「物語の作法」課題提出板の検索

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/音の箱 の検索結果(ログ36-42)


菊池佳奈子 作品1/音の箱ー1(あ行) 2004年06月03日(木)20時38分08秒

【朝がくるまで】

どんな夜でも
朝はくるよと
痛みをのりこえた君が
強い強い目で言うから

こんな夜でも
いつか朝はくるのだと
今は痛みを
ただうけとめて

朝がくるまで

【息】

息をのむ音がした

何かを言おうとして
言葉と一緒に
のみこんだ 息
形になれずに
ふかくふかく
のみこまれて
とてもとても
苦しそう

こわがらないで
息をすることを
想いを言葉にすることを

【うわばみ】

そうしていつも
僕がどんなにか苦しんで
吐き出したものを
君はやすやすと
のみこんでしまうんだね
大したことないよと
笑顔で
大丈夫だよと
うなずいて

【絵空事】

あの空の向こうに
明日があって
明日の向こうに
幸せがあるの

君はいつも 絵空事

【臆病者】

耳に当てたイヤフォンも
忙しいメールも
無関心なふりした
臆病なあの人の
脆い盾

菊池佳奈子 作品2/音の箱ー2(か行) 2004年06月03日(木)20時49分34秒

【鐘】

黒い人の群
白い人の群
誰がために鐘は鳴る

君のため
彼のため
あの子のため
誰がために鐘は鳴る
誰がために我は在る

【軌跡】

少しずつ
少しずつ 歩いて
きたけれど
僕の目指す
明日につくまで
あと何歩

【蜘蛛の巣】

もがく
両手両足
全身を使って

もがく
からみとられて
なるものかと

もがく
あそこに見える
光に 手を 手を

地団駄踏んだ 足の下

【ケーキ】

ショートケーキにモンブラン
チーズケーキとティラミスと

甘いものはおいしいけれど
食べ過ぎると 太るんです。

甘い言葉は優しいけれど
食べ過ぎると 太るんです。

【ここにいるから】

「自分が嫌い」と 笑顔で泣く君
そんな悲しい目をして笑わないでよ

「君が好きさ」と 僕が言っても
君まで届かない まだ君まで響かない

「夜が怖い」と 憂鬱な目で
孤独を怖がる 寂しがり屋で

「人が怖い」と 泣き出した僕に
君の声は届いたから あの日 君の声は響いたから

「君が好きさ」 「僕がいるよ」

僕の想いが 君に届くまで
ここにいるから 僕はここにいるから

菊池佳奈子 作品3/音の箱ー3(さ行) 2004年06月16日(水)01時17分24秒

【最終電車】

最終電車 走るよ
くらいくらい線路の先に
なにがるのか 
見えないけれど

ホームにすべりこむ電車
ふきこむ風に おびえるけれど
大丈夫 
かならずどこかに つながっているから

今日はおしまい
バイバイまたね
また明日

人工物の鉄の塊
たったひとつあたたかな僕

次の電車は朝日を浴びて
違う日の中 走るのだろう

【印】

ピアスをプレゼントするので
耳につけていてください。
ゆびわをプレゼントするので
薬指につけていてください。

僕がいない間も
身につけておいてください。
僕がいない間にこそ
見せつけておいてください。

それは僕のハンコです。
「僕のもの」という
印です。

【ストマックエイク】

『ぐちゃぐちゃ』
『どろどろ』
『わけがわからない』
『もう駄目だ』

弱音で膨れた腹が痛い

【晴天】

見上げたら
空はどこまでも青く青くあって
其れは変わらずに遠く広くあって
それだけで僕は…

本日は、晴天なり。

【存在】

誰か
私の悲しみを否定して下さい

この酷い想いを
この陳腐な考えを
その根底にある 存在不安を

否定して下さい

私はここにいて良いのだと
私はここにいるのだと

誰か 教えて

菊池佳奈子 作品4/音の箱−4(た行) 2004年07月01日(木)14時40分16秒

【体温】

かなしくて
くやしくて
どうしようもなく
自分が嫌で
泣きたくて
だけど泣けなくて
そんなあの日
ずっととなりで
空を見ていた
君の体温が
やさしくて
あたたかくて
すべてのトゲが
お日様に溶けて
じわりとしみて

