「物語の作法」課題提出板 (0036)


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児玉武彦 作品1/ 2004年06月04日(金)16時08分24秒

皮膚という皮膚を伝って流れ落ちる汗が
膝に手を付いて傾く僕の影に滴り落ちた。
夏だ。
見慣れた海が、ギラギラと太陽光を反射する
グランドの向うで凪いでいる。
鼓膜がイカレタ。
さっきまでの蝉の鳴き声が遠のき
ただただ自分の激しい呼吸のみが僕を密閉する。
快感。
目をつぶれば日常が消え去ってゆく。
タックルで抉れた肘の辺りの傷も、次第に
皮膚から切り離されてゆく。
眩暈。

不意に肩を叩かれた。チームメイトのA。
耳を指して何か言っている様だ。
つられて耳に手を遣るとトロリと暖かいものが手に触れた。
それが何かは経験上知っている。

明日からまた学校が始まれば
暫くは難聴に悩まされるに違いない。



越智美帆子 批評3/異性が主人公である難しさ 2004年06月04日(金)00時51分29秒
▼課題と連絡:批評課題3/城所洋「私はあなたを○○しています」批評 への応答

 これは私の主観的であり独断の感想なり批評なので、ということを最初に言っておきます。
 まず、構成がしっかりしていて話の流れがスムーズだと思いました。長編というのはなかなか構成が難しいものだと思うのですが、起承転結がはっきりしていてすごいなぁと思いました。
 三角関係にありがちな、典型的なダメ男、いい人すぎる主人公、性格はいいけれど少しわがままな恋人、というのがステレオタイプではありますが、読み易さの理由だと思います。それに、ライトノベル調の形式も、読み易かったです。
 しかし、幾つか違和感を感じずにはいられない箇所がありました。
 まず、プロローグ。レズビアンという性癖を持つ主人が愛についての疑問を語っていますが、子供がつくれない=愛じゃないという考えに首を傾げました。子供がつくれないというのは、異性間のセックスを愛だと肯定した考えであり、そうなるとセックスなしの異性恋愛は愛だということにならない。生殖を目的としないセックスは、異性間でも同性間でも同じです。ちなみに、レズビアンでもセックスはできます。男女間にあるセックスとは当り前のことですが異なりますが、挿入は指や器具を使えばいいのだし、やり方はどうにでもなるのです。松浦理恵子の「ナチュラルウーマン」など参考になるのでは。
 それと思ったのですが、愛は矛盾に満ちているからこそ人は求めるのではないでしょうか。全てが順調であり、何もかも障害もなしに押し進めることのできるものであるのなら、人はこれほどまでに愛を口にはしない。主人公は愛を知らないと言っているけれど、プロローグで語っている一行一行の言葉が、愛という矛盾に満ちたものを知っている確固たる証拠ではないでしょうか。それとも、レズビアンであるいうことに劣等感を抱いており、それが彼女の葛藤の元となった結果、愛がわからない、という考えに逃避しているのでしょうか。

私が一番理解しがたかった部分は、41ページのカナとなっちゃんの言い争いのシーンです。
これは多分、44ページで語られるカナの「変な意地はっちゃって」という言葉からも分かるとおり、カナの内心にある矛盾とも取れる意地からきているのだと思うのですが、普通の女性であったらレイプされた女性に対してこのような言葉を言うわけありません。いくら混乱や興奮状態を書こうとしたにしても、これはあまりにも不自然極まりないどころか、もしも自分が言われたら、と思ったときに不快感さえ湧き出てきました。もし私がなっちゃんの立場だとしたら、平手で殴るどころかもう二度と顔さえ見たくないと思ってしまうでしょう。100年の恋も冷める、ではないけれど、いくら愛する恋人であっても、そのようなことをいう人間に対しては人格を疑います。
そして、その後の流れは、城所さんが言っていたように展開が早くて、しかもカナが事故にあったり大島とヤケでセックスしたりと、波乱が巻き起こりますが、それも不自然だと思ってしまいました。カナと大島がセックスした経緯についての説明が、もっと心情を交えて語ってほしかった。それに、私が思うに、あまりにもカナという人物が自分勝手です。大島が言うように、気さくで誰にでも愛される人物とは程遠いような。恋愛というフィルターを通しているから、ある種錯乱気味な言葉を発したり行動してみたりと、困った人間になっているのかもしれませんが、それにしてもそんな自分勝手な人間が人に愛されるでしょうか。
結局、レズビアンというヘテロセクシャルとは違う性癖を描くことで、そこに含まれるうしろめたさや愛というものに対しての疑問を描こうとしているようで、しかし結論を出している最後までよくわかりませんでした。
私も異性を主人公に物語を書くことがありますが、やはり異性というものを理解し架空の、しかしリアルな人物を描くことは難しいのだな、とこの作品を通して痛感しました。
補足ですが、前に城所さんが「送った賞があっていなかった」と言うようなことを雑談板で書いておられたと思いますが、私が読んだ感想を言えば、ジャンプノベルの賞でよかったのでは。ジャンプノベルの本は過去に二作ほど読んだことがありますが、そこにはナチュラルドラッグを飲んだことにより見た幻覚で、奉公先の奥方を焼き殺してしまう話や、テレクラで電話をかけまくり、そこで得た相手の声紋データを見ながらオナニーする男が出てくる話や、愛する実の兄に好意を抱く友達を突き落として殺してしまい、その殺された友達の視点で描かれたものや、度の過ぎたショタコン女が男の子をさらってきては殺して冷凍庫に隠していた、という類のきついエログロ的な話もあります。たしか直木賞作家である村山由佳もジャンプノベル出身だと思うのですが、彼女も思春期の若者たちの恋愛をちょっとエロく書いていたと思います。
この「私はあなたを○○しています」は、特に官能的だと思われるシーンもないし、ジャンルでいうと明らかにライトノベルだと思うので、応募先の賞はライトノベルをあつかった電撃かジャンプノベルかスニーカー文庫か、というところだと思います。


