物語の作法・課題2 横田裕子(1)

さくらなみきの むこうがわ

しゅんは おとこのこだけど はなをみるの
だいすきです。
おかあさんと おかいものに いったときは
かならず おはなやさんに よって
いきます。
そして、おかあさんが
「もう かえりますよ」
と いうまで、いつまでも いつまでも
ながめているのでした。
チューリップも ひまわりも すきだけど
いちばん すきなのは さくらです。
だから、さくらのはなが いっぱいに
さく はるが やってくると しゅんは
とても うれしくなるのです。

 ゆりなちゃんは しゅんの
ともだちです。
かみのけが ながくて、いつも
ピンクいろの りぼんを つけて います。
「ゆりなちゃんって、かわいい なまえ
だね。」
 あるひ、しゅんが ゆりなちゃんに
いいました。
「ありがとう。でも どうして そう
おもうの」
「ゆりの はな みたいだからだよ。
いいかおりがして、すごく きれいなんだ」
しゅんがそういうと、ゆりなちゃんは 
りぼんを ゆらして よろこんで 
くれました。

 ゆりなちゃんの いえは しゅんのいえとは
はんたいの 
みちを あるいて、ほそい みちにはいった
おくの ほうに あります。
そのみちは さくらのきが たくさん 
たっていて、はなが さくと まるで 
ピンクいろの トンネルみたいでした。
 しゅんは あさっての ゆりなちゃんの
たんじょうびに プレゼントを もって
ゆりなちゃんの いえに いこう、と
おもいました。
「プレゼントは なにが いいかな。そうだ!」
 ぽん、と てを たたいて もってきたのは
ピンクいろの おりがみと ちゃいろの
おりがみ、しろい がようしに のり。
しゅんは おりがみを こまかく ちぎって
がようしに ぺたぺたと はって 
いきました。
ちぎっては ぺたぺた。
ちぎっては ぺたぺた。
 みるみるうちに はなが いっぱいさいた
さくらの えの できあがり。
それから そのえを くるくると まるめて
おかあさんから もらった あかい
りぼんを きゅっ、とむすびました。
「でーきた!」
しゅんは まんぞくそうな かおを 
しました。

 ゆりなちゃんの たんじょうびの ひに
なりました。
しゅんは りぼんを つけた えを
たいせつそうに もって、いえを
でました。
 でも しゅんは ひとりで ゆりなちゃん
の いえに いった ことが ありません。
いつも おかあさんと いっしょにいって
かえりはむかえに きて もらっていた
からです。
しゅんは いままでみたいに 
おかあさんと いっっしょに いくのは
ちょっぴり はずかしいな、と
おもいました。
そして ひとりで てくてく あるいて
ゆきました。
おかあさんと あるいた みちを
おもいだしながら
ゆりなちゃん、この えを
きにいって くれるかな。
そんな ことも かんがえました。
いつのまにか しゅんは かぜを
きって はしっていました。
わくわくしながら さくらの トンネル
に はいりました。
そよかぜが ふいて 、はなびらが
ふうわり ふうわり とちっています。
ゆりなちゃんの いえが ちかづいて
きました。うtt
「もうすぐだ!」
 しゅんは ちからいっぱいに
かけだしました。
もんの ところに だれか たっています。
ゆりなちゃんでした。
にこにこ わらって てを ふっています。
 ようやく ゆりなちゃんの ところに
とうちゃく しました。
「おたんじょうび おめでとう」
しゅんは そういって、えを ゆりなちゃん
に わたしました。
しゅるん、とりぼんを ほどいて そのえ
を みた ゆりなちゃんは
「わぁ、うれしい!これ、しゅんくんが
つくったの?」
といいました。
しゅんは 
「うん!」
げんきよく うなずきました。
それから ふたりは ゆりなちゃんの
おかあさんが つくった おいしい
ケーキを たべました。
ゆりなちゃんの へやにはしゅんが
プレゼントした さくらの えが
かざってありました。