「物語の作法」課題提出板の検索

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批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 の検索結果(ログ41-42)


城所洋 批評7/小説の難しさと成長の楽しさ 2004年10月03日(日)19時09分01秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

 とりあえずの感想としては、これはノンフィクションかな?と思いました。
 そうであればそれでまた意見は違っていくのですが、もしこれがフィクションだとしたら、ちょっと物足らなさを感じます。
 
 例えば、彼女は彼に一目惚れしたように取れたのですが、それに至る動機が曖昧というか、少し描写が少なすぎると思いました。これが現実なら見た瞬間に動機も糞も無くトキメクのはうなずけますが、創作物としてはそこら辺を掘り下げるのも創作物らしさ、というか醍醐味だと思っています。
 むしろそれ無しに進めてしまうと読み手を置いていってしまう危険も・・・。
 要するに、人に惚れるという事を書きたいのであれば、読み手側が納得する何かを+αで書き入れないと成立しない、と自分は思っています。
 
 月並みなケースで言えば、曲がり角でぶつかった彼がとても優しかったとか、運動している横顔が凛々しかったりとか、まぁそんな類のものですよ。
 その何らかのアクションに対する彼女の見解、そうして生まれた動機、その手順を省いただけでとてもチープになってしまう。難しいですね。

 あともう一つノンフィクションだと感じた事があります。それは自閉症の人々の施設のボランティアで、という所です。
 これはフィクションだとしたらあまり出てこない発想なので、もしかしたら、と。
 いや、この話は最初の段落で自閉症の人との恋愛かと勝手に想像し、それで案外普通だったから逆に肩透かしを食らってしまったので。しかも自閉症の施設に行ったというにはあまりにもその存在がぞんざいに扱われていたのが無性に気になりました。
 ただのシチュエーションと考えるには、少し重たい場所のような気がします。これが創作物だというのなら、ちょっとタブーな使い方だと思いました。


 ここまでは大まかな感想です。そして今度は文法にツッコミを・・・!
 主な点は3つ。
 一つ目は、単純に最初の行の一文字開けです。まあこれはただ単に掲示板に書く、と言う事で割愛しただけだと思うのですが、無いとやはり少々見難いと感じました。
 
 二つ目は「」内の句点(。)です。これは自分も昔によくやってしまっていたのですが、どうやら「」の中の最後の。は省略する傾向があるらしいのです。要するに、
「・・・・・・・。」ではなく
「・・・・・・・・」でやらなければいけないようです。(真偽の程は定かではないですが・・・)

 3つ目は、所々、特にサビシイ、の辺りなんかは小説ではなく詩のような行間の使い方をしているという事です。
 確かに小説でもそういう使い方をする場合もあるのですが、やはり違和感を感じずにはいられません。本来は詩書き(かな?)だというので、ついついそういった技法を使ってしまったのだと思われますが、やはりその辺が小説と詩との壁なんでしょう。実際、自分も幾度となく苦労しました。

 
 こんな感じで批判ばっかりになってしまいましたが、初めて書いた、というにしては上出来だと思います。(偉そうに・・・)
 いや実際、自分の初めての時はほんと、演劇みたいに台詞毎に頭に名前を振ってたり、馴れて長編(以前提出したのとは別)に挑戦した時でも、もはや見れないくらい一文字開けミス、「」句点、行間開けのオンパレードでした。まぁ当時は中3〜高1くらいだったにしろ、最初は大体こんなもんですよね?
 そっから勘を掴んでいけば、書く回数を重ねる毎に新たな表現の発見や、自分自身のLVアップを実感できて、病み付きになってしまうとですよ。
 物書きとしては、丁度今ぐらいが本当に楽しい時期だと思うので、貪欲に学んでいく事をオススメします。
 
 こ、こんな感じでOKですか?そうですか、で、では以上で。

野島 明菜 批評7/小女少説 2004年10月03日(日)22時17分23秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

いい話ですね。これはノンフィクションなのかしら。そこんとこ気になりますね。バイクの後ろに乗ってドキドキする感じがこちらに伝わってくるので、読んでいる私もキューンとしました。だけど少し甘みの強い文章ですね。昔読んだ少女小説を思い出しました。(小林美雪ね)ちょっとクサイので、もう少し辛みをつけたほうがリアルさが増すかもしれない。例えば「彼の背中は少し汗くさかった。」とかね。あと行数をあけて書いてある部分は、なぜそうしたのか知りたいわ。