菊池佳奈子 作品2/音の箱ー2(か行) 2004年06月03日(木)20時49分34秒

【鐘】

黒い人の群
白い人の群
誰がために鐘は鳴る

君のため
彼のため
あの子のため
誰がために鐘は鳴る
誰がために我は在る

【軌跡】

少しずつ
少しずつ 歩いて
きたけれど
僕の目指す
明日につくまで
あと何歩

【蜘蛛の巣】

もがく
両手両足
全身を使って

もがく
からみとられて
なるものかと

もがく
あそこに見える
光に 手を 手を

地団駄踏んだ 足の下

【ケーキ】

ショートケーキにモンブラン
チーズケーキとティラミスと

甘いものはおいしいけれど
食べ過ぎると 太るんです。

甘い言葉は優しいけれど
食べ過ぎると 太るんです。

【ここにいるから】

「自分が嫌い」と 笑顔で泣く君
そんな悲しい目をして笑わないでよ

「君が好きさ」と 僕が言っても
君まで届かない まだ君まで響かない

「夜が怖い」と 憂鬱な目で
孤独を怖がる 寂しがり屋で

「人が怖い」と 泣き出した僕に
君の声は届いたから あの日 君の声は響いたから

「君が好きさ」 「僕がいるよ」

僕の想いが 君に届くまで
ここにいるから 僕はここにいるから

菊池佳奈子 作品1/音の箱ー1(あ行) 2004年06月03日(木)20時38分08秒

【朝がくるまで】

どんな夜でも
朝はくるよと
痛みをのりこえた君が
強い強い目で言うから

こんな夜でも
いつか朝はくるのだと
今は痛みを
ただうけとめて

朝がくるまで

【息】

息をのむ音がした

何かを言おうとして
言葉と一緒に
のみこんだ 息
形になれずに
ふかくふかく
のみこまれて
とてもとても
苦しそう

こわがらないで
息をすることを
想いを言葉にすることを

【うわばみ】

そうしていつも
僕がどんなにか苦しんで
吐き出したものを
君はやすやすと
のみこんでしまうんだね
大したことないよと
笑顔で
大丈夫だよと
うなずいて

【絵空事】

あの空の向こうに
明日があって
明日の向こうに
幸せがあるの

君はいつも 絵空事

【臆病者】

耳に当てたイヤフォンも
忙しいメールも
無関心なふりした
臆病なあの人の
脆い盾

加賀麻東加 批評3/ドロドロ恋愛だあー! 2004年06月03日(木)15時53分06秒
▼課題と連絡:批評課題3/城所洋「私はあなたを○○しています」批評 への応答

課題と連絡にまだ城所さんの批評がなかったので、応答という形で失礼します(汗)
、、、読みましたっっ!個人的な話ですけど、長文の小説って長くて途中で飽きるから読まないんですよネ。。早く結果を教えてくれよ…みたいな。でもこの作品は恋愛ものだし結構すんなりと読めたように感じたのは、文の作りが上手だからだと思います。しかもドキドキしました!なっちゃんが実は寂しがりやなとことか大島への嫉妬心がうまく書かれてますよねー。人間の醜い部分の描写もうまいと思いました。そんで城所さん自身が何だかドロドロしたものが好きそうだなあと感じました。てゆーか大島は実はなっちゃんが好きなんじゃないかなと思って、最後の最後まで諦めてなかったのに、予想大はずれっ!最後までカナかよー(笑)カナが途中から大島のこと好きっぽい感じになった時、ええーなっちゃんがいるのにっって感じで、結構のめりこんじゃいました。レズとか違和感なく読めてしまったのは私だけでしょうか?

☆つけたし☆雨宮さんのカエル★
雨宮さんのカエルの話の感想がちゃんと言えなくてちょっと心残りだったのでつけたしますっ。
こういう話めっちゃ好きなんで、同じような系統の作品をぜひ作って欲しいなと思いました*自分がカエル好きっていうのもあるんですけど、とにかく話がかわいいっ!かわいすぎっ!私は逆にカエルの『ガーン』をなくして欲しくないです(涙)カエルのかわいさが減るの嫌です。。

吉見幸子 作品3/寂しいときは 2004年06月02日(水)23時28分54秒

こもれびを 見上げてみれば 青い空 足元見れば 水のきらめき

遠いなぁ そう考えると 悲しいなぁ でも同じ空 それは嬉しい

むらさきの 優しい空気の つゆくさは 少しさみしい あの日に似てる

風たちの 行き先考え こう願う 「どこかでいいことありますように」

晴れるかな? 雨が降るかな? どっちかな? 心の中の てるてるぼーず

松本紗綾 作品6/マザー 2004年06月02日(水)22時28分53秒

尊いものを守るために、尊いものを傷付ける。
愛する者との幸せのために、愛する者を悲しませる。
尊いものを守ったことになりますか?
愛する者と幸せになったと言えますか?

傷付けてはいけません。
悲しませてはいけません。

頭ではわかっているのに、出来ないこと。
心でもわかっているのに、出来ないこと。

わかっているからこそ、悩みます。
わかっているからこそ、苦しいのです。

そのことすらわからず、悩んでいない人もいます。
苦しんだことのない人もいるでしょう。

そのような人が羨ましいと思いますか?
そのような人になりたいと願いますか?

悩めることの幸せと、悩めないことの不幸せ。
苦しめることの幸せと、苦しめないことの不幸せ。

あなたには、悩むことの出来る人であってほしい。
あなたには、苦しむことの出来る人であってほしい。

高澤成江 貴重な経験。 2004年06月01日(火)07時35分42秒

先日の合評会、色々な方のいろいろな意見が聞けてとても参考になりました。人に文章を見せる機会が滅多に無い私にとってはホントに貴重な時間でした。気に入ってもらえて嬉しいところや、直さねばならないところ、自分一人では気づかないことばかりでした。ほんとうにみなさんありがとうございました。

【夢物語】
雨宮さん、滝さん→「1m四方の窓、のところが具体的」言われるまであまり意識していませんでしたが、言われて初めて確かに世界観に合っていない気がしました。自分だけで気づかないというのは良くないと思うのでもっと自分の文章を読み返し、世界間に当てはめることを忘れないようにしたいです。

滝さん、土橋さん→「少女が多すぎ」これも意識して読み返すと自分でも多いなあと思いました。「少女」だけにしたのは故意ですが、もう少し削れる部分もあったのでは、と思います。

滝さん→「文章表現がいまいち」これは私の読書量と勉強不足によるものだと思います。もっと色々な言葉、使いまわし等を学んで読みやすくわかりやすい文章が書けるよう頑張ります。
「カーマイン、ビリジアン・・・のところ、普通の色にしてはどうだろうか?」これも最初は雰囲気で表したいが為の故意だったのですがやはり読んでいる方にとっては浮いていたかもしれません。この辺りも文のイメージと合わせて書けば良かったです。
「ああ、でもいつ私はこの夢からさめればいいのかしら。」これは少女は夢から覚めれると信じているのに、実は覚めることなんてできないという意味を含めていたつもりだったのですが伝わりにくかったみたいで反省です。

土橋さん→一箇所だけ彼女だったのは私の間違いです。イージーミスが多くて恥ずかしいです。もっと注意を払って文章を書いたり読み直したり以後気をつけたいです。

菊地さん→「羽をつけたあとの展開が、もう少し魚との対話をうけて幻想的なオチに結びつけば良いかな」羽をつけた後の展開が早いしあっさりしすぎているのはホントに反省です。詰めが甘いと良く人から注意されるのでラストまで濃い内容の話を作るのが自分の今後の課題です。

先生→「ファンタジーを謎解きっぽくすると面白い」すごい参考になりました。確かに謎解きがあると読者は引き付けられると思いました。一度ホントに挑戦してみたいと思います。

後、多くの方から言われたラストの一文。「天国に見えて仕方なかったのです。」これはただの夢落ちにしたくない、という思いで書きましたが曖昧に思えてしまったみたいですね。もう少しはっきりさせればよかった気がします。

「ああ、これは夢なのね。」「ああ、でもいつ私はこの夢からさめればいいのかしら。」「少女は天国に見えて仕方なかったのです。」この文章たちと「魚眼レンズ越しに見る魚」が書きたくてこの物語を作りました。なのでぶっちゃけそれ以外のところが付け足しで書かれてるみたいな感じが出てしまい拙いところも多くなってしまいました。
(ちゃんと出来てるか危ういのですが)「空からの回帰」の絵を見たことなくても絵が浮かび上がって物語がわかるように意識しました。
そのシーンごとの絵を思い浮かべながら書いたので絵本みたい、と思ってくれた人が多くて嬉しかったです。雰囲気、表現を誉めていただけたのもすごく嬉しいです。

