- 4月20日 第1回授業で配付
- 回答は配付した用紙に記入、または電子メールで次回授業(4月27日)までに提出
- どのようなジャンルの作品を書きたいと思っているのか。または書いているのか。
- この授業で何を学びたいか。
- どのような作品あるいは作家が好きか。作品3作 作家3人を挙げよ。ジャンルは問わない。
- 上記の作品のうち一点を挙げ、その作品のどのような点がよいのか、なぜ魅力的であるのかを400字以内で書くこと。その文章を読んだ人が、その作品に接してみたくなるような文章で!
- 小川美彩
- 奥野美和
- 小橋美加
- 斉藤麻里子
- 杉山千絵
- 杉本果也
- 鈴木一業
- 高橋阿里紗
- 竹野陽子
- 東條慎生
- 仲田純
- 根本紗弥花
- 水田鮎子
- 横田裕子
- まともに完成させた作品は、高校のとき放送大会提出用に書いた七分ラジオドラマの台本数作のみ。
現在はあまり子供向けではない絵本のようなものを作りたいと思っている。(あくまで「ようなもの」で、具体的なイメージは今のところない)
- 物語をいかにして人に伝えるか。そして、何より、作品を完成させることができるようになりたい。
- 作品
- ちいさなちいさな王様
- 我らが隣人の犯罪
- モモ
- 作家
- 宮部みゆき
- 真保裕一
- ミヒャエル・エンデ
- ちいさなちいさな王様:アクセル・ハッケ
子どもだった頃見ていた世界と、今眼に映る世界。それはかなり違っているように思う。しかし残念なことに幼い頃見ていた世界というものは、今ではほとんど思い出せない。
ちいさなちいさな王様は、大人から子どもへと成長していく不思議な存在だ。大きくなるに連れ、体が小さくなり、いろいろなことを忘れていく。そしてかつては知識で満たされていた頭の中を空想で埋めるのだ。人生経験を積んだ王様は、立派な「子ども」へと成長を遂げている。私達とは逆の成長だ。
もちろん、こんな王様は、現実には存在しない。だけど、この作品を読んでいると、
彼は必ずどこかにいるのではないか、と感じてしまう。それはたぶん、わたしたちがかつては子どもだったからだろう。王様はかつての自分自身なのだ、と思う。この作品を読めば、少しだけでも、忘れてしまった世界を取り戻せるのではないだろうか。
- 以前は小説を書いていた時期もありましたが、どうしても長い文や、納得するものが書けません。詩も好きですが、自分の感情を落ちつかせる為のもので、人に見せるようなものではないような、恥ずかしいような気がします。ジャンルは、小説(お話)や、詩を書きたいです。
- 自分の作品を、人に読んでもらって成長したい。一人よがりから抜け出したい。感覚でやってきたことを、具体的にしたい。
- 作品
- 流しの下の骨
- ラビット病
- すみれの花の砂糖づけ
- 作家
- 江國香織
- 山田詠美
- 谷川史子
- 流しの下の骨 江國香織
我が家ではテレビのリモコンを「パチパチ」と呼びます。父は亀を溺愛していて、(名前は亀吉。あだ名は、かめっちょ)その亀に話しかけたり、こたつに入れたりしています。姉は先月の初めに保育士をやめてカナダに留学しました。兄のお嫁さんのお腹の中には、わたしの姪か甥が入っています。
「流しの下の骨」は家族のお話しです。
どこにでもあって、どこにもない家族のお話しです。わたしの友人はこんなことを言っていました。
「よその家に入る瞬間。ゆらっとすることがある。入ってはいけない気がする」と。
家族というのは不思議な集まりです。その家の中では日常だと思っていることが、そうではなかったりします。なんだか、秘密の匂いがしませんか?ドキドキしませんか?
