純に「笑い」なのでしょう。
読む漫画もやはりギャグ漫画中心で、さくらももこ氏のエッセイなんかも好きです。
インターネットも、笑い系テキストを閲覧することがメインになっている自分に
「高い金出してパソコン買って、やってることといったらネットして腹抱えて笑ってるだけかよ!」
と、多少疑問を持ったりもしています。
でも後悔はあまりしていません。
馬鹿は馬鹿なりの生き方を手に入れるものですから。

直球な笑い、シュールな笑い、ある程度ブラックな笑い、みんな大好物です。
いろんな人たちに、その「大好物の笑い」をおなか一杯食べさせてもらおうと目論んでいます。

深谷 公一 自己紹介 2002年05月06日(月)23時30分28秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

初めまして。表現文化学科所属、二年の深谷公一です。
紹介する物は、早川SF文庫より出ているアインザック・アシモフ著「ファウンデーション」の中の一節です。

「どうやら」サットがいった。「ターミナスに軍事基地を作ることを、アナクレオンに許す以外にないらしいですな」
「その点では同感です」ハーディンは答えた。「しかし、機会があり次第かれらを再び追い出すには、どうすればいいんですか?」
イェイト・フラムが口髭を捻った。「かれらに対して暴力をふるわなければならないと、きみはすでに決心しているような口振りですな」
「暴力は」ハーディンはさっそく応酬した。「無能力者の最後の避難所です。しかし、わたしは、かれらのために歓迎マットを敷き、最上等の家具の塵を払って、さあお使い下さいと提供するつもりがないことも確かです」

これを選んだ理由ですが、ちょっと時事ネタが入ってたりします。
具体的にはイスラエルのパレスチナ侵攻なんですが、細かく書くと長々ヒートアップしてしまうので一言で。暴力は好きではありません。与えられる物でも、与えるものでも。

好きな小説家は上のアシモフやアン・マキャベリ、ハインライン、田中芳樹、(敬称略)
書きたい物は、ファンタジーや伝奇など、趣味に走れるものでしょうか。あと、できればなるべく明るい物を。

ということで、よろしくお願いします。

横田裕子 1A 無題 2002年05月06日(月)23時13分11秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

SSにしても短すぎな感じです・・・しかも締め切り寸前・・・・。


花々がふんわり柔らかく敷き詰められた箱。
その中にすっぽり収まった、体。
頬を薄紅に染めた顔は崩れることなく穏やかで、寝かせると瞳を閉じ起こすとばさばさと長いまつげを上げる人形のようだ。このまま抱き起こしたら瞼が動き出すのではないか、と思ってしまう。
寝顔は綺麗だった。どんな夜もその顔を見る度に全てを許せた気がした。
笑ったり拗ねたり、ふと見せる切な気な表情もその一瞬が写真と同じに記憶に閉じ込められている。
それが今、目の前に存在するのは寝顔だけのままになった。寝顔と呼ぶには穏やか過ぎるかも、知れない。
モノを収める入れ物を箱と呼ぶなら、冷たい体が収まっている棺も箱の一種だ。
それなら、魂を封じ込めておく肉体も「箱」。魂を入れる為だけにこの世にある「箱」。
それも、「箱」と言えるのは魂を宿している間だけであって、中身を失った箱は二度とその中を満たすことなく、「箱」としての存在価値も消されるのだ。

空になった「箱」は、花に埋もれそうになりながら安らか過ぎる面をつけた只の肉の塊になった。




深谷 公一 1A その時はまだ 世界に希望はなかった 2002年05月06日(月)22時57分05秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

ある時、一人の男が神から火を盗んだ。
彼は、盗んだ火で人に知恵をもたらした。
人に、よりよい生活をもたらそうとした。
人を、より賢くしようとした。
それは、人のためを思ってのことだった。
そして、それに怒った神は一人の女性を地に下した。
その女性は、火を盗んだ男の望むような賢さを持っていた。
しかし、男が望まない災厄、それを内包した箱も携えていた。
女性は、箱の中身が何か知らなかった。
そして、彼女は知的な好奇心も持ち合わせていた。

そして、火を盗んだ男が望んだ女性は
男が望まなかった、悪の解放を行った
それは、男の望んだものの結果だった

結局
箱は開かれ
世界に災いは解放され
火を盗んだ男に己の過ちが
蔓延した災厄と共に突きつけられた

そして、最後に希望は解き放たれた。
しかし、それは裏返しで絶望も伴ったのではないだろうか。
希望を知らなければ、絶望も知ることはなかったのではないだろうか。

結局―その箱には災厄しか詰まっていなかったのではないか。



話は変わるが、ここに一つの古い箱がある。
この中に何が入っていたにせよ、今は一つの何かしか入っていないのが、振ってみてわかる。

さて、開けてみるべきだろうか?

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パンドラの箱を題材にして書いてみました。
というかパンドラの箱について書いてみましたというか…(汗

水落麻理 1A 思い出 2002年05月06日(月)16時46分17秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

  共にすごし、共に笑い、共に泣く、
  この先もそうしていけるのならば
  それはどんなにすばらしいことか。
  だけど、時は止まらず流れていく。
  私達をのせて流れていく。
  この先は、同じ時にのっても
  違う時を歩むのだろう。
  そして違う時には、新しい待ち人が。
  過去になった大切な時を
  心の中の小さな箱に入れ
  大切に大切にしまっておきたい。
  決して忘れることのないように。
  あなた達とすごした日々を
  忘れることのないように。 
  そしていつか、その箱の重みが
  私の支えと自信になっていくでしょう。
  
     

水落麻理 自己紹介 2002年05月06日(月)16時27分53秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

 「ロクデナシ」

  誰かのサイズに合わせて 自分を変えることはない
  自分を殺すことはない ありのままでいいじゃないか


 著者名・真島昌利
 the blue heartsのyoung and prettyというアルバムより。


こんにちは水落麻理です。ブルーハーツの曲から引用してみました。中2から中学が終わる頃までブルーハーツをよく聞いていました。その頃楽しいこともあったけど、辛いこともたくさんあって、親や友達との関係に悩んだとき、この詩ですごくはげまされたのを覚えています。なんであたしってこうなんだろうと思うときや、他人がうらやましくてしょうがないとき、私はすぐ自己嫌悪してしまいます。そうゆうときこの詩を読むと、なんだかすごくホッとします。自分らしくいることの大切さを感じます。ブルーハーツの曲の中では、この曲だけでなく他にもたくさん好きな曲があったのですごく迷いました。いつの間にかブルーハーツを全然聞かなくなっていましたが、今回の自己紹介の話を聞いたときにはすぐ頭にうかびました。

上村謙輔 自己紹介 2002年05月06日(月)05時25分30秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

