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外島理香 作品/1A「Contrast」 2003年04月20日(日)15時41分30秒
君の胸の上で
耳をあてて
心臓の音を
聞いていた
ドクン ドクン ドクン
外の世界から
君にあてて
電話の音が
鳴っていた
トルルル トルルル トルルル
永久不変の
愛の音
不協和音の
友の声
外島理香 作品2A/「大都会の喧騒〜27階の非常階段〜」 2003年05月30日(金)20時48分22秒
ゆっくりと耳をすませば
人々の笑い声と
足早に歩く音が
あやふやなリズムを
刻んでいるのが
聞こえる
ヘタクソなオペラ歌手と
外れたピアノの音が
あやふやなリズムで
演奏しているように
聞こえる
こんな音
聞き続けていたら
僕は気が狂ってしまうであろう
僕は耳を塞ぎ続けて
僕自身の心臓の音を
聞いている
その音は
切れることのない
電池のように正確で
素晴らしいリズムを
刻んでいる
君達に聞こえるだろうか
僕は問い掛けてみる
その声は
風に飛ばされていった
君達から見れば僕は狂人だろうか
僕は問い掛けてみる
その答えは
風に飛ばされていった
一体なにが正しいのか
一体どのリズムに合わせればいいのか
僕は立ちすくんでいた
目の前の手すりを越える
下に広がるのは
不変的な調子の外れた
笑い声と
泣き声と
抱き合う音
擦れ違う音・・・
僕には僕の心臓の音しか
聞こえない
僕は風に乗って
無意味なものから逃れるように
飛ぶようにして
下へと落ちた
外島理香 作品3A/「melody」 2003年05月30日(金)20時52分18秒
雨の音が伝えてくれるのは 悲しみの足音
シャワーの音が知らせてくれるのは 癒しまでの針の音
外島理香 作品4/「Madness⇔Sence」 2003年05月30日(金)20時56分30秒
愛する人は
愛すべき人を殺した
愛すべき人は
愛する人を殺した
その手で私の髪の毛を撫でる
死体の転がる部屋で私の身体を抱く
あなたの体温
部屋の室温
私は感じる
悲しみ 怒り
微かな希望
あなたは死に逝く
私は見守る
椅子の上で
あなたは見知らぬ男に
ボタンを押される
その瞬間 あなたは消える
私に残るものは
思い出だけ
悲しみ 怒り
微かな希望
外島理香 作品5A/「CHILD HOOD」 2003年05月30日(金)20時58分31秒
白夜の中で夢を見ながら 寝息をたてる
土が呼吸している音を聞き 蟻が歩いていくのを見る
遠ざかる夏の音は 澄んだ川の流れる音に似ている
外島理香 作品6A/「Ra Ka Da」 2003年05月30日(金)21時02分43秒
君の身体に身を委ね
意味のない言葉を繰り返す事はなく
ただ君を愛撫し続ける
汚い君のからだ
愛など存在しない
君が穢いからだ
愛欲の果てに得た空気のような幻想
私の殻のからだ
真偽なんて計れない
空が私だからだ
外島理香 作品7A/「薄曇った部屋の中で見る夢は」 2003年05月30日(金)21時05分37秒
汚い安っぽいテーブル
その前に腰をおろして廻る一日を忘れたい
弱い喉で煙草を7本吸ったら痛くなってきている
好きな曲 クルクル クルクル 回っている MDウォークマン
歌えない フワフワ フワフワ 浮いていく セーラムのケムリ
自分の姿だけ 重ねて思う
浮かんでは消える 浮かんでは消える
吐き出す煙に 想いを託す
浮かんでは消える 浮かんでは消える
繋ぐもの パララン パララン 届いたのは 友達からのメール
待ってね カチカチ カチカチ 送り合って 上辺だけのコトバ
「なにしてんの?」
ただなんとなく ただなんとなく
「好きな曲を聴いているよ」
ただなんとなく ただなんとなく
空になった煙草ケース