そして恋です。わたしは恋のお話が好きです。とくに、この小説のことこちゃんと、深町直人の雰囲気がとても好きです。憧れます。いつか、こんな風に誰かと両思いになれたらいいなあと思います。
江國さんの小説は、小さなことを大切に書いています。無駄は無駄ではありません。わたしは江國さんの、大切に書かれた細かい部分に嬉しくなります。
好きな人ののどぼとけ。わたしのフレアスカート。ピコーのミルクティー。
好きな本についてかくのは、とても難しいです。もう1度、お気に入りの場面を読み返そうと思うと、どんどんページが進んで、ほら、もう、夜中の1時半。
さて、これからお布団にもぐって最初からよもうかな。
- ジャンルとは言えないけど、思ったこと、その雰囲気を文章であらわしてみたいと思う。
- どんなこと感じ、どうあらわしたか。人それぞれ違うと思うけど、それを聴いてみたいと思った。例えば、私は『ノスタルギガンテス』を読んで‥‥純粋さとか、懐かしい感情を感じた気がした。これを書いた人は、どんな事を感じて、何を思って書いたのか聴いてみたかった。
- 作品
- 『光の帝国 常野物語』恩田陸
- 『十二国記シリーズ』小野不由美
- 『ぼくの地球を守って』日渡早紀
- 作家
- 作家の特定をできる程同じ人の作品を読んでいないと思うので、特定は出来ません。
- 『光の帝国 常野物語』
穏やかに暮らせる場所、素直な心で居られる場所があるとしたら、常野一族のそばだと私は思う。この一族にまつわる短編集。一族は『遠目』とか『つむじ足』とか、それぞれが特殊な能力をもっている。だけど、学校や会社、私達の中に普通に溶け込んでいる。その能力から、それぞれ何かを感じたりしながらも、穏やかな心で暮らしてる。
二百年も先生をしている一族の長老、ツル先生。ツル先生は、春になると丘の上にたって、分教場の生徒が帰って来るのを待っている。今もどこかで待っている、私にはそんな気がする。
- 歌
- 「この様にしないといけない」と、考えることから、いろいろ洗ってすっきりしたい
- 作品・作家
- ムーミン トーベヤンソン
- おしゃれ手帖 野宮 真貴
- 鏡の中の鏡 ミヒャエル エンデ
- おしゃれ手帖
「おしゃれ手帖」は 作者が過して来た,60年代から70、80、90年代の,当時のファションや音楽、ミュージシャンの事をひって書いています。
出てくるものは、ミニ・スカート、つけ睫毛、ファッションぬりえ、ロック などです。 作者 野宮さんのおしゃれさと、やさしいかんじが、伝わってる気がします。
本の中で、当時人気だったらしい、ヘビメタロックバンドのコンサートに行った時に,彼女はものすごい濃いメイクをしていった事や、また時代が流れ、さわやかな、エアロビクス風が人気になると、白Tシャツにヘアバンドをしていた、という事を書いています。流行に流されっぱなしだけれど、どれもダメな感じはしなくて、このひと自身が大事にしている物がキラキラしている所がこの本の魅力だと思う。
- 創作。あらゆる年齢の人が読めるような物。誰々対象というのは考えたくないけど、子供が何か考えてくれたらいいと思う。まあ大人も。
ジャンルはいろいろだけれど、世界と人間が書けるようになりたい。そのものを言葉で描写するだけでなくて、何気ない言葉から伝えたい。
今は少し書いていますが、どれも終わっていません。それが一番の弱点だと思います、自分でも。
- 文章でどこまで書いて、どこを書かないか。余韻、雰囲気の出し方。直接言葉にせずにどう表すのか。自意識の垂れ流しのような作品は書きたくないので。と言うか、そう言うのは学べるものじゃないかも知れないから、先生にばしばし文章を添削して欲しい。
でも多分、私は負けず嫌いで口が減らないので、言い返します。
- 作品
- ひな菊(漫画)
- ハリー・ポッターシリーズ
- 飛ぶ教室
- 作家
- 雁須磨子(漫画家)
- 長野まゆみ(部分的に)
- ケストナー
- 「ひな菊」雁須磨子
何か漫画貸して、と言われたら、私は真っ先にこれを渡す。誰か目標にしている作家は、と聞かれたら、すぐにこの漫画家の名前が浮かぶ。目標などいないと豪語する気が起きないほど、私は圧倒されている。