千田由香莉 批評7/「フリーノート」 2004年10月04日(月)16時07分31秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

 漫画、映画、ドラマ、これらの手段を使って「果実の旋律」を絵におこすとしたら、やはり漫画。という印象を持ちました。途中で入り込む心臓の音が、どうしてもそのイメージを連れてきます。それ以外に引っかかってしまうこの感じは一体何故だ?と何度も読んで、考えてみました。そして浮かんだのが「親切過ぎる」です。旋律のように流れるには重くなってしまっていて、ここは省いても良いのでは?と思った箇所がいくつかありました。あとはどうとでも、お気に召すままと相手に委ねてしまうくらい、もう少し意地悪くてもいいかもしれないと思いました。
 そして、男の人。恋のきっかけであるここはこだわりたいです!この作品は、ひと目惚れの恋を描いたものではないと私は思っています。”運命”を掲げているわけですから、ちゃんとこの人のこんなところが…という具体的なエピソードを交えたものがほしかったです。気になるバイク→持ち主の彼、という図。素敵ですが、どこか物足りなさを感じてしまいました。運命を信じている主人公なら尚更です。このエピソードならば、「運命は信じていなかった」ほうが運命の神秘性がより一層出たのではないかなと思いました。とかいいつつ私も駆け出しの身です。故に、文章、構成云々のアドバイスが出来ません。感想程度のことしか言えませんが、次回作が完成したら是非また読ませてください。それでは。

露木悠太 批評7/自分に書いた(ような)批評 2004年10月04日(月)18時56分55秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

最後まで離れることなく読むことができました。もしこれが初めて書いたものだとしたら、すごいですね!
けど、どうしても最後まで読んだ後に、しっくりこないような変な感じがしました。きっと結末にはかなり悩んだんじゃないでしょうか。僕個人は話の終わり方にこうでなければならないという決まった形や、必ずしもしっかりとした結末を付ける必要は無いと思っています(今のところ)。続いてもいいし、終わってもいいと思ってます。「小説」という《イメージ》で「完結させなければならない」と決め込んでしまうのは狭くなってしまうし画一的になってしまう。それはもったいないことだと思います。だからどうしても最後の二行が不必要な気がしたんです。むしろ無い方が良かったような。

『誰?自閉症の人?いや、スタッフの人だ。』というひっかかってしまいそうな台詞なんかもあったんですけど、設定や細部に嫌な感じは受けませんでした。というのも上述の台詞なんかはリアリティーがあるんです。それをきちんと書いてくれることで逆に人物像に人間らしい深みが出ると思います。ただ、読み手をもっと物語に引きこもうと思ったら(僕だったら)、もう少しその辺のこと(ボランティア等、背景)を多く入れます。逆に必要ないと思ったら省きます。必ずしも意味を求めるわけではないんですけど、要るか要らないかの判別は徹底します。(あくまでも僕だったら!)

やっぱり気になってしまったのは行あけ。とくに時間の経過もないところで行が空いてしまうと何か変な感じがします。せっかく台詞の書き方なんかも丁寧な感じがするのにもったいないような気がしてしまいました。

最後に、アドバイスと言うのにはおこがましいんですけど、是非これからもたくさん本を読んでみて下さい。ちょっとだけ書くことを意識して読んでみると、その大きさやすごさに触れることができると思います。もちろんおもしろさや楽しさにも。僕はまず詩集を、そして小説(大人っぽいやつ)を、本を読むことが好きになってから書き始めました。当然と言えば当然なんですけど。
読むことよりも書くことが前に来てしまうと、どうしても独りよがりになってしまう。誰かに読ませたい、という欲求が生まれた時それだけはまず気をつけなければ、と自戒の意味もこめて。自分の武器になり得るものを見つけるためにもね。そう思っています。

五十嵐 舞 批評7/綿菓子のような切なさ・・・ 2004年10月05日(火)16時36分21秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