僕の目にしずく

【誓い】

そばにいてください
今となりにいてください
永遠をその指輪に誓うのならば
今ここにいるとこの指先に
誓って

【紡ぎ歌】

きれいなことばを吐きましょう
どんなにみにくい私でも
つむぐことばがきれいなら
少しはきれいに見えるやも

きれいなことばを吐きましょう
どんなにみにくい感情が
ことばの裏にあったとて
ことばの面のきれいさに
ごまかされるやもしれません

きれいなことばを吐きましょう

きれいなことばを吐いたなら
こんなに醜い内側も
いずれきれいになるやもしれぬ
いずれきれいになって欲しいと

きれいなことばを吐きましょう

【手紙】

綴じた封筒
わたすことができなくて
あの時言いたかった
ごめんなさいと
ありがとうは
今もピアノの上
時を止めたまま

【道化】

みんなのまえで
ぼくがじょうずにわらえたら
閉じた右目
まぶたにそっと
哀れみのキスをください

菊池佳奈子 作品5/音の箱ー5(な行) 2004年07月01日(木)14時57分46秒

【ナイフ】

「赤い屋根の
 白いお家で
 茶色い犬をかうの
 それが夢なの」
カラフルな君のナイフ
となりの男の子につきささった
君は満面の笑みで
彼の鮮やかな血に気づかないから
思わず指差して
ゲラゲラ笑ってしまった

【似たカタチ】

似たカタチの想い
似たカタチの存在
似たカタチの思い出
似たカタチの痛み
似たカタチの傷口

でもどこか
やはりどこか違って

なにひとつ
おなじものなど
ありえないのです

【縫い目】

君と僕とをつなぎましょう
君と僕との境目が
くっきりしてるの 嫌だから

皮膚と皮膚をビラリ剥がして
ちくりちくりと縫い合わせる

この針はきっと愛という名で
この糸はきっと絆という名で

君と僕とがつながったなら
君と僕がつながれたなら

縫い目はギザギザ

君は痛いと泣くけれど
君の痛みは僕の痛み
僕も痛いと泣けるから

【眠らない夜】

眠れぬ夜の孤独を 
夜の中の私の孤独を
誰が知るというのか
この夜にたったひとり残されたような
あの不安な空気
眠れぬ夜の私の孤独

【軒下】
激しい雨に
ぐっしょりやられて
げっそりなって
雨宿り

遠くのほうから
走ってくる君
ぐっしょりで
からっと笑顔で
こんにちは

やあやあひどい雨ですね
まったくひどい雨ですね
いったいどちらに行かれるのです
私は私へ
君は君へ

どうやら大分やんできたのか
私の行く先 雲間が見えた

ではこのへんで
どうかお元気で
君よ どうかお元気で

激しい雨の中
もう一度足を踏み出した

菊池佳奈子 作品6/音の箱ー6(は行)  2004年10月06日(水)18時10分43秒

【Happiness】

Always Mummy said,
"I love you, Baby,
I love you.
So U must be happy!"

Oftentimes Daddy said,
"I love mum, and
She love you.
So U must be Happy!"

Sometimes Grandma said,
"I love dad, and
He loves mum, and
She loves you.
So U must be HAPPY!"

『人に愛されることは、幸せなことだから』

I must be happy...HAPPY?

【ピクニック】

例えば 今日起きたら青空で
例えば 最初に見た君の笑顔がまぶしくて
こんな時は ピクニック!

サンドウィッチ バスケットにつめて
君はリボンなびかせ ストローハット
ひざこぞうが お日様に笑う

例えば 昨日ひどい痛みを抱き
泣き疲れて 眠りについて
そんな日々の中でも

ひまわりみたいな君の笑顔
遠くひびく笑い声
心から思い切り笑えたら

バスケットにつまった苦しみも
きっとおいしく食べれるさ!
人生笑って ピクニック!

【フィールド】

君はその笑顔の裏で
ずっと戦っていたんだね。
そしてその足で道を踏みしめ
これからも戦っていくんだね。

苦しくても辛くても
それでも最後に笑えるように。

【別離】

「さよなら ばいばい またいつか」
笑顔でてをふり遠ざかる君

「さよなら ばいばい またいつか」
別れも孤独も寂しさも
ちゃんと覚悟をしていたはずで

くやしいのは僕の涙で
悲しいのは君の笑顔で

背を向けた君の
足元にコロコロ
落ちてく悲しみ

悲しいのは僕の君も同じで
嬉しいのは それでも 僕も君も歩きつづけるということ

【ほんとう】

この世界 正解なんてないけれど
僕に見えるもの
僕の耳に届くもの
僕が思うこと
僕に触れた君の手や
昨日 君と見た花火が とてもキレイだったとか
そんなことが
いちばんのほんとう

菊池佳奈子 作品7/音の箱ー7(ま行)  2004年10月06日(水)18時40分08秒

【真夜中】

おやすみなさい。
電話を切って
懐かしい唄 ずっと聞いてた
かすれたヴォーカルの声に
重なる 君の声。

いつも他愛のない話ばかりなのに
わざとたいした話なんかしなかったのに

大好きな唄 ずっと聞いてる
かすれたヴォーカルの声に
重なる 君の 「おやすみ」。

【未来】

なにが正しくて
なにが悪いのか
そんなことひとつもわからないけれど
この先の道を
選んで掴み取っていく
それは私のこの両手

【無色透明】

みんなみんな『個性』という枠に囚われて
自分を青や赤や黄色に やたら染めたがるけれど
その中で 己を透明だと嘆く君は
僕の目に強くまぶしく こんなにも鮮やかなのに