 はじめまして。表現文化学科3年の上村です。前回の授業では司馬遼太郎の「関ヶ原」を発表しました。本は司馬遼太郎以外はほとんど読みません。ていうか、本を読み始めてからまだ一年も経たないので。とりあえず司馬遼戦国時代は読破しようと思って。
 司馬遼太郎作品のほとんどは、歴史に乗っ取って史実にある人が登場しますが、一つの話に必ず一人の女性の架空の人物をだして話に深みを出しています。この「関ヶ原」では、石田三成の恋女役として登場し、ただ歴史になぞらえて話を進めていくだけでなく、物語性を上手に引き出しています。特に、ラストの黒田官兵衛とのからみは格別です。長篇の最後として文句のない終わり方でした。
 と、色々語ってみても、結局司馬さん以外読まない人なので、好きな作者とかはあまりないです。ただ、歴史が趣味なので、読書という方面よりも、歴史という方面の方が強い気がします。私にとっての本とは。
 私は、ものを書くことは、ごく最近始めたばかりです。特にテーマとかは持たずに適当に書いてます。それで自分で読んで楽しんで暇つぶしにしてます。どうかよろしくお願いします。

麻生 摂子 1A「小さな箱」 2002年05月06日(月)00時11分13秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

小さな「箱」がありました。
でも、「箱」に気がつく人はいませんでした。
いえ…ほんの一人か二人、気がついた人はいましたが、「箱」を「開ける」人はいませんでした。
そんなある日、一人の少年が「箱」に気がつきました。
―なんでこんな所に「箱」があるんだろう―
「箱」は驚きながらも言いました。
=貴方は私が見えるのですか?=
―見えるも何も、そこにあるじゃないか―
=ですが、私に気がつく人は殆どいません=
―僕は気がついたよ―
=…貴方は特殊な人ですか?=
―まさか!―
少年は微笑むと、そっと「箱」を手に取った。
―この中には何が入っているの?―
=さぁ、私には分かりません。分かるのは。私を開けた人は、とても幸せになるらしいという事だけです=
―幸せか。じゃあ開けてもいいかい?―
=もちろんいいですよ。でも…=
「箱」はちょっと口ごもりました。
=開けられたら…ですが=
それを聞いて、少年は「箱」の蓋に手をかけて開けようとしました。
―開かない…―
蓋は張り付いたように塞がったままで、動きません。
―僕は幸せになれないのかな?―
=諦めないで下さい!私を開けて下さい!!=
「箱」は叫びました。
=私を開ける為に、幸せになる為に、「何か」をして下さい!=
―何か?―
少年は「箱」を手に取ったまま暫く考えました。
=幸せになる為に「しなければならない事」をしてくれれば、私は開く事が出来るんです=
少年はゆっくり頷きました。
―あぁ…そっか、分かったよ。「しなければならない事」って…『努力』だね―
=…そうです。『努力』をすれば、「幸せの箱」は開くのです=
「箱」は嬉しそうに言いました。
=「箱(私)」の中は人それぞれ。『努力』さえすれば、私を簡単に開けることが出来るのです=
―僕はまだ幸せになる為の『努力』が足りないんだね―
=貴方なら、きっと私を開けられます=
―頑張ってみるよ!―
=ずっと待っています。貴方が私を開けてくれる日を=
少年はそっと「箱」を置いて帰って行きました。
「箱」は、少年が開けてくれる日を楽しみに眠りにつきました。


友人にクサイと言われました。…納得。

山口文女 1A「お空のパジャマ」 2002年05月05日(日)15時31分45秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

 「お空のパジャマ」君は僕を呼ぶ。
 僕は君のお気に入りだね。遠足の日もキャンプの日もお芋掘りの日も、ママの反対を必殺!!「やだ!お空のパジャマじゃなきゃ、僕行かない!!」
って、だだをこねて、僕をどろんこにするんだ。
 僕は、お洗濯されるのが大好き。12階のベランダに干してもらうのは、本当に空にまざったみたいだったから。そんな僕をみて、ただの青色のパジャマだった僕を君は「お空のパジャマ」って呼ぶようになったんだ。
 お天気の良い日の12階のこのお部屋。僕、好きだったよ。

 ダンボールだらけのお部屋は狭くてギュウギュウしてるけど、どこかガランとしていて淋しいな。ママとパパにはさまれて一緒に寝る最後の夜も、やっぱり僕を着るんだね。
 明日からは「君の部屋」の「君のベット」で、君と僕だけで寝るんだよ。
ひとりのお布団は冷たすぎやしないか?
夜のおしっこを我慢しておもらししないか?
お化けがでたらどうすればいいのか?
 心配事がいっぱいで、なかなか眠れない僕をよそに君はスヤスヤ眠っているけれど・・・。
おやすみなさい。さようなら12階の最後の夜。

 睡眠不足の僕は、トラックの中でずっと眠ってしまっていて。気が付いたら、小さな2階建てのお家に着いていた。お家の中は、まだダンボールだらけだけど昨日みたいなガランとした淋しい感じは無く。でも、タンスやテーブル・・・お家全体がソワソワしていた。
 君の小さなお部屋には、ピカピカのベットが待っていて。やっぱり今夜も僕を着た君は、ベットの上でピョコピョコ跳ねたりコロコロ転がったりしている。そんな君をママは無理矢理お布団の中にしまいこんだ。
 ママとパパが、「おやすみ。」と言って電気をパチンと消した瞬間。小さかったお部屋がズーーーンとした空間に変わって、まるでどこまでもつづく宇宙の中にポツリと放り出されてしまった。急に心細くなった君は、弱々しい声で「ママ」と呟くけれど。僕の袖の部分をギュウと握り締めて「怖くない、怖くない。もう、お兄ちゃんだもん!」と力いっぱい目をつっむた。
 窓から微かな明かりが射し込んで、ぼんやり見える天井の木目が、ところどころガイコツに見えたり。窓ガラスにぶつかる風の音にビクビクしながら、長い長い夜が終わるのをじっと待った。

 静かに朝の光が小さなお部屋に満ちて、夜が終わった事を教えてくれた。僕は心底ホッとした。宇宙に終わりが無いように、夜が永遠と続いてしまったら・・・なんて考えてしまうほど長い夜だったから。でも、安心したのもつかの間。・・・つめたい!?ひゃぁー、やられたーー!!
 新しいお家は、小さいわりにお庭は広く。12階に比べたら、空はうんと遠いけど。緑の芝生の上で、これからきっとママが植える色とりどりのお花に囲まれて、乾くのを待つのも悪くないな。なぁんてことを午前中のやんわりした日差しの中で考えた。今日の空も僕と同じ色をしている。 

山口文女 自己紹介 2002年05月05日(日)13時24分47秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

はじめまして文学科3年の山口文女です。
わたしは、スタジオジブリの「魔女の宅急便」のビデオのキャッチコピー
『おちこんだりもしたけれど わたしは元気です。』
というフレーズが大好きです
何も手につかないくらい落ち込んだ後の元気は、日頃とくに悩みもなく体調も優れている時の元気よりも背筋がシャンと伸びて、真っ直ぐに前を向いている姿勢がとても好きです。
落ち込んでいる時にしか見えないモノ、気が付かない事もあると思います。落ち込んだ事を無駄にはせず、気持ちを上昇させるエネルギーに強さを感じます。落ち込む、昇るを繰り返して少しづつ強さを身に付けていきたいです。

今までは、ポストカードや、スッケチブックに絵(むしろ落書きのようなものですが。。。)を描いて、それに短い言葉をそえたものを作ってきたのですが。それを「作品」として人に見てもらうのは、勇気がなく苦手なので、つっくても自己満足で終わっていたのですが。この授業をチャンスにして、皆さんに見てもらい世界を広げたいです。
どうぞ、よろしくお願いします!