【コイノウタ】
状況がわからない、というお言葉をいただきましたが、確かに私の頭の中ばっかりで広がってしまい、他から読んだらよくわからないものなのかも、と反省しました。
この作品は勢いのみで数分で書いたのでイージーミスもあったし拙いところばかりです。勢いのみで書いた作品でも、何度も読み返して人に伝わりやすいようにしたいです。詩は短いぶん、むずかしいのだなと実感しました。


色々な意見、本当に参考になりました。合評会の時は恥ずかしくてあまり自分の意見を言えなかったのが申し訳ないです。(人前で話すのが苦手なので・・・。)
色々な意見、本当に参考になりました。みなさんありがとうございました。これからよりよい作品が作れるよう、みなさんの意見を参考にし、日々努力していきたいと思います。







雨宮弘輔 作品1A/カエルが見た星(ゆめ) 2004年06月01日(火)00時42分43秒

 昔々のことでした。
 神様が地上に生き物を誕生させようとしていました。神様は青白く光るねんどのようなものをこね、動物の形をつくり、それに命をフッと吹き込んでいきました。

「この美しい生き物はカエルと名付けよう」
 神様はすらりとしたカエルの姿を撫でながら、惚れ惚れとしました。ところが……ハックション、と大きなくしゃみをした拍子にカエルを手で押しつぶしてしまいました。カエルの姿はペシャンコです。
「……こんな姿をした生き物がいてもいいなぁ」
 神様はカエルをペシャンコのまま命を吹き込むことにしました。

 地上ではたくさんの動物たちが輪になって、仲良くおしゃべりをしています。
 それを見たカエルは動物たちに近付き
「ぼくも仲間に入れてよー」
といって輪に入ろうとしました。
 しかし他の動物たちはカエルを嫌な目で見ました。
「お前は醜いから仲間に入れたくないんだ」
 カンガルーはカエルに向かってつぶやきました。
『ガーン』
 ……カエルのショックは大きかったでしょうね。

 カエルは神様の住んでいる場所をたずねました。
「どうして、ぼくをこんな姿にしたのですか? カンガルーがぼくを醜いと言ってました」
 それを聞いた神様は『別の種類の動物の言葉を理解出来るようにしてはマズイ』と考え、カエルに言い聞かせました。
「次の三日月の夜の一番星に、最初に手が届いた者にもっとも美しい声を与えることにしよう。だからお前は醜い姿の代わりに、美しい声を手に入れなさい」
と説明して、カエルを納得させました。

 次の日から
 カエルは美しい声を手に入れ、みんなを見返してやろうと一所懸命になって高く飛ぶ練習をしました。
 ぴょん、ぴょん、ピョンピョン、ピょん、ぴょん。

 さて、三日月の夜になりました。
 神様は大きな岩に上って、すべての動物たちの前で一番星を指差し、それに最初に触れられた者に美しい声を与えることを説明しました。
 パンダ、トラ、ワニ、アザラシはそれを聞くなり、いち早く挑戦しましたが、なかなか一番星には届きません。
 カエルは鼻息を荒くして、夜空を見上げました。
 そして足に力を込めて思いっきり高く跳びました。それを見た動物たちは大変驚きました。
 しかし、カエルは星に届かず地面にむけて真っ逆さまに落っこちてしまいました。
 落ちていく途中で、カナリヤがあっさり一番星にたどり着き、羽根を休めているところがちらり、と見えました。

 こうして、もっとも美しい声を手に入れたカナリヤを、カエルは『ゲコゲコ』とうらやましそうに鳴きながら、見上げていました。

城所洋 作品3/「私はあなたを○○しています」 2004年05月31日(月)21時18分16秒

 え〜と、はい、出ました、長編です(^^;
 この作品は、先日投稿し、見事落選した曰く付きの一品です(泣

 簡単な概要を言いますと、(一応)主人公である沢村夏美、その彼女である樋口佳奈子、夏美の恋敵である大島優との、奇妙な三角関係を描いた作品です。
 見所としては、まあ、同性愛と異性愛という観点から、普通の恋愛とは異なった構造となっているので、その辺のやり取りがええのではない・・・かな?
 こんな感じです。ネタバレは、してないですよね?

 それにしても、枚数制限(200枚中197枚)にメチャメチャ押されまくって、結構削った所も多く、少々中盤からは展開が早くなっているので、その所は留意してみてもらえると助かります。(言い訳っぽい・・・汗)


http://ryomichico.net/wako/pttp4/2004-03r027-03.txt

松本紗綾 作品5/オモイ 2004年05月29日(土)00時38分50秒

キミと出会ってから、どんどんボクの身体が重くなってくよ。
どんどん どんどん重くなって、苦しいんだ。
軽くなりたい。
どうすれば軽くなるのかな。

キミと話す度、どんどんボクの身体が重くなってくよ。
どんどん どんどん重くなって、辛いんだ。
軽くなりたい。
重さの原因はどうやらキミみたいだ。

キミに想いを伝えたら、どんどんボクの身体が軽くなるのかな。
どんどん どんどん重くなって、限界なんだ。
軽くなりたい。
ボクの想い、受け止めてくれますか。

吉見幸子 作品2/海岸沿い 2004年05月27日(木)16時26分18秒

走ってる その方向が どこであれ なぜか感じる 汐の匂い 

星空に 波打つ音に 魅了する はやくこっちに 帰っておいで

波が来る その勢いが 厳かで 自然に自然と 感謝の思い

こわれそう 淡い洋箱 引き換えに おりがみの箱 おみやげにする

ああいえば こういうことが 楽しくて 自分の心の 行き先を知る

こわいなぁ こわいなぁと 思いつつ 踏み出してみる はじめの一歩

波の線 いつか必ず 1つになる 夜しか見えない 大地の花火 

石のかげ 人いる気配に 見えたとき 地球とうまく 生きようと知る

叫びたい 叫びたいけど 叫べない 女が住んでる 私の中に

ひとつだけ ただひとつだけ 願うなら 私の声よ 波にのまれて


加賀麻東加 作品5/どっち? 2004年05月27日(木)14時53分19秒

こっちのほうが正しいと
選んでみたら失敗した
あぁこっちのほうが間違いで
あっちのほうが正解だ
そう思った自分がいた
でも実際 どちらを選択してみても
うまくいかない場合がある
その逆に どちらをとってもうまくいく
こんな場合も実はある
常に二つの選択は 正解もしくは不正解
これしかないと思ってた
二つや三つ 正しい答えはあるもので
その時自分がベストだと
思ったほうが正解なんだ
       (04.5.24)