 かなり少女小説っぽいですね!!私が中学生ごろ流行った折原みとさんの作品に通じるものがありますが。
確かに城所君がいうようにフィクションにしてはもう一味というか工夫が必要ですが・・・初めてにしてはこの短さにこのエピソードというか内容を収めるの事が出来たのは才能はありますが、まだまだぴりりと辛い山椒のようなものを入れる技術は足りないようですね。でもそれは書いていくとか研究していけば身につけれれるものなので、加賀さんらしさは失わないようにしてください・・・私には書けない内容ですので尊敬したします。同じ内容にしろ、物語の背景や彼、特に主人公たちをもっと書いてみるといい感じがします。何がすきとかキャラ表でも書いてみるといいかもしれません。
 まあ、私自身小説を書いたことがないので多くのことをいえませんが一読者として少し辛いコメントになりましたけど・・・あまり気にしないでください
 
次回作も期待していますので、こんな批評にもめげずに頑張って下さい(笑)

松本紗綾 批評課題7/強いキーワード 2004年10月05日(火)18時15分41秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

私は、小説を書こうとしても、詩のようになってしまい、短い文章だけで満足してしまうので、小説が書けるというところが、凄いと思いました。
しかし、他にも書かれてる方がいましたが、「誰?自閉症の人?いや、スタッフの人だ。」という部分など、「自閉症」というものを扱った点に疑問が残りました。フィクション、ノンフィクションの違いでもこの後の書く内容が変わってくると思うので、今すぐはっきり言うのもどうかと思いますが、私はどちらにしても必要ではないと感じました。この場合、「自閉症」というキーワードがなくても十分に話を進めることが出来るのではないかと思いました。
小説を書く上でのいろいろや、恋や、愛というものより、「自閉症」というキーワードが一番頭に残ってしまったので、批評の内容がかなり偏ったものになってしまいました。

高澤成江 批評7/初恋の風 2004年10月05日(火)20時01分57秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

短いお話でしたがすごくきゅんとしました。
純愛っぽさが素敵です。後味も悪くないし爽やか。
でも少し気になったのが話の中の時間経過でした。いきなり別の日になってるところがあって少し読んでいて戸惑ってしまいました。後、起承転結の「転」がないため盛り上がりどこがない気がします。個人的にはほんわかしたムードで好きなのですがちょっと物足りないかも。
こうゆう純愛系が書けるのは羨ましい感じがします。

越智美帆子 批評課題7/工夫しだい 2004年10月06日(水)00時09分04秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

 とても丁寧で読みやすい文章でした。空の描写も、思わず夏の暑い日に広がる低くて真っ青な空を思い浮かべ、そこにある純愛という構図に切なくなります。
 主人公がとても純情で、彼がすごく魅力的な人というのが全体を通して伝わってきました。これは運命的な恋愛だ、と悟った女の子の心情というのでしょうか、その思いが読み進めるに従ってより読み手を大きく包みます。
 最後の一文も、途中に出てくる主人公の言葉と対置していて、物語を引き締めています。
 ただしかし、効果的な文章と強い思いがあるからこそ、惜しいというところも目立ちました。
 まず、一行空き二行空きが多いことです。
 物語を効果的にするためにされたのだと思いますが、あまりにも多すぎて稚拙な印象を与えかねません。意見の中に漫画的な、と書かれた方がいましたが、たしかに私も漫画的だと思いました。しかしそれは、文体や展開ではなくて、一行空きや漫画に見られる効果音(?)のようなものが、そう思わせたのだと思います。
 前に先生も言われていたと思うのですが、行を空けなくても伝わる文は伝わるはずです。よく日本の文学は、「行間を読む」ということを重きにおかれますが、まさにこの文章では行間を読ませる力があるにも関わらず、無駄な行空きでそれを感じる醍醐味を奪ってしまっています。
 次に、少しキツイことを言うかもしれませんが、もう少しアクセントを入れたほうがいいのではないでしょうか。
 純情な女の子の恋愛話ということ以上に、後に頭に残る情報がないのです。たしかに言葉やバイクについては良いと思いますが、せっかく提示した「自閉症」や「ボランティア」という言葉が物語の中では無意味に近い状態です。むしろ、入れないほうがよかったのではないかとすら思えてしまいます。これはアクセントとして使うには恰好の材料だったのにも関わらず、それを無視して進む物語展開は、読者に違和感しか与えません。
 この二つを見直せば、より良い物語になると思いました。
 次回作を楽しみにしています。

土橋明奈 批評7/夕焼けバイク。 2004年10月06日(水)01時51分40秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