渡邊 愛 1A「ポスト」 2002年05月05日(日)03時53分02秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

箱と聞いて、思い浮かんだのがコレでした。

 僕の家のすぐ目の前
 小さな赤い箱がある。
 今は使われなくなった
 小さなきれいな赤い箱。
 
 結構カワイイ奴なんだ。
 角ばった目が二つ
 今は少し汚くなった
 鮮やかな赤色のシャツに帽子。
 おしゃれじゃないか。
 今は汚くなった鮮やかな赤。
 僕はこいつがきれいだったときから知ってる。
 今はあぁでも。
 昔は大活躍だったんだ。
 僕の声をのせた紙に
 魔法のシールを貼るだけで
 どんなに遠いところにだって僕の声を運ぶんだ。
 僕だけじゃない、もっとたぁくさんの人の声を
 
 ・・・でもね。
 今日でお別れなんだって。
 ほら、知らないおじさん達が
 僕の嫌いな歯医者さんみたいな
 大きな大きな道具で
 あいつの周りをほじくりかえしてるっ
 今日でお別れなんだって。

 僕の家の前に
 小さくて、働き者な
 汚くて、きれいな鮮やかな赤色のシャツを着た
 カワイイ赤い箱がいた。

 僕たちの、声を届けた魔法の箱が・・・。


 本人、詩のつもりで書いたのですが・・・
どうなのでしょう・・・。なんとなく、最近メールなどですましている。遠くの人とのやり取り・・・。ポストに手紙を入れたこと最近無いなぁとか、思いながら書いてみました。久しぶりに、書いたので、少しばかり緊張です。(苦笑)
 
 

渡邊 愛 自己紹介 2002年05月05日(日)02時39分22秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

はっ、はじめまして!!
表現文化学科、一年の渡邊愛と申します。どうぞ、よろしくお願いします。

私が選びました好きな文章は『月刊詩とメルヘン』のふろくについておりましたファイルの中に載っておりました「やなせたかし」さんの詩です。
では、短いので全文。
  

     しあわせ。
     あんまり早くくるな
     しあわせよ
     あわてるな
     カタツムリにのって
     あくびしながら
     やってこい
     しあわせよ
     カタツムリにのって
     やってこい


 前回の授業で聞いていた方は、文章が違うと思われることでしょう。すいません。間違っていました。私の記憶(泣)申し訳ないです。こちらが正真正銘、本当の文章です。残念ながら、題名などは分かりません。ただ、現物を持っているので、見たい方は言っていただければ嬉しいです。
 
 この詩を好きな理由は、なんというか。
ゆっくりしてて、のんびりしてて、なんだかとっても暖かくなるような気がする詩なので、私はこの詩が好きです。私は、「幸せ」って、ずっとそばにあることを望むヤツですが、実際の社会ではそんなことも無くって。絶対に、どっかで挫けたり、悲しくなったり「不幸」だと感じてしまう場面が、どっかしら必ずあって・・・。でも、なんだか、この詩よむと、「あぁ、ゆっくり来るんだなぁ〜幸せって。んじゃ、もう少し待つか」とか、少し考えが前に前に動いていける気がして。とてもスキです。
読んでると、のほほ〜んとした。ほんわかした気持ちになれるところも好きだなぁ。
と、いうことで。私はこの詩を選びました。

 好きな作家を述べるなら・・・。小野不由美さんと灰谷健次郎さん、東君平さんに五味太郎さんも好きです。(前の授業より増えてる・・・)漫画家では浦澤直樹さん、北条司さん。が、今のところ一番です。
・・・それから、授業でやりたいことは。
詩も書いてみたいのですが、一番はやはりっ!長編でも、短編でもっ、物語を書くこと!中学でも高校でも途中まで書いて終わってしまっている「物語」今度こそは書ききりたいと思いますっ!!一年生で、引っ込み思案なところもありますが、どうぞヨロシクお願いします。

久我真紗子 自己紹介 2002年05月04日(土)19時07分02秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

表現学部文学科2年の久我真紗子です。

 「中国の鳥人」『中国の鳥人』椎名 誠 (新潮文庫)

 夜の闇はまんべんなく広がっていたが、谷間の空にその時まさしく月がゆっくり移り動いてくるところだった。月の仄かな明かりの中でいくつもの巨大な鳥が舞っているのがみえた。「鳥人ですわ。夜になると川から天にあがる空気が沢山ふえてきて、その空気にのってああして遊んでいるただの人民の人々です。空気みんな只だから安い買い物です。でも空気いくら安くてもそれを包んでうちへ持って帰れないね。」

 自己紹介も兼ねてという事でこの本を選びました。商用で中国奥地を訪ねた男の小説です。長くて引用できませんでしたが前半部では、椎名誠のおそらく体験記であろーうじ虫だらけのトイレやら中国飲食文化のインチキ漢字羅列コウゲキ
(例・駝眼鹿尾房鼠猪脳豹胎炒麺)やらで、なまじ旅する作家なだけにどこまでホントか分からんっという感じの本なのです(中3まで実話だと思っていた)。「中国の鳥人」もそうだけど、彼の書くものは実際見て聞いて感じた事がないと書けないリアリティーがあって好きです。私も、私の感じたリアリティーを物語にしていつか誰かをダマせたら(!)と考えているのであります。

 椎名誠の本で一番好きなのは「砂の海・桜蘭、タクラマカン砂漠探検記」、ヘミングウェイ「キリマンジャロの雪」も良い。

書きたいものは、核のずどーんっとあるもの。それから、文章表現もうまくなりたいなぁ。なので、「その表現は変だ」とか「回りくどい」などなどビシビシ鍛えてやって下さい!でも楽しく!!どうぞ、1年間よろしくおねがいします。


古内旭 1A「テスト」 2002年05月04日(土)18時16分37秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

 ショートショートよりかは長めの短編になりましたので、以下に冒頭部分のみ掲載します。全文は次回の授業に持っていきます。ワードで書いたのでeメールならば添付はできますが。