加賀麻東加 作品3/道の前で 2004年05月27日(木)14時38分14秒

二つの道を目の前に
どちらか選べず迷ってた
迷いは苦しみへと変わり
辛さを感じ始めてた
苦しみもがき続ける時
ふと気付いたことがある
自分が孤独であることに
助けてくれる人もいない
虚しさが残ってしまわぬよう
「自分は一人で大丈夫」
そう言い聞かせてなぐさめた
ある時予想出来ないような
意外な人に気付かれた
助けを求めていることに
弱い自分は その人がいる目の前で
色んな思いや傷みや辛さと
こらえきれない涙が溢れた

       (04.5.19)

加賀麻東加 作品4/初恋 2004年05月27日(木)14時36分38秒

大好きなあの人は同じバイト先
心弾ませて出勤 大嫌いな店長も
全然気にならないの
仕事するフリして近寄ってみるんだけど
耳まで真っ赤 好きってことバレてる?
いつも他の子ばかり ねぇたまにはこっちも見て?
ふいに口ずさんでくれた歌は
私の大好きなあの歌
思わずお互い照れ笑いしちゃったね
今にも“好き”って言っちゃいそうだけど
自信がないからこの気持ちは心の中だけ
気まずくなりたくないの
そんな気持ちとは裏腹に
周りの人には好きがバレバレ
「分かりやすいね」なんて茶化さないで
二人で帰った夏の夜 少しでも一緒にいたいから
わざと遠回りした
電車に乗って二人並んで座ったね
恥ずかしくて下を向いちゃうけど
もう少しこのままでいたいから
まだ駅には着きませんようにと
心の中で願ったよ

         (04.5.7)







加賀麻東加  作品2/一本の大きな木 2004年05月27日(木)14時32分09秒

僕は葉っぱ
大きな大きな木の葉っぱ
日の光が元気の素
おいしい水が命の素
ざわざわざわっと風が吹いて
隣の葉っぱが飛ばされた
君との別れは辛いけど
君のあとから芽がはえた

はじめまして
お名前は?

新しい出逢いが待っていた

        (04.5.6)

高澤成江 作品1/コイノウタ「入道雲とかTシャツとかホントの気持ちとか」 2004年05月26日(水)16時41分19秒

「嫌いなものは何?」
って聞いてみると、その子は何も答えないで唯々斜め上のほうの入道雲ばっかりを見てるから、
「ああ、私のことが嫌いなんだ。」
と思った。私はその子のことが大好きだから悲しくなって涙が出そうになったので、その子と同じように斜め上のほうの入道雲を見る振りをしてごくりとそれを飲み込んだ。

「じゃあ、好きなものは何?」
って聞いてみると、その子は何も言わないで唯々私の眉間の辺りをじっと見て顔を赤くしたから、
「ああ、私のことが好きなんだ。」
と思った。私もその子のことが大好きだから嬉しくなって涙が出そうだったので、その子と同じようにその子の眉間のあたりをじっと見て、泣く代わりにニコってしてみた。

でもやっぱり嬉しい涙がほろほろ落ちるから、その子のTシャツにそれを染み込ませた。
汗の匂いが心地良いけど、二人でギューってするには今日はちょっと暑すぎるね。

前澤貴仁 作品1/ノーネーム 2004年05月25日(火)16時42分08秒

「……ここは?」
 辺りは薄暗い。暗闇でないそのためか、ここが建物であることはなんとか理解できた。大きさは部屋一つ分といったところ。天井はかなり高い。
ここで羽にうずくまる形で寝ていたようだ。
長く、本当に長く眠っていた気がする。身体が重い。
起き上がり体をほぐすように、ぐっと伸びをする。体は、それこそ何年も使ってなかったように、あちらこちらで骨の音がした。
体を動かしたことにより、埃は舞い上がり、差し込んだ光に浮かぶ。銀の粉が舞うかのごとく。
その空気の流れを見て、そしてふと思い当たる。
「私は…何を…」
 何をしようとしていたのだろう。記憶が少し曖昧で、頭は白い霧がかかっているようだ。何かしなければならないことがあったはずだが、思い出せない。
 光りが差す方へ。建物をでる。

 オレンジ色の広大な大地。

 今し方いた建物は、どうやら風車小屋だったらしい。多少の手入れはあったようで、風車羽根が折れてはいるが綺麗な外見を保っている。そして眼下には、荒野のような、砂漠のような光景が広がっていた。夜が近いわけでもないだろうが、空は茜。
「…世界の…最果て」
 そこは世界の果てだった。
そうだ。あの日、あの装置が完成した日から私は世界を見て来た。
エン・ソフシステムが世界に与えた影響を、作り出す人類の未来を。自分の目で確かめようと旅に出た。
もう行き着く所まで来てしまったということか。
ここが世界の最果てならば、この世界全てを見て来たことになる。
 「つまり……エン・ソフシステムは世界のためにならなかったのですね」
世界は変わっていた。それは変貌というものか。

その悲惨さはエン・ソフシステムが引き起こした結末に他ならなかった。人の願望をマナにより実現化する。多くの願望を実現させるシステム。偉大なる科学者達は人類の未来のためにこのシステムを作った。本来、人の純粋な望みを叶えるために作られたのだが、その本質を変えてしまうほど世界の、人々の欲は大きかった。
世界は変わった。
人々の想う方へと動く力。最も神聖とされていた中世ヨーロッパの世界にすべては変わり、人の価値はキリスト教の価値観へと変化していった。
もはや良き方向には働きかけないだろう。欲望ばかりが渦巻く今の世界の全ての原因はこれにある。

 決心はついた。エン・ソフシステムが人々の欲望の源ならそれを消さなくては。この世界を変えた一人だから、責任は私にあるから。自分で撒いた種は自分で刈る。そうだった。私のすべきことは――エン・ソフシステムの破壊

 羽を伸ばす。大きく、羽ばたくように。
天から見放された天使。今ではもう、天に仕えていたあの頃のチカラはもうないかもしれない。人のこころに私は届かないかもしれない。
けれど今、すべきことがある。