あるのは吸殻の溜まった出来合いの灰皿だけ
最後に吸った煙草がまだ消えずに煙を浮かせている
外島理香 作品8A/「DESIRE」 2003年05月30日(金)21時07分26秒
欲望の好物はあなたの体温
欲望の食物は私の空虚な心
外島理香 作品9A/「Varialbe wind」 2003年05月30日(金)21時12分38秒
空へと投げた
私の願い
風に飛ばされ
どこかで
だれかが
また空へと投げる
いつか
どこかで
誰かの願いは
空へと届く・・・
外島理香 作品10A/「Kill」 2003年05月30日(金)21時14分24秒
道に咲いている花に足は止めない
今を消費するだけの私達
散っていく花を咲かせる術はない
今を消費するだけの私達
外島理香 作品11A/「GUN」 2003年05月30日(金)21時15分59秒
私がジュウを持って
人を撃ち殺す
私がジユウを知って
空を飛び回る
誰かが私を許す
未来が私を拒絶する
私が誰かを許す
私が未来を拒絶する
外島理香 作品12A/「群集劇」 2003年05月30日(金)21時22分51秒
昼間の雑踏が嘘のような夜明けの街
この世界から
人が消えてしまったような妙な快感
ふと頭に浮ぶ光景
神様か 巨人かが
地球から人をほうきで掃いて
まっくろのごみ箱に
捨てるという喜劇
昨日の葛藤が嘘のように溢れる群衆
この世界には
時が止まることのないような従属感
また目に映る場景
神様か 巨人かが
天国から人をほうきで掃いて
地球というごみ箱に
捨てたという悲劇
外島理香 作品13A/「one−piece dress」 2003年05月30日(金)21時24分46秒
嘘がばれないように
体重ねては虚しさ積もる
真っ白なワンピース
煙草の煙に染まって消える
知識のない私を笑顔で君は抱く
中途半端な私の心
何を探すでもなく
ドアを開けて外は雨
傘を差すか差さぬか
迷うような細い雨
いっそ濡れて帰ろうか
真っ白なワンピース
雨の色に染まることもなく
洗濯機に放り込む
鏡に映った私の心
真実のない心を笑顔で君は抱く
外島理香 作品14A/「てるてるぼうず」 2003年05月31日(土)16時04分30秒
雨ばかりの晴れない日々
水溜りが増えていく路地
雨漏りがし始めた心の中
どかん
ふいに水鉄砲で撃たれた
水風船みたいな私の心は
どかん
雲をも吹き飛ばす大爆発
そうだ明日天気になあれ
外島理香 作品15A/「体温計」 2003年05月31日(土)16時05分28秒
私の凍えた身体は何℃だろう
君に会えば測れるのに
君の凍えた身体は何℃だろう
私は測りに会いに行く
外島理香 作品16A/「fragment」 2003年05月31日(土)18時09分51秒
この街はすべてを守り通そうと
なにひとつ守り通させはしない
自分がボロボロと剥がれ落ちていく
その破片を
誰かがムシャムシャと食べ続けゆく
この道を歩くあの人の破片
この人の破片この街の群衆
山ほどの破片が落ちているこの街で
なにが守り通せるといえるのだろう
外島理香 作品17A/「Vanity」 2003年05月31日(土)18時22分19秒
「本日この海は欲望の波が高すぎて
泳ぐことはできません」
「入ってしまったら後は呑み込まれるだけ
釈明しようとする人間はいない」
海は本能から生まれる欲望という名の悲しみの涙
「本当は感情なんて要らないのでしょう?」
答えを欲しがるような魚はいないように
その言葉は魚のあぶくに呑み込まれて消える
海に映る月はどこまでも無情で
人間はその海の中をゆらりゆらりと泳ぐように
ただ呑み込まれて行くだけ
管理者:Ryo Michico
<mail@ryomichico.net>
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