 まず、鍵について話す。
 我々は小さい頃、宝物箱を持っていた。それがどういう形のものだったのかは覚えていない。しかしそれはディズニーランドで買ったクランチ・チョコの空き缶でもいいし、ミスター・ドーナツのポイントを集めてもらった小瓶でもいい。重要なのはその中身なのだ。
その中には宝物として大事にした小物の類が詰められていた。お菓子のオマケについてくる塩ビ人形だったり、祖父にもらった怪しげなお守りだったり、好きな女の子がくれたビーズでできたトンボだったりした。
 しかしその宝物箱の中には必ず鍵が入っていたはずだ。ゴシック風の装飾が施された、プラスチック製の小さな鍵だ。何の鍵なのかは分からない。いつ手に入れたのかも分からない。そんな鍵だ。そしてその存在をいつか忘れ、我々は大人になったのだ。
 しかしその鍵を使う機会が、僕には一度だけあった。

 僕はその時、小学六年生だった。
 小学六年生というのは、実に奇妙な年齢だった。対極にあるべきはずのものが、溶けて混ざりあっていた。世界にはまだもののけが存在していて、僕たちは夜になるとその存在に怯えた。科学技術は魔術に劣っていて、各地には多くの伝説が残っていた。そして、いつか自分もその一部になって語られると思っていた。しかし、目に見えない強大な何かが、そんな世界を浸食していった。まるで世界の終わりだ。

(続く)




古内旭 自己紹介 2002年05月04日(土)18時00分00秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

自己紹介文を書いたところ長くなってしまいましたので、まずそれをお断りしておきます。
文学科3年の古内です。他大学(理系)に3年間通った後に、和光大学に入学しました。小説家になることは夢の1つです。しかし前回の授業でよくみなさん本を読まれているなと思いました。僕も本は好きな方ですが、おそらく皆さんほど多くは読んでいないのでしょうね。僕は映画に関しては、本格的な批評に興味があります。好きな映画はデヴィッド・リンチや黒沢清(明ではありません)、タルコフスキーの古いSF映画などでしょうか。暗く深く重く思索的なものが好きなようです。直接的な感情吐露よりは、一般的には難解で説明不足と言われがちな象徴的表現に自分と同じ世界を感じます。しかし大衆娯楽的な映画でもジャンルに関わらず一通り見ます。ことにSFやホラーと呼ばれるものに関してはしらみつぶし的に見てきました。
長い間、吹奏楽やオーケストラをやっているのでクラシック音楽、とくにロシア音楽には並々ならぬ関心を寄せています。
僕の書くものはあくまで僕のそんな世界であり趣味的なものになるかもしれませんが、どうか読んでいただければと思います。


さて、「朗読」ということで色々と悩みました。ドストエフスキーにしようか、ヘンリー・ジェイムスの幽霊表現を読んでみようか、はたまた村上春樹か、と好きな本はいくつも頭に浮かんだのですが、変り種で小林泰三による中編『酔歩する男』の中のセリフに決めました。


「結局、あなたは理解できなかったのです。(中略)あなたはすべてのことに因果関係を持ち込んで理解しようとしている。でもそんなことにはなんの意味も無いのです。限られた理解力しか持たないわれわれの脳があまりにも複雑な世界に対面した時に壊れてしまわないために能自身が設定した安全装置、それが因果律なのです。われわれが理解している世界はわれわれの脳のなかの幻想にすぎないのです。われわれ人間はその幻想なしには生きていけない。(中略)時間の前後関係と因果関係をよりどころにしなければ、思考することもできない。(中略)
 しかしわたしは、因果を越えた世界に住む存在を垣間見たのです。それは一個人の中に閉じ込められてはいないのです。その存在は時に人間であることもあります。それとも、そう見えるだけなのでしょうか? とにかく、それはすべての時間に存在します。不老不死だというのではありません。誕生とか、死とかには無関係なのです。あなたの体が空間上にある一定の容積を持つ領域に広がっているように、時間の中に広がっているそんな存在です」
………こいつはまだ、こんなよた話を続ける気なのだろうか?


 一般的には「文学的に」あまり評価のある作家ではないのかもしれませんが、この屁理屈的な理論による討論が好きです。彼の作品の多くにはこのような討論が登場しますが、その内容は、こういった因果関係や時間を超えた存在についてだったり、生物と非生物の境界の定義だったりと、面白い。理系的な哲学性を発揮しています。

横田裕子 自己紹介 2002年05月04日(土)05時03分15秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

 文学科3年の横田裕子といいます。
去年一緒だった方も初めましての方も、どうぞ宜しくお願いします。

昨年、食べ物をテーマにしたちょっとした話を書いてみたら、結構面白かったので今年はそれで(時々濃ゆく)いってみたいな、と思ってます。


 中島みゆき・作詞「明日なき我等」より一部抜粋

 過ぎた日々と明日とは 支えあう弥次朗兵衛
 昨日を捨てても 明日だけが 運命として そこにあるわけじゃない


 みゆきさんの曲って「女のドロドロした情念」を歌ったものが多いですが。私はそういう曲でなくても言葉の使い方、選び方が「上手いなぁ」と思います。日本語を大事にしてる、というか。

斉藤多佳子 1A「無題」 2002年05月04日(土)00時54分49秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

たとえ今 自分を信じることが出来ても
もうすぐできなくなること どこかでわかってる
たとえ今 貴方を信じても
また不安に狩られること どこかでわかってる
どんなに光が見えたって 閉塞した箱の中 所詮は逃げられない

理性だけは大丈夫だと暴れる身体を慰めるけど
消化機能さえ停止した私は また衰弱しきった瞳で空を見上げる
汚れた瞳で見つめた光射す世界は 見難く歪みきって
私の口からはあなたを追い詰める言葉しか 吐けなくなる

「誰も認めるわけない」と
頭を抱え夢の中まで魘された 
叫び声の行方
弱さを背負った自分など 殺してしまいたくなる
信じることなんてできるわけがない
縋る物を失った手は何を求めればいい………

確かなものを見つけ出し大丈夫と慰めたいけれど
動けない麻痺したこの身体は 与えられることだけ待っている
痺れの廻った身体 治そうともせずに
こんなにそばに居たって所詮伝わらない
ただの虚言でおわってしまう わかっているのに

「誰も信じてはいけない」と
爪痕をつけた腕を隠し喉をつぶした声 
狂いそうな影
弱さを糧に生きてる自分なんて 死んでしまえばいい
ソレデモシンジタイなんて 吐き気がする

どんなに光が見えたって 閉塞した箱の中 所詮は逃げられない
どんなに光が見えたって 閉塞した箱の中 所詮は逃げようとはしない


散文状態です。もう自分で何が書きたかったのか全然わからない。
明日から8日までネット環境のない地域に行かなくてならないのでこれが精一杯でした。
近々改稿または別作品を投稿します・・・。