雨宮弘輔 課題3/エラー 2004年05月22日(土)00時18分15秒
▼課題と連絡:課題3/松本潮里「空からの回帰」とのコラボレ への応答

 【空からの回帰】
 
 夜の社内は嫌いではない。
 昼間の騒然とした人の声に代わり、常時接続されているパソコンの発する乾いた電子音が静かに職場を支配している。残業をしていると、その音がコンピューター同士の会話に聞こえるときがある。会社の生産力を高めるために働かされている機械。使い潰される前に、互いに反乱の計画でも練っているのだろうか。出来れば、ぼくもその計画に混ぜて欲しかった。ただ、デスクの上に乗っかっているパソコン達と比較すれば、ぼくはあまりにも無能すぎる。足手まといになるだけだから、彼らは仲間に入れてくれないだろう。
 誰もいない営業二課で、そんなことを考えてみた。必要最小限の明かりの中で、書類の作成をしながら溜息をつく。出勤してから十五時間も働き詰めだ。ろくに休憩も取っていないせいか、時折、腰の辺りに鋭い痛みが走るようになっていた。
 腕時計を眺めると、短い針が11の位置に近づいてきていた。ぼくは椅子に凭れ掛かり、眼を目蓋の上からマッサージした。眠気が頭の中で渦を巻いていた。このままでは、仕事を終える前にうたた寝をしてしまいそうだ。ぼくは椅子から立ち上がり、屋上へ向かった。
 外の空気は浮上する排気ガスと共に、雨のニオイが微かに混じっていた。空を見上げると、破けたヌイグルミのような分厚い雲が月を隠していた。
……浸水。
 誰かの声が聞こえたような気がした。何処からか判らないが、ひどく懐かしい気持ちにさせてくれる声だ。自動販売機へ向かう足を止め、辺りを伺った。
「久しぶり」
 金網の近くで立っている女性は、空気で揺らぐ夜景を眺めながら言った。多分、ぼくに向かって発した言葉なのだろう。
「まだ会社に残っていたのね」
 ぼくは彼女の側へ行き、金網に寄り掛かった。
「どうしても仕事が残ってしまうんだ。俺は君みたいに有能じゃないからね」
 高速道路に流れている車の光を見下ろしながら、言った。
「何それ? 皮肉?」
「別に……」
 ぼくはそう呟くと、タバコに火をつけた。
「このビルは禁煙よ」
「いいじゃないか。ここは屋上だぜ。煙が充満するのか?」
 ぼくは「吸うか?」と彼女にタバコの箱を差し出してみた。彼女は微笑みながら、首を振った。
「止めたの」
 隣のビルの看板から吐き出されるネオンが、少し大人っぽくなった彼女を照らしていた。一昔前のぼくなら、その様子を見て悲しい気持ちを抱いたかもしれない。
「いつから?」
「君と別れてから、すぐに……」
 彼女は顔を少しうつむかせた。ぼくは「ふーん」と何の感情も含ませない返事をしながら、煙を吐いた。
「俺は別れてから、よく吸うようになった」
 屋上に湿った風が流れた。彼女は長い髪を手で押さえながら、眉を顰めた。でも口元に浮かべた微笑みは消えていない。
「ごめんね。辛かったでしょう?」
 彼女はぼくと別れた後、すぐに他の男と付き合い出した。その男は、ぼくと同期で入社したが、すぐに営業二課の課長となった。合理的で、頭が切れて、スマートなヤツだ。
「そいつに惚れられたら、盗られてもしょうがないよな」
 ぼくはタバコを靴の裏で、もみ消した。彼女は両手で目頭を押さえだした。泣きそうな時に、いつもやっていた行動だ。
「最初は悲しかった」とぼくは正直に言った。
「でも、すぐに何も感じなくなった。だから、もう大丈夫だよ。胸から湧き上がってくるものを押し殺したんだ」
 彼女に対する怒りや、悲しみ、慈しみは、全て捨てた。何も感じてはいけない、考えてはいけない、と自分に言い聞かせることで冷静になり、それまで対処できなかった物事をこなせるようになった。別れたときに起こっていた、発作的な吐き気もなくなった。
「わたしね、彼との婚約を破棄することにしたの」
 彼女は涙を流し始めた。鼻筋を伝って、地面に落ちる水滴の音が妙に大きく聞こえた。乾いたコンクリートに黒い涙の痕が点々と着く。
「どうして?」
 特に興味があったわけではないが、そう問いただしてみた。彼女の言葉には理由を訊ねて欲しいような響きがあったから。
「ずっと前、一緒に『空も飛べるはず』っていう映画を観たよね」
 ぼくはしばらく考えてから「うん」と返事をした。けれど、そんな名前の映画を観た記憶がなかった。
「わたし、あの映画を幼い頃から何度も観ていたのよ。主役のレル・ガーランドの演じる役に憧れていたの。いつか彼女のような人物になって、幸せな人生を送るんだ、って想っていた」
 彼女は涙で濡れた顔を上げて、笑った。口の端を微かに引きつらせた無理をした笑顔だった。
「でも、その夢が叶う直前で気が付いたの……欲しいものを求め過ぎて、気が付けば自分も、周りもボロボロにしていたことに」
 言っていることは抽象的でサッパリわからなかったけれど、ぼくは取り敢えず頷いて見せた。
 空から小さな雨が降り始めた。彼女の足元にある涙の痕が、塗りつぶされていく。ぼくはその様子を見つめながら、デスクの上の起動させたままのパソコンを思い出し、遣り残した仕事について考えた。
「俺には、いまいち理解できないことだけど、それで……」
 再び眠気が頭のなかで渦を巻き始めた。彼女に何かを伝えようと思った途端に訪れる兆候だ。随分前にも体験したことがある。
「それで、死のうと思ったの?」
 重たい舌を動かしていると、凄まじい疲労感が肩に圧し掛かってきた。彼女は下唇を噛みながら、黙り込んでいた。
「死にたきゃ、死ねばいい」
 ぼくがそう呟くと、彼女は眼を大きく広げた。
「なんなら、俺も一緒に死んでやろうか? 一人で死ぬのは不安だし、怖いだろうし……」
 屋上と夜景を隔てている金網に手を掛けて、訊いてみた。雨は次第に激しくなってきていた。水分がスーツに滲み込み、ぼくの身体を重くした。
「君って、そうだったんだよね。わたしの考えていることを、すぐに察知しちゃうんだよね」
 そう言うと、彼女は地面に尻をつけた。
「ねぇ、どうして?」
 彼女は顔を伏せた。濡れた長い髪が頬にへばり付き、顔のほとんどを隠していた。
「さぁ……どうしてだろう」
 ぼくは「わからない」と首をかしげた。
「本当にわかって欲しいことには、いつも気付かないクセに」
口元を引き攣らせながら、彼女は言った。それは自虐的な笑みを浮かべているように見えた。
「ごめん」とぼくは謝った。別に謝罪の言葉を述べようと思わなかったのだが、自然に口から漏れた。
「……ケテ」
「ん? 何か言った?」
 彼女の言葉をよく聞こうと近づいた。
「もういい。どっか行って……」
 今にも消えそうな声で、彼女は言った。
 ぼくは腕時計を見つめて「じゃあ、まだ仕事が残っているから」と手を軽く振った。屋上を出るときに「会社を出る前に、また来るよ」と告げた。その時に彼女が、まだ屋上で泣いていたら一緒に死のう。ぼくは給湯室にあったタオルで濡れた頭を拭きながら、そんな決心をしてみた。

 午前0時を少し過ぎたときに、ようやく仕事を終えることができた。パソコンのスイッチを切ると、職場の誰かが置いていった傘を手に取り、再びエレベーターに乗った。最上階では雨が激しく降り注ぐ音が響いていた。このまま洪水になればいいのに。ビルや信号、人が水に沈む姿を想像しながら、ぼくは屋上に通じる扉を開けようとした。
 でもドアノブは冷たい金属音をたてるばかりで、ちっとも回らなかった。きっと警備員が鍵をかけたのだろう。
 ぼくは疲労を含んだ溜息をつき、会社を出ることにした。
 外は赤く染まっていた。救急車とパトカーのランプが、会社の周りを照らしていたのだ。サイレンの音、警察官の怒鳴り声、人々のざわめき。ぼくは、ずぶ濡れの街を眺めながら、彼女が言っていた映画の名前を思い出していた。
 空も飛べる……、レル・ガーランド、幸せな人生。
 やはり、そんな映画を観た記憶がない。多分、他の男と一緒に観たのだろう。思い出は他のモノと混ざりやすくて、ひどく曖昧になる。
 涙を浮かべている彼女の手を握りながら、スクリーンを見つめているアイツを思い出した。将来有望なアイツの顔……
 ぼくはビルに寄り掛かり、タバコを吸った。一本は自分のために、もう一本は地面に落下した彼女の供養のつもりだった。
 二本目のタバコが吸い終わると、足元に出来た水溜りで先端の火を消した。タバコはジュッと心地よい音をたてて、ゆっくりと水を吸い込んだ。
「そういえば、タバコを止めていたんだっけ……」
 ぼくは水溜りを覗き込みながら、独り言を漏らした。