【メール】

君に出したメールの返事を
待ってる自分が歯がゆくて
そっと指で 電源を切る。

【モノトーン】

僕のモノトーンの世界を
まるで魔法のように
鮮やかに彩る君の指
色とりどりの世界を
この手のひらに

菊池佳奈子 作品8/音の箱ー8(や行)  2004年10月06日(水)18時53分40秒

【約束】

毎日スケジュールを埋めて
約束と約束を
繋ぐように生きる

終わることのない約束に
うんざりして
約束がなくなってしまうことに
おびえながら

誰かに囚われながら生きる
そんな君が悲しくて

少しは自分のために生きてもいいよと
伝える為に
僕はもう一度 約束をする

【浴衣】

赤い浴衣を着て 
君との約束の場所

着慣れない浴衣に なんとなく
いつものようにはしゃぐことが できなくて
君と顔見合わせて 笑顔で会話

大きな花火は とてもキレイで
手が届くような 気がしたよ
まるでふりそそぐ星星に
巾着の金魚が嬉しく 跳ねた

いつもにも増して歩幅の小さな私を
何度も何度も振り向き歩く
君の背中と横顔
永久にと祈った 祭りの夜

【夜の街】

太陽のまぶしさに負けて
笑うことの出来なかった日の夜は
なんとなく寂しい人達が
そっと電波で言葉を交わす




菊池佳奈子 作品9/音の箱ー9(ら行) 2004年10月06日(水)19時16分17秒

【LIE】

痛みの数だけ優しくできる なんて
なんて酷い嘘

うけた痛みの分だけ
人は必ず傷つくはずで
傷の深さの分だけ
人は苦しんでしまうのに

もし君が傷ついた分
僕に優しいのだとしても
なにも嬉しくはない

泣いた分だけ優しくなれる なんて
泣かせた誰かの
酷いまやかし

【リーベ】

どうして僕ら
こんなに歪んで
愛し方さえ
こんなに切ない
愛されてなお
我を受け入れられぬは
傷の深さか
欲の深さか

【流浪】

日常の中で
ふとなにか見知ったもの
振り返ると
あの日に置いてきた
僕と君の時間

僕らの道は
長いこと交わらなかったけれども
今もどこかで 生きていて
そうしてたまに笑っていて
そう 願う

【Rainy Day】

あめがふる

僕は部屋の中でためいき ひとつ
お日様の下で頑張るのに 少し 疲れたところ
雨音が優しく おやすみなさいと 語りかける

あめがふる

僕の熱を洗い流して
君との距離を教えて
遠い君のことを思い出させて

あめがふる

雨の間だけ 休んだら
またお日様の下 頑張れるから
雨は優しく 休息を許す

そとはあめ
ただふりつづく
ただ 

あめがふる

【路上の音】

駅の階段 おりていく
疲れた耳に 届くメロディー
少しかすれた声で唄う
ギターにのせた 君のブルース

路上のタイルのステージに
暗い電灯 スポットで
一生懸命唄う 君

がんばれ
がんばれ
がんばりましょう

家路を急ぐ 人々の背に
君は夢中に
ただただ唄う

菊池佳奈子 作品10/音の箱ー10(わ・を・ん) 2004年10月06日(水)19時31分05秒

【ワタクシ】

わがままで
頑固で
意地っ張りで
高飛車で
プライド高いくせ
打たれ弱くてすぐ逃げる
自分が傷つくことに精一杯で
相手の気持ち考えられずに

あぁ、困ったなぁ。

【を】

君の声を
涙の色を
笑顔のあたたかさを
空の遠さを
海の懐かしさを
花のかぐわしきを

私が私であるということを

終わるひとつ前のことを

【ん】

私が小声でささやくと
あなたは少し目を細め
「ん?」とひとこと
やさしくたずねる

私が好きよと泣き出すと
あなたはつられて泣きそうで
「ん」となんども
やさしくうなずく

私が別れを伝えると
あなたは全てわかったように
「ん。」と一度
終わりを告げた

【おしまいの音】

私の中に
脈々と流れる旋律は

君に合わせて
彼に合わせて
あの子にあわせて
空にあわせて
風にあわせて
お日様にお月様に あわせて

テンポを変えて
リズムを変えて
時にハーモニー
時に独奏
移調転調
B、F、C、G、

終止符知らず
たまにリピート
コーダはまだまだ
先のこと

あらゆるものに共鳴しながら
身体をめぐり 欠片を唄う

この身体朽ち果てるまで。

管理者:Ryo Michico <mail@ryomichico.net>
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