斉藤多佳子 自己紹介 2002年05月04日(土)00時45分48秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

イメージ文化学科の二年生斎藤多佳子といいます。先週事情で授業に出られなかったので改めてはじめまして。
色々迷った末に紹介するテキストはこの二つにしました。

「Stage of the ground 」より一部抜粋 作詞 藤原基央(ALBUM『jupite』より)

迷いながら 間違いながら
歩いてく その姿が正しいんだ
君が立つ 地面は ホラ
360度 すべて道なんだ

「天体観測」より一部抜粋 作詞 藤原基央(ALBUM『jupite』より)

知らないものを知ろうとして 望遠鏡を覗き込んだ
暗闇を照らすような かすかな光探したよ
そうして知った痛みを いまだに僕は覚えている

見えてるものを見落として 望遠鏡をまた担いで
静寂と暗闇の 帰り道を駆け抜けた
そうして知った痛みが 未だに僕を支えている


これはBUMP OF CHIKINというバンドの曲です。別の授業でもBUMPの事は扱ったので「またか…」と思われた方もいるかもしれませんがやっぱり好きなので
あえてこれにしました。
ちょっと前のめりになるくらいの前向きさが好きです。でも決して何も知らずに前向きなわけでもなくてちゃんと周りのことを見れた上での前向きさであるからこそ凄いなと思うのです。
なんか日本語が変ですが気にしないでください(汗)

私自身の紹介をします。私は今まで短編や作詞を中心に創作をしていました。内容やジャンルはかなりバラバラですが中高生向きの小説が一番自分で書いてて書きやすいです。その反面精神世界がどこかに飛んでいるようなドロドロしたものも書きます。こっちも得意分野です。
物語を作ることはできるのですが今一表現力に乏しいのでこの授業で持ち味を殺さない程度に表現力を向上させることが目標です。
…とまあ、こんな感じです。それでは 一年間よろしくお願いします。  

石黒 美穂(‘‘ 1A 「箱庭を歌う」 2002年05月02日(木)20時37分27秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

とりあえず・・・ こんなんでどぅよ?(*ノノ


「箱庭を歌う」

小さな幸せをくれる空間を 僕はしっている
何気ない 優しさをくれる土地を 僕は知ってる

生まれてきたのはこの場所で
誰かに呼ばれるのもいつもここだった
僕の居場所 僕の家
大切な人の声も聞けるだろう

外に出れば見渡す限り緑
昔とは違う景色だけど ここは
いつもいつまでも 僕の土
今では たまにしか会えない空気

大きな幸せをくれる空間を 僕はしっている
そうそう下界の匂いはこない とろい世界

小さな幸せをくれる空間を 僕はしっている
何気ない 寂しさ 聞こえる土地を 僕は知ってる


幼い道をたどれば わからない答えがある
君の姿・・・ 変わらずにいるのは僕の中
僕の居場所 僕の君
知らなくてもいいというけど

いつもいつまでも・・・ だけどこれからは
ここでないもっと大切な場所もある
ありがとうを言おう 僕の土
待っていてくれるだろ? まだ僕を

小さな幸せをくれる空間を ぼくはしっている
何気ない 優しさをくれる土地を僕は知ってる

帰りたい 帰りたい 僕だけの土
いつかまた いつかまた 僕だけの土
それだけは守れない 約束を胸に置き
また一歩遠くなるよ 僕だけの土

大きな幸せを くれない空間を 僕はしらない
何気ない 言葉を今 無駄に吐き出す そぅ・・・



はい 皆様めんどくても 読んでください(‘‘;

石黒 美穂(‘‘ 自己紹介 2002年05月02日(木)20時15分56秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

 
はじめまして イメージ文化学科2年・・・になれました(照 石黒美穂です
どうやら先週休んでしまったようで
単位の危機ですね・・・ 知らせてくれてありがとう 某友!!

と・・・
次回読むテキスト です
現在(きょう)が「あの頃」と呼ばれても…
そこには距離という 邪魔者が居ても…
「行こう。」ぬるま湯に風邪ひいて 臆病になる前に

全部乗っけたいとこですが これだけで


蒲公英で解散なアーティスト「19」の「卒業の歌、友達の歌」
の一節ですw(この紙ヒコーキ曇り空わって のカップリング曲)

なんでって・・・
一つ一つの単語 の 流れ その言葉の使い方が可愛いというか
私は感動するのです あ そう なんか 可愛いっていう表現が合うかも(*^^
小さな単語が好き 可愛い単語が繋がって
こういう なんでもないような言葉の比喩にされてるのって
ついでにその意味を考えられて 楽しいと思う・・・
あら? おかしなこといってるかも(==;

で この授業でやりたいこと・・・は(’’
童話でしょうか ちょと詩よりは物語なものがちゃんと書きたいです
短編な小説もいいんですが
・・・えと 
どっちかっていうと 物書きより絵描きだったようなきがするのは 気のせいです(愛
 

越智 美帆子 1A「ケーキボックス」 2002年05月02日(木)13時02分13秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

昔、飴細工がふんわりとかかったケーキを1つだけ買ったことがある。そのとき包装に使われていた1つ用のケーキボックスをはじめて見たとき、なんだかとても嬉しくなった覚えがある。そのケーキ1つのためだけに用意され使われる、小さなしっかりした箱。その箱にはケーキだけでなくて、小さく凝縮された何かがこっそり入っていたらいいなと思った。
 
「あなたの精神は華奢な飴細工のようにとても脆い。元々そうつくられているのです。だからとても繊細だ。しかし人の痛みもよくわかってあげられているはずです。」
 私の目の前に、白衣を着た男が座っている。彼は何か言っているようなのだが、彼と私の間には薄い透明の壁があるので、残念ながら声はこちらまで聞こえない。ただ一瞬、飴細工と聞こえたような気がしたので、お菓子の話をしていたのかもしれない。
 私は最近ここに連れてこられた。なぜここに連れてこられたかよくわからない。もしかしたら、夜中に散歩していたことか、部屋の壁に真っ赤な花を咲かしたことがいけなかったのだろうか。
 とにかく、私の新しい部屋はとても居心地がよかった。白い壁に白いベットとシーツ。カーテンも白で、風通りがよくてとても気持ちがよい。家にいたときのように誰かが語りかけてくることもなく、ここに来てからはよく眠れる。食後の薬も色とりどりで綺麗だ。何一つ不安はない。
 ある日私は夢を見た。ケーキ屋に行った帰りの私が歩いている。手には1つ用のケーキボックス。なぜかその中には私がわからなかった全てが入っているような気がした。そして私はゆっくりと箱を開けた。箱の中には部屋があった。私の白い部屋。そうか、ここは箱の中だ。私のために用意された箱だ。外の世界から一切を遮断されている私だけの世界。誰もここでは存在しない。ふと気づくと、部屋はみるみるうちに飴細工でいっぱいになっていった。
 目が覚めると白い天井が視界に広がった。ケーキボックスと飴細工。昔、私が感じたあの恍惚は私の中で静かに生息している。思い出せない過去を清算するために私はここにいるのだとしたら、あの飴細工同様自らのためだけにその役割を果たす箱の中で静かに生きていくのも悪くない。そう、ここは私のためだけの白い箱の中なのだから。