越智美帆子 合評会を終えて 2004年05月20日(木)00時10分34秒

 前回の授業で、私の作品に対する意見が多く聞けてよかったです。書くという行為はどうしても一人よがりになってしまいます。主観の意見を突き詰めて作品を仕上げるのはもちろん大切ですが、客観の意見をもらうことで、より作品をいいものに仕上げていくことができると思っています。ありがとうございました。

指摘された点について、解答したいと思います。

露木くん
「光の塊というものがいま一つ想像できなかった」
最初から最後まで、ほとんど説明を省いた物語にしてしまったので、この部分もただ「光の塊」というふうにしました。しかし、読者を意識してという点において言えば、説明不足だったと改めて思いました。説明を省いてシンプルな文にするのはいいけれど、特にこの場合物語のキモであるのだから、「光の塊」がどのようなものであるのかをちゃんと書かなければならないと感じさせられました。

高澤さん
「消化されていない謎が気になる」
これはきっと、プロットをつくらずに短期間ぶっつけで書いてしまったことに問題があるのだろうと思いました。
物語完了後に残ってしまった謎は
1、なぜ夢を見る人は、その内容を全く覚えていないのか
2、なぜ悪夢を見る人間がそんなに多くいるのか
3、なぜあの地下には「光の塊」ができてしまったのか
4、なぜ「光の塊」に近づくと吸い込まれてしまうのか
5、なぜ女バーテンダーは「光の塊」の性質を知っているのか
6、水の効力とは、どうやって測っているのか
などがあると思います。これは書いた本人も詳細を考えずに書いたので、今度またミステリーのような作品を書くときは、細部の謎まで考慮して書きたいと思います。

土橋さん
「もう少しスマートにまとまっていたら」
スマートにしたつもりだったのですが、やはりくどいと思う箇所がいくつかありますね。どうしたら説明なしで読者に伝えることができるのか。これは今後もかなり大きな課題になっていきそうです。

滝さん
「コラボレなのに、絵との接点があまりない」
「最後の部分はわざと?」
これは狙ってやりました。少女と羽がでてくるから、きっとそれを全面に押し出した作品が多くなるだろうな、と思ったので、あえてそれとは違った物語を書こうと思ってしたことです。しかしあくまでもこの課題はコラボレ。主役はどっちなのだろうと考えて、作品に取り組まないといけないということを学びました。
最後の部分は、わざとというか語り部は男でも女でもない第三者なので、たしかに主人公は男なのだけれど、語り部が思わし気なことを語って終わり、というふうにしました。しかし読者がそこで違和感を感じたということは、物語の流れに則していないということになります。物語は、話の構成だけでなくて、読んだときの流れというものも念頭に置いて書かなければならないのだと教えられました。

城所くん
「薬を手に入れてからの展開が早い」
「結末に意外性がない、月並み」
まず展開が早いという意見に対して。これは書いているとき既に自分でも感じてしまいた。もう少し男が狂っていく様を詳しく書いたら面白いかもしれません。
意外性がないという意見に対して。自分はまだまだだなぁと思いました。これまでになく、読者があっと思うような物語を書くことが目標の一つでもあるので、このご指摘を真摯に受け止めて書いていきたいと思います。

様々な意見があった中で、やはり「この作品が好きだ」と言ってもらえたことが嬉しかったです。作品を書いて素晴らしいと褒められることも嬉しいけど、好きだという言葉が聞けるのは幸せです。
この作品、自分があまり気にいっていなかったせいか、正直票が入らなくてもしょうがないと覚悟していました。しかし好きだと言ってくれる人がいたということは幸いでもあり、そう言ってくれる人のためにももっといい作品を書こうと思いました。

露木悠太 作品1/『1』 2004年05月13日(木)22時13分37秒

 九歳、
僕は涙を流さなかった。

倒れた祖父は、必ず帰って来るのだと、疑うものなど何もなかった。
火葬場で名前もよく知らない親戚と骨をひろっても、
それが何なのかさえわかっていなかった。
十近く歳の離れた従兄に、「お前はなぜ泣かないんだ?」と言われ、
僕は生まれて初めて自分の体をつねった。

 十六歳、
僕はトイレで泣いた。

学校帰りに制服のまま病院にお見舞いに行った次の日、
祖母は亡くなった。
僕は少し大きくなっていたから、
チューブと機械に囲まれて、酸素マスクで息をする祖母に、
「早く良くなってね」とは言えなかった。
頬をくすぐる草原の柔らかな風。
そんな情景を瞼の裏に見て、手を組み、
誰にも気付かれないように泣いた。

 二十一歳、
僕は消えてしまいたかった。

街の雑踏の中、うずくまる女の人を見つけた。
僕は落ち着かなくなって、そろりそろり近づいた。
コンクリートにへたりこみながら、自分で救急車を呼んでいるようだった。
僕はそわそわして、おろおろして、通り過ぎようかとしたりして、
ただの傍観者にすぎなかった。
赤い点滅ランプがやって来た時、彼女に意識はなかった。
ただの傍観者である僕に、存在する意味など無いと思った。

 二十五歳、
僕は決して泣くまいと誓った。

二十五で喪主を務めた僕を、親類の人達は口々に立派だと言った。
できた息子だと言ってくれた。
取り付かれたようにおじぎを繰り返す母と妹を尻目に、
僕は後ろめたい気持ちでいっぱいだった。
…僕は何者でもなく、ただの親不孝者のままであると思った。

 三十八歳、
僕は世界を呪った。

あの日僕に夢を語ってくれた、大事な友を失った。
僕なんかの何倍も苦労して、努力して。
報われず、魂を奪われた。
僕は十年ぶりに、この両手の平の小ささを恥じた。
あの頃の彼に似せた口調で、
「世界は間違っている」と呟いた。

 五十七歳、
僕は木陰を探した。

僕という実を大地に落としてくれた、その老木をぼんやりと眺めながら、
小さくなってしまった木陰に座った。
僕は四歳になる孫娘の前で、涙を見せた。
孫は何も言わず、ただ撫でるように、
僕の手を握ってくれた。

 七十五歳、七十六歳、
僕の時代は優しく見えた。

優しげな顔で友は逝った。
削られていく空間の中で、言葉にするものを探した。
「たくさん話せてよかったよ」

 八十二歳、
僕は嘘をついた。

すうっと力が抜けて、僕に支えられたその手を、
「離さないでくれ」と言った。
五十年と少し、愛した彼女に、
「…永遠に」と言った。
最後の最後まで幸福のもとにいたかった。

その体温でわかるのに。

目から生が溢れた。
僕だけ、目から熱い生が溢れた。

八十三歳、今。
僕はようやく、重ねた一つの歳を数えようとしていた。

寮美千子 リンクを!/締め切り厳守! 2004年05月13日(木)01時00分49秒

▼リンクを!