リリカルですねー。
タイトルはちょっと耽美な感じの響きですが、何故このタイトルになったのですか?
夏の授業ボラ中の出来事を切り取って置いた感じの本文は、女の子特有の可愛らしい自分思考。
何だか読んでいてホヤリとした気分になりました。切なくさわやか。
でも、実際印象としては奇妙な現実感と軽く上滑りした気持ちの見える不思議なお話。
主人公の女の子の視点で進んでいっている中に書き手としての説明が見え隠れしているので、
読み手としてはさらにその外側からの視点で見てしまったと云うか、女の子の心情が見えていて近いはずなのにあくまで外側。
透明の線引きの様な。
全体としてはエピソードをもう少しコンパクトに並べるとか、テンポがあると良いですね。
バイク青年視点も読んでみたいです。
今後どんな作品が読めるか楽しみです。

吉見幸子 後ろの席で 2004年10月06日(水)14時18分25秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

「純愛だぁー」とほんと思いました。ここまで純粋なのを読んだのは久しぶり。主人公の思いが伝わってきたし、こちらまできゅんとしました。状況の説明をあえてしないで、読み手楽しませる方法もあると思いますが、むしろこの場合は細かく状況を書いて正解だったと思います。
ちょっと残念だったのは、現場実習と自閉症がうまく生かせなかったこと。実習に行ったのに実習の場面が飛んでしまっています。その中でのエピソードがあったらもっと面白かったと思います。実習中の話がないことに意図があるのであればその理由が聞きたいと思います。
この主人公の設定は福祉関係の学校の学生ですか?

前澤貴仁 批評7/あかねいろ 2004年10月06日(水)15時20分37秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

青春だなぁ……ってのが一番の感想です(笑)
好きですね、こうゆうの。

場面の情景ですが、僕には茜色の田んぼのあぜ道を走る場面が浮かびました。
秋の情緒ですよね。
設定も9月ということもあり、そのような光景が浮かんだのかも知れません。

内容ですが、やはり恋への過程は欲しいですね。読んでる限りでは『彼』との別れの場面しかピックアップされておらず、いささか物足りない感じは覚えました。
冒頭にもう少しは文章があってもいいのでは?
これに肉付けとして、好きになるまでの過程を足すことも十分できると思います。

雨宮弘輔 批評7/「シフトチェンジするから。」 2004年10月06日(水)16時46分41秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

 他の方も指摘していた通り「恋愛、施設の描写が足りないな」と思いました。だからといって、もっと描写を増やせばより良い作品になるとは限らないんですけど。逆に「ちょっと説明不足かな」と思わせるところが、主人公の純情な、朴訥とした恋愛を引き出すスパイスにもなっていると思います。言葉足らずの感情的な文章だからこそ、表現できる『恋』もあります。ただ、その技法を使うのは主人公の年齢設定が、高校生までが限度でしょう。大学生の恋愛としては、文章が幼すぎます。
 それと効果音(擬態語)は多用しなければ使ってもいいと思いますが、<ドキドキ><ポンポン><ドクン>だと、あまりにも一般的です。もっとオリジナリティのある音に変えてみるのもいいじゃないでしょうか? 例え読み手に伝わらなくても、自分で考えた音を使った方が加賀さんも、より作品に愛着を持てると思いますよ。極端な話、心臓が高鳴る音に『グットン』『ボッコン』『デッパリ、ドップリ』『キョー』と使うのも、僕の中ではアリです(僕だけか?)。
 
 後は、会話が最後まで慣れなかった点です。恐らく『果実の旋律』を書く前に考えたのでしょうけれど「運命って信じます?」や<サビシイ…です>といった科白に違和感を覚えました。どうしても文中で浮いてしまっているような気がします。あまり親しくない、恋心を持った人に対して「運命って信じます?」という科白を言うのでしょうか? これは、僕の中では少し恋愛に慣れた人、もしくは、互いの距離が縮まった時に言う……いや、漏らしてしまう言葉だと思います。
 それと<サビシイ…です>という科白。ぼくの好き嫌いもありますが、小説で喜怒哀楽をそのまま書くのは、惜しい気がします。しぐさ、風景の描写、比喩でいかに登場人物の心情を伝えるかが書き手のテクニックではないのでしょうか。でも、まぁ、最近読んだ小説も「嬉しかった」という単語を連発していたから、これはそれ程気にすることではないのでしょうね。