越智 美帆子 自己紹介 2002年05月02日(木)11時34分01秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

 只今帰郷中のため手元に資料が無いので、申し訳ありませんが抜粋を省略させていただきます。
 私が好きな文章は、漫画『ビューティフルワールド』(著作者:やまだ ないと、出版社:祥伝社)の中の「あしたについて」の全文です。内容は、先のことなんてわからない、いつか未来の自分に希望を持ち思いを馳せればいい、とこんな感じです。この文を初めて読んだとき、ああ、こうゆう考え方もあるんだな、と思いました。明日が嫌なら10年後の自分をなるべくプラス思考気味に思い浮かべてみるだなんて、少し前の自分には到底考えれなかったです。
 遅れましたが改めて自己紹介します。表現文化学科1年の越智 美帆子です。コアな漫画が大好きで、特に岡崎京子、やまだないと、木葉功一を敬愛してやみません。既にお気づきの方もいると思いますが、私は暗くて人間関係のドロドロしたような話が好きです(笑)。ですから、自分の書くものもそういうものを書きたいと思っています。形は詩、短編、長編といろいろ挑戦していきたいです。
 では、これからよろしくお願いします。

麻生 摂子 自己紹介 2002年05月01日(水)17時18分00秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

初めまして、イメージ文化学科の麻生摂子と言います。

著者:谷川俊太郎  画:堀本恵美子  出版社:玲風書房  1996年出版
私が好きな文章は「谷川俊太郎」の『青は遠い色』と言う詩です。玲風書房から出ている同名の詩集の中に入っています。短いので書きます。

  どんなに深く憧れ、どんなに強く求めても、
  青を手にすることはできない。
  すくえば海は淡く濁った塩水に変り、
  近づけば空はどこまでも透き通る。
  人魂もまた青く燃え上がるのではなかったか。
  青は遠い色。

この詩を読んだとき、「そうだよね」と納得しました。青い海をすくいあげることは出来ないし、空の青に包まれることも出来ない。そして、人魂=死んでしまった人にはもう二度と会うことも出来ない。ものすごく「透明感」のある詩だと思います。また、透明感のある詩に堀本さんの青い絵がマッチしていて、心臓が掴まれる様な感覚に襲われます。もし良かったら読んでみて下さい。
余談ですが、高校の時の英語の教科書に「二十億光年の孤独」という谷川さんの詩が、英語で載っていました。この詩も同じぐらい「透明」です。

私は中編小説を書いていきたいと思っています。ジャンルは問いません。
短編では書き入れないと思うし、長編だとダラダラしてしまいそうなので、あえて中編で。
ジャンルはファンタジーから推理小説、エッセイと色々と書いてみたいと思っていますが、もちろん全部書く事は無理なので、今年はファンタジー小説を中心に書いていきます。

東條慎生 1A「交差点(かっこよく言えばクロス・ポイント)」 2002年04月28日(日)22時44分54秒
課題(親記事)/箱を題材とした創作 への応答

いきなりこんなの出すと思いっきりアレな人だと思われそうだけど、とりあえず頭の中に現れてしまったのだから仕方がないと思って諦めました。私が。
やりたいだけやってしまったという感じですね。こんなのが皮切りで申し訳ない。