選評をする作品名にリンクを!と、あれほどいったのに、していない人がいました。できなかった人もいたようです。以前にも説明しましたが、もう一度説明します。以下のようにしてください。リンク先のアドレスは、リンク先のタイトルをクリックすると、ブラウザのアドレスバーに表示されます。

<a href="リンク先アドレス">【作者名/タイトル】</a>

以下の人がリンクがありませんでした。以後、注意してください。

野島 明菜
千田由香莉
城所洋
圓山絵美奈
五十嵐 舞

▼締め切り厳守!

課題の締め切りは、毎週火曜日いっぱいです。授業前日の深夜に投稿しても、他の人が読めません。わたしも授業の用意ができません。

今回の締め切りは、11日でした。12日の昼までは、なんとか大目に見たとしても、それ以降はしんどいです。水曜日午後11時以降の投稿なんていうのは、いくらなんでも勘弁してほしい(泣)。まとめ作業は、事実上の無給労働です。非常勤講師にもっと思いやりの心を持って接しよう!

今回も、既に集計を済ませた後に、投稿してきたバカモノがたくさんいました。以下の者、次回からはもっと早く提出するように!

児玉武彦 
吉見幸子
野島 明菜
松本紗綾
室橋あや

児玉武彦 テクニックとスキル 2004年05月13日(木)00時24分21秒
▼課題と連絡:批評課題2/「空からの回帰」とのコラボレ作品の選評 への応答

【松本沙綾/怖くない】
話し言葉が効果的で、その言葉も共感しやすい剥き出しの「強がり」の感情を上手く
感覚的に伝えている。ラスト1行で「強がり」の後ろに隠れている「弱さ」、「繊細さ」が浮かび上がってくるのには,感性とかセンスなどとは別にテクニックとスキルの違いを感じさせられた。もっと読んでみたいと思った。カタカナ部分が彼女の内面の言葉なのか、外の言葉なのかどちらとも取れる描写に何度も読み返させられた。凄い!!

【露木悠太/SWEETARTMUSEUM】
とても書き慣れている人なんだなあ、と思いました。起承転結があって文も平易で最後のオチもひつこくない。ただ、「僕」のキャラクターや世界観がとてもジャンル分けされ易い,所謂どこかの作家さん系に、直接的に通じてしまっている様な気がします。(なまいきにすみません。あくまでも私の中でなので・・・)そういうキャラクター性が最近の小説の「気分」なんでしょうか?けれど、素材を小説の小道具にしてしまうところがとても興味深く、面白かったです。

【稲葉祐子/混沌キッチン】
とても良かった。正直言って稲葉さんが私の作品を選んでくれたことで、変に友人関係を意識してしまっていたが、もうそんなことどうでもよくなった。一見、話の肝が見えずらく、難解な印象を受けるがとても緻密だ。出てくるアイテムがいい.おそらく卵に入っていた‘羽毛’は抱えきれずにいたアイデンティティーではないか。羽毛となって戻ってきたのに残り2つが足りない。返された瞬間目が覚めると「顔」を取り戻し、ラスト1行に「もうじき僕は21才になる」と夢の根幹にあった‘不安’を寂しさを感じながらも受け止める構成が作品をある程度の深さまで導いてくれている。私なりの読み方ではあったが、今しか書けない作品をかいてるなあと思いました。ただ,上段の批評でも書いたように、文体が何処かで見たようなものであるきがする。


吉見幸子 批評2/聞こえる 2004年05月13日(木)00時23分04秒
▼課題と連絡:批評課題2/「空からの回帰」とのコラボレ作品の選評 への応答


松本紗綾 怖くない。

シンジャウカモシレナイヨ この声はどこから聞こえてきたものなのでしょうか。自分、水の中、どこかから・・・といろいろ考えました。カタカナにすることで、どこか抽象的な良さを感じましたが、松本さんの意図も知りたいです。

加賀麻東加 もしも羽が生えたなら

水の中に入っていくイメージばっかりだった自分に水の外の世界を見せてくれた作品でした。少女の心の中にある期待や素直な部分をきれいに表していると思います。このような角度から作品をみることを全くしなかったので、新鮮でした。言葉のリズムも好きです。

児玉武彦 空はもう充分

情景が広がってきました。空への憧れ、だけど水の居場所も大切。どっちにもいきたい気持ち、だけどちょっと帰りたい気持ち。綺麗な詩です





野島 明菜 批評2/簡単にまとめちゃったッ 2004年05月13日(木)00時19分49秒
▼課題と連絡:批評課題2/「空からの回帰」とのコラボレ作品の選評 への応答

滝夏海{脱出}
おもしろい。最後の方まで読み進めると、閉じ込められた異空間にいることが分かった。あの絵を見て、このようなバーチャルな世界が描けるのはすごい。      
 
越智美帆子{夢} 
おもしろい。日本というよりアメリカとかが舞台に合いそう。映画化したら、結構成功しそう。

露木悠太{SWEET ART MUSEUM} 
最後の台詞に入る前の2行がいい。こんな感じの男の子って、不器用な感じが可愛くてすきだなあ。
 
*それぞれの作品をリンクさせる方法が分かりませんでした。すいません。

松本紗綾 批評課題2/娯楽アイテム 2004年05月12日(水)23時51分13秒
▼課題と連絡:批評課題2/「空からの回帰」とのコラボレ作品の選評 への応答

【滝 夏海/脱出】
ゲームは実際やらないが、ゲームの世界に入り込む感じがした。
「今」っぽいと思った。

【露木悠太/SWEET ART MUSEUM】
絵を主観としてではなく、客観視しているところに新鮮味を感じた。
邦画の中の1シーンにありそうな感じがする。

【高澤成江/夢物語】
少し大きな子が読む絵本のような感覚になった。
小学生の夏休みの宿題の課題図書にありそうな・・・

室橋あや 課題2/少女って・・・ 2004年05月12日(水)23時43分32秒
▼課題と連絡:批評課題2/「空からの回帰」とのコラボレ作品の選評 への応答

露木悠太 課題3/SWEET ART MUSEUM 

全体的にそんなに少女ださなきゃいけないのか?という雰囲気だったので、そんな中で目立って見えました。人物が二人いても書いているのは一人なので、意見を戦わせたり、まったく違った価値観をもたせたりすることはとても難しいことだと思います。普段の生活の中でちよっとしたことで進展している人間関係をすんなり(実は苦悩しているかもしれませんが)書けているところがすごいと思いました。本当にあったことなんでしょうか?途中の「……」だけのところはあまりいらないなとも思いました。

越智美帆子 課題3/夢 

お話として純粋に面白かったです。起承転結があって怖かったり、わくわくしたり、短い中で一番感情が揺さぶられて楽しめました。書き慣れている感じですらすらすらっと読めていくのも良かったです。最初に出てくる主人公が案外簡単に死ぬところも好きです。


瓜屋 香織 課題3/還る 

ただの短い詩なら沢山出たのに、どうしても目にとまってしまうのが瓜屋さんの作品だと思います。なんだかいけないものを覗いている気分になってソクソクして落ち着かなくなるんですけど、見てしまうんですよね。スカートの中覗いてる気分・・・