この「ひな菊」は短編集であり、ジャンルは一応ホモ漫画だ。作者は少女漫画も書いてはいるが、ホモ漫画の方が面白い。それは、作者の持つ間の取り方、台詞、空気感、つまり作風が、男同士という(女である私にとっては)硬質な日常のファンタジーに合っているからだと思う。とは言っても、恋愛漫画ではないものも多い。しかしどの作品にも、必ず人の間の情のようなものが描かれているのは確かだ。
この作品が私を魅了する一番の理由は、上にも書いた、空気感だと思う。どの作品にも独特の乾いた、でもどこか泥臭い空気が流れていて、その中で確かに生きている登場人物達が、それでしかあり得ないような台詞を喋り、素朴で当たり前のような日常を過ごしている。そして読み終わる頃になると、その空気はまるで紙からしみ出すように、私の周りを取り巻いているのだ。
とにかく、一度読んで欲しい。「ひな菊」の素晴らしさは言葉を並べるものではなく、その空気を味わわなければ始まらないのだから。
- フィクション・・・
- 心に響く体験をした時、そのことを伝えたいと思う人がいる。いなかったこともあるから、それは、とてもすてきなことだと思う。でも、伝えきれなくて哀しくなることが多い。自分の体と心と、言葉とがあまりにもばらばらで、苦しくなることがある。言葉がなくても、感じあえる。言葉がなくても、伝わる。けど、そんな関係になるために必要な言葉もある。口のすぐ近くで生まれた言葉を割と平気で使ってきて、ずっと、そうやって生きてきたから、「自分の言葉」なんてなくしてしまったような気がする。「自分の言葉」をなくすと、誰とも何にも話せない。自分とすら話せない。自分を覗いてみても、底が底でいられない程浅い、からっぽがあるだけ。書くことと本当に向き合ったら、この不安が拭えるかもしれない。私がこの講義で学びたいのは、こころに近い言葉を使うきっかけです。
- 作品
- 星の王子様
- ともだちは海のにおい
- 高丘親王航海記
- 作家
- 星野道夫
- 松本大洋
- 宮澤賢治
- 「星の王子様」をはじめて読んだのは、小学生になったばかりの頃。もしかしたら、はじめてひとりで読んだ物語かもしれない。この本と幼い頃に出会えたのは自分にとって幸運だったと思う。理解できない部分も多かったけれど、とても強い印象が刻み込まれた。一度読んで満たされたので、それから何年も読み返すことはなかったが、何度読み返しても、初めて読んだ時に刻まれた強い印象は変わることがなかった。うれしいのとも哀しいのとも違う。痛いくらい静かで、熱い。針で刺されたような冷たい感触が消えなくて、そこに流れ込んでくる水はおいしくて。それは、胸に棲みついた鈴のよう。わずかの風にも、揺れて鳴る。自分を消してしまいたくなったり、遠くを思って豊かになったり、とてもとても大切な人のことを考える時、ふと、鮮る物語。
- 今は寓話のようなものを書いてみたいです。
ときどき詩を書きます。
- ある一つの風景から得ることの出来るたくさんの情報を、僕達はコトバに変換して飲み込みます。その中から感情に一番近いコトバを選んで吐き出します。自分の感覚をたよりに選んでいくわけです。感覚の部分は人によって違うでしょう。それぞれの人の感覚やコトバの持つ個性に触れ、実際に書くということを通して自分なりのコトバを選ぶ方法を勉強したいと思います。
- 作品
- 「桜の森の満開の下」坂口安吾
- 「旅をする木」星野道夫
- 「ひな菊の人生」吉本ばなな
- 作家
- 宮本輝
- 星野道夫
- 坂口安吾
- 「桜の森の満開の下」坂口安吾
坂口安吾の作品には普遍的な人間像が描かれています。深い闇の持つ切なさ、孤独。破滅的な美しさ。この作品ではそれらが寓話的世界の中、女と男と桜という形で噴き出しています。
桜の美しさへの畏怖。そこから坂口安吾は、美しく哀しみに満ちた物語を生んでいます。身体の動きを淡々と、心の動きを繊細に追いかける文章は、読み手を加速させます。そして暗示されたように桜の下の結末へと導いてゆくのです。その桜の下のシーンでは、息もつかせぬ展開で一気に読み手を桜の魔力へ引きずり込みます。読んだあとのなんとも言えぬ余韻。ため息出ます。
- 書きたいもの→大人の為の童話……?