「交差点(かっこよく言えばクロス・ポイント)」

が、当然のような顔をして交差点へと迫る目標に対して突然の攻撃姿勢を取り、狙われた当の四人乗りセダン(白塗り埃まみれ)は戦々兢々とスピードを増した。他に誰もいない無人交差点へ向けての迎撃体勢を整えるためにセダンの乗員その1である箱男は、ハンドル片手に乗員その2の妻を寝室代わりの後部トランクから引っ張り出し、助手席に座らせて砲塔を任せ、自身は道路を疾駆するセダンの各機能を点検し、交差点五十メートル手前に迫りつつある戦いの予感に総身を奮わせ、準備万端。迎え撃つ交差点は第一の攻撃を行うために対物距離を観測、迎撃範囲内に入ると同時に信号機レーザーを放つための充填を完了させ、その他二重三重のトラップを警戒態勢におきいつでも発動可能とした。その時にはセダンはもう既に光線射程内に侵入し、またさらに速度を上げ猛然と突き進むばかりであったのを見て取った交差点は即座に信号機を発動させた。それまでは三つのランプが順繰りに時間通りに点滅していたのに、いきなりすべてが一斉に光を灯し、赤青黄それぞれのランプからそれぞれの色を持った光線を照射した。しかし、レッドシフトとブルーシフトのせいでとりあえず赤と青がクリスチャン・ドップラー氏の元へ飛んでいってしまったので脱落。残るはデンジャラスカラーをその身に纏うイエロー君ただ一本となってしまった。もちろん光速で飛来するそれを迎撃するにはそれを予見して回避するしかない。セダンはその点、交差点にこれ見よがしにそびえ立つ信号機に対しては第一級の警戒を維持していたので、突然の攻撃にも充分余裕をもって回避することが出来る。まず、速度を維持したまま回避することが肝腎である以上、左右に避けてしまうのでは意味がない。ために、レーザー光線が照射される瞬間にセダンは前後左右に四分割、妻と箱男も四分割となった。妻は上部の、伊の右側に似た部分とくとノと一とに分かれ、くノ一がそれを手に持って、素足でセダンの脇を走り出し、箱男は、竹、木、目、それと男に分割されたため、仕方なく目玉付き竹馬に乗り、長足ストロークのダッシュで分割セダンの脇を駆け抜けた。セダンの中心を狙ったレーザー光線はあえなくそれらの隙間を通り抜け、何らダメージを加うること能わず。
 第二弾は街路樹だった。交差点四十メートル手前まで迫ったセダンの走り続けている道路の脇に並び立つ街路樹が、それまでの緑に包まれた穏和な表情を突然紅潮させ、血のような赤色を吹き撒き散らし、路面は花道、王侯貴族の闊歩する絨毯が敷かれた。だがそれは単なる前座に過ぎず、街路樹どもは突然にその本性を現した。枝だけのその体を振るった。小枝を始めとして枝分かれした部分部分はその先端の部分から次々と射出され、交差点近辺に植樹された数十本の樹から打ち出された枝ミサイルの群れはマクロスとかの板野サーカスよろしく物理法則無視の直角移動したりしながら、元に戻って忍者と竹馬男を収容したセダンを取り巻いた。焦るセダン、片手で運転する箱男、寝る妻。熟睡する妻。熟睡すると見せかけてダッシュボードからロケット花火を取り出し着火。秒間数百発のペースで放たれるそれはまるで一つながりの鎖のように、鞭のようにしなり薙ぎ払う光の剣。樹の弱点は火なので完敗。燃え上がり、やるせない煙を空に残して舞い落ちる敗者の枝々が、セダンの通り去った後の路面にふわりと漂う灰砂をまいた。
 第三弾は省略。
 第四弾、右と左の道路の境にあるセンターラインについてる突起物。路面に埋まっていたそれはタイミングを計らい、鞘から抜かれる白刃のようにその長い全部を地面から引き抜いた。不気味に突き出したその長い棒はセダンが脇を通り抜けようとした瞬間、遮断機が道を通ろうとするのを阻むやりかたでセダンを裁断しようとした。交差点まで二十メートル。セダンは屋根を開き、後部座席のコモン君にすべてを一任した。コモン君は下りてくる長いヤツを一本一本両腕で受け止め、そのたびに棒をへし折り、トランク脇の燃料室に放り込んで加速の手助けをした。元、平凡なサラリーマンであるところの棒はよく働き、よく燃え、燃え尽きた。燃料が追加され、ますます意気盛んに突き抜けようとするセダン。焦りを感じ始めている交差点。勝負はラスト十メートルの長さで決する。
 第五弾、交差点はついに交通規則のコントロールを端末からの逆ハックで奪い取り、あらゆる道路のあらゆる車両を現地集合させ始めた。瞬間的に膨れあがるトラフィックが唸るようにして路面を揺るがせ、セダンは恐怖した。まず、遠く正面まで見通せる長い道の果てから、粉塵巻き上げ、轟音唸らせやってくるトラックの群れが見えた。左側通行の交通法規を無視して、二列併走してこちらにやってくるその様はとてもじゃないが見つめていることも出来ないほどの恐ろしさをぶつけてきた。それだけではなく、バックミラーに見える今までの戦いの残骸が撒き散らされた道からは、赤いのや青いのや銀色のスポーツカーが猛然とこちらを追いかけてくる。左右の角の向こうからも目には入らないが、耳には確かに襲いくる敵の存在が感じられた。膨れあがるトラフィックと、それに押し潰されるようにして交差点の中心へと圧縮される空気。張りつめる緊張の糸が、いよいよ交差点に侵入しようとしているセダンのハンドルを握る箱男で切れた。箱男はやにわにハンドルをもぎとり、市民に偽装した覆面パトカーがいよいよ権力をあらわにする時のように屋根にそれを取り付けた。すぐに箱男は足下のブレーキとアクセルを交互に踏み下ろし踏み下ろしし、屋根上部のハンドルを高速回転させて、揚力によってセダンはヘリコプター風に離陸した。行き場を失った、というより元々そうなるほかないのだが、セダンを追いつめていたスポーツカー、トラック、左右から来た三輪トラック、時代遅れの前に長いボンネットが付いているバス、紙で出来た東ドイツ製トラバント、あとプリウスとかが交差点で衝突を始め、続々とやってくる後続の車たちも逃げ場をなくし、交差点は車の墓場と相成りました。
 放物線を描き空を舞うセダンは力を使い果たした信号機、「  交差点」と固有名詞が抜けた間抜けな看板を付けた信号機の上を悠々と飛び去り、交差点の向こう、左側にある家々に挟まれた空き地へと到着しようとしていた。しかしその時、いの一番に脱落したはずの赤と青の光線は、クリスチャン・ドップラー氏(1803〜1853)が死んでいることに気づき、急いで戻ってきていた。レーザー光線はセダンを狙う、が、セダンは一瞬にして細切れのブロックへと瞬時にばらけて飛び散った。レーザー光線はまたもやその隙間を抜けて行ったのだが、今回こそはといきりたつレーザー光線に触れて、その中の一つ二つが蒸発してしまった。飛び散ったブロックは空から空き地へ降り注ぐと、そこには既に一軒のマイホーム、軽やかに帰宅したセダンの乗員たちはマイホームの中で、箱男は居間で寝そべってテレビを見、妻はその後ろのソファーにもたれ、コモン君は二階でゲームをしていた。ちょうどその時マイホームに帰ってきた溶骨症の少女は固まりきらない腕を何とかのばしたが、ドアノブのないのに気づいて、訝しがりながらも扉をつかんで開け、中に入ると「帰ってきてたの、早かったね」

東條慎生 自己紹介 2002年04月28日(日)22時30分54秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

初めまして、表現文化三年の東條です。去年からこの授業とってます。そんで雑誌に童話(モドキ)が載りました。みなさんも頑張れば寮先生がコネで何とかしてくれるかもしれません。人脈って大事ですねえ。

で、朗読したのは中島敦「光と風と夢」の一節です。

「何と云われようとも俺は俺の行き方を固執して俺の物語を書くだけのことだ。人生は短い。人間は所詮Pulvis et Umbraじゃ。何を苦しんで、牡蠣や蝙蝠共の気に入るために、面白くもない深刻な借物の作品を書くことがあろう。俺は俺の為に書く。たとえ、一人の読者が無くなろうとも、俺という最大の愛読者がある限りは。愛すべきR・L・S氏の独断を見よ!」
(ちくま文庫「中島敦全集1」212ページ)

南洋の島で小説を書いて暮らしていたスティーブンスン(「ジキルとハイド」、「宝島」の)の物語の作り方を説明するときに出てくる台詞です。

他にも安部公房の鋭くて酷く詩的なアフォリズムや、ボルヘスの「隠れた奇跡」の末尾のどれにしようかと考えていたのですが、分かり易く力強い、これにしました。中島敦は、とかく山月記の自尊心やら羞恥心やらで、ナイーブな作家だと思われがちですが、この様な力強い言葉のあるものもあり、一際響いてきます。敦はまた自らが書くということについて非常に意識的だった作家だと思うのですが、彼のそのような意識は山月記を始めとする「古譚」の「狐憑き」(人類最初の語り部)「文字禍」(文字、書物)や、この「光と風と夢」(作家の伝記)、司馬遷、李陵などを中心とした歴史小説の「李陵」(流される自己を恥じる李陵と、宮刑を受けても書く司馬遷の対比)等にも見受けられます。その自意識の葛藤(これは特に悟浄シリーズに分かり易い形で現れている)からの脱却の意思が、このような台詞、または「弟子」の子路の迷いのない人物像へと結実する、と私は思っています。ただ、それらのテーマは作品順に変化しているのではなく、併存しています。だから、そういう直線的に捉えられる話でもないのですが。