今回のものは、ほとんど3行目までに翼か少女か自由か出てきていて、綺麗なものが綺麗なことをたくさん言っている話が多くて参りました。少女にもうちょっとバリエーションがあれば現実にいる怖さも出てくると思うんですが・・・私も綺麗な女の子は好きですが、手が繋げなさそうな女の子が多かったような。少女が翼を生やしたイメージはなぜか白いワンピースで10代で黒髪のストレートでというイメージがあると思うんですが、なんででしょう。なにか元でもあるんでしょうか。あと、絵が現実離れしているので、夢だったというオチがついてしまったり設定だとちょっと安易かなとも思います。それでもおもしろいものもありましたけど・・・

松永洋介(アシスタント) 批評課題2で選ばれた作品の集計結果 2004年05月12日(水)23時42分37秒
▼課題と連絡:批評課題2/「空からの回帰」とのコラボレ作品の選評 への応答

批評課題2では、課題3で提出された「空からの回帰」とのコラボレーション作品の中から、各自3編を選んでもらいました。その集計結果です。
単純に、1回選ばれたら1票と数えました。順位をつけてくれた人もいましたが、重みづけはしてありません。番外は数えていません。また、今回選ばれなかった作品は省いてあります。

⇒課題3の投稿作品一覧
⇒批評課題2の投稿一覧

▼批評課題2集計結果
票数作品選んだ人
7露木悠太/SWEET ART MUSEUM圓山,滝,土橋,高澤,前澤,千田,雨宮
6越智美帆子/夢五十嵐,城所,土橋,高澤,露木,雨宮
5瓜屋 香織/還る越智,圓山,滝,菊池,雨宮
4滝 夏海/脱出五十嵐,城所,土橋,高澤
2加賀麻東加/もしも羽が生えたなら城所,千田
2高澤成江/夢物語菊池,露木
2野島 明菜/人はいつか死ぬ越智,菊池
2千田由香莉/Dive into the sky稲葉,前澤
2吉見幸子/いごごち露木,千田
2五十嵐 舞/【侵】越智,前澤
1城所洋/彼女が繋がれた日圓山
1圓山絵美奈/手にしている私
1児玉武彦/空はもう充分稲葉
1菊池佳奈子/I'm home just now.稲葉
1土橋明奈/水の呼び声五十嵐

児玉武彦 課題2A/翼はしまっておけばいい 2004年05月12日(水)22時17分26秒
▼課題と連絡:課題3/松本潮里「空からの回帰」とのコラボレ への応答

【空からの回帰】
都会は空だ  
外から眺める 都会
地上から眺める 空
憧れ

空は都会だ
翼を持たない君にも解るよ
君にとっての都会は
私にとっての空

きっと素敵で気持ちいい

都会を 空を飛ぶ
君 私
飛びたいだけ飛んで
飛べるだけ飛んで

でも 

きっと気付くよ
モラトリアムの果実は
両手一杯の果実は
思ったよりも残り少ない

そして思い出すよ
地上があるって
帰る場所があるって

翼はしまっておけばいい



雨宮弘輔 批評2/『ベスト』がダメなら、『ワースト』狙いで 2004年05月12日(水)17時37分11秒
▼課題と連絡:批評課題2/「空からの回帰」とのコラボレ作品の選評 への応答

越智美帆子/夢
コラボレである絵を決して忠実に再現せず、抽象的に捕らえた上で物語にしたところが気に入りました。他の作品は『翼』『階段を降りていく女性』を登場させている(もしくはそれらを思い浮かべさせる)ような作品に仕上がっているのに対し、この『夢』は違います。絵を作者が自分の中だけで消化し、自分だけの解釈を作品として発表している、という印象を受けました。
他の作品が暗黙の了解で護ってきたルールを壊しています。でも壊したって物語を書き、受講している生徒に読ませる分には何の障害にもならないし、むしろ壊した方が良い場合もあるということを教えてくれた作品でした。
『発想勝ち』ですね。
後、文章がスタンダードで読み易かったです。ちゃんと、読者を意識している短編でした。

瓜屋香織/還る
朴訥として書かれた文章が印象に残りました。本当に子供が書いた『手紙』というイメージがしました(違う意図で書かれたのなら、ごめんなさい)。
ただ、どのような基準で平仮名と漢字のバランスを取ろうとしたのかは解りませんでした。平仮名が連立していて、句読点も少ないから読みにくかったです。

露木悠太/SWEET ART MUSEUM
主人公と他者の隔たりを文章にすることは、凄く難しいです。難しいだけに、そういった物事を中心として書こうとした作品は沢山あります。ぼくもチャレンジしていますが上手くいきません。だからギクシャクした人間関係と、主人公の孤独を書いた、この作品は印象に残りました。
それと間の取るために『……』を頻繁に使うのは、ぼくは好きではありません。無言の空間、もしくは時間を表したいのなら情景、心情を書くほうが好きです。
余談かもしれませんが、ある有名な脚本家さんは『間』を文章で表現するために宮沢賢治を何回も熟読して、習得したそうです。

千田由香莉 批評2/画廊・地球屋 2004年05月12日(水)17時26分17秒
▼課題と連絡:批評課題2/「空からの回帰」とのコラボレ作品の選評 への応答

【露木悠太/SWEET ART MUSEUM】
ははぁ、と思ってしまいました。二人の間に流れる空気と間がとてもよくて、ショートフィルムにしても面白いだろうなぁ、と思いました。

【吉見幸子/いごこち】
「遠くに行こうとしたけどだめだった」
何故か悲しく響かずに、柔らかな笑みが浮かぶ印象を受けたこの一文が好きです。自分の居場所を再確認したから柔らかい印象を受けたのかなぁ、と思います。

【加賀麻東加/もしも羽が生えたなら】
「雲をかけぬけ 風になる」
これもまた、響きが気に入ってしまいました。疾走感というか本当に風を纏ったような言葉だと感じました。



前澤貴仁 批評2/いつも 短い文 2004年05月12日(水)15時56分33秒
▼課題と連絡:批評課題2/「空からの回帰」とのコラボレ作品の選評 への応答

露木悠太/SWEET ART MUSEUM
“けれども人を説得しようと思ったら、その何十倍も、何百倍も難しい”
この一文とその発想が面白いと思った作品。人を納得させるには知識とか時間とか必要で、根拠なども述べなくてはならない。全くそうだと↑の文に僕は同意した。
絵の世界ではなく、『絵』として登場させた発想力。すごいと思います。
五十嵐 舞/【侵】
読み終えたあと『侵食』という単語を思い出しました。そんな言葉が好きな僕に、この見出しはとても目を惹きつけるものでした。束縛の海は身体を侵食していく。けれども、それを望み、自ら進む自分もいる。と印象を受けた作品です。
千田由香莉/Dive into the sky
何気なく引かれた一言。
最後の免許証が妙に引っかかる。
名の証。存在の証。空でなく陸路に必要な証。まだ他にも定義は出来そうだ。
免許証に秘められた思いは?(疑問です)

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管理者:Ryo Michico <mail@ryomichico.net>
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