今まで書いたもの……詩
- 大学に入ってから何故か作品が書けなくなりました……。
また何かを創作するきっかけになればいいなと思いました。
- 作品
- 李歐(わが手に拳銃を)
- BANANA FISH
- 緑の我が家
- 作家
- 高村薫
- 吉田秋生
- 小野不由美
- 「李歐」
人間には誰にでも一人くらいは出逢うべくして出逢った人間というものがいるのだろうと私は思う。無粋な言い方をすれば“運命の人”というものだ。平凡なアルバイト学生だった吉田一彰は、まさに“運命”としか言いようの無い出逢いを果たした。美貌の殺し屋の名前は李歐。それまでモノトーンの日常を送っていた一彰は、李歐の後ろに果てしなく広がる大陸を見た。二人が出逢ってから約一ヶ月。“運命”という名のものは二つの魂を引き裂いた。まずは約束の十年。そして更に五年の月日が流れた。しかし十五年の気の遠くなるような時間よりも、二人で過ごした一ヶ月は、、彼等の心臓により鮮やかに刻みつけられていたと言えるだろう。そして、魂の約束は五千本の桜の下で二人を再び巡り逢わせる事となるだろう。私はこの二人に愛情を超えた友情の結末を、李歐の歌声に喜びに打ち震えた大陸と共に魅せられた気がした。
- 今までは日記や詩のようなものを書いていただけ。
具体的にはまだなんともいえないが、
詩のようなエッセイのような、ライターのような、
そんなイメージ。
- 近頃あまり書きたい衝動にかられなくなっていて
課題を与えられるカタチでもいいから書くきっかけに
なればと思いました。
あと、きちんとしたことばを使えるようになりたい。
- 作品
- 「葡萄が目にしみる」(林真理子)
- 「十九、二十」(原田宗典)
- 「浴室」(ジャン=フィリップ・トゥーサン)
- 作家
- ジャン=フィリップ・トゥーサン
- 原田宗典
- 夏目漱石
- 「葡萄が目にしみる」について
思春期の過剰な自意識。他人には恥ずかしくてとても口にできないような妄想やうぬぼれ。恋をしている時にはよりいっそうの高揚感に包まれ、体中の神経が過敏に反応する。多くの少女にとっては、身に覚えのあることではないだろうか。主人公ののり子もまた、その内の一人だ。
山梨の葡萄農家の家に育ち、決して美人とはいえない自分に対するコンプレックスや、男子と仲よくできるキレイなクラスメイト達に対する嫉妬心を抱えるのり子。好きな人が後に立っただけで全神経がせなかに集中し、髪の質や太くて短い足を殊更に恨むのり子。しかしこれは私自身でもある。私が密かに感じたことのある気持ちと、全く一緒なのである。細かく描写されるのり子の心理は、あまりに赤裸々で、まるで自分の昔の日記を読み返した時のような恥ずかしさを覚えて、くすぐったい。そしてそのリアルな思春期が、妙に心地良いのだ。
- ジャンルはよく分からないのですが、非現実的イメージを用いて話が進むものです。例としては安部公房の「無関係な死」や「デンドロカカリヤ」等。
- 物語を創作する際に必要とされる技術、方法論など。また、作品の合評など批判的に自分を見直す作業というのは個人では出来ないものなど。実践を念頭に置いた授業と言うことがこの授業を選んだ大きなポイントでもあります。
- 作品
- 安部公房「他人の顔」
- P・K・ディック「逆まわりの世界」
- J・G・バラード「結晶世界」
- 作家
- 安部公房
- P・K・ディック
- カート・ヴォネガット
- フィリップ・K・ディック「逆まわりの世界」
この作品で最も魅力的なのは時間が逆に進むという設定です。ある日突然すべての現象が逆まわりに進むようになり、それから数年経った世界が舞台です。そこでは死者が墓の中で息を吹き返し、タバコは吸う(吐く)たびに長くなり、生者は若返り子宮に戻ります。しかし、これはビデオを逆回しにするように時間軸がただ逆回転するのではなく、因果律の逆転とも言うべき現象です。そして、人々の意識は私たちと変わらず、逆転する世界をはっきり逆転していると認識しています。生き返る人々は一度死んだと言うことを知っていて、マラソンで折り返し地点をUターンするように再びその地点から若返る人生が始まるのです。登場人物達の多くはそういった逆転現象を嫌っており、それがこの作品全体に陰鬱な雰囲気を与えているのですが、この超現実的な矛盾に満ちた、奇想天外な世界の魅力はそれを補ってあまりあるものだと思います。
- 詩を
- 感性を広げたい
寮美千子を学びたい
- 作品
- ザジ
- 悲しがる君の瞳
- 赤い繭
- 作家
- 宗田 理
- 銀色 夏生
- 宮沢 賢治
- 「悲しがる君の瞳」
・・・ 白夜の月照らされたグレイシャーブルー
ある日 私が何気ない背表紙に惹かれてから読み終わるまでにこの世界へ何往復行き来した事でしょうか。その世界「悲しがる君の瞳」。視覚とコトバから組み放たれる限りなく広い世界は20×15×1センチの軽く曲がった四角い頭の本に構成された。
「無限遠アトモスフィア」に包まれた作品群に私は月夜に一粒小さくならざるをえなかったが、それでも幻想と現実が織り成された世界に私の心は落ち着きを感じた。てっぺんの・・・白夜――は私がイメージする作者の模様です。偏りは否めません。
作者 銀色夏生。
根本紗弥花
- 小説・・・と童話の間みたいな??