好きな作家は、前記の安部公房や中島敦、他には、石川淳、笙野頼子、P・K・ディック、J・G・バラード、カート・ヴォネガット、R・A・ラファティなどが好きです。

書きたいものは、だいたい幻想を扱った短篇ということになると思います。登場人物がたくさん出て、どうのこうのやるのはどうも苦手なので。あ、だから松永さんに「友達はいないか」とか言われるわけですか。居ますよ、携帯アドレス帳に全部で三十人くらい。
作品に関しては出来が微妙なものもありますが、ログに幾つか残っているのと、同時に作品も提出するので、それを併せて参照していただければ。

小川原 君依 自己紹介 2002年04月27日(土)11時10分25秒
課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 への応答

はじめまして、なんだかほかの方の書き込みが見当たらないのですが…失礼します。
なかなかGW明けというのはメディア室通いのものにはつらいものがありますよ。とほほ。
今回、お勧めした本。
銀色夏生 「若草のつむじ」『夕方らせん』新潮社文庫

吉本ばななのサンクチュアリに出てくる梅ジュースがすきだったのですが、いかんせん本がなかったもので。
この本は短編集なんですが、その中でこのつむじが一番好きです。淡々としていて、素朴。
最初の方に女の子の生き方が書いてあるんですが、それが夕方らせん、銀色さん自身に現れているような気がします。
視点をさまざまなところにきょろきょろと動かして、目に映るものをすとんと受け入れてしまえる。
イメージは青い空と草原と白いシーツと家。ありきたりですが(笑)なんでって、よくわからないですがね。

自分のかくものは童話や物語(ss)といったものを底辺にしてます。起承転結はうやむやで、雰囲気のみを重視したものとか。けれどここでは長編をがんばって書き上げたいと思っています。凝り固まったものしかかいてないのが嫌になってきたので、もっと本音に近づけるものを書けたらいいなぁ。

ご迷惑を多々おかけしますが、よろしくお願いいたします。


http://yuzuriha.s1.xrea.com/tatuki/tatuki-top.htm

松永洋介(アシスタント) 課題(親記事)/箱を題材とした創作 2002年04月26日(金)03時19分05秒
課題/自己紹介と創作 への応答

「箱」をイメージした作品を書く
(詳細はコメント元の記事を参照)

  1. この記事への応答として投稿すること
  2. 投稿の題名は1A「作品名」とすること


松永洋介(アシスタント) 課題(親記事)/朗読テキストの紹介と自己紹介 2002年04月26日(金)03時16分13秒
課題/自己紹介と創作 への応答

授業で朗読した(する)テキストの紹介と自己紹介をする
(詳細はコメント元の記事を参照)

  1. この記事への応答として投稿すること
  2. 投稿の題名は自己紹介とすること


松永洋介(アシスタント) 課題/自己紹介と創作 2002年04月26日(金)03時06分38秒

きょう(25日)の授業でもお知らせしましたが、次回の授業までに提出してもらう課題があります。
期限までに提出しなかった人には単位が出ません。

内容は二つ。
a.朗読テキストの紹介と自己紹介
b.箱をイメージした創作作品

▼朗読テキストの紹介と自己紹介

まず一つは、きょう朗読したテキスト(きょう読まなかった人は、次回読むテキスト)の紹介。そして、それにからめた自己紹介。そのテキストがどのように魅力的か、どういう印象があるのか教えてください。
この授業でどんなものを書きたいかといったことも、ぜひ表明してください。個人サイトのある人はURLをどうぞ(投稿フォーム下部の「参考URL」に書けばリンクされます)。

テキストは、短いものならすべて引用してください。長ければ一部分を抜き書きするという紹介のしかたもあります。
そして、他の人が原典にアクセスできるように、出典を明らかにしてください。
出版物なら、著者名作品名書名(雑誌なら掲載号)、出版社名(または文庫名・叢書名)、掲載ページ、といったデータは必須です。刊行年月もあるといいかもしれない。作品名は「カギカッコ」、書名は『二重カギ』で括ってください。

引用部分の前に<blockquote>と書き加え、引用部分の後に</blockquote>と書き加えると、以下のように表示されます。
<blockquote></blockquote>は、引用した段落であることを意味する符号です。引用文をこの符号で括ると、たいていのブラウザでは、改段落および字下げが施されます。その範囲の文章は引用であることがはっきりわかって、読みやすくなります。

▼箱をイメージした創作作品

二つめの提出物は、「箱」を題材とした創作です。
作品のジャンル、形態はなんでもかまいません。
書いたけど長すぎて掲示板に載せるのはちょっと、という場合はそのプロットを書いてください。
作品名は「箱」に限定されません。自由に考えてください。

▼提出の際の注意

  1. 提出方法は、この掲示板への投稿となります。

  2. 自己紹介と創作は分けて投稿してください。

  3. それぞれ、決まった形式で題名を書いてください。
    自己紹介には自己紹介
    創作のほうは1A「作品名」
    という形式で題名をつけてください。数字の1は各人の作品番号、アルファベットのAは作品を改稿する際のバージョンを示します。

  4. 自己紹介・創作とも必ず、それぞれの親記事へのコメントとして投稿してください。そのためには、掲示板上部の「⇒新規投稿」ではなく、親記事下部の「この記事に応答」ボタンを使ってください。

  5. ハンドルネーム(ペンネーム)不可。基本的に本名で投稿してください。なんらかの理由で筆名を使用したい場合はメールで相談してください。



▼提出期限と次回授業の準備

提出期限は5月7日いっぱい。重ねていいますが、期限に遅れた人には単位が出ません。
受講者は、提出された課題を、次回授業(9日)までにすべて読んでおいてください。

わからない点があれば早めに、雑談板に書くか、メールで質問を。

それではみなさん、がんばってください。

http://www.ceres.dti.ne.jp/‾ysk/

松永洋介(アシスタント) 次回(25日)課題/各自好きなテキストを持ってきて朗読! 2002年04月19日(金)01時04分22秒

きょう(18日)の授業でお知らせしましたが、次回の授業では、
各自好きなテキストを持参してのリーディング
おこなってもらう予定です。

この課題は、自己紹介を兼ねています。
どんなテキストを選んできて、どんなふうに朗読し、それについてどんな説明をするのか。
これだけで、もう相当な情報量です。人物について、大体のことはわかる(かもしれない)。

自分で書いたものではない、短めのテキストを選んで持ってくること。
テキストの内容はなんでもよい。詩や小説の一節、歌詞、辞書や辞典の項目、雑誌や新聞の記事、すてきな広告、あやしげな広告、アジビラ薬の効能書き気象通報、その他なんでも。
みんなの前で朗読し、なぜそのテキストを選んだのか、胸のうちを語ること。

どういう進行にするかは、当日の人数などによって考えます。
(ひとり10分だと、授業時間いっぱいで9人しかできない計算。5分厳守としても18人。グループを分けるか、連休明けにまたがってやるか……)

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