……と、まぁ、厳しい批評になってしまいましたが、この作品は初めて書いた小説にしては優れていると思います。読みやすいし、可愛らしいし。そして何よりも印象に残った点は<バイクが大好きだった>という最初の一文です。「どうして過去形?」という疑問は置いといて……小説を書き出す際に、何人かの書き手は読者の注意を惹きつけようと色々と試行錯誤して、会話文や意味不明な文章でスタートしてしまうことがあります。ですが、これはオーソドックスな短文から始まっていて、すんなり文章に入り込むことが出来ました。
 初めて書いた作品ということで、これからの成長に期待しています。加賀さんは書き続ければ、かなりの実力が付くと思います。いや、本当に。
 
 最後に補足。城所さんの「・・・。」を「・・・」に変える指摘は、直さなくてはならないモノではないと思います。会話文で「・・・。」を使っている作家もいますし。ほら、あの芥川賞をとった女性は「・・・。」の手法です。もしプロの書き手になって編集者に指摘されるまでは、好きな手法でいいと思いますよ。


菊池佳奈子 批評7/少女漫画 2004年10月06日(水)17時32分22秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

「果実の旋律」というタイトルのように、流れるような文章。
そして少女漫画のようなお話。
そういった印象をうけました。

文体がとても素直でキレイなのだと思います。まさに旋律。
そして物語もキレイ。
主人公の純粋さも鼻につくまでこてこてではなく、思わず肩入れしてしまうような印象を私はうけました。
寂しいと、涙を流すあたりかなり素直です。
しかしながら物語の流れが非常に断片的。
例えば物語の冒頭、時間軸が一瞬掴みづらく、ちょっと立ち止まってしまいました。
そこから始まり相手の「彼」とのエピソードが少なすぎるかなと思います。
もっと具体的に「私」の気持ちの揺れや、恋心の不安定さを盛り込んで欲しかったかなと思います。
そうしたらもっと「私」に感情移入できると思います。

文体、感情の表現の仕方、ひとつひとつの細やかに書き上げること。とても素直で綺麗で入ってきやすい。私は加賀さんのこの作品にとても好感をもてます。
でも綺麗過ぎてあっさりとしすぎている。
どこか私たちの世代が小学生の頃読んでいた少女漫画のような、乙女ちっくな空想的なものを感じます。
人間くささがないというか、リアルな感触がないというか。
そこが物足りなかったです。

もっともっと作品を書くことで、どんどんうまくなると思います。
頑張ってください。

滝 夏海 批評7/女の子モード 2004年10月06日(水)17時48分43秒
▼課題と連絡:批評課題7/加賀麻東加「果実の旋律」批評 への応答

 可愛らしい作品だと思います。途中で照れくさくなって、頬を押さえながら読んでました。とっても女の子。バイクの後ろに乗る時、座る場所や手をかける場所を尋ねては「ここ」と返されるシーンが好きです。私も乗りたい。

 ただ、その内容を話の流れ方やリズムが切ってしまっていて、画質の荒い印象になってしまいます。一文を短くしてみたり、切る場所を変えてみたりといろいろ試してみる事で、自分なりのテンポというものが見えてくるのではないでしょうか。
 折角の一人称なので、もっと女の子の口調で語ってみる、という手もあります。「誰?自閉症の人?いや、スタッフの人だ。」の部分のように、主人公が思った事をぽんぽんぽんと入れると、また違ったリズムが生まれます。やりすぎると逆にだらけますが。

 描写や説明に関してですが、二人の距離が見えにくかったので、測る為の要素が何かもう少し欲しくなります。
 例えば会話。会ってから仲良くなるまでの何気ない日常会話でも、これまでの別れの挨拶でも、なんでも良いんです。地の文に台詞が埋め込まれている部分がありますが、それを掘り起こしてテンポのある会話にするだけでも、変わると思います。

 表面的な事では気になったものが一つ。文の頭の一文字空けです。ネット小説やらなんやらで、これまでの基本事項が壊され新しくなっていく時代なので、ルール云々とは言いません。でも加賀さんのように、一文というか一段落というか、この批評で言えば「可愛らしい〜乗りたい。」のような一つのまとまりが長いタイプの小説は、やはり頭は一文字空けた方が読みやすいと思います。
 視覚的な事なので「私は空けないでいきます」という拘りがあれば、別ですが。現に、ネットで活動している方で「空けたら書けなくなった」という方がいましたから。

管理者:Ryo Michico <mail@ryomichico.net>
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