パソコンを見てみたら、とにかく苦しいのを紛らわすために書きなぐった詩のようなものも出てきました(^^;)
狂ってます。見せられるもんじゃありませんでしたf(_ _;) あと、不満とか怒りとかを爆発させたような、日記じゃないけど、日付のうってある、なんかすごく感情が動いたときに書き残してきたのがノート何冊分かと、パソコンに入ってます・・・(汗)
- なんか、せっかくだから寮さんだけがずっとしゃべってるんじゃなくて、みんなでなんかしてけたらいいな、と思います。
その、“なんか”がイマイチよくわかってないんですけどね〜(^^;)
- 作品
- 「なつのひかり」:江国香織
- 「すいかの匂い」(短編集):江国香織
- 「Fried Dragon Fish」:岩井俊二
- 作家
- 江国香織
- 岩井俊二
- 三谷幸喜
- 「なつのひかり」:江国香織
この作品のなかに、こういう一節がある。「そりゃぁ勿論、人生にはいろいろある。義姉が失踪したり兄が名前を偽ったり、やどかりに尾行されたり不味い玉子料理を食べさせられたり、兄の重婚が判明したり、義姉を名乗るその変な女に部屋を占領されたり___。でも、そんなことは誰の人生にだってあることだし、だからといって沈痛な面持ちでビールを飲んでも仕方がない」。主人公にあっさりとこんなセリフを吐かせ、そして物語は淡々と進んでいく。どんなに常識では考えられないことが起こっても、主人公は動じない。現実を歩いていくのと同じ歩調で幻想の中を歩いていく。“幻想の中を歩いていく”という現実を。“主人公だけじゃない、作品の登場人物全員が、それぞれの歩調で、それぞれの“現実”を歩いている。夏の、「めらめらと温度を上げる」路上の、日陰と日向の、白と黒だけの鮮やかなコントラストを呈した景色の中で、現実と幻想の、過去と現在の境がうやむやに溶けていく。
江国香織の魅力の一つとして大きいのはディテール描写の美しさだと思う。その描写によって物語の世界を深めていこうという試みはだいたいどの作品でも見られるが、この作品はそういう意味で一番成功した作品なんじゃないかと思う。
- つれづれなるままに書くのが好きで、特に「作文得意」ではない方でした。
今まで5,6回ホームステイして、そのつど体験談・エッセイ(紙芝居もある)のようなものを書いていて、地域で文集にしていました。
まともな文を書くようになったのも、面白くし書こうとするようになったのも、読み手と場数あったお陰です……。
きちんとした硬い文章よりも、微妙にくだけた口調の方がむいている(学科長談)……らしいです。
正直、最近書く余裕も無いため、何が‘鮎子節’だったのか分からないのです。
- 上記のとおり、エッセイばかりなので、フィクションの世界も知りたい。
音にも興味があるので、プレゼンできるものもやってみたら面白そう。(ポエトリーリーディングとか……)
- 作品・作家
- 「ひかりの素足」宮沢賢治
- 詩集「あいたくて」工藤直子
- 絵本「ひゃく万回生きたねこ」佐野洋子
- 詩集「あいたくて」
この作品は、
素っ裸な心で笑って駆けてくる少女
心と向き合う痛みと切なさ
動物が、自然が、ヒソヒソ話をはじめたり、「おおい!」と、声をかけてくる世界
……で構成されております。
喧嘩したとか、失恋しちゃったとか、心が何だか寂しいとき、この詩を読みたくなる。
魅力はですね、失ったものに「もういいや」って思う自分に、
「もっと素直になって良いのだぞ。」
と、言ってくれている気がする。
そんなストレートなコトバで言われたら(言ってないけど)
「あえてよかったぃ」
と元気になれる。これです。
ほんとは人と出会って向き合って自分が見えるんだって、(超内向的ですが)気づいてしまうところも魅力。
-
- 書いているジャンル
- 俳句、5行程度の詩、時々エッセイ。
- 書きたいジャンル
- 読んだ人が暖かい気持ちになれる短編小説。
- 料理もののエッセイ。
- 文章書きの奥深さ、神髄。
- 作品
- 今江よし智「いまえよしとも3年生のどうわ」
- 石井桃子「ノンちゃん 雲に乗る」
- 中島 敦「山月記」
- 作家
- 長野まゆみ
- 安部公房
- 灰谷健次郎
- 「いまえよしとも3年生の童話」について
この本には「時代もの」を共通点とした短編の物語が、数本収録されている。
お気に入りの着物をなかなか着せてもらえず、とうとう病気になってしまう姫君、髪の毛がたんぽぽの綿毛の如く薄い侍など、風変わりな登場人物。それぞれ「味」「色」のある物語達。
そしてもう一つ面白いのは、作品の題名が「黒い花びら」「花はどこへいった」等、昭和30年代前後の歌謡曲のタイトルになっているのだ。それでいて内容と全く違和感がない。児童書だが、大人にも楽しめる内容であると思う。
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