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■安東ウメ子ライブ ボランティア・スタッフ紹介

12 Jan.2003 文・寮美千子

▼「安東ウメ子ライブ」盛会のうちに終了

2002年11月16日の「安東ウメ子+寮美千子ライブ アイヌの歌と語り」には、たくさんの人々がボランティアとして協力してくださいました。おかげさまで、118名もの入場者があり、みなさんに喜んでいただける催しとなりました。

▼ボランティアの方々に支えられての成功

プロの方々も、プロ用機材から技術まで、すべて無償で提供してくださったばかりか、交通費等も自前で協力してくださいました。また、多くの方々が入場料を支払った上で、会場整理、販売員などの仕事を責任を持って担当してくださいました。なかには、販売ブースの管理のため、入場料をお支払いくださったにも関わらず、一切見られなかった方もいらっしゃいました。最後は、入場者全員に椅子の片づけをしてもらったため、結果的に全員がボランティアであるイベントとなりました。

このような方々の日当、技術料をすべて金銭に換算したら、たいへんなものになり、とても市民レベルでできる催しではなかったと思います。お力を貸してくださったすべてのみなさまに、深くお礼申しあげます。

▼組織化されないボランティア

今回の催しで、わたしがとても気持ちがいいと思ったことは、力を貸してくれた人々が、一定の組織に属した人々ではなかったということです。組織という枠組みのなかで活動するのではなく、ひとりひとりが個人であり、それぞれの意志で参加を決定、それぞれができることを精一杯してくれました。そして、終わればあっさりと解散。ここには、組織がもつ「内部」「外部」という区分けがありません。そのときどきで集合離散する自由な個人がいるだけです。そのすがすがしさを、とてもうれしく思っています。

▼自分たちの手でつくりだす歓び

また、こうやって力を合わせることで「与えられた歓び」「与えられた文化」を享受するだけではなく、自分たちの手でなにかをつくっていくこと、世界に働きかけることを、組織なしでできることを知ったのは、大きな歓びであり驚きでした。このような大がかりなイベントでなくても、今後とも、何か意味あることをその都度新たなチームを結成して、世界に働きかけていきたいと願っています。

▼ボランティア紹介(敬称略)

全員がボランティアである今回の催しでしたが、なかでも中心的に活躍してくださった方々をご紹介させていただきます。

■田辺信通(音声記録)
岩波映画社で自然記録映像を手がけた後、セント・ギガのサウンドデザイナーとして活躍。現在(有)協映取締役。最近では、国立天文台制作のハワイのすばる天文台の広報映画を制作。

■糟谷富美夫(映像記録)
フリーの映像ディレクター。田辺さんの古いお知り合いで、伊福部昭音楽のファン。

■後藤充(写真記録)
写真家。2002年目黒区美術館主催の「線の迷宮展」図録の写真撮影を行い、門坂流氏を撮影。それが縁で今回の企画にひっぱりこまれる。

酒寄進一(デジタル写真記録)
ドイツ文学者、翻訳者。和光大学教授。ラルフ・イーザウの「ネシャン・サーガ」「盗まれた記憶の博物館」(あすなろ書房)などの翻訳を手がける。写真の腕はプロ級、というよりプロ。現在、別冊太陽(平凡社)の日本の祭りのシリーズを丸一年かけて撮影中。

■吉木克実(会場音声)
わたしの中学時代からの先輩。高校時代、吉木先輩がつくった詩の個人誌を読んでカッコイイと思ったことが、いまのわたしを形成する一因かも。先輩は、大手の音楽関係企業に勤務の後、コンピュータ技術者となり現在に至る。一昨年の暮れ本多信介とコラボレした稲毛「フルハウス」にて再会。

■鈴木圭子(販売ブース責任者)
主婦。カフェルミ常連客のひとりでもある。いつも影になり日向になり応援してくれて感謝。今回はわたしの舞台衣裳のアイロン掛けまでお願いしてしまった。

田所謙二(送迎)
コピーライター。愛車ドロンコ号を無償提供、運転手をかってでてくれました。予定になかった平日の緊急出動にも対応してくれて、感謝です。

松永洋介(雑務一般)
最近デザイナーとしてデビュー。今回のチラシのデザインほか、寮美千子のサポートをして雑務一般をこなしてくれた。

【販売ブースほか担当ボランティア】

たき
G-Who
ちえ
Eli

山口美沙
笹沼真理子

【椅子並べ&踊りボランティア】

相模女子大学の学生諸君
和光大学の学生諸君

【広報ボランティア】

大野徹人
勝山昌(東京幕別会)
中島剛(帯広市東京事務所)
ネット有志の方々

【企画者】

■馬渡憲三郎(相模女子大国文科教授)
馬渡先生なしでは、あの明るくて踊りの踊れるすばらしい会場も借りられませんでした。
会場手配から会の運営、人集めまで、さまざまな形でご協力いただきました。感謝!

■山田雄司(シノッチャの会)
いいだしっぺはこの人。早来在住の在野のアイヌ文化研究家で、伊福部昭音楽の大ファンでもある。
「ウメ子さんが伊福部昭先生に会いたがっているから、ぜひ何かの形で呼んであげてほしい」というのが今回の企画の発端でした。
北海道で、幕別のウメ子さん宅を訪ね、会の進行など詳しい打ち合わせもしていただきました。

■寮美千子(和光大学非常勤講師)
事実上のプーですが、なにかまともな肩書きがないと動きにくいので、今回は「和光大学非常勤講師」ということで動かせてもらいました。肩書きなんて意味ないって思うけれど、「作家」なんていうヤクザな職業より、世間ではずっと信用してもらえるんだね。


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